手越祐也「SUPER SESSION」 - INTERVIEW

――新曲「SUPER SESSION」は、リスナーを鼓舞するようなパワフルな楽曲。“自分を解き放って自由になろう!”というメッセージも印象的ですが、どういう経緯で、この曲をリリースすることにしたんですか?

「アイドルとかアーティストを応援するときって、自分にないものをその人が持っているから憧れたり、自分が“こういうふうに生きたいな”って思っている生き方をしているからっていうのが理由になる場合もあると思うんですよ。僕は先日まで『CHECKMATE』のツアーを回らせてもらっていたんですけど、今、音楽活動にも充実感が溢れていて自信があるんですね。しかも、ありがたいことにライブに足を運んでくださったり、新しくファンになってくださった方も増えている。だからこそ、自分を応援してくださっている方や自分自身が世の中に伝えたいことを前向きにパワフルに発信するタイミングは今じゃないかな?って思ったんです。それを昔から応援してくださっている方も、最近好きになってくださった方も求めているんじゃないかなって思ったので。だから、だったらそれをメロディと歌詞に乗せて伝えたいと思って、こういう歌詞の世界観にしてみました」

――手越くんに背中を押されたかったり、引っ張って欲しかったりする人にメッセージを伝えるのにふさわしいと考えた結果、ロックなサウンドになったんですか?

「そうですね。実は僕の中では、最初はダンサブルな曲にしようかなっていう構想があったんです。でも、『CHECKMATE』ツアーを回ってみて、もっとパワフルな曲のほうがいいなって思いましたし、この先にいろんなフェスとかも控えているんです。そのフェスで歌うことも想定したとき、ギターのキューン!っていう音で始まるようなロックチューンのほうがいいんじゃないかなって思ったんです。それで、こういうサウンドに変えました」

――「SUPER SESSION」だったら、手越くんのことを知っている人も知らない人も、みんなでこぶしを振り上げられますからね。

「まさに、そういう曲になればいいと思っています」

――楽曲を聴いて、すごく手越くんらしい歌詞だなって思ったんですけど、“一歩踏み出す勇気を持つ”ことは、手越くん自身の根底にあるものなんですか?

「そうですね。誰に何を言われようが、自分自身がこだわり抜いた活動を続けていたからこそ今の幸せがある。それを僕は体感しているので、この思いをみんなにも味わってほしいし、この曲を聴いた人が、ちょっとでもそういうメンタリティーになってくれたらいいなと思ったんです」

――それは一歩踏み出すことをためらっている人が多いという実感があるからですか?

「いや~、なかなかチャレンジってできないんじゃないですか?僕はこういう性格だし、たくさんの方の協力もあって15歳から今までいろんな荒波を超えてきたから、“何とかなるでしょ!?”って思っているところがあるんですよね(笑)。でも、誰にでもそれができるかって言ったら、そうじゃない。今ある安息の地を捨てるのって、並大抵のメンタリティーじゃできないですから。だから、そのできないっていう気持ちも僕は理解できるんですけど、一方で、それを打破してあげたいなとも思うんです。そして、それができるのは推しのアーティストや音楽だと思うんです。僕はそう思っているので、そういうものが伝えられたらいいなっていう思いで歌いました」

――安定を求めるのも間違いじゃないですけど、踏み出すことによって、もっといい未来が待っているかもしれないですもんね。

「そうですね。とりあえず一歩、外の世界に行ってみたら、“わぁ、こんな世界があるんだ!”って気づくことができるじゃないですか。でも、ずっと決められた箱の中にいるだけでは、その感覚は味わえない。その箱の中でも幸せかもしれないですけど、もっと幸せになれる可能性もあるんですよ。実際に行ってみないと見えない景色って、たくさんありますから。だから、それをみんなに体験してほしいなって僕は思いますね」

――先ほどもギターのことをおっしゃっていましたけど、ギターサウンドが印象的なのは、手越くんがリクエストしたからなんですね。

「はい、めっちゃしました。やっぱりエレキギターのチョーキングとかって、なんか攻めてる感じがするじゃないですか。最近の曲にはちょっと少なくなってきましたけど、昔のみんなが好きな曲には、すっごい耳に残るエレキギターのフレーズで始まる曲が多いと思うんですよ。僕は、そういうのが好き。あのキュイーン!っていう音を聴くと、“よっしゃ、みんなで攻撃に転じるか!”って思ったりするので、そういう雰囲気もあったほうがいいんじゃないかな?と思ってフレーズを足してもらったんです」

――あのギターの音でスイッチが入るところがありますもんね。

「そうそう。“来たー!”っていう感じがしますよね。僕はソロになってから、ギターはずっと伊平友樹さんに弾いてもらっているので、彼がカッコよく弾いているイメージも浮かんでいましたしね(笑)。だから、ライブで一緒に演奏するのが超楽しみです。この曲に限らずですけど、最初にバンドと合わせるリハーサルの瞬間とかって、本当に楽しいんですよ。“どんなふうに音が鳴るんだろう?”っていうのもありますし、演奏は僕のボーカルに、僕のボーカルは演奏に引っ張られる。生バンドってお互いに引き寄せ合うものなので、特にこの曲はそこで生まれる化学反応が楽しみですね」

――この曲のボーカルに関しては、Aメロはちょっと抑えめで重さもある感じの歌い方。それがBメロの終盤から上がっていって、サビで一気に情熱が炸裂する流れになっていますよね。手越くんは、いつも歌い方はあまり考えずにレコーディングするっておっしゃっていますけど、この曲も自然にそういう構成になったんですか?

