――3月23日に4枚目のアルバム『Force to Forth』がリリースされます。まずは、この作品に込めた想いを聞かせてください。

柴崎楽「前回のアルバムからこの4枚目までの間に、9人それぞれが見えないところでも成長している部分がたくさんあるんですよ。その結果、今回のアルバムでは制作に関わることができたメンバーもいるので、より自分たちらしさが出た作品になったんじゃないかと思います。だから、それをやっと聴いてもらえるのが嬉しいですし、このアルバムを引っさげたツアーもあるので、みんなの前で披露できるのも楽しみ。いい作品になったと思うので、ツアーでは11曲大切にパフォーマンスしたいと思っていますね」

古川毅「僕はこのアルバムは、自分たちの新しい名刺代わりになってくれるんじゃないかと思っています。自分たちは今年で7年目になるんですけど、今後目指す理想像や自分たちで描いていきたい未来に向けて、”じゃあ、どういうものをやっていきたいか?”って問われたときの答えがこのアルバムというか。リスナーやファンのみなさんはもちろん、これから出会っていくであろうクリエイターやプロデューサーに対しても、”これがSUPERDRAGONです!”と自信を持ってアピールできる1枚になったんじゃないかなと思っているので。今はコロナ禍ですけど、僕たちは、その先を見据えている。そういう姿勢が出た作品なので、きっと聴いてくださる方たちの背中も押せるアルバムになっていると思います」

飯島颯「これまでもわりと自分たちはいろんなジャンルに挑戦してきていたんですね。そして今回もAnatomy RabbitさんやVantageさんという海外のアーティストさんとのコラボという新たな挑戦をしているんです。自分たちが今まで積み上げて来たものに、海外のアーティストさんのテイストが加わったことで、さらに僕たちの可能性というものを提示できた。そういうアルバムになったなって感じていますね。この先どんどんスパドラが前進していくためにも、やっぱり海外は視野に入れておきたい。そういう意味では海外の方にも聴いていただけるような1枚になったと思っています」

池田彪馬「僕の中では、このアルバムは、いい意味で現状の集大成な気がしています。7年やってきたからこそ出せる自分たちの音楽に対するIQ。それを存分に詰め込めたアルバムになったなと思っていますから。それに今回は曲数も10曲あるので、ここに収録された楽曲をやることで、ライブでの構成もこれまでとは一新されると思うんですね。そういった部分も含めて、僕たちが未来に持っていくマスターピースになりうる作品になったんじゃないかと思います」

伊藤壮吾「前作の3rdアルバム『3rd Identity』が2年半前。その後の期間がちょうどコロナ禍と重なるので、今まで通りのライブができないところから始まり、いろいろともがきながらも歩みを止めることなく進んできたんですね。そのゴールが、このアルバム。コロナ禍でも進み続けた成果が、ここには出ていると思います」

志村玲於「僕としては、スパドラのアルバム史上、一番メンバーたちの魂がこもっているのかなと思っています。例えばボーカルが11曲時間をかけて作っていったというのもありますし、普段は曲にたずさわることがあまりなかった僕たちダンサーも意見を出して「Shut Up, Shout Out」を作って行った。だから、本当に9人が9人アルバムに魂を込められたんじゃないかと思います」

――そうやって曲作りに参加するのは、やりたいことでもあったんですか?

志村「そうですね。特に「Shut Up, Shout Out」は、スパドラの原点的な曲でもあるんですよ。だから、”スパドラらしいことって何だろうね?”っていうところから始まったりもしたんです。でも、その中に新しさも出していかなきゃいけない。それで、みんなでいろいろ相談して作っていったので、かなり思い入れがある楽曲になりました」

