――この流れで「Добрый день(ドーブリジェン)」のお話に移りますが、これもタクヤさんはその場で覚えたんですか?
タクヤ「それこそ、その場でしたね。レコーディングが始まる前に1回聴いて」
ユーキ「本当にそうらしいです。ある意味、才能ですよね」
リョウガ「すごいよな〜。タイミングとかムズくない?」
タクヤ「ムズいところは何回か練習してから」
リョウガ「そこで練習しちゃダメ(笑)。本番なんだから!家で練習して来なさいよ(笑)」
ユーキ「僕は家でちゃんと練習しても、本番で“もう1回いいですか?”ってやってるのに!」
タクヤ「そんなユーキが、さっきダンサーの歌も解禁って時に一番乗り気で“ボイトレから頑張ります!”って(笑)。本当にちゃんとボイトレからやれよ?」
ユーキ「おい!タクヤが言い出したんだろ!(笑)」
リョウガ「でも、ユーキもすごいうまかったですよ。ちゃんとそれっぽかった」
――リョウガさんは「Добрый день」のレコーディング、いかがでしたか?
リョウガ「僕も歌うのが苦手で、普段はあんまり感情をのせて歌えなくて。でも、この曲のBメロの部分とかは、声も加工されてロボットぽくなってるのもあるんですけど、もともとのデモが無機質な感じの歌い方になっていたので、その通りやりました。楽しかったです」
――カイさんはどんなふうにレコーディングに臨みましたか?
カイ「ちゃんと練習して行きました(笑)」
ユーキ「それは当然よ、当然(笑)」
タクヤ「今回カイは「Добрый день」だけじゃなく「Chill out @JP」でもボーカルになっちゃったんで。もうダンサーだけじゃなくなって、ちょっと遠い存在に……」
リョウガ「なってねーよ!(笑)」
カイ「うん、なってない(笑)。でも、「Добрый день」では最初から高いパートを割り当てられたので、ちょっとうれしかったです」
――この超特急史上初のダンサー曲「Добрый день」を聴いて、タカシさんはどう感じましたか?
リョウガ「もしかしたら、タカシは怒ってるかもしれない。だって、バックボーカルと言えど、めちゃくちゃ踊ってますからね。なのに、僕たちダンサーが歌うだけで“超特急史上初!!”とか言ってるのがちょっと気に障ってるかも……」
タカシ「いやいやいや(笑)。僕、いつかダンサーのみんなも歌ってほしい気持ちが結構あったんですよ。そういう形もアリなんじゃないかなって。だから、10周年のタイミングでそれが実現してうれしかったです。完成した曲も、超特急っていうより他のグループなんじゃないかって思えるくらい、いい意味でメンバーの雰囲気がガラリと変わっていて。僕も普段の生活の中で普通に聴きたくなりますもん。すごくカッコいい曲だなって思います。早くダンス込みでパフォーマンスしてる姿を見たいなって」
カイ「今はまだ振りが決まってなくて、kazukiさんとShow-heyさんの2人が振付けしてくださることだけ決まってます(※取材時)」
ユーキ「かなり激しいダンスになりそうな気がします」
タカシ「この曲に盛り込まれてる、ロシア発祥のハードベースミュージックをYouTubeで検索すると、雪の上で若者が大暴れしてる動画しか出てこないんですよ(笑)。僕の頭の中には今、そのイメージしかないから、振付けも入った1曲としての姿を楽しみにしています」
――今回の楽曲の中で振付けが楽しみなものはありますか?
ユーキ「個人的に踊るのが楽しみなのは「You Don’t Care」。あと、「Te quiero mucho」はすごくライブ映えしそうだなって。合いの手とかも含めて、8号車と一緒に楽しめそう」
タクヤ「僕も「You Don’t Care」は、個人的にしっとり系で踊るほうが好きなので楽しみです。あと、言ったら叶うかもってことで、「Chill out @JP」はリョウガに振付けしてほしいなって思います」
リョウガ「イヤです(即答)」
タカシ「リョウガが振付けしたことって確かにないな」
カイ「ユーキがGOサイン出したら決まるもんね」
リョウガ「お断りします(即答)」
――タクヤさんがそう思うのはどうして?
