クラシック音楽と聞くと、ちょっと難しそう……と感じるかもしれません。でも大丈夫! 実は、誰もが一度は耳にしたことがあるような美しいメロディーや、心揺さぶる壮大なオーケストラの響きなど、クラシック音楽には魅力的な音楽がたくさんあります。

そんな魅力あふれるクラシック音楽を「バロック音楽」、「古典派音楽」、「ロマン派音楽」、「近現代音楽」の4つの時代に分けて紹介していきます。それぞれの時代の作曲家や代表曲、音楽の特徴を知れば、夏休みが終わる頃には、お気に入りの音楽がきっと見つかるはずです。夏休みを利用して、クラシック音楽の奥深い世界を探求してみましょう! 

第1回はバロック音楽です。バロック音楽とは、およそ1600年から1750年頃にかけてヨーロッパで栄えた音楽のスタイルを指します。バッハやヴィヴァルディなどの巨匠たちが活躍した時代でもあります。バロックという言葉は、元々歪んだ真珠という意味があり、複雑で豪華な様式を指しています。この時代の美術や建築がバロック様式と呼ばれるように、音楽もまた、壮大で劇的、そして華やかな表現がされるようになり、それまでの音楽よりも感情豊かで、聴く人を惹きつける力を持っています。例えば、オペラという歌と芝居が融合した新しいジャンルが生まれたのもこの時代です。登場人物の感情を音楽で表現するために、歌手は様々な技巧を凝らしました。この時代の音楽は、はっきりとしたリズムと複数のメロディーが絡み合う複雑な造りになっていますが、堅苦しいものではなく、聴けば聴くほどその奥深さや美しさに気づかされるでしょう。荘厳な教会音楽から、軽快な舞曲、情熱的なオペラのアリアまで、多種多様な楽曲が生み出され、聴く人の耳を楽しませてくれます。バロック音楽を聴くことは、ヨーロッパの豊かな歴史と文化に触れる貴重な体験となるはずです。



「バロック」チャンネルを知るためのレファレンス
バロック(USEN MUSIC GUIDE)

J.S.バッハやヴィヴァルディなど、およそ17世紀初頭から18世紀半頃の間に書かれたバロック作品を集めました。明るく華やかに響くオーケストラ作品から、穏やかで雅やかな世界が広がる室内楽/器楽作品まで、幅広いラインナップでお届けしています。

G. F. Handel Concerto for harp, lute, lyrichord and other instruments, op.IV, Nr.6, HWV 294
煌びやか。ヘンデルの「オルガン協奏曲 Op.4-6 HWV.294」より第3楽章を、古楽ハーピスト、マルグレート・ケールのトリプルハープと管弦楽版で。



Sonata da camera in E-Flat Major: I. Andante con stilo di recitativo

ドイツ・バロック時代の作曲家ゴットリープ・ヤニチュの「4声の室内楽ソナタ 変ホ長調 第1楽章」。知られざる作品の魅力を伝える古楽器アンサンブル、エポカ・バロッカの流麗な演奏。



Quatrieme livre de quatuors, Sonate II in F Major, TWV 43:F1: I. Adagio

ゲオルク・フィリップ・テレマンの「ソナタ第2番 ヘ長調 TWV43:F1」から第1楽章。チェンバロ奏者ジャン・ロンドーをはじめとする実力派古楽アンサンブル・ネヴァーマインドの演奏で。



「バッハ」チャンネルを知るためのレファレンス
バッハ(USEN MUSIC GUIDE)

ヨハン・セバスティアン・バッハの作品が楽しめる専門チャンネル。バッハはバロック音楽の集大成とも言える作曲家で、教会音楽、器楽曲、鍵盤音楽など、あらゆるジャンルで傑作を残した、バロック音楽を語る上では欠かせない作曲家の一人です。そんなバッハの作品の中から、オーケストラの演奏による華やかな管弦楽作品やチェンバロ伴奏が優雅な室内楽、モダン楽器によるピアノ作品まで、BGM性の高い楽曲をセレクトしてお送りしています。

Photo by Elias Gottlob Haussmann, Public domain, via Wikimedia Commons(public domain)



 Johann Sebastien Bach | The complete cello suites | Jean-Guihen Queyras

誰もが知るメロディ、そしてチェリストにとっては聖書ともいわれるバッハの「無伴奏チェロ組曲」から、ジャン=ギアン・ケラスの演奏で第1番のプレリュード。



Brandenburg Concerto No. 1 in F Major, BWV 1046: I. [Ohne Satzbezeichnung]
バッハの代表的な管弦楽作品のひとつ。「ブランデンブルク協奏曲 第3番 ト長調 BWV.1048」より第1楽章。ベルリン古楽アカデミーとイザベル・ファウスト(ヴァイオリン)とアントワン・タメスティ(ヴィオラ)の豪華な共演で。



J.S. Bach: ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ハ短調 BWV1060R: 第2楽章: Adagio
ほのかな哀愁とロマンティックな旋律の「ヴァイオリン、オーボエ、弦楽と通奏低音のための二重協奏曲 ハ短調 BWV.1060R」の第2楽章。演奏はフランソワ・ルルー(オーボエ)&リサ・ヴァティアシュヴィリ(ヴァイオリン)夫妻の息の合った共演。




「ヴィヴァルディ」チャンネルを知るためのレファレンス
ヴィヴァルディ(USEN MUSIC GUIDE)

イタリア・バロック音楽の代表的な作曲家である、アントニオ・ヴィヴァルディの作品が楽しめる専門チャンネル。協奏曲やオペラなど多岐にわたる作品を作曲し、ヴァイオリンの技巧を駆使した革新的な音楽で、バロック音楽の発展に大きく貢献しました。イタリアらしい明朗で爽やかな音調の作品の数々は、華やかさと上品さ双方の雰囲気を演出します。声楽作品を除く全作品の中から、ミドル~アップテンポの明るくて聴きやすい作品を集めてお送りしています。

Francçois Morellon la Cave, Public domain, via Wikimedia Commons



Avi Avital - Vivaldi: Mandolin Concerto In C Major (Live) 
ヴィヴァルディの協奏曲の中でも特に人気の高い「マンドリン協奏曲 ハ長調 RV.425」。マンドリンの爽やかで輝かしい音色が心地よく、夏の暑さを忘れさせてくれます。



Concerto for 2 Mandolins in G Major, RV 532: I. Allegro

こちらも夏にぴったりの「2つのマンドリンのための協奏曲 ト長調 RV.532」から第1楽章。ヴィヴァルディの特徴である、明快な構成と美しい旋律が存分に発揮されています。



 ヴィヴァルディ: 「四季」より春:第3楽章 [ナクソス・クラシック・キュレーション #ロマンチック] 

ヴィヴァルディの作品の中でも特に有名な「春」の第3楽章。この第3楽章では、陽気なバグパイプにニンフ(要請)と羊飼いが明るい春の空の下で踊る情景が表現されています。



「夏休みCLASSIC入門!バロック音楽編」、いかがでしたか?USEN MUSICではこんなふうにバロック音楽を楽しむことが出来る番組がいくつもあります。ぜひ一度その華麗なる響きに耳を傾けてみてください。

(おわり)

文/北村魁知(USEN)

北村魁知(きたむら かいち)PROFILE

株式会社USEN 制作1部所属。クラシックを中心に、各チャンネルの選曲、ディレクションを担当。趣味はランニングとサイクリング。体を動かして汗を流した後にクラシック音楽に浸るのが最高の癒やし。

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