手越祐也×音楽 スペシャルインタビュー Vol.1

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手越祐也×「シナモン」

手越祐也×音楽 スペシャルインタビュー Vol.2

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手越祐也×「ARE U READY」

INTERVIEW

第3弾シングルとして配信される「LUV ME, LUV ME」はアダルトな雰囲気のダンスチューン。手越くんのセクシーさが全開になっていますね。

「ありがとうございます。6ヶ月連続リリースということで、やっぱり手越祐也のいろんな声や音楽を届けたいとは思っていたんですよ。その中で、前作「ARE U READY」では僕の大好きなロックで攻める姿勢を見せたんです。それに続く今作は、何も考えずに楽しめるような曲にしたかった。だから、覚えやすいメロディラインの楽曲にわかりやすいダンスをつけたこの曲を選びました。今は、なかなか好きなことがやりずらい状況ですけど、だからといって止まってはいられない。前を向いて走るしかないと思うので、誰もが楽しめる曲にしたかったんです」

<LUV ME, LUV ME(ラミラミ)>と繰り返すサビの部分なんて、すごくキャッチーですもんね。

「そうですね。そのサビの部分は、ダンスもみんなで一緒に踊れるような振付になっています。すごく簡単なので、ぜひ覚えてもらって、SNSに動画を上げてほしいですね」

手越くんのファルセットもすごく印象的でしたけど、これはこだわりですか?

「そうなんですよ。サビの後半のメロディはずっとファルセット。しかも、一息で歌っているので、難易度は高いといえば高いんですね。地声だとラクなんですけど、そこを敢えてファルセットで歌っていますから。でも、最初におっしゃってくださったように、地声でガツンといくより、ファルセットにしたほうがセクシーな感じというか、夜のムードが出るなって思ったんです。それに最初は”どこかで切ろうかな?”とも思ったんですけど、”いや、一息で行ったほうがカッコイイな”と思い直した結果、今の形になりました。だから、この曲を歌っていただく際には、ファルセットの前に思いきりブレスを取ってから歌ってもらいたいですね(笑)」

ボーカル全体にもアダルトさが漂っていますよね。

「そうですね。Aメロとかに関しても結構息を多めにして歌うことは意識しました。それに2番の<甘い香りWant 火照る頬にLuv 危ういStory>っていう部分も、わざとカタカナ英語で歌っているんです。ネイティブな発音で歌ったほうがカッコよくなるパターンもあるんですけど、やっぱり基本は日本人が聴くので、カタカナ英語のほうが耳にパツーン!って残りますからね」

確かに。でも、そうやってカタカナ英語っぽく歌いつつ、サウンドが持っているファンキーさも、ちゃんと残していますよね。

「僕は、もともとブラックミュージックを聴くのが好きなんですよ。だから、ブラックミュージック独特のノリや、マイケル(・ジャクソン)っぽい“ンッ!”っていうようなものも結構散りばめています(笑)」

ありましたありました!それが、またいいアクセントになっていてよかったです。それに驚いたのは、曲に間奏がないこと。一気に畳みかけますよね。

「そうなんです。だから、今ライブリハの真っ最中なんですけど、歌いながら踊るのが大変(笑)。ずっと踊っている曲ですからね」

かなりの体力が必要ですよね(笑)。でも、この曲は止められない恋心を表現しているので、それとリンクしている気がしました。

「そうですね。間奏があると、聴く側も1回落ち着くじゃないですか。でも、”この子を落としたいな”っていうようなドキドキする感情は止められない。だから、僕自身はキツイけど(笑)、曲としては間奏がないほうが響くんじゃないかなって思ったんです」

この主人公は、ちょっと焦っているっていうか、かなり前のめりですもんね。

「そうそう。だって、みんな好きな人ができると焦るじゃないですか。我を忘れて仕事も手につかず、みたいな(笑)。そういうものが、この曲には全部出ていると思います」

曲調や歌い方、そしてそういうストーリーも含め、1曲目の「シナモン」とも前作の「ARE U READY」とも全く違う仕上がりになっているので、手越くんの表現力の幅広さを再確認しました。

