2025年9月12日、東京・Zepp Hanedaで『OWV LIVE TOUR 25-26 VERSUS』が開催された。
OWVデビュー5周年を迎える記念ツアーの初日となる本公演。「OWV VS OWV」がテーマに掲げられ、前半はデビュー初期のOWVを、後半ではグループの今〜現在を届ける構成だ。
「Roar」のイントロが流れると、2020年秋のメジャーデビュー当時の髪型・髪色の4人が現れた。これにすぐ気がついた客席からはどよめきが起こる。
それぞれデザイン違いの光沢感があるワインレッドのジャケットに身を包んだ姿はどこか懐かしい雰囲気。実はこの衣装、OWV結成1周年記念公演であり、グループ初のワンマンライブとなった「OWV 1st Anniversary Talk&Live “AWAKE”」当時のもの。まさにあの日の記憶を呼び起こすような演出に、観客からは一層大きな喝采と拍手が広がっていった。

客席の大歓声に包まれたメンバーは、その勢いのまま、デビューを飾った攻撃的で力強いダンスナンバー「UBA UBA」から、「BE ON TOP」「So Picky」を立て続けに披露。
そして「こんにちは、僕たちがOWVです!」という挨拶からトークが始まったものの、どこか違和感が漂う。
リーダー本田康祐が「1995年4月11日生まれ、今日は誕生日です!」と自己紹介すると、浦野秀太が「ペンライトを赤にしてもらってもいいですか?」と呼びかけ、メンバーがバースデーソングを歌い出す。
このMC、実は2021年の初ワンマンのトーク音源をそのまま流した“口パクMC”。早々に気がついたQWVからは笑い声が漏れた。
中川勝就のことを「カツくん」と呼ぶ佐野、そして本田に向かって「康祐くん」と話しかける浦野。当時の関係性がそのまま再現されている。
今日は朝6時に起きました」とライブ当日の行動を細かに報告する本田や、「鍼に通っていて、店員さんと仲良くなりました」とオチのないエピソードを展開する中川、「最近、康祐くんと好きな食べ物が似ていることに気が付きました」と報告する浦野など、初々しいやりとりが続いていった。
ほんわかした雰囲気のMCパートを経て、空気は一転。2nd singleの「Ready Set Go」から、大人っぽいダンスナンバー「Na Na Na」を披露したかと思えば、続いてステージが暗転。メインボーカルの浦野がひとり姿を現し、しっとりと「Scattered」の歌い出しをアカペラで響かせた。これも2021年に豊洲PITで行われた公演と同じ演出だ。
しっとり歌い上げるナンバー「Beautiful」「Fifth Season」ではダンスを封印し、歌唱に専念。メンバーそれぞれが客席をまっすぐに見つめながら、歌詞のメッセージを丁寧に届けていった。
本田が「『OWV LIVE TOUR 25-26 VERSUS』にお越しいただいたみなさん、ありがとうございます! 今日はOWVさんのライブだから盛り上げないといけないんです」と挨拶すると、浦野は「めっちゃ緊張する」と弱気なコメント。続けて中川が「今日初めてみんなと会えたのがうれしくて……ライブ楽しいですか?」と客席に呼びかけると、会場のQWVもこの日のコンセプト「後輩OWVと先輩OWVの対バン」をしっかり理解したのか、笑いが広がった。
「ラストスパート盛り上がって行きましょう!」という曲フリから、今も定番のパーティーナンバー「PARTY」「My flow」、そしてアッパーなダンスチューン「What you waitin' for」へ。浦野は「まだ盛り上がれますか? たくさん声出していきましょう!」と呼びかけ、会場を一気に熱気で包み込んだ。
“後輩OWV”として臨んだラストのMCでは、「今の段階ならOWVさんに勝ってるんじゃない?」「MCの面白さは絶対に勝ってる!」と畳みかけるメンバーに、客席からは大きな笑いが沸き起こった。
最後は4人が仲良く手をつなぎ、「それでは以上、OWVでした! ありがとうございました!」と深々と頭を下げると、幕がゆっくりと閉じていった。
幕間では、後輩OWVと先輩OWVが楽屋で語り合う音声が会場に流れた。「ありがとうございました!」と挨拶する後輩4人に、先輩からダメ出しと激励が展開される。
