――OWV7枚目のシングルは“寄り添い”をクリエイティブコンセプトにした1枚。表題曲「Let Go」は、別れた恋人のことが忘れられない男性の気持ちを歌った切ないバラードですね。これまで数々のアーティストに歌われてきたテーマでもありますが、そのなかでOWVらしさを出すために意識したことはありますか?
浦野秀太「僕が意識したのはギャップですね。僕も含め、こういう強そうな男たちが歌う切ないバラード。ギャップ、いいですよね?(笑)」
――確かに、ギャップに弱いと話す人も多いですし。
浦野「そうですよね!失恋しても落ち込まなさそうな強気な人たちが歌う失恋ソングっていいなと思って。個人的にもギャップがあるのは好きなので、そこを意識しました」
本田康祐「まとめると、強そうな人間が見せる弱さみたいなことだと思います」
浦野「なんで僕の言葉が伝わらないみたいになってるの!?まあ、合ってるけど(笑)」
――(笑)。
――本田さんや佐野さんは、歌詞の内容に共感する部分とかありましたか?
佐野文哉「ん〜…僕は結構パン!って切り替えて引きづらないタイプなので、共感はあまり」
本田「僕は別れても2分に1回はLINE送っちゃうから…」
浦野「え〜!?本当に!?」
本田「いや(笑)、こんなにどん底になったことはないから」
佐野「そう。だから、自分と重ね合わせて共感するというより、表現に徹っしました」
本田「表現することによって、曲を通して「Let Go」の恋愛を僕は経験できました」
――楽曲として受け止めて、パフォーマンスに還元している感じなんですね。
本田「はい。僕たちのパフォーマンスから感じ取ってもらえたら良いなと思っていますし、感じ取ってもらえてるんじゃないかな?と思います」
――この曲は“OWV LIVE TOUR 2022-STRANGE-”でも披露されていますが、QWV(キューブ:ファンの呼称)のみなさんの反応は?
中川勝就「初日の東京公演が初披露で、それもサプライズだったので、僕たちもどんな風にQWVのみなさんに届くのかドキドキしながらだったんですが、反応はすごく良かったと思います。この秋から冬になっていく時期に、みなさんの心に寄り添うような曲になっていけばいいなと思っています」
――ライブでのパフォーマンスを拝見していて、<誰かの腕の中で笑わないでほしい>という部分で浦野さんが3人に包み込まれるように後ろに傾くシーンが印象的でした。
浦野「あの振り、素敵ですよね」
中川「何をイメージして踊ってるの?」
浦野「僕が表現しようとしたのは、別れてしまった恋人の温もりを思い出しながら、<誰かの腕の中で笑わないでほしい>っていう」
佐野「正解!」
本田「当たり!」
浦野「正解とか当たりって何だよ(笑)」
――(笑)。
――そのほか、パフォーマンスでのこだわりを教えてください。
佐野「前回の「Time Jackerz」は勢いのあるパワフルなパフォーマンスだったのに対し、今回はパワフルというよりは流れるような表現で、リリックを伝えるためのムーブになっている印象です」
――そういったテイストはみなさんにとっても新鮮に感じるものですか?
佐野「そうですね。今までは、歌っているメンバーが真ん中にいるフォーメーションが多かったんですが、この「Let Go」はそうではない新しい見せ方になっていると思います。僕らは4人しかいないので、毎回いろんなフォーメーションを試行錯誤して、これからもいろんなパターンを見せていきたいですね」
――ミュージックビデオのほうもダンスだけでなく、イメージカットのシーンも盛り込まれていて、今までにない仕上がりですね。どんなところに注目してほしいですか?
中川「今回は初めて僕ら4人以外の方にも参加してもらったんです。僕らもそれぞれ演技をしていて、リリックに合わせて観てもらえると、より世界観が伝わるのかな?と思います。今までダンスメインのMVだったのが、今回はイントロやサビなどポイント的にダンスを使っていてダンスシーンが少ない分、4人それぞれのビジュアルが映っているところが多いMVになっています。いつもと違うテイストになっているので、何回も繰り返し観てほしいですね」
――撮影で苦労した点などありますか?