「そう言っていただけると嬉しいです。主人公、表現の仕方、伝えたいこと。それを1曲1曲全部変えていったほうが面白いなって僕は思ったんですよ。シングルとしてリリースした曲は12月にリリースするアルバムにも入ることになると思うので、そのときにオールスターみたいな1枚になったほうが聴いていて楽しいですからね。何度繰り返して聴いても飽きない。そういう作品にしたいと思っていますから。だから、実は次にリリース予定の楽曲も、また全然違うんですよ」

全然違うんですね!それは楽しみです。やはり手越くんとしては、自分が持っている武器を余すところなく出していこうという気持ちなんでしょうか?

「はい。自分としては歌えないジャンルはないと思っているんですね。それに前回も話したと思いますけど、曲ごとにキャラクターや声を変えたりするのは、自分の一番のストロングポイントだと思っていて。だから、それは積極的に使っていこうと思っています。例えば、僕のことを『世界の果てまでイッテQ!』でしか知らなくて、今回配信したことで初めて歌を聴いたという人もたくさんいると思うんですね。そういう人たちに”手越祐也とは、こういうボーカリストです”というのを知ってもらいたい。それもこの6ヶ月連続リリースの目的のひとつなんです」

楽曲のテイストが変われば、手越くん自身は特に意識しなくても歌い方や声が変わるんですか?

「変わりますね。オケを聴いたらもう、”こういうふうにしようかな”って自然とイメージが湧いてきます」

では、この「LUV ME, LUV ME」の主人公は、手越くんの中では、どういう男性を想定しているんですか?

「なかなか好きな人はできないんだけど、いざ、出て来たら、もうド直球で行く!みたいなタイプですね。恋多きというよりは、好きになったら一気に燃え上がる男性。だからこそ、気持ちを止められない、抑えられないっていう歌詞になるんだと思います。もちろん聴いてくださった人それぞれに、この曲の主人公像を決めてもらっていいんですけど、僕はそう思いました。それで女性側は、好きな人は好きだよねっていうタイプというより、男性だったら誰もが惚れちゃうようなイメージですね」

男性は手越くんじゃないんですね?

「じゃないです。僕も出てきますけど、それとは別の時間軸の中で、この楽曲の世界観を表現する男女が出て来るんですよ。僕は、その男性の応援隊みたいな感じ。最初は、なかなか女の子に近づけないんですけど、この楽曲を聴いているうちに、”よし、俺も攻めてみるか!”みたいな気持ちになって、最後はアタックするっていうようなイメージですね」

そういうイメージをミュージックビデオの監督に伝えて作っているんですね。

「もちろん。「シナモン」から毎回ミュージックビデオのイメージは監督に伝えています。グループのときは、そんなことなかったんですけどね。でも、監督は監督で、”こんなのが撮りたい”っていうイメージがあるので、それを2人でキャッチボールする感じなんですよ。だから、今回のライブもそうなんですけど、よりセルフプロデュースが増えました。その分、スタッフとのコミュニケーションの量も以前よりかなり多くなっています」

でも、それは表現者としてはやりがいがありますよね。

「やりがいもありますし、ハードルが高い分、”すごく成長できるな”って思いながらやっています。でも、実際大変ではあるので、グループ時代が、いかにありがたかったのかも実感していますね。だから、ひとりになってやりやすくなったこともありますけど、改めて前の環境への感謝も感じています」

ダンスも、その時代に培ったもののひとつですしね。ダンスに関しては、何かこだわりは持っているんですか?

