──4月11日に結成5周年を控え、待望の3rd album『Supernova』が完成しました。どのような想いで制作に臨んでいたんですか?
本田康祐「結成5周年を迎える記念のアルバムとして、これまでの活動を通して感じたことを歌詞に入れるとか、活動をしていく中で“こういう曲が欲しいね“と言っていた曲、”こんな曲がOWVっぽいよね“という曲を収録することを意識していました。結果、結成から現在までの軌跡のようなアルバムが完成しました」
──そんな記念すべき『Supernova』の幕開けとなる「Swish」、そしてタイトル曲となる「Supernova」は、プロデューサーにRyosuke “Dr.R” Sakaiさんを迎えた楽曲になります。どちらもクレジットにOWVと表記されていますが、Sakaiさんとは、いわゆるコライト的な制作だったのでしょうか?
中川勝就「そうですね。Sakaiさんのスタジオにお邪魔して、“じゃあ、やろうか”みたいな感じでSakaiさんがゼロからトラックを作り始めて…早いと1時間ちょっととかでトラックが出来て、それに対して僕たちがメロディを自由に歌っていきました。かなりパワースタイルでしたね。でも、海外ではそういう作り方が主流ということで、すごくいい刺激を受けました。「Supernova」を最初に作ったんですけど、OWVとして初めて全員でゼロから作った曲になりました」
佐野文哉「“プロの仕事を見た“って感じでした。目の前で(Dr.)RさんのDTM(※デスクトップ上での制作作業全般のこと)を見させてもらっていて、それだけでも勉強になるのに、Rさんから“みんなが思い描いてるものに近い?”とか僕らにも聞いてくれて…。やっぱりその道のプロっていうのは、どの業界においても尊敬しますし、結成5年という節目のタイミングで、また違ったところからの刺激がOWVにもたらされたのはすごく大きかったです」
──Sakaiさんには事前にテーマやイメージを伝えていたんですか?
佐野「はい。でも、本当に箇条書き程度のものでした。「Supernova」に関して言えば、例えば“僕らが5周年で節目を迎える”とか“ターニングポイントになるようなもの”とか…伝えていたのはそれくらいでした」
──歌詞はどのタイミングで?
中川「歌詞も、みんなが自由に歌ったメロディを聴きながら、その場で書いていきました」
佐野「歌割とかもそこで決まって。1日で1曲が完成する感じです」
──それはなかなかハードそうですが…。
浦野秀太「いや、そこはハードというより、楽しく制作できたって感じです。でも、“今作ったトラックに乗せて1人ずつ歌ってみて”って言われたときは、“マジで!?”ってとても驚きましたけど(笑)。でも、いざ歌ってみると楽しかったですし。歌詞も、“今、自分が想っていることを箇条書きでいいから書いてみて”って言われたので、メンバー同士の相談とかなしに各々で書いたものを渡して。だから、自分以外のメンバーがどんなことを書いたのかはわからないんですけど、Sakaiさんが言うには、“やっぱり想いは一緒だね”っていうことでした」
──最終的に完成した歌詞に対する印象はどうでしたか?
本田「“歌詞がとても強い”って思いました。最初に5カウントするのも、5周年を迎えた僕たちだから歌えるというか…。アニバーサリーソング的な曲をこういう強い形で歌えるのはOWVらしいところだと思いました。節目だからといって過去を振り返るのではなく、これまでの糧が今後に繋がるみたいな、強い意志を歌った曲になっています。比喩的な表現にはなっていますけど、コロナ禍でデビューしたことだったり、“たった4人”じゃなくて“俺たちが最高の4人”という意味を込めたフレーズだったり、歌詞の中にはいろんな想いが散りばめられています。そんなメッセージは“QWV(OWVのファンネーム)のみんなには歌詞をじっくり読んで読み取ってほしい“と思いながら作りましたし、それこそ僕たちが初めてゼロから制作に携わった曲なので、大切に聴いてもらえたら嬉しいですし。また、アルバムに向けた楽曲制作の中では、この「Supernova」が一番最初の曲だったので、アルバムの起点となる1曲にもなりました」
──その時点でアルバムのタイトルにしようと決めたんですか?