「そうですね。この曲のサビって、“チャレンジする瞬間”だと思うんですよ。そのためには、やっぱり準備が必要。だから、Aメロで、しっかり下準備をしているんです。そして、“よっしゃ、準備は出来た!じゃあ、どう作戦を練ろうかな?”っていうBメロが来て、“これで勝てる準備は万端だから勝負しにいくか!”っていうサビが来る。この曲の場合は、そういうのがより強いかもしれないですね。それだけにBメロは、キーも若干下がったりしています。“今から行くぞ!”ってメラメラとBメロでためている感じです」

――ためてためてサビでジャンプ!っていう印象がありましたし、そういう流れがあるから、サビが余計響きますよね。折に触れてこういう楽曲を出すのは、最初にもおっしゃっていたように、手越くんがやるべきことは、いろんな人たちに希望や幸せ、頑張りたいという気持ちを与えることだと考えているからですか?

「そうですね。こんなに派手にハッキリものを言えるヤツって、あまりいないじゃないですか?(笑)やっぱり、みんな炎上を怖がるし、強い言葉を投げかけることって、実際に“うるせーな!”って言われるリスクがあると思うんですね。それを避けるには、何も言わずに静かにしていたほうがラク。声を上げると絶対にそれを批判する人がいますから。でも、声を上げるヤツがいないと日本は終わっちゃうと僕は思っています。終わらないためには、声を上げることが必要なんです。その声でハッと気づいて、みんなが頑張れば、日本はまたいい国になる。戦後、短い期間でアジアのトップにまで上り詰めたくらい、一丸となったときの日本人のパワーってハンパじゃないですからね。すごいんですよ、本気になれば。そして、世の中の人をそういう気持ちに変えられるのは、アーティストや音楽、スポーツしかないと僕は思っています。だから、アーティストである僕ができることは、みんなの心に炎を宿すようなポジティブな歌を歌い続けていくことだと思っているんです」

――手越くんは炎上するのとかって怖くはないんですか?

「僕は、ちょっと人とネジが違うのかもしれないんですけど(笑)、昔から“好きな人ランキング”にも入りたいけど“嫌いな人ランキング”にも入りたいって思っていたんですよ。いいことでも悪いことでも“手越祐也”の名前を使ったら話題になる。それって人前に立つ人間として大事なことだと思うんです。だから、例えマイナスな方向で話題になったとしても、しょうがないかなって思っています(笑)。そこは昔から肝が据わっていますね。“炎上”って悪いこととして使われますけど、“要は影響力があるってことでしょ?”って僕は捉えているので、別に怖くはないです」

――さすが、超ポジティブですね(笑)。それにそういう手越くんの芯の部分を知っているから、もうすぐ始まる「2ペプラ手越 –TWO MAN ZEPP TOUR-」もそうですけど、いろんな人が一緒にやりたいと集まってくれるんでしょうね。

「お声がけしたら快くみんなが“もちろんやります!”って受けてくれました。本当にありがたいです」

――Lead、Novelbright、androp、阿部真央さん、KEYTALK、BLUE ENCOUNT、錚々たるラインナップですよね。ツーマンっていうのも新鮮でいいなって思います。

「いいんですよ。いい意味のピリピリ感がありますしね。勝ち負けではないんですけど、メンタリティー的に“絶対に負けられない!”って、お互いが思っている。みんなメラメラしてやってくると思うので、それがいいじゃないですか。仲間だけど、しのぎを削り合って鍛え合うっていうのが」

――切磋琢磨する素敵な関係性だと思います。まさに“SUPERなSESSION”になりそうですよね。

――ところで「SUPER SESSION」がパワフルな楽曲だからだと思いますけど、手越くんには珍しくファルセットがないですよね。

「確かに!一ヵ所もないですね(笑)」

――それも力強さを表現するため?

「そうですね。この曲を実際にライブで歌うとなったら、多分もっとロックに歌うと思うんですよ。盤は、そこまでじゃないですけど」

――ガナったり、あおったりもするでしょうしね。それにこのキーの高さだったら、それこそフェスのときには男子も一緒に歌えるんじゃないかなって思いました。

「サビのキーさえ出れば、全然歌えると思いますよ。この曲は僕の曲の中では歌いやすい。だから、きっと気持ちよく歌えると思います」

――声出しもできるようになりましたしね。

「楽曲の中に掛け声が入っているところがあるんですけど、それもライブで言ってもらう前提で入れました(笑)。“ここは、みんなが歌ってくれよ!”って想像して」

――それに間奏もないんですけど、それもこの曲のテンションを下げないためなのかなって思いました。

「そうですね。もう勢いで。でも、僕の曲って間奏がない曲が多いんですよ(笑)。休ませてくれない。そこは僕の日々の活動と一緒ですね。休まずに常に何かをしているっていうのが、僕っぽくていいのかなって(笑)」