「ひとつだけ譲れないプライドがありますね。今回のツアーもそうですし、「LUV ME, LUV ME」もそうなんですけど、だいたい振付師って、フルで振りをつけてくれるんですよ。でも、それを全生歌で踊るのは、かなり難しい。だから、”ここは歌うのが厳しいから、振りを間引こう”っていうこともあると思うんです。間引くのは簡単ですからね。ただ、これは昔からそうなんですけど、僕は、”こんなにすごいダンスをしているのに、全生歌なの!?”って見ている人から思われるのが好きなんですよ。ナルシストなので(笑)。”レベルを下げてハードルを乗り越えるのではなく、高いハードルのまま乗り越えるには、自分はどうしたらいいのか?”ってトライするほうを選びたいんです。そういう人間なので、この曲もそうですけど、今回のライブでも、全部振付師がつけてくれた振りのまま、全く間引くことなく歌っていますね。それでゼーハーしたり歌がブレたりしたら、それは僕の努力不足だと思っていますから」

素晴らしい考え方ですね。

「歌って踊るって、”1+1=2”の難易度じゃないんですよ。”5”くらいに難しい。それだけに日本でガチンコで踊りながら歌えるシンガーは本当に少ないと思うので、自分はそういう部分にもこだわりたいと思っていますね」

先ほどから話題に出ている『手越祐也 LIVE TOUR 2021「ARE YOU READY?」』ツアーは、このインタビューが掲載される頃には、もう終盤です。ただ、現時点はまだスタート直前なので、今はどんな気持ちで挑もうと考えているか教えていただけますか?

「昨日ちょうど通しリハがあったんですけど、今できるセットリストやパフォーマンスということを考えると、間違いなく素晴らしいものになる自信がありますね。僕以外のアーティストのファンの方が見ても、その人のハートを打ち抜けると思っていますから。それに去年はクリスマスライブをやったり、今年もオンラインライブはやったりしましたけど、がっつりステージセットを作ってやるライブは、ほぼ2年以上ぶり。だから、この間出演させていただいた『黒フェス2021~白黒歌合戦~』を見ていないファンの人にとっても、僕のライブを生で見るのは約2年ぶりだと思うんです。しかも、僕はソロライブはやったことないので、お客さん全員が自分のファンというライブも初めて。20年この世界にいてやったことのない経験をさせてもらえるので、”一体どんな景色が待っているんだろう?”って、すごく楽しみですね」

それにライブハウスでやるのも初めてですよね。

「そうなんですよ。でも、ずっとやりたいと言っていたので、念願だったんです。僕は、本当に音も大事にしたいと思っていましたし、会場のどこにいる人でも肉眼で僕を見られるっていう環境でやりたかったので。その場にいるのにスクリーンのサービス映像を見る。それって広い会場の場合は仕方ないことなんですけど、ライブということを考えると、やっぱりちょっと違いますからね。だから、今回のツアーが実現して、僕自身もとても嬉しいんですよ。ライブハウスは、当たり前ですけどライブのために作られているので音がいいですし、しかも距離も近いから、細かい呼吸やニュアンスも絶対感じ取れると思うんです。それだけに僕も気合いが入っていて、今回は音作りも、かなり細かくやっていますね」

音作りやセットに関しても、手越くん自身が関わっているんですね。

「はい。映像も全部チェックしましたから。こんなにスタッフとライブについて話したのは、今回が初めてです」

アイドル・手越祐也とは、ひと味違う自分をライブでも見せていこうと考えていますか?

「そうですね。僕としては、踊りも歌も見せ方も、2年前の自分のパフォーマンスより今のほうが絶対にカッコよくなっている自信があるんですよ。今までとは想いが違う分、間違いなく成長していると思いますから。それに加えて、『スぺプラ手越 ~Music Connect~』や『黒フェス2021~白黒歌合戦~』で音楽のみを続けてきたアーティストの方たちと交流させていただいたことで、”負けてられない!”っていう気持ちにもなるんですよ。その結果、より努力もする。だから、今まで1回でも僕のパフォーマンスを見てくれた方には、また、ぜひ見てほしい。それまで以上に好きにさせる自信がありますからね」

手越くんにとって、今回のツアーはゼロから1になるイメージですか?

