いい歌でありさえすれば必ずヒットする。
これが歌の本来あるべき姿です。しかし、現実は強力なタイアップが付いていなければ売れない時代です。いかがなものか?と思います。この風潮に私はあえてアンチテーゼを投げかけたい。いい歌は売れるべきだし、たくさんの人たちに聴いてもらいたい。そんな“音楽愛”が私のポリシーです。

 「こんないい歌、聴かなきゃ損!」

音楽評論家の富澤一誠です。いい歌、いいアーティストを見つけて紹介するのが私の仕事です。馬場俊英さんの歌は「最強の人生応援歌」と言っても過言ではありません。

彼の歌は自分で歌ってみると自分を鼓舞する応援歌になるし、逆に他(ひ)人(と)が歌っているのを聴くと応援したくなります。つまり、自分にも他(ひ)人(と)にも通用する最強の応援歌だということです。なぜそうなるのか? それは彼の人生というか、生きざまから生まれてきた歌だからではないでしょうか? だから共感を持てるのです。「ボーイズ・オン・ザ・ラン」「スタートライン」はその典型です。歌力がある最強の人生応援歌の魅力にせまってみたいと思います。

というわけで、「Age Free Music 富澤一誠のこんないい歌、聴かなきゃ損!」今回のゲストは馬場俊英さんです。

★目指すべき地平線は心の中にある

この〈音声版〉を聴く前に一言述べさせていただきたいことがあります。それは歌はこうあって欲しい、否、こうあるべきだという熱い思いが私にはあるということです。

歌を聴いて共感を覚える、とはいったいどういうことでしょうか? 私はこんなふうに考えています。

歌にしろ、映画にしろ、文学にしろ、私たちがそれを聴いたり、見たり、読んだりする場合は、その背後に、自分はその歌、映画、文学に後れをとっているという意識が常にあります。だからこそ、それらに触れることで、私たちは自分の後れを取り戻そうとするのです。ということは、換言すれば、歌や映画や文学が私たちの現実を超えているということです。現実を超えているからこそ、歌や映画や文学に内的リアリティーを私たちは感じるのです。歌が現実を超えるためには、歌を作るアーティストが、その日常生活における生きざまでも私たちの現実を超えていなければならない、ということでもあるのです。そのためには、アーティストは私たち以上にストイックな生活をし、洞察力を持たなければならないのです。

ところが、今では、“現実”の方が、“歌”をはるかに超えてしまっています。これではリアリティーは感じられないし、共感を覚えることもできません。いかがなものか? です。

歌は歌であって実は歌ではない、という時代がありました。もう40年以上も前の「フォークの時代」のことです。どういうことかというと、スタイルはあくまで歌だが、それを超えてしまう何かがあったということ。かつてフォークの時代は、歌とは、そういうものでした。歌にアーティストの生きざまそのものが反映され、聴き手である私たちは歌を聴いてアーティストの生きざまに共感を覚えたのです。

吉田拓郎、井上陽水、南こうせつなど、50年あまり前に彼らの歌に初めて触れたときの衝撃を今でも決して忘れてはいない。だが、あの頃の衝撃が今は感じられません。

なぜなのか? と思っていた矢先に馬場俊英さんの4曲入り「EP8-地平線」を聴きました。私たちフォーク&ニューミュージック世代は50代、60代、70代に突入しましたが、底に流れている心情はあの頃も現在もさほど変わってはいません。どうしたら自分らしく生きられるかということ。その中で悩み傷つき懸命に生きています。馬場さんはそんな思いを「地平線」に凝縮させています。

「変わっていく環境を受け入れ、変わっていく自分や価値観をゆっくりと認めよう。」
「新しい時間がまだまだ待っているよ。『目指すべき地平線は心の中にある』という内容です。」

馬場さんはそうセルフ・ライナーノーツで書いていますが、要は夢の原点を忘れることなく、今のやり方で夢に向かって頑張りましょう、というメッセージです。

「目指すべき地平線は心の中にある」という馬場さんのメッセージですが、あなたは馬場さんのメッセージをどう受け止めますか? そんなふうに考えてこのインタビューを聴いてもらえれば幸いです。

あなたの地平線はどこにあるでしょうか?

