――今年の5月に行われた「M!LK SPRING TOUR 2022“CIRCUS”」の感想を聞かせてください。

吉田仁人「7箇所14公演という大きなツアーだったんですけど、やっぱりM!LKのファンは愛があるなって、全公演を通して思いました。みんなが僕らのことを愛してくれて、ライブを楽しんでくれている感じが伝わってきて、すごくうれしかったですし、秋に国際フォーラムでのライブが決まったことも喜んでくれて。もっといろんな会場に連れて行きたいなと思いましたね」

曽野舜太「地方をいろいろ回ったんですけど、全体の感想としては、ご当地のものをたくさん食べられたことです」

山中柔太朗「おいおい(笑)」

曽野「もちろん、それぞれの地域でファンの皆さんの雰囲気が違うなってことがいちばん記憶には残っているんですけど、ご当地の名産を食べられて良かったです」

――特に美味しかったのは(笑)?

曽野「北海道のラーメンですね。ライブが終わった後に食べたんですけど、もう染み込みましたね」

山中「染み込んだんだ(笑)。僕は、あのパッケージでやれる全力のことはできたなと思っているんですけど、もっといけるな、全然足りないなという気持ちもあって。“もう一回見たい”とか、“CIRCUS、すごく良かった”っていう声をたくさんいただいたので、反響の良さに手応えを得つつも、もっと回りたいと思ったツアーでした」

佐野勇斗「自分の中ではM!LKの中で何か大きなものを掴んだツアーだったなって思います。良かったっていう声が多かったのもあるし、太智の演出も良かったし、柔太朗が考えた衣装も良かったし。そして、何よりも大きかったのは、グループの雰囲気を表すMCですね。今回のツアーを通して、何か1つ掴めた感じがあって。言葉にするのは難しいんですけど、そのおかげで、大きいステージが見えたなって思って。全国を回って、ファンの皆さんの温度感も感じられたので、もっと大きいところでやりたいなと思いました」

――言葉にできないとありましたが、何をつかんだんでしょう?

佐野「どう言えばいいのかまだ考え中なんですけど……舜太の存在が大きいと思ってて」

吉田「そうね」

佐野「舜太がニューシングル「奇跡が空に恋を響かせた」の特典に入っている「M!LK島暮らし」の収録で沖縄に行った時に覚醒した感があって。M!LKの何か足りないなと思っていたピースを舜太が持ってきてくれたんですよね」

――その話はあとで詳しく聞きたいなと思います。ライブの演出も務めている太智さんは?

塩﨑太智「みんなが言ってたように、いろんな人から面白かった、良かったという声をいただけたので、大満足のツアーでした。実は、ツアーが始まるまでは、その前のワンマンライブ「NEXT WINNER」よりも不安な要素が多かったんですよ。だからこそ、みんなでギリギリまで調節していたのが、逆に実ったんだなって思いました」

吉田「いつもは初日にダメだしがあるけど、今回は序盤から“めっちゃいいライブだった”って言われてたよね」

塩﨑「ツアーの一発目はいろんな確認事項もあるからね。その時のマックスは出るけど、全部を把握した上でできるわけじゃない。でも、「CIRCUS」は初っ端から。“めっちゃ良かった”って言われて。やばいからこそ、みんながしっかりと気合いを入れて臨めていたのかなと思います」

――ツアーを通してアンコールで表題曲「奇跡が空に恋を響かせた」も披露しました。ドラマ「僕の大好きな妻!」のオープニングテーマとしても大きな話題になってます。

吉田「僕たちのファンも喜んでくれますけど、僕たちのことを全く知らない方の耳に入る機会になるのはうれしいですし、ドラマを彩る一曲になればいいなって思います」

佐野「うん、純粋にうれしいですね。M!LKも、ドラマの世界観である“しあわせの形”を視聴者の方にお届けできるように頑張りたいし、僕らもドラマとともに歩んでいきたいと思って。そして、いつか、M!LKの誰かが主演をやるドラマの主題歌も歌えるようになりたいという夢にも一歩近づけたのかなと思います」

曽野「大切な人と出会う恋の奇跡を歌ってて、すごく「僕の大好きな妻」の世界観にマッチしてるんですよね。オープニングでかかるので、ドラマが始まるんだってきっかけになるのがうれしいし、ライブで歌った時とは、また違った聴こえ方をするんじゃないかなと思います」

