Age Free Music 富澤一誠のこんないい歌、聴かなきゃ損！ 第40回 三浦和人さん

いい歌でありさえすれば必ずヒットする。

これが歌の本来あるべき姿です。しかし、現実は強力なタイアップが付いていなければ売れない時代です。いかがなものか？と思います。この風潮に私はあえてアンチテーゼを投げかけたい。いい歌は売れるべきだし、たくさんの人たちに聴いてもらいたい。そんな“音楽愛”が私のポリシーです。

　「こんないい歌、聴かなきゃ損！」

音楽評論家の富澤一誠です。いい歌、いいアーティストを見つけて紹介するのが私の仕事です。「演歌・歌謡曲」でもない。「Jポップ」でもない。良質な大人の歌を「Age Free Music」と名づけて私は推奨していますが、今回ご紹介する「Age Free Music」アーティストは三浦和人さんです。三浦さんはデビュー以来45周年を迎えましたが、改めて45周年にかける思いにせまってみたいと思います。

ということで、今回のゲストは三浦和人さんです。よろしくお願いします。

★三浦和人は人生の道標であり、三浦の歌は応援歌！

この〈音声版〉を聴く前にぜひ読んでおいていただきたいコラムがあります。私が毎日新聞夕刊（2025年10月15日付）に書いたCD評ですが、三浦さんの現在の立ち位置を知るために、またここまでたどり着くにあたっての重要なポイントを考えるうえでヒントになると思えるからです。

三浦さんが現在の立ち位置を得るためにどれだけ苦労したのか？ それは一朝一夕にしてなったものではありません。それは〈音声版〉を聴いてもらえばわかることですが、そのポイントを知っていた方が理解度は深まるはずです。そのためにぜひ聴く前に読んでいただきたいと思います。

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富澤一誠選

 

■三浦和人／風のひとりごと（レッグミュージック） 雅夢の「愛はかげろう」がヒットしたのは1980年のこと。早いものであれからもう45年という年月が流れた。最近、私が気になっているのは「着地」をどうするのか？ということ。人生のキャリアをスキーのジャンプにたとえるならば、ジャンプ台から思い切り飛んだのをデビューとするならば、その後は風をとらえて上手く飛んだこともあれば、逆に風にあおられて失速しそうになったこともある。なんとか持ちこたえて飛び続けて、そして今着地点が見えてきたあたりだろうか？だとしたら転ばないできれいに着地したいものだ。そんな状態が私たち世代、キャリアが40年以上あたりというところだろう。

　雅夢、そしてソロ・アーティスト・三浦和人と共に歩んできた同世代の人たちにとって三浦は人生の道標であり、彼の歌は応援歌と言っていい。その意味ではデビュー45周年記念アルバムは三浦にとって見えてきた「着地点」と言えるかもしれない。と同時にそれは三浦と共に歩んできた人たちにとっても自分なりの「着地点」かもしれない。ひとつひとつ着実に歩んできたその結果が凝縮された包容力豊かなアルバムである。

 

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＜音声版＞富澤一誠のこんないい歌、聴かなきゃ損！ 第40回 三浦和人さん