中川「本田くん、めっちゃあるんじゃない?」
本田「ありますよ。涙を流すシーンは苦労しましたね」
浦野「あそこは見どころの一つですよね」
本田「涙を1粒、ポトンと」
佐野「調整したんでしょ?」
本田「一応ね。あのパートは僕の中で“フラれたけど、前を向く”というテーマで、あんまりワーって泣いてるイメージじゃなかったので、1粒流しました。調整して1粒です。監督さんから“目薬いる?”と言われたけど、“いりません!”って言って」
浦野「カッコいい〜!」
本田「でも、覚えてるのはそれくらいで、あとは演技に入っていたので覚えてないんです」
浦野「そういう憑依型の役者さんいるよね。って、涙を1粒流しただけなのに(笑)」
――演技派ですね(笑)。そんなふうに、他のメンバーの演技シーンを観て驚いたことや、ぜひ観てほしいポイントはありますか?
佐野「それこそ、本田くんはしっかり泣いていてすごいなと思いました」
浦野「僕ら、お互いの撮影は観ていなかったんですよ。涙が出たってことだけは聞いてたんですけど」
中川「僕が自分のシーンの撮影でスタジオに来たら本田くんがいて、“見て!俺、泣いたんだよ”ってすごくうれしそうに言うから、“嘘だろ!?”と思って見たら、ちゃんと泣いていて」
佐野「そのときは“めっちゃ頑張った”って感じだったのに、今さっきは“覚えてないです”って(笑)」
中川「“泣いたんだけど、目薬使ったと思う?”とか聞いてきて」
浦野「まずクイズ出されたよね(笑)。目薬を使ったかどうか質問されて」
中川「使ったと思ってたんですけど、映像を見せてもらったらちゃんと泣いていて、本当にすごいと思いました」
本田「ありがとうございます(笑)」
――佐野さんはどうですか?
佐野「今回、共演の方と同じシーンを撮ったのが僕と中川だけなんですよ。僕が先に撮影を行ったので、カッちゃん(中川)はそこをどういう感じで撮って、どんな感じの仕上がりになるのか気になってましたね。完成した映像を見て、“おお〜!”って思いました」
中川「雰囲気的にはちょっと似てたよね」
――事前に2人でテイストを合わせるような打ち合わせをしたんですか?
佐野「打ち合わせをしたのは演出の方とだけで、メンバー同士は特にしていなくて。1つの作品だし、あまり違った感じになるのもちょっとな…って思ってたんですが、同じような雰囲気でよかったです」
中川「僕の撮影は文哉の後だったので、撮影の様子を見れたんですよね。今回、みんなが演技しているところを見るのが楽しかったです。秀太のときはいなかったんですけど…」
浦野「僕のときは誰もいなかった」
本田「だから、完成したMVを見て秀太が横たわっててびっくりしました」
中川「右手が痛い演技もめっちゃ…」
浦野「あれは右手が痛いんじゃない(笑)」
本田「野球肘じゃなくて?」
浦野「投げ過ぎたから痛いとかじゃない(笑)」
本田「でも、それぞれ見たことがない一面が見られて楽しかったですね。2番のサビの部分での文哉が振り向くシーンもいいし」
浦野「みんなあのシーン好きだよね」
――カップリングには「Tararam」と「Gonna Getcha」の2曲が収録されていますが、どちらもインパクトのある楽曲ですね。それぞれの聞きどころを教えてください。
中川「「Tararam」はライブで映える楽曲になっています。特に好きなのが、転調の仕方。Aメロ、Bメロは爽やかなポップスと思いきや、サビは太くて広がりのある楽器たちが奏でる壮大さがあって、初めて聴いたときは度肝を抜かれました。さらに、ラスサビから最後にかけてどんどん音が増えていって、最後にバン!と終わるのが、めちゃくちゃ気持ち良くて。そこでみんなではしゃいだら楽しいんじゃないかなと思ってるので、早くライブで披露したいですね」
――「Gonna Getcha」についてはどうですか?
