8月も終わろうとしているのに、大変な暑さです。特に都心では、こんなにも猛暑日が続くと、一刻も早くアスファルトの照り返しから逃げたいと感じる日々ですよね。

夏休みも最終盤ですが、都心を離れて大自然の高原リゾートに行って、ゆっくり、のんびりしたいものです。都心から離れた避暑地で、清涼な風を感じながら優雅に過ごすひととき……想像しただけでもう最高!そんなシーンにぴったりなクラシックBGMを紹介します。



「やさしいクラシック」チャンネルを知るためのレファレンス
やさしいクラシック(USEN MUSIC GUIDE)

コンセプトは「万人にやさしいクラシック」。USENの大定番クラシックBGMです。小編成の室内楽作品を中心とした心地よいテンポ感のクラシックをお送りしています。クラシック音楽ならではの品格や優雅な雰囲気が演出できるので、高級リゾートやホテルなどのBGMとしてもおすすめです。



▼有名なメロディーで知られるシューベルトの「ピアノ五重奏曲 イ長調 D.677」の第4楽章。シューベルト自身の作曲による歌曲「鱒」の旋律を変奏曲に編曲したものがこちらのピアノ五重奏曲版です。20世紀の巨匠ジェイムス・レヴァインのピアノと、ヴァイオリンのゲルハルト・ヘッツェルをはじめとするウィーン・フィル&ベルリン・フィルのメンバーとの共演による演奏は、歌心溢れて抒情的。今でも本当に色褪せません。有名な4楽章と一緒に、第2楽章も湖畔で聴きたいですね。





▼ボヘミアの農家出身でウィーン古典派の作曲家のひとり、ヨハン・バプティスト・ヴァンハルの「弦楽四重奏曲 変ホ長調 《ホフマイスタ―第2番》」から第3楽章。古典派作品らしい優雅さにあふれた1曲。ハイドンやモーツァルトと同じ時代の作曲家、1000曲を超える作品を作曲して当時は人気を博していたヴァンハルですが、現在はあまり知られていないのが悲しいところですが、USENではたくさん流れていますよ!演奏はヨーロッパで幅広く活躍する日本のクワルテット・ロータス弦楽四重奏団。作品の魅力を存分に引き出す美しい演奏です。



▼コテージでゆったりと。クララ・シューマンの「ピアノとヴァイオリンによる3つのロマンス Op.22」より第1曲をフランスの名手たちの演奏でいかがでしょうか。こちらは作曲家ロベルト・シューマンの妻であり名ピアニストだったクララが、友人のヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムに献呈した作品。“ヴァイオリンが主役でピアノは伴奏”ではなくて、それぞれが対話するように甘美な旋律が歌われます。フィリップ・グラファンによる優しくも華やかなヴァイオリンと、包み込むような風格と品のある音色のクレール・デゼールのピアノが特別な時間を提供してくれることでしょう。



▼ラヴェルの作品の中でも非常に高度なピアノ技巧を要求される難曲とされている「水の戯れ」。タイトル通り、水が噴き上がり、きらめき、流れ落ちる様子、水面が光を反射してきらめく様が、ピアノの音色で鮮やかに描写されています。ラヴェルがパリ音楽院在学中に作曲した作品で、当時はロマン派の音楽が主流だったため先進的な「水の戯れ」は理解されませんでした。しかし、後にその芸術的価値が広く認められるようになりました。



「クラシック(デイ)」チャンネルを知るためのレファレンス
クラシック(デイ)(USEN MUSIC GUIDE)

ランチ~ティータイムを明るく華やかに彩るクラシック作品をセレクト。軽やかさの中に落ち着きを感じられるような、ミドルテンポの弦楽作品を中心にお届けしています。柔らかく温かみのある演奏の数々は、日々の喧騒を忘れさせてくれる優雅な空間にぴったり。地域の美味しいものを頂きながら、こちらをBGMとともにゆったりとした時間をお過ごしください。

▼やっぱりモーツァルトははずせない。でもありきたりな演奏はつまらないので、信頼を寄せるALPHAレーベルからリリースされている若手の秀逸な演奏を。モーツァルトの「弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K.387」から第1楽章。2012年にパリで結成されたヴァン・カイック四重奏団によるこちらのモーツァルト演奏は、彼らならではの解釈を交えながら、作品をより立体的に構築して新しい魅力を引き出しています。スタイリッシュな空間に馴染む飽きないモーツァルトです。



▼木管を含む室内楽も自然の中に調和しますよね。こちらはウィーン古典派、フランツ・アントン・ホフマイスターの「6つのフルート四重奏曲 Op.18 第4番 ヘ長調」より第1楽章。全6曲で構成されたフルート四重奏曲ですが、長調で書かれた明るく爽やかな雰囲気の作品が多く、いずれもリゾートのランチタイムにぴったりです。演奏はベルリン・フィルのメンバーによるもの。フルートのアンドレアス・ブラウは1969年、弱冠20歳でベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者に就任、2015年まで務めた名フルート奏者です。