松村和哉「毅くんも言ってましたけど、コロナ禍になって2年たち、そこからの出口を探さないといけない段階に入って来たなって、たぶん全世界の人が思っていると思うんですね。だから、それにもかけて前進する力という意味を持つアルバムを作ったんです。実際、聴く人に寄り添って前進できる力になれるような曲もありますし、前進するために引っ張っていくような曲もあれば、背中を押すというか蹴とばすくらいの曲もある(笑)。どの曲でもいいし、どんな受け取り方でもいいんですけど、1曲でもワンフレーズでも耳に残って、誰かの前進する力になったらいいなと思っています」

田中洸希「この2年間は、いろんな気持ちが交差していた期間だったんですよ。その中で作り上げたアルバムだったので、本当に11曲に強い想いがこもっています。そして、その結果、このタイミングで出すからこそ意味がある1枚になったと思っていますね」

ジャン海渡「僕は、今回のアルバムはSUPERDRAGONっていう存在を表現しやすい作品だと思っています。というのは、この作品はミクスチャーの要素がすごく強いから。それは音楽的にもジャンル的にもそうなんですけど、海外のアーティストさんとコラボしたという意味のミクスチャーや、曲によってボーカルが変わるっていう意味のミクスチャーもあるからなんです。いろんな部分でSUPERDRAGONの強みが詰まっているので、きっと海外の方が聴いても、”SUPERDRAGONって面白いな”って感じてもらえるはず。だから、自信の1作ですね。それにアルバムを通して聴いたときに受け取るものもたぶんある。自分たちが今出せる最善を尽くした作品なので、いろんな人のところに届いてほしいと思っています」

――では、そんなアルバムの中から、ひとりひとり推し曲を選んでいただけますか?

柴崎「僕は「Shut Up, Shout Out」を推したいです。”これ、絶対ライブでやるでしょ!”ってファンの方が、みんな思うような曲なので(笑)。もう振付も出来ているんですけど、それもとんでもなくアグレッシブ。だから、観てくれた人たちの反応も楽しみですね」

古川「僕は「X」です。さっき楽も言ったように、このアルバムでは僕たちも制作に関わっているんですけど、それはこの曲から始まったと言っても過言ではなくて。自分たちにとっても大きな作品になりましたし、前回取材していただいた『Burn It Black e.p.』に収録されていた「Burning in the nights」も自分たち発信で作りたいと言った曲だったんですけど、あれは夜明けというものを表現した曲だったんですね。だからこそ、そこから先の世界を、この「X」では表現したかったんです。そこには自分たちの姿勢という意味もあるんですけど、今、世界中がまだ先の見えない状況にあるだけに、その先の光に自分たちがなりたい。そういう想いで魂を込めて歌詞を書いたので、このアルバムで伝えたかった前進する力みたいなメッセージを「X」が背負ってくれているように思っています」

――確かに覚悟が見える楽曲ですよね。

古川「はい。覚悟を込めました!」

――古川くんには、ご自身が出演なさっている『よるのブランチ』のエンディングテーマになっていた「Purple Moon」についても語っていただいていいですか?

古川「この曲も制作自体にメンバーがたずさわっています。彪馬が数曲あったデモの中からトラックをセレクトし、それにファンのみなさんに喜んでもらえるようなリリックを乗せたんです。だから、すごくバランスのいい1曲になったんじゃないかと思いますね。それにMVでは踊ってないんですけど、実はダンスもすごい。このサウンドや世界観をしっかり表現しきれているパフォーマンスになっているので楽しみにしていてほしいです」

――では、飯島くんの推し曲は?