浦野「リリックに<君ならできるさ><新しい世界>というフレーズがあって、いろんなことで悩んでいる人の背中を押してくれるような楽曲ですね。聴くだけで元気が出るというか。この“Gonna Getcha”の意味、勝くんわかる?」
中川「…!! “絶対(君を)手に入れる”とか、“射止める”とか」
浦野「本当にその通りで、前向きになれる楽曲になっています。ライブに来たときも、その瞬間だけは嫌なことを忘れて、この曲を楽しんでほしいです」
本田「繋げ方、天才やん(笑)」
中川「僕の訳がかき消されました(笑)」
――(笑)。ちなみに、この曲の振り付けは完成しているんですか?
本田「2曲ともまだなんです(※取材時)」
――過去には本田さんや佐野さんが振り付けをしている曲もありますけど、楽曲をもらって、“こういうダンスにしたい、フォーメーションにしたい”といったイメージが浮かぶこともあるんですか?
本田「無数にありますね」
佐野「浮かぶは浮かぶんですけど。例えば、ニンジンとジャガイモとルーがあって、それでカレーができるっていうのはわかるじゃないですか。でも、カレーの作り方を知らない、みたいな感じです。曲を聴いたときに、“こういうダンスができるな”っていうのはわかるけど、すぐには全体としてまとめるところまでは考えてないというか」
中川「断片的に振りが浮かぶ感じ?」
佐野「そうそう。完成形はわかるけど、その調理法がまだわかっていない…」
本田「僕も同じですね」
佐野「だから、レシピ動画とかを見て頑張りたいです」
中川「それ、カレーができる」
本田「今のツッコミ、めちゃ良くなかったですか!?“それ、カレーができる”って」
中川「いやいや、そんなことないっす」
佐野「こうやってメンバー同士、自己肯定感を高め合っています(笑)」
――(笑)。
――今回のシングル、1枚を通して考えたときに「Let Go」で落ち込んでいた主人公も、カップリングの2曲を聴いたら元気になれそうだなと思いました。ちなみに、みなさんだったら、落ち込んだ友達をどうやって元気付けますか?
佐野「ご飯に誘いますね。“一緒にご飯行こうよ”って」
浦野「いいね。寄り添ってるね」
佐野「で、牛丼屋に行く」
浦野「そっちか〜。すぐ食べ終わっちゃって相談に乗れなくない!?」
中川「相手のキャラクターにもよりますよね。そっとしておいたほうがいい人もいますし。そうじゃない人は、僕は話を聞くだけ聞きます。でも、あまり助言はしないです。悩みとか愚痴を喋るだけでもストレス発散になるから、それでいいかな?って思う。秀太はどうするの?」
浦野「後ろからそっと抱きしめます」
本田「じゃあ、僕はそっとキスします」
――相手は男友達を想定してたんですけど(笑)。
浦野「あ、男の子でしたか(笑)。じゃあ、どうしようかな…」
佐野「あれは?隣に行って、黙って缶コーヒー渡すとか。カッコよくない?」
浦野「カッコいいね」
――さて、今作リリースされた後はツアーファイナルとなる名古屋公演、そして“OWV LIVE TOUR 2022 -STRANGE- After Party”の開催が予定されています。アフターパーティーはどんな内容になりそうですか?
本田「アフターパーティーは今回のツアーの裏話やお土産話をしたり、大阪や名古屋で撮った動画を流したり、どちらかというとトークがメインの内容になると思います。QWVのみんなと一緒にこのツアーの締めが来たらいいなと思っているので、ぜひアフターパーティーに来て楽しんでもらえたらと思います」
(おわり)
取材・文/片貝久美子
写真/野﨑 慧嗣
RELEASE INFORMATION
OWV「Let Go」
2022年11月2日(水)発売
初回限定盤(CD+DVD)/UMCK-7181/2,000円(税込)
ユニバーサルミュージック
OWV「Let Go」
2022年11月2日(水)発売
FC限定盤(CD+Blu-ray)/PDCS-5944/5,000円(税込)
EVENT INFORMATION
OWV LIVE TOUR 2022-STRANGE- After Party
2022年11月19日(土) 東京 Zeep Haneda
[第1部]開場14:30/開演15:30
[第2部]開場18:00/開演19:00
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