――連続リリースの1作目を飾る「青、その他」。まずは楽曲の印象から教えてください。
小泉光咲「最初に聴いた時は、すごく爽やかな曲だなって。僕らの曲って、いい意味で奇妙な曲が多いですけど(笑)、「青、その他」は爽やか系で、「幽かな夜の夢」(アルバム『多世界解釈』収録)に近い雰囲気を感じました」
長野凌大「僕たちからしたら、その“奇妙”っていうのが“普通”になっているので(笑)。逆に、こういう曲のほうがわかりやすいというか。「青、その他」は初めて聴いても歌詞の意味がスッと入ってきて、“わかりやすい!”って思いました」
杢代和人「僕も初めて聴いた時は青春感というか、“爽やかな曲がきたな〜”って思ったんですけど、歌詞を読むと、明るい春っていうより、ちょっと報われない感じで、そこが“げんじぶっぽいな”と思いましたね」
――春にリリースする楽曲としては、ちょっと憂いがあるかもしれないですね。
杢代「春の曲だったら、もっと“青春イェーイ!”みたいなハッピーエンドな感じの歌詞を書くと思うんです。けど、そこで聴き手がいろいろ想像してしまうような内容になっているのが“げんじぶらしさ”なのかなって。あと、意外に春というか、季節に合った曲をリリースするのが今回初めてなんですよね。それも新鮮に感じました」
――「青、その他」というタイトルについてはいかがですか?
武藤潤「タイトルを見た時、「青、その他」の“その他って何だろう?”って思いました。で、考えてみたんですけど、例えば、人生でも“春が訪れる感じ”ってあるじゃないですか。でも、それ以外のことも青くなるってことなのかなと思って……。
杢代「んん?(笑)」
――もう少し詳しく教えてもらえると助かります(笑)。
武藤「なんていうか、“青”の後に続くのが春だった場合、“青春”じゃないですか。でも、青の後に続くのは必ずしも春ではなくて。逆に言えば、“いろんなことに青はあるんだぞ”っていうことかなと思って感じで聴いていました」
――なるほど。タイトルひとつとっても、いろんな想像が膨らみますね。大倉さんや吉澤さん、桜木さんは、この楽曲についてどんな印象を持ちましたか?
大倉空人「やっぱり、全体的に歌詞がわかりやすくて、スッと入ってくる。それから、3月21日にリリースする「結末は次のトラフィックライト」にも通じるんですけど、曲調はアップテンポでありながら歌詞は悲しいっていう真逆な感じは、僕らげんじぶの曲には結構あって。「ネバーエンドロール」(アルバム『多世界解釈』収録)がそうなんですけど、「青、その他」もそういうカテゴリーなのかなって思ったんですよね。で、今回の衣装を見て“やっぱりそうか!”って。透明感や儚さ、悲しさ、エモさみたいなものを出す曲かなって思いました」
桜木雅哉「僕はこの曲、個人的にはすごく爽やかだけど、意外とアップテンポとまではいかないかなと思って。「結末は次のトラフィックライト」のほうがもっとアップテンポな印象だったので、この曲は逆に静かな印象を受けました」
――確かに、ピアノの旋律が美しい楽曲ですもんね。吉澤さんはどうですか?
吉澤要人「歌詞に出てくるひとつ一つの単語にすごく親しみがあるなというか。それは、すぐにイメージが湧く単語、青春のワンシーンに必ず入ってそうな単語が出てくるからかなと思いつつ、でも、歌詞全体を見ると結構深い……。本当、人それぞれの捉え方ができる曲だなと思います。親しみが持てるのに、“これはどういうことなんだろう”とか、一つの問いかけになっているのもげんじぶっぽい。わかりやすく終わらせないところがいいなって思いました」
――今みなさんがお話しされたように、聴いた人それぞれの受け止め方がある楽曲だと思うのですが、原因は自分にある。の楽曲として、レコーディングをする前にメンバー間で共有することって何かあるんですか?
杢代「共有は……ないよね?」
武藤「共有するとしたら、こうやって出来上がった時だよね」
長野「解釈はそれぞれですけど、現場にディレクションの方がいるので、レコーディングしながら整えてくださる感じです」
大倉「あと、すでにレコーディングが終わった部分を聴いて、それを受け取って自分のパートを歌ってみることもあります」
――完成したものを聴いて、これまでとの変化だったり、意外性だったりを感じることもあるのでは?
