05 「Indelible Magic」
──「Indelible Magic」はこれまでのSUPER★DRAGONにはあまりなかったスタイリッシュな楽曲ですが、初めて聞いたときはどう感じましたか?
古川毅「踊れるラブソング」だなと思いました。ダンスチューンですが、切なさもあって。レコーディングして、振り付けを入れて、という段階を踏みながら各々が楽曲を解釈していったような感覚があります」
──ではそれぞれの楽曲の解釈含めて、パート別に話を聞かせてください。まずはボーカルの3人から。大人っぽいダンスチューンですが、歌唱する上で意識したことはありますか?
池田彪馬「失恋ソングですが、切ないだけじゃなくて、未来への希望も感じられる。自分なりにそう解釈したので、その絶妙なバランスを出せたらと思ってレコーディングしました。今回、歌い出しを担当させてもらっているのですが、聴いてくれる人に世界観がスッと伝わるようにというのは特に意識しました」
田中洸希「僕も気持ちとしては彪馬と同じような気持ちでレコーディングしました。大人っぽく少し余裕のある感じを出したくて、ブレス多めにしたりして」
ジャン海渡「“ブレッシー”にね」
田中「そう。“ブレッシー”な歌い方含めて、ニュアンスを大事にしました」
ジャン「“ニュアンシー”ね」
田中「はい、“ニュアンシー”です(笑)。今までの連続リリースの楽曲とは雰囲気の違う曲だったので、自分なりに違いを付けたつもりです」
古川「僕は正直、“これを特段意識した”というものはなくて。身を任せて楽しんで歌えたなという感じです。冒頭でも話したような印象や、この楽曲の持つ空気感を自分なりに表現できたと思います」
──ラップ担当のジャンさん、松村さんは、ご自身のラップパートの作詞も担当されていますが、それぞれどのようなイメージで書いていったのでしょうか?
ジャン「タイトルにもある“Indelible”には、“消えない”とか“拭えない”という意味があって。関係性が変わっても気持ちを断つことができない、引きずってしまうという主人公の感情を意識しました。声に出すときにも意識しましたし、歌詞全体で遠回しな表現が多かったので、僕のパートではあえて未練があるんだということをわかりやすく表現しました」
松村和哉「僕は、失恋したあとの忘れかけているときの余熱のようなものをイメージして書きました。もともと、僕のパートもジャンくんのパートも、別のリリックとフロウが乗っていたんです。それが結構アッパーな感じで、展開としてはよかったんですけど、“もう少し歌詞を文学的に楽しんでもらいたい”とも思って。グルーヴするだけじゃないものにしたいというのはすごく考えました」
──振付やミュージックビデオもスタイリッシュですが、志村さん、飯島さん、伊藤さん、柴崎さんはそれぞれどのようなところを意識しましたか?
飯島颯「今回の振り付けは、一つ一つはシンプルで単純な動き。だからこそ揃っていないとバラけて見えてしまうので、細かく揃えることを意識しました」
伊藤壮吾「前回MVを撮った「Summer Party」はダンスシーンがなかったんですけど、今回はダンスシーンが多めで。前から撮ったり、2階から撮ったり、いろいろな角度から撮ったので、列やフォーメーションはいつも以上に意識して整えましたね」
柴崎楽「「Summer Party」とは雰囲気が違って、スタイリッシュでシック。音にあわせてパッと止める振付が多いので、ちゃんと止めないと気になっちゃうし、いつもに比べて振り数が多いわけではなくてごまかしも効かないので、一つ一つの動きを大切にしました」
志村玲於「振付師さんから、“イメージはジャスティン・ティンバーレイクさん”という話を聞いていたのと、マイケル・ジャクソンのイメージが自分たちの中にあったので、動画をみんなで共有して。全員でイメージを固めてから挑みました」
──ボーカルやラッパーの皆さんの、MVの注目ポイントはありますか
松村「ジャンくんの蛍光灯の前のイメージシーン。あのジャンくん、超綺麗!」
古川「一人だけハリウッドだよね。僕は衣装のスタイリングを担当させてもらっているのですが、今回はいつもよりも達成感が大きくて。その達成感の中でも、ジャンの存在感はかなり大きな割合を占めていたように思います。ジャンのスターの資質を引き出せたんちゃうかなと」
ジャン「僕はそもそもこういう世界観が好きなので、毅から衣装のイメージを聞いてフィッティングしてもらったときからMV撮影が楽しみでしたし、完成したものを見て、“Netflixみたいだな”と思いました、僕が!」
古川「“俺がNetflixだ”と(笑)」
ジャン「そう(笑)。でもそれは、毅が似合うものを持ってきてくれたからこそ。メンバーがスタイリングに携わってくれているからこそ、よりベストなものができたと思うので、ありがとう」
古川「どういたしまして」
──古川さんが手がけた衣装の話をもう少し聞かせてください。今回はどのようなイメージでスタイリングを考えていったのでしょうか?
