――1stアルバム『A GREAT FOOL』から約8ヵ月という短いタームで、メジャー2nd アルバム『No Pressure』が完成しましたが、タイトルを見て驚きました。前作のインタビューで、まさに「次はプレッシャーを感じることなく制作できる」と語ってましたよね。

「そうですね。前作は過去と向き合って、ケジメをつけるような意味で作っていた、とてもパーソナルなアルバムだったんですね。自分の過去や孤独と向き合い、乗り越えた上で、メジャー2作目は音楽をプレッシャーのないところで純粋に楽しみたいという思いがあって。なので、昨年末にアルバムをリリースしたタイミングで、もう『No Pressure』というタイトルだけは先に決まっていて」

――前作をリリースした時点で次作のタイトルが決まっていたんですね。

「はい。ただ、当時言っていた“プレッシャーのないところで音楽を楽しみたい”というところとは、結果的に違った意味合いに落ち着いたという感じですね」

――どんな意味合いに変化しましたか。前回のインタビューでは同調圧力や常識、窮屈さからの開放と言ってましたが?

「窮屈さや不自由さ、ネガティヴみたいな感情と向き合っていく中で、それを悪いものとして考えていたんですね。前作までは、それに対しての反発心や、そこから抜け出したいという感覚をずっと歌っていて。でも、前作を作り終えた後、初の全国ツアーをやったり、いろいろな経験をしていく中で、今まで考えてきたネガティヴがあったからこそ、今、楽しさや嬉しさを感じられているんじゃないか、ポジティヴに気付けているんじゃないかって感じて。当時、不自由さを感じていなかったら、そこから一歩踏み出したいまも、自由を感じることはなかっただろうなと思ったんです。ネガティヴがあったからこそ、ポジティヴに気付けたってことに気付いて。だから、『No Pressure』と言っても、プレッシャーを振り払うとか、プレッシャーがないという意味ではなくて。プレッシャーがあることを前提に、それさえもポジティヴを生み出すための必要な材料なんだと受け止める。プレッシャーという存在自体を受け入れた上で、前に進んでいくというのが、僕の中での『No Pressure』になってますね」

――タイトル曲である「No Pressure」は、前作のラストナンバー「THANKS, ALL MY TEARS」のUTA(ユータ)さんのプロデュースになってますね。

「「THANKS, ALL MY TEARS」は、実は前回のアルバムの最後の曲として入ってるけど、次のフェーズの1曲目というイメージがあったんですね。その流れから、今作のタイトルトラックもUTAさんにやっていただきたいと思ってオファーさせていただいて。僕が「No Pressure」という、ポジティヴとネガティヴが共存しているという感覚を歌にするときに欲しかったのは、明るい曲だけど、どこか涙がほろっと出てしまうようなテイスト。ちょうど制作を始めたタイミングでアヴリル・ラヴィーンのアルバムが出て。いい意味で、当時のまんまで作られていて。ノスタルジーを感じるロックテイストが合うんじゃないかと思って、そういう曲を作ってもらいました」

――まさにポップパンクっぽいトラックになってますね。リリックは幸せがテーマになってます。

「ずっと幸せを追いかけてきたけど、幸せは無形物なので、追いかけても追いかけても見つからなくて。迷ったり、苦しんだりした自分が、幸せは追いかけるものではなくて、気づくものなんだって……まさに気づいたんです。自分の身の回りに本当はたくさんある。そのありふれた感情、ひとつひとつを尊いと思える心を持つことの方が重要なんだって気づいた。それをテーマにして作った曲ですね」

――<大切なのは ずっと近くにあったものって>と繰り返してますよね。ご自身が気づいた幸せとはどんなものでしたか。

「本当に言葉で言い表すのは難しいんですけど、僕たちが、いわゆる当たり前だと感じていたこと全部が幸せそのものだなって最近は思ってます。朝、目覚めて、一日を元気に過ごして、次の日、また目が覚める。その、当たり前と呼べること自体も幸せだなと思います。僕自身は、18歳くらいの時に、どんなに幸せを追い求めても全然見つからないじゃんってふてくされた時期があって。そのときにたまたま、いつも挨拶しても返してくれなかった近所の人が、すごく愛想良く挨拶を返してくれた日があって。そこで、こういうのが幸せなんじゃないかなって感じたんですよね。すごくありふれた、素通りしがちなことですけど、そういう気づきがあったんですよね」

――地位とか名誉とか、大金を手にすることでもなかった?