――ソロデビューしてちょうど2年。本当に突っ走ってきた印象ですし、まさに様々なことにチャレンジしてきていますよね。

「ヤバいですよね、羅列していくと(笑)。でも、今しかないんですよ。誰でもそうですけど、人間には絶対にいつか死が待っているし、1分1秒老いていってる。心も身体も脳も衰えていくので、やっぱり表現者やスポーツ選手は、“今という時間は今しかない!”と思って生きていくべきだと思うんですよ。だから、今、走っている。そうやって得た経験が、ちょっと元気がなくなったときに貯金として残ると僕は思っているんです。僕は今35歳ですけど、心も身体も以前よりフレッシュだし、よりいろんな景色が見えているっていう自信があります。それだけに今できることはどんどんしていかないとなって思っています。それが個人で活動していることの強さだと思いますし、1分1秒を大切に人生を生きなきゃなって思っているからこその今のスピード感が、自分のポリシーに合っていますね」

――TWO MAN ZEPP TOURもSymphonic Concertも、今の手越くんだからこそ実現できたことでしょうしね。

Symphonic Concertは、利益を考えたら無理ですよ(笑)。でも、目先の利益とかじゃなく、そこで得られる経験値とかは間違いなく5年後、10年後に生きて来る。そう信じてやっていますね」

――いろんな意味で濃い2年間でしたよね。そして、3年目のスタートの楽曲「SUPER SESSION」も7月7日にリリース。これからも7月7日は大切な日になっていきそうですね。

「そうですね。やっと自分の音楽チームがしっかりできて、世に発信できる自信のある楽曲「シナモン」が出来ました。でも、1作目はある意味注目されていたので、絶対に妥協できないと思って“これなら世に出せる”と満足いくものにするまで、何度もレコーディングしたんです。その準備が出来たのが、たまたま2年前の七夕の日だったんですけど、わかりやすい日でもあるので、結果的には、僕にとってもファンにとっても大事な日になりました。やっぱり音楽活動は、僕が一番やりたかったことなので、毎年この日はいろいろこだわってやっていますね」

――きっとファンであるHONEYYYたちも、何かが起こるのを期待していますしね。

「そうなんですよ。すごい届きますよ、DMが。“今年の7月7日も空けておいたほうがよろしいでしょうか?”って(笑)」

――それに7月7日だけじゃなく、今年の夏もフェスにも出るのでは?

「出ます。『JOIN ALIVE』では、今できる手越祐也の最強パフォーマンスをぶちかましますよ!このフェスって、バンドマン憧れのフェスのひとつだと思うので、お客さんもいい意味で“手越?しょせんアイドル上がりだろ?”って思っていると思うんです。だから、その印象を全部ひっくり返したいと思っています。曲も演出も、“えっ!?”っていうのを用意しているので、来てくださる方は期待していてほしいですね」

(おわり)

取材・文/星野 櫻
写真/encore編集部

RELEASE INFORMATION

手越祐也「SUPER SESSION」

2023年77日(金)配信
フォーライフミュージック

手越祐也「SUPER SESSION」

LIVE INFORMATION

2ペプラ手越 –TWO MAN ZEPP TOUR-

2023年8月31日(木) OPEN:17:30 / START:18:30予定
会場:Zepp Haneda(TOKYO)
VS Lead
O.A. バウンダリー

2023年9月1日(金) OPEN:17:30 / START:18:30予定
会場:Zepp Haneda(TOKYO)
VS Novelbright
O.A. マイキ

2023年9月14日(木) OPEN:17:30 / START:18:30予定
会場:KT Zepp Yokohama
VS androp
O.A. ざきのすけ。

2023年9月15日(金) OPEN:17:30 / START:18:30予定
会場:KT Zepp Yokohama
VS 阿部真央
O.A. 小林柊矢

2023年9月26日(火) OPEN:17:30 / START:18:30予定
会場:Zepp DiverCity
VS KEYTALK
O.A. Crispy Camera Club

2023年9月27日(水) OPEN:17:30 / START:18:30予定
会場:Zepp DiverCity
VS BLUE ENCOUNT
O.A. ペルシカリア

2ペプラ手越 –TWO MAN ZEPP TOUR-

手越祐也 Symphonic Concert 2023 Vol.2

2023年8月12日(土)
開場:13:00 / 開演:14:00
開場:17:00 / 開演:18:00
会場:東京オペラシティコンサートホール
東京都新宿区西新宿 3-20-2
-出演-
手越祐也
管弦楽:グランドフィルハーモニック東京

詳しくはオフィシャルファンクラブサイトをご覧ください

JOIN ALIVE 2023

2023年7月15日(土)
いわみざわ公園〈野外音楽堂キタオン&北海道グリーンランド遊園地〉
開場 9:00 / 開演 11:00 / 終演 21:30予定

JOIN ALIVE 2023

BACK NUMBER

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