山中「ラブソングで、割と重めなことを言ってるんですけど、音はダンスポップなので、踊ってても、歌ってても楽しくて。M!LKっぽいといえば、M!LKぽいですし、ファンの方にも好評なのでもっと育ててきたいです」

塩﨑「曲調が好きな人が多いよね。まわりの人からも「キセコイ」が好きって言葉を聞きますし、「キセコイ」が好きっていうコメントが多くて」

吉田「うん、今、同じことしか言ってないね(笑)」

塩﨑「いや、「Ribbon」とか、「HIKARI」も言われてたけど、この曲は特に多いなって感じるのよ。ドラマのオープニングテーマということで注目してもらってるからかもしれないんですけど、多くの方に刺さるといいなと思いますね」

吉田「今までのM!LKで夏の曲といえば、「かす君」という意見が割と多めだったんですよ。エモーショナルで儚さ全開の曲だと思うんですけど、それと相反する、明るさの中に儚さがある感じの曲になってて。そういう点では、M!LKの新しい夏曲が生まれたかなと思いますし、歌詞だけ読むのと、パフォーマンスで見るのとでは印象が変わってくるかなと思います。メジャーデビューしてからのM!LKの新しい魅力を発見できる曲ができたと思うので、ぜひ、いろんなところでパフォーマンスしたいし、たくさんの方に自信を持って届けたいなと思いますね」

――MVは沖縄で撮影したんですよね。見どころはどうです?

塩﨑「柔太朗のウィンクが、「ribbonRibbon」では結局、使われなかったんですよ」

吉田「そうなの」

塩﨑「そう。やったけど、使われなくて。今回、使われてたので、“あー、良かった”って」

山中「ふふふ!親目線だね」

吉田「使わせるという確固たる意志を持ってやったんでしょ?」

山中「そうそう。沖縄の綺麗な風景と衣装もマッチしてて。ビジュアルもしっかり出しているし、ずっと見ていられるようなMVになったのかなと思いますね」

吉田「ハロ現象という太陽のまわりに虹ができる輪っかを表現した可愛いフリも見て欲しいです。あと、「Ribbon」に続き、チャペルが復活しました。王子様風のイメージカットでキュンとできる部分が多いかなと思いましたね」

曽野「ファンの中でチャペル巡りが流行るんじゃないかなと思ってて」

吉田「全部の場所で結婚式あげるんでしょ?」

塩﨑「沖縄のチャペル、すごい絶景で良かったから、「Ribbon」に続いて、写真を撮るに行く人多いんじゃないかな。ひとつの聖地になればいいんじゃないかなと思います」

佐野「ロケーションも良かったし、雨予報だったんですけど、天気に恵まれて。この曲にもあってるなと思います」

――そこで、最初にお話に出た「島暮らし」の撮影もしてるんですよね。

塩﨑「そうですね。MV撮影は1日で、島暮らしが150時間。どっちが主かわからないけど(笑)、ただただ、僕たちが沖縄で楽しんでいる姿が見れる特典映像になってます。一応企画はあったんですけど、本当に何のミッションもなく。ダイビングしたり、どっか行ったり、ただただ楽しんでる5人の映像」

――曽野さんの覚醒とは?

佐野「ひと言で言うとおもろかったんですよね。舜太のことだから、考えてきてると思うんですけど、全部おもろくて。ちゃんとバラエティの作りのことを考えて発言してて。男子校の会話ノリが面白いとかじゃなくて、エンターテイメントとして面白くなってる」

曽野「分析しないで(笑)。あの時はゾーンに入ってて。これを言ったら面白いなっていうのがどんどん湧いてきたんですよ。それがほぼ刺さってて。もっと面白くなるために沖縄に通おうかなって思ってます」

吉田「そこじゃないと思うよ!」

佐野「M!LKの中でツッコミは俺と仁人がやるんですけど、ボケの立ち位置が足りなくて。太ちゃんは天然ボケだし、狙ってボケて、ツッコミを待つっていう人がいなくて。そこを舜太が入ってくれたおかげで、会話が回るようになったのが大きい。仁人の動きとか面白くないので、ツッコミづらいし」

曽野「うん、それはそうですね」

吉田「んー……今のやり取りはボケで合ってるの?」

塩﨑「あはははは!いや、吉田さんはレベル高いですよ」

山中「本当にレベル高いと思う(笑)」

吉田「もうやめよう!」

塩﨑「ボケ側の俺らは自由にやっていればいいんですけど、そこをどうつっこむかでトークの面白さが決まってくるので」

曽野「捌いてくれる。プロの料理ですね」

山中「たとえツッコミがやばくて。さっきも“いい男の条件”を聞かれて。“うまい飯屋をたくさん知ってる男”って答えたメンバーがいたんですけど、“「東京カレンダー」かよ!”ってつっこんでてて」

