2026年4月のMonthly Exclusive Mix selected by roph recordingsは、フランスのビートメイカーで昨年のRob-O (InI)とのリリースも記憶に新しいLex (de Kalhex)によるExclusive Mixを放送中。

何度も本コーナーでミックスを披露してくれているLex。今回のミックスは、アンビエント、ジャズ、ビートミュージック、ソウルを静かに横断しながら、深い呼吸のようにゆったりと展開していくセレクション。派手な展開ではなく、空気や質感、余白を大切にした楽曲が並び、時間の流れそのものを穏やかに変えていくような構成になっている。

意外な幕開けは大阪出身のラッパーMFS「One Breathe (Skit)」。短い導入が空気を整え、Ancestral Elephants「Calendula」、Sarah Nathalie「Peace」と静かに広がっていく。Antti Szurawitzki「Primitiivinen Teos」やDday One「Scene Shifting」ではミニマルなビートと空間的な音像が現れ、Fat Jonの「Lighthouse Sleeper」へと続く流れは、深夜のヘッドフォン・リスニングにぴったりの温度感を持つ。

中盤ではPete Rock「Midnight And You」やThe Four M Company「Live To Be Someone」といったソウルフルな楽曲が差し込み、プレイリストに柔らかなグルーヴを加える。続くBranford Marsalis「Harlem Blues」ではジャズの気品が漂い、Gigi Masin「Waterland」、Susumu Yokota「Uchu Tanjyo」などアンビエントの名作が静かに景色を変えていく。Georgia Anne Muldrow「Wu Punk」やYussef Dayes「The Light」では、ジャズとビートの現代的な融合が印象的だ。

後半はClear Path Ensemble「Temple Block Sustain」やMecca:83「Until Next」など、スピリチュアルで浮遊感のあるトラックが続き、The Vernon Spring、Yves Tumor、Jneiro Jarelといったアーティストが独特の音世界を広げていく。Matthew Halsall「Together」ではメロウで温かなトランペットが響き、ミックスはより瞑想的な空気へと入っていく。

終盤にはDJ Spinna、Fitz Ambro$e、Hugo LXらによるビートミュージックが穏やかなグルーヴを作り出し、JAAM「Call It To Mind (Jimpster Remix)」でクラブジャズ的な広がりを見せる。最後はSegawa Tatsuya「so Long (feat. Uyama Hiroto)」。柔らかな旋律と叙情的なサックスが静かな余韻を残し、ミックスはゆっくりと幕を閉じる。

アンビエントからジャズ、ビートミュージックまでが自然に溶け合い、音の温度と呼吸を丁寧に感じさせる2時間。思考を深めたいひとときに寄り添うミックスとなっている。

ここではその中から象徴的な5曲を紹介する。

Yussef Dayes - The Light feat. Bahia Dayes

    娘(Bahia Dayes)の声がサンプリングされた温もりに包まれた現行ジャズ
    Mecca:83 / Until Next
    温かみのあるジャジーなサンプルとゆったりしたビートが心地よく流れる、チルでメロウなインスト・ヒップホップ
    Alex Cosmo Blake - For No One Else Visualiser
    メロウな鍵盤と温かなビートが寄り添う、静かな余韻を残すジャジーなインスト・ヒップホップ
    The Vernon Spring - Norton - Live from Kings Place
    繊細なピアノと内省的な歌声が静かに広がる、空間の余白を活かしたミニマルで美しいライヴ・パフォーマンス
    so Long (feat. Uyama Hiroto) Segawa Tatsuya
    Uyama Hirotoの叙情的なサックスが彩る、切なさと温もりが滲むジャジーなチル・ヒップホップ

    Lex (de Kalhex)のMIXプレイリストはこちら

    Lex (de Kalhex) プロフィール

    Alex Besikian(aka Lex / Kalhex)は、ビジュアルアーティスト、プロデューサー、MCとして活動し、Akromégalie Recordsの共同設立者であり、フランスのヒップホップグループKalhexのメンバーとしても知られるアーティストである。
    2011年以降、一貫してインストゥルメンタル作品を発表し続け、ジャズやソウルのエッセンスを内包したサウンドは国内外で高い評価を獲得。橋本徹『Urban-Mellow FM 77.4』、Radio Juicy『The Chronic』、Chillhop『Timezone: Japan』といったコンピレーションにも名を連ねている。
    また、Nujabesの系譜に連なるアーティストとも深い親交を持ち、Grap Luva & Rob-O(INI)、Shing02、Uyama Hiroto、Dday One、Substantial & Mathematikなど、多彩なコラボレーションを展開。ヒップホップを軸にしながらも、ジャンルを横断する独自の音楽性を確立している。
    日本では、Koizumi Takumi(元Hydeout Productionsマネージャー)がマネジメントを担当し、約15年にわたり継続的に活動。Roland SP-404を用いたライブパフォーマンスでも高い評価を受けている。
    本作においても、そのキャリアに裏打ちされた繊細かつ奥行きのあるサウンドデザインと、インストゥルメンタルヒップホップの現在地を体現する作品として注目される。

    Lex (de Kalhex) SoundCloud

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