街がクリスマスカラーに染まる12月。やはり聴きたくなるのが、心温まるクリスマスソングの数々でしょう。山下達郎「クリスマス・イブ」や、ワム!「ラスト・クリスマス」など世代を超えて愛される定番ポピュラーミュージックがありますが、クラシック音楽でホリデー気分を存分に味わうなら?迷うことなくチャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」でしょう!

というわけで、シリーズ企画「年末年始に聴きたいクラシック」第1弾は、USENの「バレエ音楽特集」チャンネルでもお届けしている不朽の名作「くるみ割り人形」の中から、特に有名な楽曲を厳選し、その魅力を再発見していきたいと思います。

聖なるクリスマスイブの夜、少女クララが贈られた「くるみ割り人形」は、真夜中に不思議な命を宿します。そして邪悪なねずみの王との激しい戦いが勃発。クララの機転と勇気ある行動により、くるみ割り人形は見事勝利を収め、美しい王子へと姿を変えます。王子はクララの手を取り、きらめく雪が舞い踊る「雪の国」、そして甘く魅惑的な「お菓子の国」へと、夢のような旅へと出発するのです。

「行進曲」
第一幕のクリスマスパーティーのシーンに登場する「行進曲」。舞台では、子供たちがクリスマスプレゼントでもらったおもちゃの兵隊やトランペットを持って、元気いっぱいに行進して遊ぶ様子を表現しています。



「金平糖の踊り」
お菓子の国の女王であるこんぺいとうの精の踊り。ここではチャイコスキーがその音色にほれ込んだとされるチェレスタのソロが登場。かわいらしく儚い音色で、幻想的なメロディーを奏でます。



「中国の踊り」
第2幕第12曲のディヴェルティスマンより3つ目の楽曲。ピッコロの軽快なソロがメインの小曲です。こちらでは、ロシア出身の振付師、ジョージ・バランシンによるニューヨーク・シティ・バレエ団のかわいらしいパフォーマンス動画を。



「ロシアの踊り(トレパック)」

「中国の踊り」に続く4つ目のディヴェルティスマン。こちらではロシアの指揮者ヴァシリー・ペトレンコとオスロ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏をピックアップ。ペトレンコもオケのメンバーも何とも楽しそうに演奏していて微笑ましいです。余談ですが、この曲を聴くといつも映画『ホーム・アローン』のあの有名な曲を思い出さずにはいられません。



「あし笛の踊り」
「トレパック」に続く5曲目のディヴェルティスマン。TVCMでもおなじみの楽曲ですね。バレエでは、お菓子の国のミルリトン(フランス語で焼き菓子、あるいは笛の意)の精の楽曲です。ピーター・ライト版の英国ロイヤル・バレエの舞台では、フルートの軽快なソロに合わせて、クララと妖精がミルリトンを持って踊ります。



「花のワルツ」
誰もが一度は聞いたことがある有名な「花のワルツ」。舞台では第2幕第13曲目に登場します。冒頭で演奏されるハープのカデンツァから一気に優雅な気持ちにさせてくれますよね。こちらでは、ニューヨーク・シティ・バレエ団の煌びやかなパフォーマンスを。



「年末年始に聴きたいクラシック」いかがでしたでしょうか。USEN MUSICの「クラシック特集」チャンネルでは、11月30日まで「バレエ音楽特集」を放送中です。「くるみ割り人形」のほか、クラシックバレエ作品の数々をラインナップしていますので、ぜひこの機会にクラシックバレエの名曲たちを味わってください。

(おわり)

文/大森有花(USEN)
Photo by KCBalletMedia - Nut_BrettPruitt_16_037(CC BY 2.0)


大森有花(おおもり ゆか)PROFILE

株式会社USEN 編成部所属。クラシックをメインに、各チャンネルの選曲、ディレクションを担当。写真は、母のピアノに合わせて祖父と歌う幼少時代の私。今も昔も、音楽とチョコはかかせません。

チャイコフスキーのバレエ作品はこちらのチャンネルでもお聴きいただけます

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