飯島「僕は「Bad Day」です。この曲は“Bad Dayを忘れて行こうぜ”みたいな結構明るい曲になっているんですよ」

――そうなんですよね。タイトルから受けた印象と真逆なテイストだなって思いました。

飯島「そうなんです(笑)。でも、まさに今の状況を“Bad Day”と捉えている方もたくさんいると思うんですね。その中で、なかなか前向きになれないような方にもぜひ聞いていただきたいなって思っています。それとこの曲はサビの振付をメンバーみんなで考えましたし、他の部分も僕と玲於が中心になって考えていて。そういう振付にもしっかりたずさわることができたっていう面では、すごく貴重な1曲になっているなと自分でも感じています。だから、曲だけじゃなく、パフォーマンスも楽しんでいただきたいですね」

――この曲もライブで盛り上がりそうですね。

飯島「そうですね。ライブでファンの人たちと距離を縮められるような楽曲になったかなと思っています」

池田「僕は「PioneerKeep It Real)」ですね。これは僕自身が初めて1から作曲家さんとディスカッションしながら制作していった楽曲なんですよ。自分の中でエレクトロのダンスミュージックをやってみたい気持ちが、すごくあって。そういった部分も含め、自分が思い描いた理想像を形にできた。だから、個人的にも満足しています。一切妥協せず、ものすごい時間をかけてやりとりしながら大切に作っていった楽曲なので、ライブでやるのも楽しみですし、これからの自分たちの音楽を支えてくれる1曲にもなったんじゃないかと思いますね」

――この曲も未来の可能性のようなものを、すごく感じさせますよね。

池田「そうですね。“自分らしくあれ”みたいな意味が込められているので、未来に対するメッセージ性も歌詞から感じ取っていただけたら嬉しいです」

伊藤「僕は「君は1000%Vantage Remix)」で」

――先ほど飯島くんが言っていたVantageさんとコラボした楽曲ですね?

伊藤「はい。リミックスじゃないほうの「君は1000%2021年にリリースしているんですけど、そこからまた新しいことをやってみようっていう発想からリミックスが始まったんですよ。今回のアルバムは、全体を通して、”ああ、スパドラっぽいね!”っていう曲もあれば、”こういうのもできるんだ!”っていう曲も入っていると思うんですけど、このリミックスは、その中の新しい面のひとつかなって思っていますし、今後の武器にもなるんじゃないかとも思います」

――では、志村くんの推し曲をお願いします。

志村「僕は「love or likeTokyo)」ですね。この曲は、タイの方から見た東京をイメージした楽曲なんですよ。作曲とアレンジを担当してくださったAnatomy Rabbitさんはタイの方ですから。だから、振付も今、制作段階に入っているんですけど、そこにもタイで人気のコンテンツを入れている。そうすることで、この曲がタイと日本の架け橋にもなったらなと思っています」

――そうやって音楽でつながっていけるのは素敵なことですよね。

志村「はい。音楽って全世界共通のものだと思うので、それをきっかけにいろんな方々に僕らを知っていただければ嬉しいですね」

松村「僕は「2U」ですね。これはラッパー3人の楽曲で、(ヒップホップジャンルのひとつである)ドリルを取り入れた曲になっています。ドリルは、その国ごとの特色が出たりする面白い文化。僕たちもミクスチャーとうたっているからには、このビートでラップしようっていうことから制作が始まりました。歌詞の内容的にも過去いち尖っているんじゃないかなっていう感じなんですけど(笑)、いつか振り返ったときに聴いても、たぶん、あのときの若さだったら、このアティチュードが正解だったんだろうなって思える気がするんですね。それくらい今の僕たちだからこそ臆せずに言いたいことが言えている仕上がりになったと思います」

――今のリアルな思いを表現することは、アーティストにとって、とても大切なことだと思いますよ。

松村「僕たち3人はヒップホップという文化が好き。それだけにやっぱりリリックは自分で書きたいんです。誰かが書いたものを言わされていると、それを表現したときに言葉ひとつ取っても目線の奥ひとつ取っても絶対にわかる。”だったら自分たちで書こう!”と思って気合いを入れて書きました」

――ほとばしる思いをとても感じました。

田中「僕は「-Tweedia-」ですかね。スパドラにとって初めてのバラードです。この曲も「Burning in the nights」を一緒に作ってくださったUTAさんがプロデュースしてくださったんですけど、前に進む力っていうのをアルバムの最後にバラードという形で残すのってすごくいいなと自分の中では思っていますから。実は一度ライブで歌ったんですけど、今までとは違った見せ方ができたんですね。だからこそ、また新たな気持ちが自分の中に生まれてきましたし、それはたぶんライブを見てくれたファンの方たちも感じてくれていると思う。いろんな気持ちを乗せることができる曲になったので、僕はとても好きです」

