2025年の11月のMonthly Exclusive Mix selected by roph recordingsは、GAGLEのメンバーであり、ソロとしても世界的に高い評価を得ているMitsu the BeatsによるによるExclusive Mixを放送中。

今回のMIXは70~90年代のクラシック・ソウル/ジャズ・ファンク/ブーンバップ・ヒップホップから、現行R&B/ネオ・ソウル/オルタナティブ・ソウルまでを、スムーズにブレンドした流れのある構成。耳の肥えたリスナーでも唸るような選曲が並び、ノスタルジーとアップデートが絶妙なバランスで交錯している。

オープニングはGeorge Duke「Feels So Good」。軽快なエレピとファンキーなベースが、70年代ジャズ・ファンクの心地よさを体現。そこから本人の楽曲、DJ Mitsu the Beats「A Word To The Wise」へと繋がり、Pete Rock & C.L. Smooth「All The Places」、The Beatnuts「Props Over Here」と、90年代黄金期のヒップホップが続く。Commonの「Nag Champa」でコンシャスな空気をまといながら、Donald Byrd「Distant Land」へと静かにフェードし、続くMadlibの同名曲では、彼なりの再構築が施された“答え合わせ”のような流れにうなる。

Bob Jamesからはジャズの王道を経由しつつ、Group Home、Black Moon、Organized Konfusion、Main Sourceと、東海岸ブーンバップの空気がぎゅっと詰まった流れへ。Donald Byrdの「Think Twice」では再びジャズへの回帰があり、A Tribe Called Quest「The Chase, Part II」でその両者が完璧に交差する。

中盤以降はR&B、ネオ・ソウル〜オルタナティブ・ソウルがじわりと立ち上がる。Steve Arrington、Elmiene、Alex Isley、Teyana Taylor、India Shawnと続く流れは、現行のメロウでスタイリッシュなムードをしっかりキープ。特にAlex Isley「We Are One」やIndia Shawn「SUPERFINE」は、多幸感とともに高揚させてくれる。

終盤には、Ray Lozano、WIM、Hillari、Oisinといった、耳に優しい新世代のアーティストが連なり、Robert Glasper「Over (feat. Yebba)」で壮麗に締めくくられる。ソウル、ジャズ、ヒップホップの流れを一つの物語として再構築したような2時間。気怠い午後にも、静かな夜にも、ふとした感情の隙間にもフィットする、心地よいMIXに仕上がっている。

ここではその中から象徴的な5曲を紹介する。

The Beatnuts - Props Over Here
ラテンの香り漂うファンキーなビートにユーモアと自信満点のラップが乗る、90年代NYヒップホップのクラシック。
Black Moon - Buck Em Down
重厚なベースラインとブーンバップの硬質ビートにBuckshotの鋭いフロウが映える、90年代ブルックリン・クラシック。
Elmiene - Damage Control - Live from The Ebro Show
力強い歌声とグルーヴィーなバンドサウンドが融合した、ソウルフルでエネルギッシュなライブ映像
Ray Lozano - HiYA | A COLORS SHOW
クールで透明感のあるボーカルが映える、ミニマルでジャジーなビートに彩られた洗練されたA COLOR SHOWシリーズからのパフォーマンス。
HILLARI /I'm Still (Official visualizer)
繊細で温かみのある歌声が、しっとりとしたビートとジャジーなコード進行に溶け込むエモーショナルな一曲。

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DJ Mitsu the Beats  プロフィール

仙台を拠点に活動するプロデューサー、DJ、トラックメイカー。1996年に結成されたヒップホップグループ GAGLE のビートメイカー兼DJとして知られる。繊細でメロディアスなトラックメイキングと、世界中の音楽をクロスオーバーさせた独自の音楽性で、多くのリスナーを魅了している。ソロアーティストとしても精力的に活動し、日本国内外で高い評価を受けている。

ジャズ、ソウル、ファンクなど多彩なジャンルを取り入れた音楽スタイルを持ち、独特のアナログ感と温かみのあるサウンドが特徴。世界中のアーティストともコラボレーションを行い、日本を代表するビートメイカーとしての地位を確立している。

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