──SNS総フォロワー数約700万人を誇る人気インフルエンサーとして活躍する一方、2024年10月にメジャーデビューシングル「ぷっちょへんざっ」をリリースし、本格的に音楽活動をスタートしたMumeixxxさん。3月4日に5thデジタルシングル「イロニア」をリリースしました。
「これまでの楽曲とはまた違う、メタルチックなバンドテイストのサウンドが特徴です。歌詞には、私が今まで思ってきた嫌なこと、世の中にある理不尽なことへの思いを込めました。今ってなかなか生きにくい世の中だと思いますし、きっと心に秘めている不満がみなさんにもあるとも思うので、そういう感情をイメージした楽曲になっています」
──「イロニア」は、柿沼雅美さんとの共作詞です。どのようにして歌詞が生まれていったのかを紐解いてもらえますか?
「柿沼さんとは、友だち感覚で日々想っていることや“こういうことが嫌だったんだよね”という会話している感じです。その中で私の気持ちを汲み取ってもらいながら、一緒に制作しました。私だけではなく、周りの若い方たちからバイト先で理不尽な思いをした話とかを聞いて、その気持ちをまとめた部分もあります。そこから、<距離感ゼロのクソバイス>のような、すごく棘のある言葉も生まれました」
──確かに、言葉として鋭い歌詞表現ですよね。
「普段は実際にこんなにトゲトゲした言葉はむしろ使わないように意識しているんですけど、“歌なら出してもいいかな?”と思って。アーティスト活動では“自分の本心を出したい”と思っているので、今回は少し棘のある表現もしました。そんな「イロニア」を聴いていただいて、理不尽な思いをしている人の心が少しでも落ち着いてくれたら、すごくうれしいです」
──冒頭で“これまでの楽曲とはまた違う、メタルチックなバンドテイストのサウンド”という言葉がありましたが、これまでにないサウンドにトライしたのは?
「メジャーデビューシングル「ぷっちょへんざっ」はとても可愛らしいサウンドで、“ただただみんなと盛り上がりたい!”といい気持ちで制作しました。それに対して「イロニア」は、“感情をぶつけてそこから共感を生みたい”という想いで制作しました」
──“感情をぶつける”という意味では、確かにぴったりなサウンドですね。
「共感してもらえたら、みんなの気持ちがすっきりするんじゃないかな?とも思って。私は人間的にどちらかと言えばネガティブ系なので、同じような人たちに向けて歌っている感覚があります」
──ネガティブだけどそこから前を向きたい、そして進んでいきたい。そういう意志を楽曲から感じます。
「ネガティブなまま終わったら、そのまま停滞していくだけなので。「イロニア」がネガティブな気持ちを晴らして、次に進むきっかけになるといいなと思っています」
──これまでの楽曲を聴くと、「ぷっちょへんざっ」ではポップなラップとキュートなサウンド、2ndシングル「→←」」ではスピーディーな8bitサウンド、3rdシングル「愛論理」ではダンサブルなロックチューン、4thシングル「あのね あのね」はエモーショナルな疾走感が魅力のナンバーと、リリースごとにいろんな音楽性にトライしている印象があります。ジャンルに関係なく、音楽に対してフラットに向き合っているというか…。
「今の音楽って、とにかくSNSでバズればいいという楽曲だったり、“すごく内容的に深くて想いが込められた歌があったり、本当にいろんな音楽があって。そのどれもに好きな人がいて、逆に苦手な人もいます。私としては、いろんな人がいる中で私の曲を好きになってくれた人が、ただ純粋に楽しめればいい。(音楽に対するスタンスは)そういう感じです。あと、性格的にどれか1つに絞るってことができなくて…だからいろんなジャンルのいろんな曲を聴いたり、自分でもいろんなタイプの曲を作りたいと思ってしまうんです」
──3rdシングル「愛論理」から作詞を手がけていますが、歌詞を書く面白さ、醍醐味を教えてください。
「自分の言葉で表現するのは“めっちゃむずかしい”とは思っています。私はそんなに頭がいいわけではないので、語彙力がないというか…そんなにポンポンと言葉が出てくるわけでもないですし。“今、なんか歌詞が書ける”という日もあれば、書きたくても全然出てこないときもあるので、そのバランスというか、どういう瞬間に歌詞をパッと思いつくのか、自分でもまだわからないです。そんな感じで今は試行錯誤しているんですけど、歌詞が完成したときはすごくすっきりしますし、愛着が湧くので、みんなの前で歌うのが楽しみになります。なので、作詞は苦労もあるけど、楽しみの方が大きいです」
──インフルエンサーとしての活動についても聞きたいのですが、現在のSNS総フォロワー数は約700万人と、非常に多くのユーザーと繋がっています。始めたきっかけを教えてください。
「最初は友だちと“フォロワー数対決しようよ!”って、遊び感覚で始めました。そこから続けていたらファンになってくださった方が応援してくれたり、コメントももらえたりして、それがモチベーションになって今という感じです。SNSを通してやりたいことがたくさん見つかって、その1つが音楽活動だったので夢が叶えられて良かったです。でも、まだまだスタート地点です。ゴールにはほど遠いと思っているので、変わらず続けて頑張っていきたいです」
──遊び感覚で始めたことがフォロワー数700万人という状況になったことで、意識に変化はありましたか?