▼雅やかなピアノ・トリオ演奏も聴きたいところ。こちらはベートーヴェンの「ピアノ三重奏曲 第6番 変ホ長調 Op.70-2」より第1楽章。演奏するトリオ・ヴァンダラーは、“テレパシーのようなコミュニケーションに支えられたアンサンブル力”と評される、世界有数の室内楽アンサンブルのひとつ。ピアノ、ヴァイオリン、チェロそれぞれの息遣いと掛け合いが織り成す完璧な演奏が、空間にノーブルな色合いを添えてくれるはずです。




and more!「クラシック(モーニング)」チャンネルを知るためのレファレンス
クラシック(モーニング)(USEN MUSIC GUIDE)

優雅なモーニングタイムによく似合うクラシック作品をラインナップ。柔らかい響きのギターやリュート、クリアで瑞々しいピアノの音色などを集めて、清々しく心地よい朝の風をお届けしています。鳥のさえずりやセミの鳴き声に自然を感じながら、そっとこちらのBGMをMIX。平日には考えられないような、贅沢な朝時間を過ごしましょう。自然×撥弦楽器の組み合わせ、オススメです。



▼「ああ、なんて癒しの音なんだ」とリュートの魅力に気づいたきっかけになった1曲。名手ヤコブ・リンドベルイによるヴァイスの「リュート組曲 イ長調」から第2曲アルマンドです。600以上ものリュートの作品を遺したシルヴィウス・レオポルト・ヴァイス。ドイツ後期バロック時代の作曲家であると同時に、生前はリュート奏者の名手として有名でした。当時の人気も納得できるような旋律と音色!USENでもこんな素敵な楽曲をたくさんお届けしたいと考え、結果行きついたのが「クラシック(モーニング)」チャンネルの誕生という、ちょっとした裏話。



▼やっぱりギターのバッハ演奏は欠かせない。こちらはケヴィン・R・ギャラガーによるバッハの「前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV.998」から前奏曲です。この作品は元々リュートかチェンバロのために書かれたもの。親交のあったヴァイスの影響もあってこの作品が書かれたともいわれています。USENではこの作品の他にも、「無伴奏チェロ組曲」や「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ」など、原曲以上にBGMとして聴きやすいギター編曲版をお届けしています。



▼朝に聴きたい瑞々しいピアノ。今を代表する&国内外で大人気を誇る名ピアニスト、アレクサンドル・タローのフランソワ・クープラン作品集より「シテール島の鐘」です。チェンバロのために書かれたこちらの作品ですが、チェンバロで聴くのとモダンピアノで聴くのとでは印象がまるで違います。なおさらタローの演奏で聴くとより洗練された印象に。鐘の音を模した軽やかな音色がどことなく涼を感じます。



NEW!「夏の終わりのクラシック」チャンネルを知るためのレファレンス
夏の終わりのクラシック(USEN MUSIC GUIDE)

ひぐらしの鳴き声がきこえる頃。どことなく秋の気配を感じつつ、でもやっぱり“夏がまだ名残惜しい……”そんなあなたに聴いていただきたい、この時季にお勧めのクラシックをお届けします。ラインナップの中心は、ジェラルド・フィンジ、ヴォーン・ウィリアムズ、ジョン・ラターといった、イギリス生まれのクラシック作品。まるで“ジブリの世界”と形容するような、山や緑に囲まれた自然豊かな景色にぴったりな音楽です。夏休みの絵日記を見返すように、メロディアスでちょっぴりノスタルジックな、エモいクラシックの世界を覗いてみてください。



▼イギリス音楽ファンのみならず、このメロディーに心打たない者はない!と言い切れるくらい、詩的で情感豊かな美しい作品。20世紀の作曲家ジェラルド・フィンジの「ピアノと弦楽のためのエクローグOp.10」です。当初はピアノ協奏曲の緩徐楽章として書かれたそうですが、単独の作品として世に出されました。USENではレーベルも一押しのピーター・ドノホーのピアノとノーザン・シンフォニアの演奏でお送りします。



▼この夏、楽しく過ごした思い出を回想しながら。英国の現代作曲家で、国内外共に人気の高いジョン・ラターの管弦楽作品をご紹介します。こちらは「リリーク組曲」より第4番ワルツ。ウェールズ生まれのハーピスト、カトリン・フィンチの心躍るハープとラターの指揮、イギリスの若手音楽グループ、シンフォニア・カムリの演奏でお聴きください。



▼近代英国音楽の父と評されたシリル・スコットのピアノ作品もおススメです。演奏するニーノ・グヴェタッゼはグルジア生まれでアムステルダムを拠点に活躍するピアニスト。印象派風の洒脱で流麗な旋律を見事に演奏しています。木々を吹き抜ける風と相まれば、涼を感じそうな瑞々しい音色ですね。木陰でちょっと一休みしたい子守唄をどうぞ。


(おわり)

文/大森有花(USEN)



大森有花(おおもり ゆか)PROFILE

株式会社USEN 制作1部所属。クラシックをメインに、各チャンネルの選曲、ディレクションを担当。写真は、母のピアノに合わせて祖父と歌う幼少時代の私。今も昔も、音楽とチョコはかかせません。

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