吉田「あはははは!それ、1つ前の取材だよね。リプレイが早すぎるよ」

山中「これです!また名つっこみ出ましたよね。“リプレイが早すぎる”」

――特典映像を見るのが楽しみです(笑)。カップリングの「最愛」は恋愛ゲーム「イケメン王子 美女と野獣の最後の恋」の2周年記念テーマソングになってます。

吉田「ゲームの中の主人公の人たちのテーマソングになるっていう。僕らはステージ上で、皆様のアイドルとして、王子様としてやってますけど、王子様のゲームとコラボするっていうのは新しい形だなって思います」

山中「イケメン王子が一人の女の子に向かって誠実にアタックしていく、愛について歌ったバラードになってて。久々のバラードなので、レコーディングも楽しくできたし、気持ちよく歌えたと思います」

佐野「僕、バラードは踊らなくてよくて好きなんですけど……」

吉田「好きな理由、それ?(笑)」

佐野「これもたぶん好きになると思います(笑)」

曽野「これで踊ったらやばいよな」

山中「コンテンポラリーダンスとか」

塩﨑「まだ迷ってるんだよね」

佐野「いや、やめてよ(笑)。メロデイもすごく刺さる曲なんだから」

山中「ゲームのファンの方もいい曲って言ってくれたのがうれしいですね。全く僕らのことを知らない人が、ゲームに合っていていいっていうコメントを見たので」

吉田「ええっ、うれしいなあ!僕、大好きなんです。こういう感情爆込めのどバラードが。歌ってても、情景が浮かぶし、花束っぽいイメージがあって。幸せ満開みたいな感じで、歌ってて心が楽しかったです」

塩﨑「ふーん……」

吉田「え、興味ない?」

塩﨑「あはははは!」

吉田「歌詞の言葉、どれが欠けても行けないくらいひとつひとつが大事なので、ぜひフルで聴いていただきたい」

山中「そうだね。ゲームではフルで聴けない方にも」

塩﨑「これはライブの時、歌ってて気持ちよさそうだなって思います……というか、気持ちよさそうに歌ってる他のメンバーが想像つきますね。僕は本当に、ピッチのことばかり考えて、気持ちよく歌えたことないんですよ。それこそ、一番わかりやすいのは吉田さんですよね。佐野さんも、ソノシュンも、柔太朗も気持ちよさそうに歌ってるのが想像できる」

山中「太ちゃんは真顔で歌ってる(笑)」

塩﨑「真顔で<僕ら愛せてよかったと>って?でも、歌ってて気持ちいいし、気持ちが込めやすいし、ライブにまた1つ、新しい色を加えてくれる曲になるんじゃないかなと思いましたね」

――もう1曲の「シアワシェイク」はパーティーソングですよね。

吉田「スーパーハッピーな曲を描きたいっていうところからスタートしたらしくて。いろんな国の言語で<幸せ>を言ってて。世界中ハッピーだね見たいな、幸せの塊のような曲になってます。サビの歌詞が全部一緒なので、みんなが聴いてすぐに覚えられるようなキャッチーさとハジけるテンション感がある。これもライブで太智くんがどう組み込んでくれるのかが楽しみな曲ですね」

塩﨑「やるかわからないですけどね」

吉田「なんでなん?新曲やぞ!」

塩﨑「あははは!」

吉田「キャパが大きくなればなるほど盛り上がりそうだなって思います」

佐野「混沌としてる世の中で、少しの幸せに気づいていこうよっていう曲なんですね。今の時代だからこそ、世界中の言葉で“幸せ”って言ってて。ハッピーな曲だけど、そういう意味も込められていて、より好きになりましたね」

山中「1回、Bメロで拍子が変わって、サビには爆発力があるので、ライブでやるのが楽しみですね。みんなをどうやって盛り上げようかなって考えちゃいますね」

曽野「僕はそのBメロがすごく好きです。直前までアゲアゲなんですけど、ここで一回、ミュージカル調になって。舞台でミュージカルを歌ってるような綺麗な音が入っているので、そこも注目して聞いてもらえたらいいなと思いますね。あと、2Bの<僕がいて君がいて音楽があればもう何も他に入らない>っていう歌詞。結局は。そういうことですよね。それって、世界共通だなって思うし、この曲が世界に羽ばたいてくれたらうれしいです」

――世界中の言葉で「幸せ」を言ってますが、歌詞は覚えましたか?