「今も毎日投稿しているんですけど、前日に上げた動画のいいね!数やコメント数、再生数が少なかったりすると、どうしても数字を見てしまうのでモチベーションが下がってしまったりします。そういうときは“しんどいな…”と思ってしまったりもするんですけど、DMをチェックすると励ましコメントがあったり、“次のライブに行くよ!”とか“イベントに参加するね!”って声が届いていて。そうやって生で見に来てもらえることがモチベーションにつながっているので、みんなのおかげで頑張れています。フォロワー数が増えたことで、“みんなのおかげ”という意識は強くなっています」
──SNSはどうしても数字が注目されますけど、数字とは別の価値観を見出せているのは、すごくいいことですよね。例えば、どんなコメントが届くとモチベーションが上がりますか?
「単純に“今日、可愛いね”とか“美人だね”というコメントをいただけると、“頑張って良かった、ちゃんと気づいてもらえるんだ”って、モチベーションにつながります。“新曲を聴いたよ”とか、そういうコメントもです。“愛されているな”って思えています」
──ダンスやアニメキャラのコスプレ、ベース演奏、ゲーム実況といった発信に加え、ファッションイベントへの出演やスタイルブックの発売、プレイステーションソフトの紹介映像への起用など、活動は多岐にわたっています。もともといろんなことをやりたいタイプだったのでしょうか?
「やりたいことはいろいろあったんですけど、なかなか行動できないタイプでした。でも、今の活動を始めてから“行動しなきゃ意味ない”ということに気づいて、興味があったら行動したり、好きなことを積極的に発信するようにしています」
──ここまで多彩な活動をしていると、時間が足りなくないですか?
「1日48時間ほしいです(笑)。寝る時間がないとやる気にも影響が出るので、もっと寝る時間が欲しいです。もし1日が48時間になったら、24時間はやりたいことをたくさんやって、残りの24時間は睡眠に使います(笑)」
──今後の活動について、今はどんなイメージを持っていますか?
「SNSではキラキラした部分、楽しい部分だけを投稿して、もっとみんなに憧れられるような存在になっていきたいと思っています。アーティストとしては、あくまで自分自身が思っていること、感じていることを発信していきたいです。そこで共感してもらえたり、私の曲が思い出になったり、聴いてくれた人の生活、人生の一部になれたら、もうそれだけでうれしいです。自分自身の生活では周りの人を大事に、感謝の気持ちを忘れないように。地に足をつけて、地道に頑張っていきたいです」
──ちなみに、“スマホを置いてどこかに行きたいな”と思うこともあったりしますか?
「“もう一生怠惰でいたい”と思うこともあります。でも、その怠惰な時間も絶対にSNSのことを考えてしまったりするので、無理ですね(笑)。それに、発信する内容とか、SNSについていろいろ考える時間も楽しくて。だから、やっぱり今の活動は楽しいですし、やって良かったです!」
(おわり)
取材・文/大久保和則
写真/野﨑 慧嗣