<音声版>富澤一誠のこんないい歌、聴かなきゃ損! 第35回 馬場俊英さん

馬場俊英/地平線 配信中


馬場俊英の30周年記念ソング 通算43枚目のシングル作品
活動を共に歩んだファンや暮らしの節目を迎える者たちへのメッセージソング。




デジタル配信はこちら

馬場俊英/EP8-地平線 発売中


品番:UOTR-00025

仕様:CD1枚(8Pブックレット付き)

価格:3,000円(税込)

01.地平線
02.君が気になって
03.ホームシアター
04.今夜、ラジオで
05.地平線(Original Karaoke)
06.君が気になって(Original Karaoke)
07. ホームシアター (Original Karaoke)
08. 今夜、ラジオで(Original Karaoke)

馬場俊英が活動30周年に放つ待望のニューEP!

デジタル配信はこちら

30周年記念BAND TOUR「CLIMAX BAND LIVE」開催決定!


<東京公演> 日時:2025年6月28日(土)  開場 17:00 開演 17:30
会場:ヒューリックホール東京 料金:7500円(税込)
出演:馬場俊英 / Keyboards 神佐澄人 / Guitar 馬場一嘉 / Bass 柳原旭 / Drums 菊嶋亮一 / Saxophone 山本公樹
発売日:2025/5/24(土) 主催:NACK 5
問い合わせ:キョードー東京0570-550-799 平日11時〜18時・土日祝10時〜18時

<大阪公演> 日時:2025年7月12日(土) 開場 16:45 開演 17:30
会場:NHK大阪ホール 料金:7500円(税込) 
出演:馬場俊英 / Keyboards 神佐澄人 / Guitar 馬場一嘉 / Bass 柳原旭 / Drums 菊嶋亮一 / Saxophone 山本公樹
発売日:2025/5/24(土) 主催:FM COCOLO
問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888 11:0018:00(日・祝日休業)

<大阪公演> 日時:2025年7月13日(日)  開場 14:45 開演 15:30
会場:NHK大阪ホール 料金:7500円(税込) 
出演:馬場俊英 / Keyboards 神佐澄人 / Guitar 馬場一嘉 / Bass 柳原旭 / Drums 菊嶋亮一 / Saxophone 山本公樹
発売日:2025/5/24(土) 主催:FM COCOLO
問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888 11:0018:00(日・祝日休業)

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馬場俊英プロフィール


シンガーソングライター。

1996年にメジャーデビュー。これまでに16枚のアルバムをリリース。
ストーリー性の高い歌詞とそこに登場する人物像を生き生きと描写しメッセージを投げかける楽曲は幅広い世代に支持を得ている。
2007年にはNHK紅白歌合戦に出場し「スタートライン~新しい風」を歌唱。
毎年数多くのツアーを行いながら多くの人の心に響く名曲を生み出し続けている。
音楽活動と並行してラジオDJやテレビ番組のパーソナリティを務めるなど幅広く活動中。

馬場俊英 関連リンク

富澤一誠

1951年、長野県須坂市生まれ。70年、東大文Ⅲ入学。71年、在学中に音楽雑誌への投稿を機に音楽評論家として活動開始し、Jポップ専門の評論家として53年のキャリアをもつ。レコード大賞審査員、同アルバム賞委員長、同常任実行委員、日本作詩大賞審査委員長を歴任し、現在日本レコード大賞審査委員長。また尚美学園大学名誉教授&客員教授なども務めている。「わかり易いキャッチコピーを駆使して音楽を語る音楽評論家」としてラジオ・パーソナリティー、テレビ・コメンテーターとしても活躍中。現在FM NACK5〈Age Free Music !〉(毎週木曜日24時から25時オンエア)、Inter FM〈富澤一誠のAge Free Music~大人の音楽〉(毎月最終月曜日20時から21時オンエア)パーソナリティー。BS日テレ〈そのとき、歌は流れた〉(毎月第2・第3水曜日20時から22時オンエア)コメンテーター。また「松山千春・さすらいの青春」「さだまさし・終りなき夢」「俺の井上陽水」「フォーク名曲事典300曲」「『こころの旅』を歌いながら」「私の青春四小節~音楽を熱く語る!」など著書多数。

俺が言う!by富澤一誠

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