塩﨑「自分のパートは覚えたけど、他の人のところは覚えられてない」

吉田「太智の1番が長いんですよね」

塩﨑「オリルッカ、ハミンギャ、べあてぃどーどぅー……」

吉田「まだたどたどしいですけどね(笑)」

曽野「これがネイティブな発言かもしれないよ」

吉田「そうか!何語だったっけ?」

塩﨑「えーと……何語かは振り入れまでに確認しておきます(笑)。でも、なんかすごいですね。この曲がかかったら、テンション上がるわって。今までは「めちゃモル」が担ってきたところを、今回、更新できた感じがあって。うれしいですし、昔、M!LK好きだった人も戻ってきてくれるきっかけになるんじゃないかなと思います」

吉田「キモは、太智の<エンジョイラブリー>なので、そこがこけたらもうダメですね」

塩﨑「そうですね。あれ、むずいのよ」

――9月からは全国ホールツアー「満月の夜 君と逢う」がスタートしてます。

塩﨑「総動員数が今までで最大で。前回の「CIRCUS」が好評だったので、その分の期待も大きくなっているだろうし。今、M!LKが波に乗りかけてる最中なので、ここで溺れないようにしっかりと魅せたいですね」

吉田「毎回、更新したいよね」

塩﨑「やっぱまだ小さいなって思わせられるくらい頑張りたいですね。ツアーのビジュアルもどんどん上げていくので、いろんな想像をしながら楽しみにしていきたいです」

佐野「この前、太智が“前回を超える自信がある”って言っていたのが驚きだったんですね。“そんなこと言うとハードル上がるから嫌だ”っていうタイプだったのに、そんな発言できるくらいの案があるっていう。そこにはM!LKの可能性を感じたし、好評だった「CIRCUS」よりも上があるんだっていうのは、仲間として心強いし。今までのM!LKを更新できる自信しかないですね」

曽野「楽しみですね」

山中「僕は衣装を作る上で。先にセトリを見せてもらったんですけけど、また新しいことをしてるんですよね。その分、衣装を作るのがすごく大変だったんですけど、新しいことをしていかないと飽きられちゃうと思うし、それを体現してくれる制作チーム、演出チームはすごいなと思います。皆でクオリティを求めていったら、きっとすごいライブになるし、まだまだ小さいなって思わせれると思ってます」

曽野「ま、そうですね、今の俺らを止められるのは誰もいないんじゃないかなって」

吉田「あははは!いい心意気だね」

塩﨑「ノリノリだね」

曽野「M!LKの波が来てるってみんなが言ってくれるけど、もっと大きな波が待っているので、俺らに期待してもらえたらなと思います」

吉田「東京国際フォーラム ホールAは先輩方も踏んできたステージなので、光栄だなと思います。メンバーとスタッフさんとの協力体制は過去最高にレベルが高いので、とにかく僕たちはステージの上で、皆さんとのコミュニケーションを楽しむだけ。ぜひ会場に遊びに来て欲しいし、あのライブに行けてよかったなと思ってもらえるようなパフォーマンスをしたいなと思ってます。これからのM!LKがどういうふうになっていくのか、皆さん楽しみにしていてください!」

(おわり)

取材・文/永堀アツオ
写真/野﨑慧嗣

LIVE INFO

塩﨑太智生誕祭2022 ~Happy Birthday to me~
2022年9月19日(月)iTSCOM STUDIO&HALL 二子玉川ライズ(東京)※2部公演

M!LK HALL TOUR 2022 満月の夜 君と逢う
9月10日(土)東京国際フォーラム ホールA
10月8日(土)名古屋市公会堂 大ホール
10月9日(日)名古屋市公会堂 大ホール
10月15日(土)NHK大阪ホール
10月16日(日)NHK大阪ホール

M!LKオフィシャルサイト

DISC INFOM!LK「奇跡が空に恋を響かせた」

2022年8月10日(水)発売
初回限定盤A(CD+Blu-ray)/VIZL-2076/3,300円
ビクター

M!LK「奇跡が空に恋を響かせた」

2022年8月10日(水)発売
初回限定盤B(CD+Blu-ray)/VIZL-2077/3,300円
ビクター

M!LK「奇跡が空に恋を響かせた」

2022年8月10日(水)発売
通常盤(CD)/VICL-37648/ 1,100円
ビクター

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