ミックス、マスタリング・エンジニアとしても顔も持ちながらDADDY KEVが主催するLA屈指のパーティーLow End Theoryに出演するなど、ビートメイカーとしても実力を発揮するKABEYAMによるExclusive Mixを放送中＿＿＿USEN JAZZ HIP HOP

2024年9月のMonthly Exclusive Mix selected by roph recordingsは、ミックス、マスタリング・エンジニアとしても顔も持ちながらDADDY KEVが主催するLA屈指のパーティーLow End Theoryに出演するなど、ビートメイカーとしても実力を発揮するKABEYAMによるExclusive Mixを放送中。

7月のUSEN MIXを担当してくれたDJ FUNNELが主催するastrollageからもOMSBなどが参加し話題となったアルバム『BTMKRS』をリリースするなど、ビートメイカーとして活躍を行うKABEYAM。2023年には栃木で登山用品を扱う瓦奇岳の店舗BGMとしてビートテープ『歪んだ時間』をリリースしている。また、ミックス、マスタリング・エンジニアとしても活躍しており、Olive OilやTOSHIKI HAYASHI （%C)などの作品に携わるなど音のプロとして活動を行っている。そんなKABEYAMのExclusive Mixだが、冒頭から現代のコンテンポラリーJAZZを代表するアーティストがずらりと並び、トラックリストを見るだけても非常に前衛的であり、かつ素晴らしいミックスなのがよくわかる。

冒頭はマンチェスターの老舗レーベル「GONDOWANA」から素晴らしいリリースを続いけている女性サックス奏者JASMINE MYRAによる最新アルバムのタイトル曲」「Rising」からまさにミックスがスタート（ライジング）する。「GONDOWANA」の創設者であるMatthew Halsallやアメリカの現代コンテンポラリーJAZZを代表するSam GendelやSam Wilkes、埼玉は秩父を拠点に活動を行う日本人アーティストであり世界からも注目を集める笹久保伸など、前半はJAZZとエレクトロニカが融合した心地のよいJAZZが続く。中盤になるとECMを代表するベーシストでまさにコンテンポラリーなJAZZを体現するEberhard WeberやオリエンタルJAZZの巨匠でもあるLloyd Miller、などベテラン勢からJose JamesやKieferなど現行JAZZのアーティストが入り混じり前半に比べて少し熱を帯びてくる。後半に差し掛かるとLAの音楽シーンに多大なる影響を与えてきたCalros Ninoやシンセアーティストとして実験的な名作をリリースしてきた才人Panoramなど、中盤の熱を冷ましていくかのように心地よくドリーミーなJAZZやアンビエント作品が続いていく。そのまま最後は気持ちのいいアンビエントで終わりを迎えるのかと思ったところで打って変わってのEmma Jean Thackrayによるアップテンポでダンサブルな楽曲でミックスは締め括られる。そんなラストも含めてKABEYAMの遊び心と実験的な部分が詰まった素晴らしいミックスとなっている。

ここではその中から象徴的な5曲を紹介する。

Sam Wilkes & Jacob Mann - Siri, How Do I Know If I Have Commitment Issues?

LAを代表するアーティストによるこれぞアンビエントJAZZ。ずっと聴いていられるループが心地よい。

Shin Sasakubo - Human Looper

秩父をベースに活動するペルーギター奏者、笹久保伸。Sam Gendelと共作なども行っている世界が注目するアーティスト。作品量は圧巻。

Kiefer - earthly things

日本でも人気の鍵盤奏者Kieferによる22年の作品。USEN MIXでもExclusive mixを放送している。

Matthew Halsall - Cherry Blossom

2012年にまだレーベルに彼しかいなかった初期の作品。アルバム全体を通して素晴らしい内容。

Emma-Jean Thackray - Sun (Live At The Church Studios)

ミックスを締めくくるダンサブルな楽曲。ロンドンを拠点に活動する要注目アーティスト。