本田「そうですね。曲のタイトルが「Supernova」っていう、いかにも主人公っぽいものになった瞬間から、アルバムタイトルに相応しい言葉だなって思っていました」
──「Supernova」はMVも公開済みです。総勢20人のダンサーを従えてのパフォーマンスは圧巻でした! でも、“フォーメーションなどが複雑で覚えるだけでも大変そう…”と思ってしまったんですけど、実際に苦労したことはありますか?
佐野「「Supernova」の振り付けはMV用とライブ用とで2回、振り入れをしたんです、実は。MVのままだとライブで「Supernova」をパフォーマンスするときは毎回ダンサーさん20人に来てもらわないと出来なくなっちゃうので。だから、ライブに向けた4人用の振り付けを後日覚え直したんですけど、その苦労はちょっとありました」
──あのパフォーマンスはMVオンリーと思うと貴重ですね。MVバージョンでは大人数だからこそ可能になる表現もあったのでは?
中川「それはもう、たくさんありました! 4人で出来ることってやっぱり限られるんですけど、「Supernova」でのソロのシーンとかも、ダンサーさんに入ってもらうことで“こんなに出来ることが増えるんだ!”っていうのはとても感じました」
佐野「無条件にカッコよくなるよね。あれはもう、演出の暴力というか(笑)」
本田「確かに「Supernova」のMVに関しては、ディレクションしてくださる方がいろいろ考えてくださって。これまでで初めと言っていいくらい、衣装や髪型、髪の色まで提案してくださいました」
中川「秀太は染めてる途中って感じでね(笑)」
浦野「ちがうって!(笑)」
──(笑)。衣装とのリンクが素敵だなと思いながら観ていました。
浦野「ありがとうございます」
──そして、同じくSakaiさんと制作した「Swish」についても聞かせてください。「Supernova」を経ての「Swish」ということで、みなさんの気持ち的にも変化があったりしましたか?
佐野「「Supernova」で1回ご一緒してることもあって、僕らも飲み込みが早くなったというか、割とスムーズに意図を受け取って進めることが出来ました。あと、「Swish」はアルバムの中でも一番最後の制作だったんです。「Swish」以外の曲が出来ていて、アルバムの全貌が見えている中で最後にオープニングを飾る曲を作るということで、イメージしやすいというのもありました」
本田「制作は「Supernova」と同じような感じで進んでいったんですけど、プロの方も一緒にやってくださっている中で、やっぱりメンバーのアイデアが採用されると嬉しかったですね。「Swish」のサビは文哉が歌ったパートが採用されていて」
佐野「メンバーだろうが、プロの方だろうが、関係なくテーマに沿った良いものを採用してくれるんですよ。そのときみんなで生み出したものからベストなものをピックアップして1曲にするっていう」
中川「本当にクリエイティブでいい空間だと改めて思いました」
本田「「Supernova」も「Swish」も本当に楽しみながら作ったので感慨深いです。どちらの曲にもメンバーが作ったパートが入っているので、そこはやっぱりやって良かったです。5年目でやっと、曲の深いところを訊かれても自信を持って話せる作品に出会えたのは本当に嬉しいです」
──そんな2曲を皮切りにアルバムを聴き進めていく過程で、思わず唸ってしまったのが4曲目の「Frontier」でした。突き抜け感が半端ないというか…。昨年10月にシングルとしてリリースされている楽曲ですが、アルバムの中に入るとまた違う聴こえ方になるんだな、と。
本田「確かに。エモさがありますからね。この前、久しぶりにQWVの前で歌ったんですけど、かなり盛り上がってくれて。合いの手も入るところが実はいっぱいあったんだなぁと思いました」
浦野「QWVのみんなが自分たちで考えて、合いの手が増えていたんです。OWVは(合いの手を)あまりこちらから提示せず、“欲しいところで自由に!“ってスタイルなんですけど、「Frontier」はとても増えていて驚きました(笑)。で、そんな「Frontier」からの「STAY GOLD」がいいんですよね〜」
──「STAY GOLD」は4人の包容力が溢れているように感じました。
浦野「ありがとうございます」
本田「そこからの次の曲もいいですよ!」

──「Treasure(本田・浦野曲)」ですよね。デュエット曲は4月6日の結成5周年ライブで初解禁したばかりで、この場で明らかにすべく細かくおうかがいしたいのですが、まずデュエット曲を入れることになったのはどういう経緯だったのですか?