中川先輩からは「Twitterがイーロン・マスクに買収されてXになった」という時事ネタや、「TikTokが伸びるから今のうちからやっておいたほうがいい」といった具体的なアドバイスも飛び出した。すると後輩OWVからは「カツくん……めっちゃ喋るね!?」と驚きの声。デビュー当初は口数が少なかった中川からは、5年後に楽屋でも絶えずおしゃべりをしている姿が想像できなかったようだ。
さらに浦野先輩も「中川くん、今後めっちゃ喋るようになるから」と一言。中川先輩自身は「キャラを変えずにそのままでいてほしい」と伝え、会場は大きな笑いに包まれた。
後輩の本田が「今はコロナ禍で大変なんですけど、これからこの状況を乗り越えていけるものなのかを先輩に聞きたいです」と質問を投げかける。
すると本田先輩は「声出しができない中で、ようやくお客さんを入れてライブができた頃かな。その時代はもう終わります。QWVと直接会えるようになって、みんなが望んだ形でアーティスト活動ができるようになるから、今は頑張ってほしい」と力強く答えた。
苦しかった時代を思い出し、会場がややしんみりしたところで、後輩の浦野が浦野先輩に「実家を出るタイミング」について相談する。すると浦野先輩は「俺もまだ実家出てないよ! もう28になったけど」と明るく返答。後輩たちから「周りの目とか気にならないんですか?」「終電はどうしてるんですか?」と矢継ぎ早に質問が飛ぶ。
神奈川県内の実家から都内の現場に通い続けている浦野先輩は、「終電間際の仕事は入れないようにする」「どうしても間に合わない時はホテルに泊まる」「ライブ後はメイクも落とさず急いで電車で帰宅する」とリアルな生活ぶりを明かす。「タクシーじゃないんですか!?」と驚く後輩の反応に、会場からも笑いが起こった。
ダンスリーダーの佐野については「隠し事が多くてミステリアスなキャラだけど、デビューから5年経った今も保ててる?」という話題に。すると佐野先輩からは「家が寺なことも全部言っちゃってるし、今は世界陸上レベルで走ってる」と明かされた。さらに「今のうちから走り込んで身体を作っておけ。これからどんどん“走る仕事”が増えて、浦野の倍は稼げるようになるから」と励まし、突然の格差暴露に会場は大爆笑。
そして佐野は最後に「……ダンスリーダーって、本来は全体を揃える役割なんだよ。でもお前は今、自我が出すぎて“ダンスストライカー”になってる」とコメント。
客席から笑いが起き、会場の空気が高まったところで幕が開き、いよいよ先輩OWVのステージがスタート。ツアーTシャツをアレンジした衣装で登場した4人は、最新アルバムの1曲目「Swish」でいきなり全力のダンスを披露し、キャリア5年の貫禄を示す圧巻のパフォーマンスで観客を一気に引き込んだ。
「盛り上がってんのかい? 今夜は眠らせないよ!」と本田が煽り、勢いそのままに「SLEEPLESS TOWN」へ。さらに前半でも披露した「UBA UBA」へと繋げていく。デビュー当時を彷彿とさせる構成ながら、今のOWVらしい豪快さが加わり、楽曲の迫力は格段に増していた。そしてグループ初の週間チャート1位を獲得した「BREMEN」までをノンストップで披露し、会場の熱気は最高潮に。
改めての自己紹介に入り、「こんにちは、OWVです!」と声をそろえるメンバー。
本田は「本田康祐、30歳です。今日は2020年にデビューしたOWVと同じステージに立っているけど、後輩にヘタなところは見せられないよね。今のOWVを存分に浴びて帰ってください!」と力強くコメント。
続いて中川は「5年前のOWVより、こっちの方が声が出るって証明しましょう! 僕たちは明るい未来にいるんです」と胸を張る。
浦野は「楽しかった? 5年前のOWV、かっこよかった? でも今のOWVの方がもっとかっこいいから! 『VERSUS』最後まで楽しんでいってください!」と観客を煽り、会場を沸かせた。
この日、前半と後半でダンススタイルを変えていた佐野は「実は綺麗にも踊れます、佐野文哉です。裏でスタッフさんに『今日は揃って見えました』と言われました」と笑いを交えつつ、「みなさんのおかげでツアー初日を迎えられました。ここを皮切りに最高の思い出を作って、元気に年越しまで駆け抜けていきましょう!」と熱く語った。