古川「振付師の方に“今回の振り付けはハットとグローブでスーツ、みたいなイメージ”と聞いていたので、“そのまま生かしていいかな?”と思っていて。でもそれこそマイケル・ジャクソンから影響を受けている人はみんなやっていることでもあるから、“コスプレっぽくならないように”というのは気をつけました。“秋っぽさとフォーマルな部分だけは残しつつ、ハットとグローブを使ってそれぞれの魅力や色気を違和感なく引き出せる衣装にしたいな”と。スタイリストさんと相談しながら、最終的にはみんなの良さが引き出せる衣装になったと思います」
──それぞれにこだわっていると思いますが、特にこだわったポイントを挙げるとしたら?
古川「僕の中でひとつ“隠れこだわりポイント”があって…それは洸希のハットです。去年、グループで沢田研二さんの「Darling」をカバーさせてもらったのですが、そのとき洸希がメインを張ったんです。で、“ジュリーといえば斜めハット”という印象があったので、今回ハットをかぶるんだったら、その匂いを取り入れるのも“アリかな?”と思って、フィッティングのときに洸希にデカめなハットを斜めにかぶらせてみたんです。そしたらすごく似合ったので採用しました。これは“隠れこだわりポイント”ですね」
志村「僕はストールを巻いているんですが、それがいい感じのアクセントになっていて、気に入っています。ぜひ注目してほしいですね」
古川「しかも胸元までボタンを開けて。ちょっとセクシーな着こなしにしています」
志村「最年長なので!」
──随所に皆さんのこだわりが光る「Indelible Magic」ですが、どんなときに聴いてほしいですか?
ジャン「失恋ソングではありますが、ネガティブな曲ではないと思うので、まさに失恋してしまったときや人間関係でうまくいかないときに聴いてもらいたいですね。これを聴くことで、失恋を前向きに捉えられるかもしれないし、少しでも支えになれたらと思います」
──5月から毎月連続で新曲配信リリースをしているSUPER★DRAGON。今作は連続リリースの5曲目ですが、ここまでの手応えはいかがですか?
古川「僕らは結成して7年目。この連続リリースは、もう一度自分たちの可能性や幅を探るという目的で、これまで挑戦しなかったものに挑戦してみるという実験的な企画だと自分達では捉えていて。“今後このスタイルでいきます”とか、この先のグループを提示するというものではないんです。そういう意味でも、楽曲ごとにグループの幅を感じていますね。連続リリースはこの先もまだ続くので期待していただければと思います」
志村「僕は今回の「Indelible Magic」で、こういうスタイルや雰囲気のパフォーマンスを見せられたことが大きいと思っていて。同世代のダンス&ボーカルグループだとやっているグループはそんなに多くないと思うんです。もう少し年齢が上になったらできることなのかもしれないですが、今の年齢でこのスタイルをしっかり見せられたのは、自分たちにとってかなり自信になりました」
──SUPER★DRAGON Special Live 2022「Move On!!!!!!!!!」が9月23日に大阪・なんばhatch、25日に東京・豊洲PITで開催されます。毎回コンセプチュアルなライブで話題を集めるSUPER★DRAGONですが、このライブはどのようなものになりそうですか?
松村「今はリハをしているところなのですが、グループとしての幅が広がっているのも感じているので、広く深く見せられるようなライブになるんじゃないかなと思います。この連続リリースで発表された楽曲がどうセットリストに作用してくるかというのは、僕たちも楽しみですね」
飯島「タイトルにもある通り、“動き”ます、いろいろなものが。夏にやったファンクラブツアー「for BLUE」は企画中心の内容になりましたが、今回は自分たちのパフォーマンス中心のライブになる予定です。今年最後のワンマンライブでもあるので、いいものを皆さんに見せられるように頑張ります」
池田「まだ途中ではありますが、連続リリースを通して自分たちが得たものを見せることによって、未来への期待も高まるんじゃないかな。何かが動き出す瞬間を一緒に楽しめたらいいなと思います」
──最後に、「Indelible Magic」にちなんで現時点での今年の“消えない”思い出、“消したくない”思い出を一人ずつ教えてください。
志村「僕はサマステ(『コカ・コーラ SUMMER STATION 音楽LIVE』)です。野外ライブも、外部イベントもひさしぶりだったので。あの会場はとにかく風が吹かないのですごく暑くて“野外のステージの暑さってこんな感じだったな”と思い出したことも含めて、野外ライブの厳しさと楽しさ、両方を味わうことができました。このライブを皮切りに、ほかのイベント出演も続いたので、特に印象深いですね」
飯島「僕は春のツアー「SUPER★DRAGON LIVE TOUR 2022 -F2F-」で「Bad Day」を披露したときの景色が消えないです。この曲では振り付けに携わらせてもらったのですが、“サビはBLUEのみんなも一緒に踊ってもらいたいな”と考えていたし、一つ一つの振り付けに思い入れがあって。実際に一緒に踊ってもらえたので、あの光景はずっと消えないですね」