「いや、まだエピソードゼロ的な位置づけですね。リスタート的なツアーなので、まずは、”今後はこんな風に手越祐也はやっていくのでよろしく!”って宣言する感じです」

それを来てくださった方にダイレクトに届けるっていうことですね。やっぱりその場の空気や熱量も含めて伝えるのが、ライブの醍醐味だと思いますから。

「そう!なんだかんだ言っても、有観客が一番なんですよ。このご時世なのでオンラインに切り替えればっていう人もいますけど、客席にいてくれるのと、カメラに向かってしかパフォーマンスできないのでは、全く違いますから。これは音楽だけじゃなく、スポーツや演劇もそう。サッカーで点を入れたとき、シーンってなっているより、”ワー!”って歓声が上がったほうが全然いいし、逆にブーイングされるのもヒリヒリしていいんですよ。例えどんなに配信の技術が発達しても、結局人間の体温には勝てない。だから、残念ながら今回のツアーではお客さんは声は出せないですけど、せっかく来てくれたからには、心から楽しんでもらいたいと思っているんですね。それだけに、僕は思わず声がもれちゃうようなパフォーマンスをしようと思っています」

私もZepp Haneda公演に行く予定なので楽しみにしています。

「ぜひ!期待していてください!」

そして、先ほどもちょっと話に出ましたが、そのビックリするという次回作についても少しだけ教えていただけますか?

「”それ!?”っていう感じです(笑)。もうレコーディングはしたんですけど、超自信作なので早く聴いてほしいですね。たまらないと思いますから(笑)。ミュージックビデオはまだ撮っていないんですけど、既に監督さんとは話していて。それもめっちゃいいものになると思うので、お楽しみにということで(笑)」

わかりました。何もわからないまま待っています(笑)。でも、ミュージックビデオのテイストも1曲1曲全部違うなら、この際、MV集のリリースも考えたらどうですか?

「確かに。それはファンの人も喜びそうですしね。ちょっと考えてみます(笑)」

(Vol.4につづく)

取材・文/星野 櫻
写真/encore編集部

Message from 手越祐也

愛してやまないものは音楽だし、音楽をしているとき

USENのウェブマガジン「encore」では、手越祐也の6ヵ月連続デジタルリリースに合わせて6ヵ月にわたるインタビューを連載!せっかくなので毎回テーマを設けて手越祐也本人にメッセージを発信してもらうことにした。第3回目のテーマは「LUV ME, LUV ME」をリリースした今、ラミラミな手越祐也が“LUVなもの~愛してやまないもの”。

キレイごとでもなんでもなく、今は、もう完全に音楽ですね。ツアーの準備、フェスの準備、毎月のレコーディング。それができている毎日が、最高に楽しいですから。特に6月からは音楽をメインに活動していこうと自分の中でスイッチを切り替えたんです。そうするとひとつのライブができる。そこへの想いが、今までとはちょっと変わってきたことに気づいたんですよ。しかも、今はコロナ禍ということもあって、今までみたいに当たり前のようにはできないので、よりライブという存在がデカくなってきましたね。ファンの皆さんとの交流においても、結局はライブが一番。やっぱり”手越くんはカッコイイ”とか、”歌が最高だよね!”って思ってもらえる場所だと思っていますから。僕は、それくらいステージ上の自分に自信を持っているんです。でも、その自分を独立してからの1年間は見せられなかった。僕と僕のファンの子にとって空白の1年だったんですけど、そういう期間があったことで、逆に僕の中でライブへの想い、音楽への想いが増しましたね。だから、愛してやまないものは音楽だし、音楽をしているときなんです。

Movie

Release Information

手越祐也「LUV ME, LUV ME」

2021年9月22日(水)配信
フォーライフミュージック

手越祐也「ARE U READY」

2021年8月18日(水)配信
フォーライフミュージック

手越祐也「シナモン」

2021年7月7日(水)配信
フォーライフミュージック

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