2024年の5月のMonthly Exclusive Mix selected by roph recordingsは、以前にも何度かUSEN MIXを担当してくれている元hydeout productionsの旗艦店tribeのマネージャーで同レーベルからリリースも行なっているFKによるExclusive Mixを放送中。

渋谷は宇多川にあったレコード・ショップguinness recordsとtribe。tribeはhydeout productionsの旗艦店としてオープンし、レーベルにまつわるレコードやスタッフ、アーティストが集う場所でもあった。現在は閉店しているが、元々その店舗のマネージャであり、nujabes名義の12インチ「D.I.F.N」のカップリングにも収録されるなど、ビート・メイカーとしても活動を行うFKが今回MIXを担当。

MIXのスタートは、美しく気持ちの良いピアノにしっかりとしたビートが心地の良い、Dominic J Marshall率いるトリオDJM trioによるDIL WITHERSのカヴァー「We, Our Future」からスタート。

FKとも深く交流があり、USEN MIXも度々担当をしてくれるLex (de kalhex)による「In Your Mind」やFKが敬愛するPete Rockによる「Hope The World Don’t Stop (Before I Get Mines)」など序盤はしっかりとビートのあるJAZZ HIP HOPでまとめられている。

中盤になるとGondwanaからリリースを行なっている若手サックス、フルート奏者のJasmine Myraや現代のUK JAZZシーンを牽引する一人でもあるAlfa MistとEmmavineによる「Sing To The Moon」。札幌出身のピアニストでT-SQUAREでの活動経験も持つ松本圭司が大和田慧をフィーチャーしたKahlo’s Starなど、しっとりと聴かせるJAZZ/R&Bへと変化していく。

後半は中盤からの流れを引き継ぎ、Uyama Hirotoの最新作、Pharoah Sandersのカヴァー曲「Moon Child」から、2024年のTyler The Creatorが監修するLouis Vuittonメンズのビデオでも取り上げられたアーティストSeven Wonderによる「Sundown」、Durand Jones & The Indicationsのメンバーによるインスト・トリオOKONSKIによる「Runner Up」など、今流行りの現行JAZZのような派手さでは無く、素晴らしい内容をしっかりと聴かせてくれてる、まさにリスニング・ミュージックに相応しい粒揃いの現代ミュージシャンでまとめられ、MIXは幕を閉じる。

ここではその中から象徴的な5曲を紹介する。

We, Our Future - DJM Trio
The Cinematic Orchestraでも活躍する鍵盤奏者Dominic J Marshall率いるトリオによる2014年の作品。美しいピアノとしっかりとしたドラムが○
Figuring - Matt Wilde
マンチェスター出身のキーボード奏者。HIP HOP以降のセンスを感じるまさにJAZZ HIP HOP 
Horizons - Jasmine Myra
マンチェスターに拠点を置くMatthew Halsall主宰のレーベルGondwanaから2022年にリリースされた素晴らしい楽曲。
Breaking Dawn - Atlantis Jazz Ensemble
2013年結成のATLANTIS Jazz Ensembleによる2024年リリースの現行JAZZ
Days Ahead (feat.Nat Birchall, Rachel Crennell & Tom Mason) - The Peter Franks Group
SIMON Sとのプロジェクト。スピリチュアルJazzやHip Hopなどの要素を取り入れた現行のJazz

FKのMIXプレイリストはこちら

FK

ビート・メイカー/DJとして活動。
Hip Hopのビート・メイキングを通じて、レア・グルーヴを起点に様々な音楽と出会いスピリチュアル〜ディープ・ジャズをはじめとした人の心象世界を描く音楽に傾倒。
2003年よりnujabesの主宰のレーベルhydeout productionsの旗艦店「tribe」のマネージャーとして抜擢され、nujabesの描く世界観の良き理解者としてレコード・ショップという枠組みを超えた店舗の運営に尽力。並行して、nujabesの12インチ・シングルにオリジナル楽曲「Shades of Nostalgia」が収録されるのを皮切りに続いてはtribeが立ち上げた同名のレーベルから7inchシングルをリリース。その他、リミックス・ワークや2010年のnujabesの急逝に伴うトリビュート・アルバムにも参加。
近年では、自身のビートを最短・最速でヴァイナル・ダブプレートにカッティングする「Straight Out Cutting Series」もスタートさせるなど、音楽・アナログ・レコードへの愛情を存分に活かしつつ、楽曲制作、リミックス・ワーク、DJプレイを通じてディープなグルーヴとイマジネイティブなサウンドを共存させた世界観を表現し続けている。

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