Freddie Gibbs&The Alchemist『Alfredo 2』/0434762/VMG

Freddie Gibbs&The Alchemist『Alfredo 2』

グラミー賞ノミネートの前作より5年、タッグ作が再び登場。Anderson .Paak、Larry June、JIDを客演に迎え、前作同様のマフィアムービーな世界観を今作では日本的に置き換え、Freddie Gibbsの淡々とした聴者に語りかえるようなストーリーテリング・ラップが流れるように展開。M11「Lavish Habits」では大橋純子の「坂の上の家」など、流石のサンプリングトラック群はここでも健在。

ZOPELAR『Call It Love』/APRON50LP/APRON

ZOPELAR『Call It Love』

"Retro -Futuristic -Funky -Groovy"と形容される彼のスタイルで、ネオR&B風のメロウなムードでフィーチャリングのAshiraの歌声との調和が美しいM3「We Can Make It」、ディープハウス的テンポと柔らかなシンセサウンドが心地よいM4「Back And Forth」、L'Homme StatueとRetromigrationをフィーチャーしたM7「Je t’aime」など、それぞれのカラーを持ちながら温かみのある質感で統一されている。

Doechii『Alligator Bites Never Heal : 1 Year Anniversary Picture Disc』/TPDW1938351/Top Dawg Entertainment

Doechii『Alligator Bites Never Heal : 1 Year Anniversary Picture Disc』

グラミー2025年最優秀ラップアルバム賞受賞作。本作はデビューフルアルバムのリリース一周年記念の限定盤でワニ革デザインピクチャーディスク仕様。女性らしさ、今までのHIP HOPに対する彼女の愛を名だたるプロデューサーによるブーンバップトラックに乗せてひねり出す、文句なしの後世に遺すべき2025年ベストアルバムのひとつ。

CA7RIEL&Paco Amoroso『PAPOTA』/SICP-6603/Sony Music

CA7RIEL&Paco Amoroso『PAPOTA』

異端児ポップ・デュオ最新作。成功への圧力、音楽業界の見せかけ、期待と実際とのギャップを風刺しつつ、とはいえ『ズーランダー』のようなアホさもはらむとのこと。今作はTiny Deskで演奏された曲のアレンジ版を含む音源と共に、新曲を織り交ぜた内容となっており、新曲構成のA面はストーリーとして見立てられ、ライブ音源のB面は聴者への期待に応えるような仕上がり。

AL-VEEZ『Gimme The Sun』/TSONYCEP004/SOUND OF NEWYORK CITY

AL-VEEZ『Gimme The Sun』

ブルックリンを拠点とするAl-VeezによるデビューEP。ディスコ、ブギー、ファンク、ブルース、ブラックミュージックなどを融合し、ニューヨークの街の感傷、哀愁、センチメンタルさを表現。今のダンスミュージックには珍しいほどにギターサウンドに焦点が当てられており、明け方、深夜、ニューヨークに漂うアーバン感を捉えたやわらかなグルーヴ・ビートが彼の地への憧憬を感じさせる。

Joya Mooi『What’s Around The Corner』/(Digital)/Nine And A Half

Joya Mooi『What’s Around The Corner』

南アフリカにルーツを持ち、現在はオランダを拠点に活動するJoya Mooi(ジョヤ・モーイ)。南アフリカの文化的背景とアムステルダムの都会的な感性を融合させ、R&Bやインディーポップの影響を新鮮かつ革新的なスタイルで表現している。現代オランダのR&Bシーンを牽引する存在として、Full Crate、SIROJ、Pink Oculus、Jarreau Vandalといった著名アーティストからも高い支持を得ている。 EP『Open Hearts』は、日本を含む7ヵ国のSpotify「New Music Friday」に選出され、エレクトロニックなビートとソウルフルなメロディを融合させた先鋭的なサウンドで注目を集めている。4枚目のスタジオアルバム『What’s Around The Corner』は、より公正な未来に貢献したいというJoya Mooiの願いに突き動かされ、政治的レベルと個人的レベルの両方で社会変革の理論を深く掘り下げている。Joya Mooiの過去と現在の物語に深く影響を受けた、誠実で真摯な作品群であり、繊細なメロディー、ポップトラップ、R&Bなどの探求、そして生楽器とエレクトロニックサウンドが重層的に織り交ぜられている。アルバムはSim Fane、SIROJ、Blazehoven、そしてJoya Mooiがプロデュースし、複数のライブミュージシャンが参加。 「So Stunning」は、「家」へのセンチメンタルな感情と、それがもたらす思い出を探求し、ソウル、オルタナティブR&B、そしてトラップの要素を織り交ぜた霞がかったサウンドスケープが心地よいメッセージをより強く印象付けている。

Tom Rowlands『We Are Nothing/All Night EP』/PH144CV/Phantasy Sound

Tom Rowlands『We Are Nothing/All Night EP』

ケミカル・ブラザーズのトム・ローランズによる最新ソロEP。 彼によるソロリリースは2013年リリースの『Through Me/Nothing But Pleasure』以来。A面の「We Are Nothing」はカナダのアウトサイダー詩人Bill Bissett(ビル・ビセット)の存在主義的フレーズを軸に、アシッドライン、ソウルの断片、アナログエフェクトが交錯しハウス、サイケデリックな音像がレイヤー。B面の「All Night」は反面、テンポを上げUKレイヴ、アシッドハウスなムードのジャングルチューンで90'sの熱気がムンムンの破裂感と疾走感の爆発トラック。自身におけるクラブミュージックの原点を探訪しつつ現代のエレクトロニックミュージックへ昇華する、A面B面と対照的な2曲が流石の完成度の高さを誇る。





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