長野「そうですね。今回はなんか、みんな声が変わったなって思いました。特に(桜木)雅哉とか(吉澤)要人とか。声が変わったというか、声自体はそんなに変わってないけど、雰囲気が違っていて。聴きながら普通に“うまっ!”て思いました(笑)」
大倉「僕はあんまり意外とは思わなかったかな。今までたくさん僕たち7人でレコーディングしてきて、もちろん声が変わったとかはあるんですけど、曲のイメージとか声質とかっていうのはメンバーの歌を長年聴いてきたからこそ、想像もできたというか。今回の曲も本当に素敵に仕上がったので、感じ方や捉え方は全員一緒だったのかなと勝手に思ったりして」
武藤「でも、(大倉)空人はライブだといつも力強いラップとか、テンションが高い感じでカッコいい感じなんだけど、「青、その他」のAメロはめちゃくちゃ爽やかで。そういう新しい一面が出ているところが、僕だけじゃなくて、曲を聴いた人にとっても意外性があるかもしれないですね」
杢代「それはあるね。あと、歌にまとまりが出てきた」
武藤「確かに!」
杢代「普段からボイトレだったりレッスンだったりを一緒にしてるから、自分たちだと気付きにくいんですけど、こうやって1曲になってみるとまとまりというか、単純に“げんじぶの声、いいな”って思ったりして。昨年のライブを経て、その後に出す一発目の配信シングルなので、それこそライブに向けてみんなで頑張った成果が出ているような気がします。げんじぶの曲をもっと好きになってもらえるような、ちょっとレベルアップした感じ……(長野に向かって)あるよね?」
長野「(何度も頷きながら)あるね!」
武藤「しっかり繋がってる感じはあるよね」
杢代「そうそう。それにプラスして全員の声の雰囲気が一緒だったっていうのは、この曲に対して誰一人他のことを考えていない証拠だなって思います」
小泉「あと、僕たちは年齢的にもまだ成長過程ですし、“これからどんどん、原因は自分にある。の曲が完成されていくんだな”って、この曲を聴いて思いました」
武藤「(小泉)光咲の<今日で最後 そう今日で最後>っていう落ちサビのところとか、めちゃくちゃ聴き応えがある」
杢代「あそこはマジでいいよね。そのへんからずっと光咲が歌っているから、ぜひ聴いてほしいです」
――3月21日には「結末は次のトラフィックライト」のリリースが控えていますが、配信シングルの連続リリースで原因は自分にある。が提示するもの、ファンの方たちに期待してほしいことは何でしょう?
大倉「「青、その他」もだし、次の「結末は次のトラフィックライト」もですけど、曲調と歌詞にギャップがあることが、新たなげんじぶらしさとして定着しつつあるのかなと個人的には思っていて。もともとげんじぶと言えば、ピアノロック調だったり、難しい言葉が並ぶ哲学的な歌詞だったのが、「ネバーエンドロール」とか「幽かな夜の夢」とか、「0to1の幻想」(アルバム『虚像と実像』収録)で、報われないみたいな結構重めの歌詞だけど、曲調はアップテンポで、振り付けも盛り上がるっていう曲も出てきていたんですよね。そこに今回またこの曲ができたことで、新しいげんじぶらしさが増えるんじゃないかなって思っています」
吉澤「あとは、ようやく等身大の楽曲が歌えるようになってきたのかなって」
桜木「そうかも」
吉澤「それによって、僕らが共感できる気持ちを受け取った上で、聴いてくださる方に届けられるようになったというか。そういう意味でも、今回の連続リリースは“今の僕ら”に意味がある曲だと思います」
(Vol.2 「「結末は次のトラフィックライト」」に続く)
取材・文/片貝久美子
写真/野﨑 慧嗣
Release Information原因は自分にある。「青、その他」
Release Information原因は自分にある。「結末は次のトラフィックライト」
2022年3月21日(月)配信
SDR
Release Information原因は自分にある。『虚像と実像』
2021年12月8日(水)発売
初回限定盤:CD+DVD/ZXRC-2083/4,950円(税込)
通常盤:CD/ZXRC-2084/3,300円(税込)
SDR
原因は自分にある。 「ワンマンライブ げんじぶ空間:case.3」
2022年3月28日(月)【大阪】Zepp Namba THANK YOU! SOLD OUT!!
開場 17:45/開演 18:30
指定席・・・¥6,900(税込)
2022年3月30日(水)【愛知】Zepp Nagoya THANK YOU! SOLD OUT!!
1部 開場 13:45/開演 14:30
2部 開場 17:45/開演 18:30
指定席・・・¥6,900(税込)
2022年4月5日(火)【東京】Zepp Haneda THANK YOU! SOLD OUT!!
1部 開場 13:45/開演 14:30
2部 開場 17:45/開演 18:30
指定席・・・¥6,900(税込)