ここからいよいよライブは終盤へ。Da-iCEの工藤大輝が手掛けた「Frontier」、跳ねるようなアッパーチューン「Fanfare」、そしてゆったりとした「TALK TALK TALK」へと繋げていく。4人は2階席や後方までしっかりと視線を送り、ファン一人ひとりに丁寧に手を振り続けた。そのまま爽やかなバンドサウンドの「EASY」、歌詞にOWVの名前が刻まれた曲「Here & Now」を歌い上げる。
曲明けのMCでは佐野が「(5年前と比べて)こんな体力の衰えを感じるとは」と自虐気味にコメントをしたものの、そのパフォーマンスからは一切疲れを感じさせず、むしろ全力を貫く姿勢が際立っていた。
メンバーの「5年前のOWVを知っている人?」という問いかけに、客席からは多数の手が挙がる。初めてOWVを観るというファンに対しても、佐野が「いいの、あれは恥部だから! 観なくてよかったよ!」とフォロー。
続けて本田が「みんな、“AWAKE”はYouTubeでダイジェストが観られるから、観るんだぞ」と呼びかけると、客席からは「は〜〜〜〜い」と間延びした返事が返ってくる。
本田が「なんだその長い『は〜〜〜〜い』は!」と叱咤すると、今度は「はい!!!」とキレのいい元気な返事が響き渡る。
佐野は「いいね、強豪校みたい。このへん一帯に女子バレー部がいるぞ!」と突っ込み、会場を笑わせた。さらに「甲子園とかもベンチからの応援の圧を感じるじゃん? 対バンのときは、この圧でいこう。なんならブラスバンドも始めてください」と呼びかけ、観客をさらに盛り上げる。
本田が「お前ら声出せるのか!」と問いかければ「はい!!!」と大きな返事。 中川も「1階も行けるのか!」と煽ると「はい!!!」が返ってくる。
そんな熱気の中、佐野が「TikTokでバズるよ! これ撮っておこう! 『OWVのファンやばすぎる! 返事でかすぎてしぬ!』って」とおどけ、再び大爆笑が起こった。
「じゃあ次の曲行きましょう」とメンバーが切り出すたびに「はい!!!」が返ってきてしまい、笑ってなかなか次へ進めない。ついに「もういいよ、『いえ〜い!』にして」とリクエストするほどだった。
その後も佐野が「今、はい!!! と、いえ〜い! と、それな!の人がいました。ぐちゃぐちゃです! 統一しないと!」と突っ込み、会場は更に大きな笑いに包まれた。
本田が「それでは、今のOWVが見せます最強のメドレー、聴いてください!」と告げると、ステージはいよいよクライマックスへ。
「Gamer」では、先ほどの声出しで客席もすっかり温まり、大きな声援が飛ぶ。
続く「Tararam」、そして「What you waitin’ for」では縦ノリのビートに合わせて観客が一斉にジャンプし、会場は大きなうねりに包まれた。
さらに本田が「君たち声出てるね〜! こんなに楽しかったら、声出るよね〜!」と煽ると、QWVが「それな〜!」と即座に応える。そのまま「SORENA」へと雪崩れ込むと、QWVの熱気が高まりすぎて、会場の湿度まで上がっていくのがわかるほどだった。その勢いのまま、「LOVE BANDITZ」で本編は終了。
アンコールを受け、しばらくして、10月1日にリリースする11th single『BLACK CROWN』表題曲を新衣装で初披露。OWVが目指す新時代をコンセプトに、王冠をモチーフにした振り付けだ。
曲の余韻に浸るQWVに向けて、本田が「アンコールどうもありがとう! こんだけ昔からやってたらさ、今のOWVも観なきゃね。初披露の新曲、みんなどうだった? すげえかっこいい曲だね!」と呼びかける。続いてメンバーそれぞれが、ツアー初日を終えた感想を語った。
中川は「5年前からOWVを知ってくれてるみなさんにはエモい感情になったと思うし、初めて観た方も『こんなに違うんだ』って感じてくれたらうれしいです。まだ4公演あるので、ぜひ来てください。今のOWVを体感してほしいです」とメッセージ。
浦野は「初日ありがとうございました! 対バン相手がOWVって発表されたとき、QWVもOWVもどうなるんだろうって思ったけど、よかったよね。成長を感じてもらえたと思います。これからも神曲を引っさげてリリースイベントやテレビに出ていくので、応援よろしくお願いします」と感謝を伝える。