池田「それで言うと僕も「-F2F-」で。最終公演で、「-Tweedia-」という楽曲をサプライズで披露したんです。その曲は僕たちが制作から関わらせてもらったので、そのときの光景は忘れられないです」
古川「それ… 「SIX DAY」(SUPER★DRAGON ONE MAN LIVE TOUR 「SIX DAY」)だね。去年だよ!(笑)」
池田「あっ、…えっと…消えていましたね(笑)。今年じゃないけど覚えている景色ということで。すみません、悔しい…(笑)」
柴崎「僕は「-F2F-」の初日ですね。このツアーは『Force to Forth』というアルバムを携えて行ったツアーだったのですが、『Force to Forth』はメンバーが濃く関わって作ったアルバムなので、1曲1曲の熱量がすごく高くて。BLUEの皆さんもアルバムを聴いてから来てくださっていたので、新曲を披露するたびに“ここでこの曲が来るんだ!”みたいな反応があって。そういうものを直接感じられたいいツアーだったなと思います」
松村「僕は「-F2F-」の映像を今だに、週1くらいで見ているんですよ。暇があったら電車の中でも寝る前でも。そもそも『Force to Forth』が新しいSUPER★DRAGONを見せるような作品で、「-F2F-」のライブをもってアルバムが完成したという感覚があって忘れられないですね。中でも「Set It Off」の玲於くんのソロダンスはめちゃくちゃキマっててヤバかった。あれ、即興なんだよね?」
志村「うん、そう」
松村「毎公演、即興でやっていたらしいんですが、たまに“あれ?音外した?”みたいなときもあって(笑)。でも最終日はバチっと決まって本当にヤバかったです」
志村「ステージセット2階のセンターで踊ったのですが、毎回、2階まで歩く最中にその日何するかを考えていました。確かに一か八かみたいに思っていた人もいたかもしれないですけど、毎公演毎公演、BLUEのみんなと一緒にその日の空気感を楽しめたらと思って毎回変えていました」
田中「ここまでの流れが壊れてしまうのですが、僕は憧れの人に会えたことが忘れられない思い出です。その憧れの人というのは、ビートボクサーのSARUKANI JAPANさんなんですけど」
一同「おお!」
田中「生でビートボックスを聴けて、幸せ過ぎました。しかも僕の大好きな二郎系ラーメンも一緒に食べられたんですよ!忘れられないくらい幸せな時間でした」
──ご自身のビートボックスへの想いに変化も?
田中「はい。皆さん、僕のビートボックスを“冗談抜きでめちゃくちゃ上手だよ!”と言ってくださって。自分では正直そこまで自信はないんですが、世界的なビートボクサーのSARUKANIさんたちにそう言っていただいたので、これからも頑張りたいなと思いました。これからもバチボコ激アツなビートボックスを披露していきます!」
伊藤「 僕はJR九州さんとのお仕事ですね。JR九州さんの団体列車で、僕が案内役を務めるというオリジナルツアーを組んでもらって。3月に第一弾、6月に玲於と一緒に第二弾をやらせてもらいました。JR九州さんから声をかけてもらえたこともうれしかったし、その列車には僕のファンの方がたくさん乗ってくれて。鉄道オタクじゃない方が鉄道に乗るきっかけを作れたことで、少しでも鉄道に貢献できたのかなと思うとうれしいです」
古川「僕は「EBiDAN THE LIVE 2022」ですね。ひさびさの開催だったというのもあるし、何よりもずっと僕たちに大きい背中を見せてくれたDISH//さんが今回の「EBiDAN THE LIVE」をもってEBiDANを卒業するということで気合もいつもとは違いました。僕たちが研究生だった頃、先輩たちは最前線にいて、僕たちは後ろや端にいた。それがいつしか自分達も最前にいて、引っ張っていく立場になって。DISH//さんに“こいつらがいるなら安心して卒業できる”と思ってもらいたくて、やるべきことを全部詰め込んだ2日間だったんです。だからすごく学びがあったし、「EBiDAN THE LIVE」の前と後で心持ちが変わるくらい、僕にとってはすごく大きな忘れられないステージでしたね」
ジャン「僕も、ライブもいろいろと思い出に残っているんですが、みんなが話してくれたので、おまけ程度の話でいくと…“ちょいヶ月前”に、家を出たところで近所の子供が慌てていたんです。“どうしたの?”と聞いたら、デュエル・マスターズか何かの“カードを、側溝に落としちゃった”と言っていて。“どうにか助けてあげたい”と思って、家から割り箸とガムテームを持ってきて、それを側溝に入れて取ってあげたんですよ」
一同「おお!」
ジャン「そのときの、カードを渡したときの“お兄ちゃん、ありがとう!”の笑顔が忘れられないです」
古川「なるほど…確かにおまけやな(笑)。インタビュー、これで締まる?(笑)」
伊藤「えっと、これからもいろいろと楽しみにしていてください!」
(おわり)
取材・文/小林千絵
写真/野﨑 慧嗣
Live Information
SUPER★DRAGON Special Live 2022「Move On!!!!!!!!!」
【日程】
2022年9月23日(金・祝) 大阪 なんばHatch THANK YOU SOLD OUT!!
2022年9月25日(日) 東京 豊洲PIT THANK YOU SOLD OUT!!
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