Tom Misch『Full Circle』/BTG021CD/Beyond The GrooveTom Misch『Full Circle』
2010年代後半を代表するロンドンの才能、トム・ミッシュによる、前作以来8年ぶりの2ndアルバム。この8年間で彼を形作ってきた家族、友情、自然、一度距離を置いた音楽と再び向き合うまでの時間、自分自身への回帰への道を探求する過程を祝福する今作はこれまでで最もパーソナルかつ誠実な作品。 ロンドン、コーンウォール、ポルトガル、そしてナッシュビルを行き来しながら制作され、クラシックなソングライティングに焦点を当てて以前リリースされたシングルM5.「Old Man」とM2.「Red Moon」を含む11曲を収録。飾り気のないボーカルと温かみのあるアナログサウンドに支えられた、美しくも親密なサウンドがリスナーを包み込む。
Les Imprimés『Fading Forward』/BCR188LP/Big CrownLes Imprimés『Fading Forward』
ノルウェー、クリスチャンサン出身のシンガー・ソングライター/プロデューサー、Morten Martensによる音楽プロジェクト、Les ImprimésによるBig Crown Recordsからのセカンドアルバム。 彼は自身でほとんどの楽器演奏、録音、プロデュースをこなすマルチインストゥルメンタリストで、今作もソウルフルでドリーミー、切なさのあるポップ、R&Bサウンドを展開。 60~70年代のソウル、ヒップホップ的なブレイク、90~00年代のポップ、オルタナティヴのエレメントが溶け合い、モダンなアレンジで再構成される。 愛する人との絆や一体感から幕を開け、過去の過ちやリベンジ、自己内省、成長、未来への希望、逃避など実に人間らしいテーマを中心に感情のレイヤーを重ねていく。
Ego Ella May『Good Intentions』/BELIEVE133LP/Believe MusicEgo Ella May『Good Intentions』
ナイジェリアにルーツを持つサウスロンドン出身のR&B、ネオソウル、コンテンポラリージャズ・ミュージシャン、SSW(シンガー・ソングライター)のEgo Ella Mayによる2ndアルバム。2020年のデビュー作『Honey For Wounds』で、英国で最も権威ある音楽賞の一つ「MOBO Awards」のBest Jazz Actを受賞。彼女のスタイルとしてはネオソウルをベースとしながらジャズ、フォーク、レゲエ、エレクトロニカなサウンドまでもシームレスにつなぎ、HIP HOPやR&Bなど幅広いアプローチを魅せる。今作でも自身の内面の脆弱さを包み隠さず歌詞に反映し、スモーキーで繊細な息を吐くようなヴォーカルで歌い上げるさまは聴者に囁くような親密さを思える。共同プロデューサー陣にはAlfa Mist、そして同じサウスロンドン出身のWu-Luなどを迎え、現行シーンの最強布陣で挑んでいる。
Fcukers『Ö』/BRC811/Ninja TuneFcukers『Ö』
ニューヨーク拠点のデュオ、Fcukersによるデビューアルバム。1990~2000年代のエレクトロクラッシュ、レイヴポップ、インディダンスなどを横断的に取り入れながらも現代的に再構築されている。アルバム全体を太いキック、乾いたシンセ、無機質なループとミニマルな音数がベースとなっていることから強烈なフックが強調され、フロアをロックするだろう。とはいえ享楽の空虚さや都市部の退屈さを孕んだようなムードはポストパーティな、そんな感覚を覚える。クラブミュージックをインディのコンテキストで解釈した好事例的仕上がりに。
Parlor Greens『Emeralds』/CLMN12072JCD/Colemine RecordsParlor Greens『Emeralds』
現行ヴィンテージソウルの重要人物、Leon Michelsを中心に結成されたインストゥルメンタル・ソウル・トリオ、The Parlor Greensによる2ndアルバム。オルガントリオという極めてシンプルなフォーマットから60s~70sのディープファンク、メロウなインストソウル、ジャズアプローチな間、うっすらと覆うサイケ感とLeon Michelsのオルガンをメインにタイトなドラム、ギターのカッティングがミニマルながらも激渋なグルーヴを体現。Stay Goldなムードを漂わせる。
The Silvertone『Mistakes』/MXTO8881/Mixto MusicThe Silvertone『Mistakes』
ロサンゼルスを拠点に活動し、急成長中のモダンソウル、R&Bバンド、The Silvertoneのフルアルバム。彼らのキャリアの中でも最もソウルフルな作品であり、クラシックなソウルやR&Bにサイケデリックやラテンの要素を絡めたスタイルでレトロなムード、スモーキーなボーカル、ダスティなグルーヴ、そして深夜のクールさが溢れる古くて新しい質感を生むミックス感覚。柔らかで有機的な温度を感じ、ノスタルジーと夜の都市を同時に感じさせるようなアダルティな一作。
Market East『French Street』/EHS114LP/Eraserhood SoundMarket East『French Street』
フィラデルフィアのハーモニーポップ、ソウル、インディポップ・グループ、Market Eastによるデビューアルバム。2010年代初期より活動し、EPなどのリリースはあったものの、長らく音源リリースの間が空き、2025年あたりからシングルでの復活、今回ようやくフルアルバムを完成。60~70年代のソフトロック、ハーモニーポップ、ソウル、R&Bなどを取り込みつつ、フィラデルフィアならではの温かくノスタルジックなサウンドをスタイルとし、三声~四声のハーモニーを活かしたコーラス、ギター、ベース、キーボードと控えめなパーカッション、ポエティックでノスタルジックな歌詞と人間的な感情表現がアナログ録音を伴い、アンサンブルの生々しさが強調される。バンドが10年以上の歴史を経て熟成させてきた、懐かしさと新しさを同時に感じさせるインディポップ、ソウルの豊かな世界を構築している。
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