――せつないけど、優しく温かい感じがあるところがいいですよね。これからいろいろな道に進んでいく人がいる卒業シーズンにもピッタリだなって思いました。

田中「そうですね。前向きな意味合いのあるバラードになっていると思いますから」

ジャン「「-Tweedia-」は最後の曲で、1曲目が「Welcome to my hell」なんですけど、この曲は僕が作詞作曲をして、トラックをGeek Kids Clubがやっているんです。このGeek Kids Clubは仲のいい作曲チームで、スパドラにたずさわる機会もあったんです。今回は”アルバムという場でしっかり一緒にやろう!”って声をかけたところ、即答で”やりたい!”って。世界観的にも今までのスパドラにはなかったタイプですし、歌詞の内容的にもわりとメルヘンチック。意味をストレートに伝えるというより何かに例えて表現したりしているので、いろんな意味で新しい楽曲だと思います。SUPERDRAGONは、いろいろな姿に化けられる。それを1曲目から見せられたと思うので、この曲で始まることにも意味があると思いますね」

――この曲もライブで映えそうですよね。

ジャン「今、もう振付もついているんですけど、すごくキャッチーな振付になっているので、観てくださった方の記憶に残ると思います。だから、もうすぐ始まるツアーでも、楽しんでいただけたらと思いますね」

――そのツアーは全国のZeppで行われるそうですが、どんなライブになりそうですか?

古川「アルバムを背負ってのツアーになるので、そこで初めて披露する楽曲も多いんですよ。だから、今回のツアーをやって、初めてこのアルバムが完成する気がします。振付だったり楽曲の世界観みたいなものを、自分たちも己の内側から表現したいですし、それを来てくださった方に受け取ってもらいたい。そうやって、しっかりとこのアルバムの曲たちをみなさんと共有したいですね」

伊藤「ようやく有観客でできるようになったのが、まず嬉しいです。オンラインも悪くはないんですけど、やっぱり画面越しでは絶対に超えられない壁がある。それを有観客でできなくなって痛感したからこそ、今回のツアーでは今まで以上に1ヶ所1ヶ所のライブを大切にやっていきたいですね」

志村「僕たちはライブをすることが前提のグループ。だから、この2年間で離れてしまう人がいても仕方ないと思っていたんです。でも、実際はそれどころかむしろファンの方が増えた。みなさんがこの2年間、僕らを支えてくださっていたんです。だから、その分を今回のツアーでお返ししたいと思っていますし、『Force to Forth』というタイトルに恥じないような、前進し、成長した僕らを常に見せていきたいですね」

(おわり)

取材・文/高橋栄理子
写真/中村 功

Release InformationSUPER★DRAGON『Force to Forth』

2022年323日(水)
初回限定盤
CD+Blu-ray/Booklet60P)/三方背BOX
ZXRC-2089/7,800円(税込)
SDR

Release InformationSUPER★DRAGON『Force to Forth』

2022年323日(水)
通常盤
CD
ZXRC-2090/3,300円(税込)
SDR

Live InformationSUPER★DRAGON LIVE TOUR 2022 -F2F-

【日程】
2022年324日(木) 東京 Zepp DiverCity
2022年325日(金) 東京 Zepp DiverCity
2022年328日(月) 福岡 Zepp Fukuoka
2022年330日(水) 大阪 Zepp Namba
2022年41日(金) 愛知 Zepp Nagoya
2022年43日(日) 宮城 SENDAI GIGS
2022年45日(火) 北海道 Zepp Sapporo
2022年423日(土) 東京 Zepp DiverCity *追加公演

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