タクヤ「リョウガは本当、音の取り方がすごいオシャレなんですよ。僕らの中で一番すごい」
リョウガ「振付けは、言われた通りにやってるだけだから(笑)」
ユーキ「確かにメンバーの中で唯一、振付師さんからもらった振りを踊り続けてる人だからね(笑)」
リョウガ「曲によってはフリーで踊るパートとかあるじゃないですか。それも、“先生、教えてください!”って(笑)」
タクヤ「いやいや、もういけますよ」
リョウガ「ごめんなさい。そこ、本当NGなんですよ〜」
タカシ「でも、記事になったらみんな期待しちゃうよ?」
リョウガ「カットしてもらえるようにマネージャーさんに言っておきます(笑)」
――記事には書かせていただきますね(笑)。さて、今回のアルバムはジャケットワークと衣装をカイさんが担当されたとのこと。イメージしたことやこだわった部分を教えてください。
カイ「アルバムの内容同様、衣装やジャケットにも各国の要素を取り入れたいなと思いました。ただ、大前提として、このアルバムは日本人の超特急が世界に届けるものなので、日本というところをちゃんと大事しにしたくて。だから、衣装は着物っぽいシャツの重ねだったり、帯をしていたり、日本らしさをベースにしつつ、そこにいろんな国の要素をプラスしました。トップスを白にしたのは、曲ごとに何色にでも変われるキャンパス的な意味合いも込めています。あと、ジャンルレスな作品ってところからジェンダーレスにも繋がって。パールを付けてるメンバーが多くなっているのは、そういう理由から。それと同じように、ジャケットのほうも植物と神殿っていう有機物と無機物を混ぜたりして。今回は何かに特化するというより、いろいろなものをミックスすることをイメージしました」
――このアルバムが出た後は、いよいよ10周年記念ライブ『DANCE DANCE DANCE』が迫っています。どんな内容になりそうですか?
ユーキ「10周年記念ということで超特急の10年間を感じてもらえるようなセットリストでありながらも、新しいアルバムも引っ提げていますので新鮮さもあって、僕たちらしさもあって……。そういったバランスの取れたライブができたらいいなと思っています。10周年だからと言って、お祝いムードで“イエーイ!”って感じだけじゃなくて、10周年でも攻めることを止めない超特急の姿を見せていければ」
――前作から今作までの3年間で、実は30曲近い楽曲をリリースしているみなさん。その間の半分くらいがコロナ禍となってしまい、まだ8号車のみなさんの前で披露できていない楽曲もたくさんあるのでは?
ユーキ「そういう意味では1個だけ、たぶん8号車にとってうれしいサプライズを用意しています」
タクヤ「ライブでは絶対盛り上がると思います」
ユーキ「キラーチューンが飛び出すかも!? 楽しみにしていてください!」
――では最後にメンバーを代表してリョウガさんから、まもなく丸10周年を迎える超特急がこれから目指す場所、そして8号車のみなさんへのメッセージをお願いします。
リョウガ「丸10年……体感的にはあっという間ですけど、思い返すと本当にいろんなことがあって今があるなと思います。それをいつも支えてくれているのが8号車で。特に今年は、僕たちが新型コロナウイルスに感染したことで大事な8号車の日のイベントが中止になってしまったんですけど、その時に8号車たちが『#超特急を8号車が元気にします』というハッシュタグをつけてTwitterに投稿してくれたんです。それこそ、僕らが昔から言ってる“8号車も超特急のメンバー”っていうのを、8号車側が証明してくれたというか。そこで改めて、これから先何が起こっても超特急は超特急であり続けられると思いました。なので、今後も超特急らしい姿で走って行きたいと思います」
(おわり)
取材・文/片貝久美子
写真/野﨑 慧嗣
BULLET TRAIN 10th Anniversary Super Special Live 「Dance Dance Dance」
11月23日(火・祝)@さいたまスーパーアリーナ(埼玉)
開場17:00/開演18:00
BULLET TRAIN 10th Anniversary Super Special Live 「Dance Dance Dance」
超特急『Dance Dance Dance』
2021年11月10日(水)発売
初回限定盤(CD+Blu-ray)/ZXRC-2081/7,480円(税込)
通常盤(CD)/ZXRC-2082/3,300円(税込)
SDR