本田「スタッフの方もちょうどあと2曲どうしようかっていうので悩んでいて、“それならデュエットはどうですか?”って。僕らは僕らでライブの見せ方や幅を広げたいというのもあって、割とすぐにOKが出ました」
浦野「組み合わせも一瞬で決まって」
本田「指スマで決めました。僕は“2”って言って負けて」
中川「文哉は“0”で勝って。負けた組と勝った組に分かれて。っていう嘘、どうですか?(笑)」
──本当のこと教えてください(笑)。
中川「ですよね(笑)。でも、本当に話し合いですぐに決まって。僕たち、結構バラエティをやるときに、ほな(本田・中川)、うさ(浦野・佐野)で分かれることが多いので、そこは避けようってなったんです。そうなると必然的に2択になって、そこからはコンセプトを考えていったときにイメージできる2人ずつという感じでした」
──では、「Treasure」から、どんな楽曲になっているのかを教えてください。
浦野「バラード組ね」
──バラードなんですね。
本田「僕と秀太だったらJ-POPかな?と思って」
浦野「僕たちがやるってなったらね。ラップなイメージでもないし」
本田「OWVってあんまり恋愛ソングを歌ってこなかったので、僕と秀太の2人でやれるってことであれば、“ガチJ-POPラブバラードがいいね“ってことになりました。それで歌詞も考えることになったんですけど、まず僕と秀太で映像を作って、そのストーリーの主人公の話にしました」
浦野「そしたら、イメージがどんどん沸いてきて、3本分の映画が出来るんじゃないかって(笑)。でも、全部入れると散らかってしまうので、削って、削って、今の形になりました」
──中川さんと佐野さんは聴かれていますか?
中川「まだ聴いていないです」
佐野「マスタリングとか全て終わって、完璧な状態になったもので聴きたくて」
──なるほど。本田さんと浦野さんは「Treasure」のどのあたりに着目して聴いてほしいですか?
浦野「ユニゾンで歌っているサビですね」
本田「そうそう。あと、曲調に合わせて発声の仕方がいつもとはちょっと違うので、楽しみにしていてください」

──一方、「SQUARE」はどんな感じに仕上がっているんですか?
本田「僕は聴かせてもらってるんですけど、本当に「SQUARE」はカッコいいです」
──「Treasure」の“ガチJ-POPラブバラード”のように例えると…?
佐野「T-POP?」
浦野「T-POPって?」
佐野「タイポップ」
浦野「タイ!?」
佐野「いや、でも、何て言うか…正直説明したくないところもあって」
中川「そうだよね。この曲の歌詞は僕ら2人と作詞家さんとでディスカッションしながら作っていったんですけど、かなり僕らが言ったことがほぼほぼ盛り込まれています。それが要所要所でアップデートされて使われていたりとか、細かい技がいろんなところに入っているんです。でも、それが何かは言いたくないんですよね…」
佐野「1つだけ言う?」
中川「1つだけ言おう。1つだけね」
佐野「じゃあ…<直感的で知覚的なケミストリー>」
中川「うわっ、いいとこ行くな〜! そこは僕たちも“ウェイ!”ってなった!」
佐野「そう。このフレーズは、僕と勝就のMBTI(性格診断テスト)で唯一違うのが“直感的”と“知覚的”っていうところから来ていて」
中川「でも、それが合わさったときのケミストリーはすごいんだぞ、みたいな」
本田「すげー! 面白い!」
佐野「こんなの絶対わからないですよね。でも、このレベルのフレーズがたくさん入っています」
中川「ライブのMCとかでちょっとずつ小出しにしていければと思っているので、考察しながら楽しみにしていてください。て言うか、「Treasure」のポイントも1つ教えて!」
本田「ポイントかぁ…。(浦野に向かって)笑ったとこってどこだっけ?」
佐野「バラードのどこで笑うんだよ(笑)」
浦野「あ、1か所、大爆笑したところあったよね」
中川「歌詞で大爆笑できるバラードってミスってるやん(笑)」
本田「いや、僕ら、かなり楽しみながら作っていたから」
