──2025年の3月に約6年ぶりとなるアルバム『Chamomile』をリリースされましたが、改めて、どんな作品になったと思いますか?
「アルバム『Chamomile』には、この6年で感じたことが濃縮されているので、これまでにない自分のネガティブなことや苦しいことなども要素として詰まっています。でも、それもリアルですし、“そういう所があるからこそ、笑顔でいられるよ、明るい自分でもいられるよ“ということを伝えられる作品になったと思っています。ただポジティブなだけのLeolaではなく、”傷ついたり、悔しさを感じたりしながらも、ちゃんと今、笑っているよ”ということを言えた、自分らしいアルバムになりました」
──しかも、この6年で世界はいろいろ変化しましたよね。音楽に対しても大きな心境の変化があったのでは?と思うのですが、いかがですか?
「もし、コロナ禍がなかったとしても、今のようになっていたかもしれないと思った時に、“そう簡単に目標って叶わないんだな”って実感しました。でも、それと同時にもっと大切なことにも気づいたんです。それは、今、傍にいてくださるファンのみなさんを確実に楽しませたり、幸せにしたり、行けるところに行けるときは自分の足でしっかりと向かい、伝えたいことをきちんと伝えることをコツコツと続けていけば、達成できることがあるってことです。自分がなりたい自分になれるんじゃないかな?って長い目で見られるようになりました」
──それは、デビュー時には思えていなかったことですか?
「そうですね。デビュー当時は、“数年後はこうなっている”、“こうなっていなくちゃいけない”ということを思い込んでいましたし、それが達成できなかったら“ダメだ…”と感じていました。でも、人生はすごく長いですし、なにより私はおばあちゃんになっても歌っていたいと思っていて。そのためには、コツコツと続けること…1日でも長く続けられるだけ歌うことを大事にしていると、“それが私の人生なんだ”と思えたんです」
──それはとても大きな変化ですよね。
「そうですね。それに、あまり焦らなくなりました」
──年齢的にも、いろいろ考える時期だと思いますが、だからこそ自分の成長を感じた時間だったのかもしれないですね。
「本当にそう思います。プライベートでも大きく物事をとらえられるようになった気がしています」
──そうなると、歌い方や届け方も変わってくると思うのですが、いかがですか?
「以前は“こうじゃなくちゃいけない”と思い込む事が多かったんです。でも、最近は芯がしっかりと通っていれば、どんな所で歌うのも正解ですし、楽曲の制作も、そのマインドがあるからこそラフに考えらえるようになりました」
──素敵ですね。
──そんな楽曲を届けていく、6年ぶりのツアー『Leola CAFE LIVE TOUR 2025-2026 "Little Chamomile"』が開催されます。Leolaさん自身もかなり楽しみにしていたことではないでしょうか。
「本当に、本当に楽しみです! やっと一昨年くらいからワンマンライブが出来るようになってきて、いまは年に1度ほど開催させていただいているんですが、どうしても関東圏になってしまうんです。だから、地方の方からは“ツアーはいつですか?”という声を頂いていました。それはすごく嬉しい言葉ですし、“決まったら来てくれるのかな?”とワクワクしていて。だからこそ、今回のツアーでは今まで行ったことのない場所もたくさんあります。そこで、“待っていてくださっている方がいたんだな”と確かめられる旅になればいいなと思っています」
──たしかに、北海道、静岡、愛知、兵庫、京都、広島、福岡、そして地元の熊本と、ツアーでは珍しい選び方のような気がします。
「そうですよね。今回はなるべくお客さんとの距離が近く、椅子に座ってしっかりと私の歌を聴いてもらえるような場所にしたかったんです。なので、自分でいろいろと調べて、選んでいきました」
──もともと歌いたいライブハウスなどはチェックしているんですか?
「はい。ミュージシャン仲間とSNSで繋がっているので、その仲間のライブ写真を見たり、話を聞いたりして、紹介してもらったりしていました」
──今回、特に行きたかった場所を教えて下さい。
「熊本のOLD SOULというライブハウスは、去年オープンしたばかりの場所です。私自身、ここにご飯を食べに行くのも好きですし、併設されているお花屋さんや雑貨屋さんもすごく可愛いんです。オーナーさんも音楽が大好きで、レコードがたくさん並んでいます。もともと倉庫だった場所を改装して作っているオシャレな箱で、地元ということもあって、“いつかライブがしたい”と思っていました。その願いが今回叶うことになったので、すごく嬉しいです」
──しかも、2016年にメジャーデビューしてから来年は10周年。そのカウントダウンにもなるので、どんな曲が聴けるのかすごくワクワクしています。
「そう思ってもらえるとすごく嬉しいです。今、セットリストを決めている最中なんですが、聴いてほしい曲、やりたい楽曲、みなさんが聴きたいだろうと思う曲がかなり多くて、選ぶのがすごく大変です。でも、新旧織り交ぜて、いろんな曲を聴いてもらいたいです」
──今、改めててデビュー当時の曲をアコースティックで歌うときに、どんなことを想いますか?
「デビュー当時は、弾き語りにあまり自信がなかったんです。1人でステージに立つことに、自信がなくて。でも、ようやく、ひとりでも胸を張って歌えるようになってきました。弾き語りって、正解がないからこそ、その日、その場所でしか生まれない音があって。なので、その場の空気で曲の尺を変えたり、弾き方を変えたりといろんな挑戦もできますし、そうやって“臨機応変にしていいんだ”と思えるようになったのも最近なので、すごく自由に歌えるようになりました」
──1つだけ、少し気になっているんですが、今回のツアーには、関東圏の開催がないですよね…?
「気づきましたか!?」
──はい(笑)。
ファンのみなさんも“関東圏がないぞ”とざわざわしていて(笑)。でもここ数年、ワンマンは関東でやっていたこともありますし…という言い訳は置いておいて、まずは、いろんなところに旅行するつもりで楽しんでもらえたら嬉しいです。あと、今言えるのは、“少しだけお待ちください”ということです(笑)」
──あはは。待っていますね。そしてツアーが進むにつれて、伝えたいこともまた増えていくのかなと思うのですが、今はどんなツアーにしたいと思っていますか?
「今ある楽曲のアレンジをまず、すごく大事に考えています。まずは“このツアーに来たから、このバージョンで聴くことができた”という体験をしていただければいいなと思っていますし、2026年はデビュー10周年なので、“この先、どうしていきたいか“というところが見せられるツアーにしたいと思っています」
(おわり)
取材・文/吉田可奈
写真/野﨑 慧嗣
LIVE INFORMATION

Leola CAFE LIVE TOUR 2025-2026 "Little Chamomile"
2025年11月16日(日) 北海道 musica hall café
2025年12月13日(土) 静岡 LIVING ROOM
2025年12月14日(日) 愛知 ミカツキ imaike square
2026年1月10日(土) 兵庫 Livehouse CASHBOX
2026年1月11日(日) 京都 someno kyoto
2026年1月25日(日) 広島 Live Juke
2026年2月7日(土) 福岡 カフェ ド シャモニ
2026年2月21日(土) 熊本 OLD SOUL








