いい歌でありさえすれば必ずヒットする。

これが歌の本来あるべき姿です。しかし、現実は強力なタイアップが付いていなければ売れない時代です。いかがなものか?と思います。この風潮に私はあえてアンチテーゼを投げかけたい。いい歌は売れるべきだし、たくさんの人たちに聴いてもらいたい。そんな“音楽愛”が私のポリシーです。

 「こんないい歌、聴かなきゃ損!」

音楽評論家の富澤一誠です。いい歌、いいアーティストを見つけて紹介するのが私の仕事です。

「演歌・歌謡曲」でもない。「Jポップ」でもない。良質な大人の歌を「Age Free Music」と名づけて私は推奨していますが、今回ご紹介する「Age Free Music」アーティストは城南海さんです。

彼女は「カバーの女王」「シマウタの達人」と異名を取る実力派オンリーワン・アーティストです。そんな城さんの魅力についてせまってみようと思います。

ということで、今回のゲストは城南海さんです。

なぜ彼女の歌は瞬時にしてたくさんの人たちのハートを鷲づかみにしてしまうのか?

この〈音声版〉を聴く前にぜひ読んでおいていただきたい私のコラムがあります。

城南海さんは〈「いい曲」を「いい歌」に昇華する名人〉です。なぜ彼女の歌は瞬時にしてたくさんの人たちのハートを鷲づかみにしてしまうのか? その魅力を探るポイントが書いてあるからです。

手前みそではありますが、それを知ってから〈音声版〉を聴いていただいた方が彼女の歌力の魅力がわかってもらえるのではないでしょうか。

いずれも私が「ステレオ」誌に書いたアルバム評です。


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■サクラナガシ/城南海

 奄美大島では散った緋寒桜の花びらを流す2月頃に降る雨を〈サクラナガシ〉と言う。想いを込めた歌を花びらにたとえ、たくさんの人たちに伝えたいという彼女の意志から名づけられたタイトルだ。これは彼女にとって初めてのカバーだがカバーを超えてオリジナルになっている。なぜか? 彼女の最大の魅力である「グイン」(奄美に伝わる独特のこぶしを利かせた歌唱法)を効果的に使うことによって、原曲の良さを損なわずに、そこに自分の個性をプラスすることに成功しているからだ。「グイン」と安定感のある歌声。これが彼女の武器である。


■爛漫/城南海

 城南海のデビュー15周年記念アルバム『爛漫』が発表された。昨年レーベルを移籍し「柔らかな檻」「あなたへ」「愛の名前」と“愛の3部作”が配信リリースされたことも記憶に新しいが、この3曲は本作でも重要な曲として存在感を放っている。特に本編ラストナンバーの「愛の名前」はシンプルだが普遍的で深い歌詞に、城と旧知の仲である島袋優(BEGIN)が味わい深いメロディを紡いで、いい曲に仕上げている。さらにこの“いい曲”を“いい歌”に昇華させる城南海。新たなスタンダードナンバーの誕生と言っていい。


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<音声版>富澤一誠のこんないい歌、聴かなきゃ損! 第42回 城南海さん

城南海「ウタアシビ」2026年1月21日リリース

宮沢和史作詞・作曲の新しい奄美大島のシマ唄とも言える「きょら島 ~うつくしい島~」を奄美大島の唄者・前山真吾の唄とアレンジのもと収録。「きょら島 ~うつくしい島~」とともに初めて奄美大島の民謡・シマ唄も収録し、レコーディングは奄美大島で行われた。また、「ヨイスラ」は早朝の奄美の森や海岸でアカペラで収録され、鳥の声や海の音も楽しめる楽曲となっている。

ジャケット写真は奄美大島の大和村・国直海岸で撮影された、城 南海のルーツである奄美の自然、奄美の空気が集約された作品。


2026年1月21日リリース
「ウタアシビ」
TECL-1011 ¥3,300(税込)

収録楽曲
1. 唄ぬ始まり
2. ハナハナ!
3. きょら島 〜うつくしい島〜
4. 息吹
5. おかえり
6. ウタアシビ
7. HOKORASHA (feat. Ngaiire)
8. 月の庭
9. 豊年節
10. ヨイスラ

11.きょら島 〜うつくしい島〜( feat. 前山真吾)

テイチクオンライン限定盤
アルバムCD+グッズ(キーチェーン付きアクリルスマホスタンド)

TEL-11 ¥5,000(税込)

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富澤一誠

1951年、長野県須坂市生まれ。70年、東大文Ⅲ入学。71年、在学中に音楽雑誌への投稿を機に音楽評論家として活動開始し、Jポップ専門の評論家として55年のキャリアをもつ。レコード大賞審査員、同アルバム賞委員長、同常任実行委員、日本作詩大賞審査委員長を歴任し、現在日本レコード大賞審査委員長。また尚美学園大学副学長を経て同大名誉教授&客員教授なども務めている。「わかり易いキャッチコピーを駆使して音楽を語る音楽評論家」としてラジオ・パーソナリティー、テレビ・コメンテーターとしても活躍中。現在FM NACK5〈Age Free Music !〉(毎週木曜日24時から25時オンエア)、Inter FM〈富澤一誠のAge Free Music~大人の音楽〉(毎月最終月曜日20時から21時オンエア)パーソナリティー。BS日テレ 〈そのとき、歌は流れた〉 (毎月第2・第3木曜日20時から22時オンエア)  コメンテーター。また「松山千春・さすらいの青春」「さだまさし・終りなき夢」「俺の井上陽水」「フォーク名曲事典300曲」「『こころの旅』を歌いながら」「私の青春四小節~音楽を熱く語る!」など著書多数。

俺が言う!by富澤一誠

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