浦野「本田くんがよく言ってる言葉とかが入っているよね」
本田「やっぱこれかな…<「なるようになる」なんてさ/努力した奴しか言えないのさ>」
中川「それってめちゃくちゃ深そうで浅いやつやん(笑)」
本田「でも! でも! そういうことなのよ! 全部そうなの。あまり深くても響かないかな?って」
浦野「わかりやすいのが一番だからね」
中川「“深そうじゃね?”と思ったら、“めちゃくちゃ浅い”みたいな」
浦野「そうなの」
本田「ちょ、待って。なんかネガティブなことを言われたので、今のとこ全部カットしてほしいです〜」
佐野「大爆笑しながら作ったんちゃうんかい!(笑)」
本田「それもこれも全部嘘なので(笑)」
──“全部嘘なので“までの流れを含めて丸々原稿にさせていただきます(笑)。
──でも、こうしてお話をうかがっていると、自分たちが楽曲に参加することによって、これまで以上に”自分たちのやりたい音楽、伝えたいメッセージを具現化出来るんだ“という手応えを感じているのが伝わってきます。
本田「いやぁ、本当それな」
浦野「あれ?」
──「SORENA」ですね!
浦野「正解!」
──ありがとうございます(笑)。9曲目の「SORENA」はゴリゴリのEDMサウンドで、ライブで盛り上がること間違いなしの1曲ですね。
本田「もともとは「What you waitin’ for」(2021年リリース)という曲があって、“それ系の新しい曲が欲しいね”って2年くらい前からずっと話していたんですけど、今の時代、そもそもEDMはあまり作られてないようで…。いや、正しくは(EDMは)作ってるんですけど、あくまでもイマドキなEDMであって、僕らが求めていた昔のクラブで流れていたようなEDMはあまりないらしいんですよ」
佐野「でも、あの頃のEDMってやっぱ最強だったじゃないですか。ピットブルとか、もう遺伝子レベルでテンション上がりますし」
本田「そしたら、5年目でやっときました。だから、僕たちも大切に、“ここをこうしたい、ああしたい”って、みんなで細かく話し合いながら作りました。ライブでももう披露したんですけど、バチウケしたので良かったです」
中川「みんな遺伝子レベルで騒いでいましたね」
佐野「染色体レベルではしゃいでいました」
本田「リトマス試験紙…」
佐野「それは関係ないな(笑)」
浦野「酸性、アルカリ性じゃないのよ(笑)」
──(笑)。では、最後に改めてになるのですが、この『Supernova』はOWVにとってどんな1枚になったと思いますか?
佐野「『Supernova』を作る前と後とでは、アルバムに対しての思い入れや考え方が変わったように思います。やっぱり自分たちがダイレクトに関わったっていうところにおいての思い入れはより強くなっていますし。あとはガムシャラ感って言うんですかね?…これまでは肩をブンブン回して、“下剋上します!”みたいなスタンスだったのが、いい意味でそのガムシャラ感が取れて洗練されたというか。5年目から先のステージや景色も想像が出来るような、希望溢れるアルバムになりました」

(おわり)
取材・文/片貝久美子
写真/野﨑 慧嗣
- OWV『Frontier』 × radio encore
- 近日公開!
RELEASE INFORMATION

OWV『Supernova』FC限定盤(CD+Blu-ray+フォトブック80P)
2025年4月9日(水)発売
PROS-1942/7,800円(税込)
U-NEXT

OWV 5th Anniversary LIVE -SUPERNOVA-
ライブ配信詳細 >>>
見逃し配信:4月7日(月)00:00~4月21日(月)23:59まで
※視聴可能デバイスに関してはこちらをご確認ください
【配信公演】
4月6日 千葉・幕張メッセ 国際展示場 展示ホール2-3 公演
OWV 過去ライブ配信中!
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