佐野は「後半にいくにつれて、みんな喉がちゃんと開いてたね。みなさん、本日はありがとうございました!」と切り出し、さらに前日までInstagramに金髪姿を投稿していたことに触れ「デビュー当時の真っ青な髪色にしたんですけど……頭皮が心配だよ〜って人? 僕もです(笑)。このツアー期間、あと4公演あるでしょ? あと2色くらい変わるかもしれないから。そのたびに思い出を作っていきたいです。昔のふみやが好きだった人も、今が好きな人も、これからの僕をもっと愛してもらえるように頑張ります!」と宣言。
そして本田が「今日はみなさんありがとうございました。楽しめましたか? 合計27曲やって、幕張メッセ公演の曲数を超えました。それにみんなが声でついてきてくれたのが本当にうれしかったです。大きな力になりました。素晴らしい初日を迎えられたので、次の横浜公演もよろしくお願いします!」と感謝を伝える。
さらに「10月1日リリースの『BLACK CROWN』には“Nine 2 Five” “一期一会”という曲も収録されています。すでに振り付けも完成していて、今後どこで初披露するかは僕ら次第。また観に来てもらえたらうれしいです」と新曲への期待も込めて呼びかけた。
メンバー4人で手をつなぎ「それでは以上、OWVでした!」と深々とお辞儀し、「また会いましょう!」とステージを去っていった。
10月1日リリースの最新シングルのタイトル曲「BLACK CROWN」は、すでに各配信サービスで先行ストリーミング配信中。( https://owv.lnk.to/BLACKCROWN )
『OWV LIVE TOUR 25-26 VERSUS』も、このあと全国で4公演が続く。
さらに12月13日(土)・14日(日)には、神奈川・横浜BUNTAIでOCTPATHとの史上初の連動型2DAYSワンマンライブを開催。5周年を越えて、OWVの活動はまだまだ続いていく。
『OWV LIVE TOUR 25-26 VERSUS @Zepp Haneda』
【GUEST : OWV SET LIST】
M1. Roar
M2. UBA UBA
M3. BE ON TOP
M4. So Picky
M5. Ready Set Go
M6. Na Na Na
M7. Scattered
M8. Beautiful
M9. Fifth Season
M10. PARTY
M11. My flow
M12. What you waitin' for
-OWVとOWVによる幕間トーク-
【OWV SET LIST】
M13. Swish
M14. SLEEPLESS TOWN
M15. UBA UBA
M16. BREMEN
M17. Frontier
M18. Fanfare
M19. TALK TALK TALK
M20. EASY
M21. Here & Now
M22. Gamer
M23. Tararam
M24. What you waitin' for
M25. SORENA
M26. LOVE BANDITZ
M27. BLACK CROWN ※初披露

あわせて読みたい関連記事
-
"OWV(オウブ)" 10月1日発売・ニューシングル『BLACK CROWN』4人の熱き野望を表現したジャケットデザイン公開!
リリース情報 -
OWV × DXTEEN 豪雨予報を覆し、晴れ間が広がる一夜のライブ OCEAN MARKET FES 2025 「OWV x DXTEEN 海沿いの野外ツーマンライブ」 オフィシャルライブレポート!
ライブ/イベント情報 -
OWV『Supernova』 × radio encore
動画/音声あり -
OWV『Supernova』インタビュー――5年目から先の景色も想像が出来る、希望溢れるアルバム
encoreオリジナル -
OWV『Frontier』インタビュー――唯一無二の存在として、独自の道を開拓し続けるOWVのFrontier
encoreオリジナル -
OWV『LOVE BANDITZ』インタビュー――さらなる⾼みを⽬指して激⾛するOWVがリリースする9th single!
encoreオリジナル -
OWV『BREMEN』インタビュー――"この4⼈がみんなを最⾼の景⾊に連れていくんだ"という強い決意
encoreオリジナル -
OWV『JACK POT』インタビュー――唯一無二の世界観を表現した2nd PHASEへ
encoreオリジナル -
OWV「Let Go」インタビュー――愛する⼈との別れを経験した⼈に寄り添う美しいバラードソングに込めた想い
encoreオリジナル