「僕、お金を稼いでも、全部音楽に使っちゃうんですよね。ただ、HIP HOPが持っているフレックスの文化ってすごく大事だと思っていて。お金のない家庭で育った人たちがラップでメイクマネーして、高級車に乗ったり、いいジュエリーをしているのを見せることで、次の世代が夢や憧れを持つ。それはすごくいいサイクルだし、大事だなと思いつつ、自分自身はもっと等身大の方でしたね」

――ありふれた日常の幸せを描写した部分はポエトリーのようなラップになってます。

「そこの部分はあえて、音をすごく小さくして、歪ませて。ぶっちゃけ聞き取れないようにわざとしてもらってて。この楽曲で一番本質的で、一番大事なテーマを歌っている部分をあえて、聞こえずらくして隠すことで、近くで鳴っているけど、それに気付けなかった自分自身というものを音で描写してるんですね。聞き取れなくても、歌詞カードを見れば、そこに答えがあるので、視覚的にも聴覚的にも、自分が表現したかったものを伝えられたかなと思います」

――この曲にある<今><今日>という言葉も気になってて。

「元々は、前作のように、過去に対して強い思いがあったり、逆に未来に対するワクワク感が大きかったりするタイプだったんです。今、この瞬間を蔑ろにしてしまうことが多かったんですけど、過去はどんなに美化しても書き換えられるものではないし、未来は自由に想像ができるけど、どうなるかは予測ができないものであって。結局は、今、この瞬間をどう生きるかで、過去も未来も自分なりに変えられるなって思ったんですね。過去に嫌だったことも、今の生き方で正解に変わるかもしれない。そういう意味で、<今、この瞬間>を一番大事にしたいなという思いが強いですね」

――アルバム全体としても、<今、この瞬間>に焦点が当たっているように感じました。リード曲を「独創ファンタジスタ」にしたのはどうしてですか?

「ダントツでキャッチーだし、今までの自分にないという部分ではすごく突出してるものがあったので、新しい名刺代わりの曲として受け取ってもらえたらいいなと思って。この曲は、いい意味で突き抜けるというか、吹っ切れた感を出したかったので、今までにないテンションにチャレンジしていて。イメージとしては、フェスに出て、自分のことを知らない人の前でパフォーマンスをしたら、1曲で観客をロックできる曲。本当にいろんな世代の音やジャンルをクロスオーバーさせて」

――80年代のシンセポップ感があってワクワクします。

「オケヒ(オーケストラ・ヒット)の音色だったり、スクラッチの入れ方だったり、サイレンのサンプルとか……懐かしさを感じるものをいっぱい入れていただいて。歌詞もいい意味で、いききってますね(笑)。たまにはバカになってもいいじゃないかっていうテーマで書いたので、自分的には新しい方面にチャレンジできたし、ヴォーカルも1曲の中で何種類か声色を変えるってことも意識して作ったので、新しい表情を見せられて嬉しかったですね」

――プロデュースは初タッグとなるKNOTT(ノット)さんです。

「もともとShurkn Pap(シュリケン・パップ)くんやweek dudus(ウィークドドス)くんとか、姫路のラッパーの友達の曲をやっていたので、ずっと作品は聞かせてもらってて。いつか一緒にやりたいなと思っていたんですけど、このアルバムを制作しているタイミングでAile The Shotaが「IMA」という楽曲でKNOTTさんとやられていて。Aile The Shotaとやるとこういう感じになるんだ、僕も一緒にやったら、面白いことができそうだなって勝手に思ってしまって、オファーさせてもらって。レコーディングでは本物の拡声器をブースの中で使ったりとか(笑)、だいぶ新しいことにチャレンジさせてもらって、めちゃくちゃ楽しかったですね」

――今、名前が出たレーベルメイトのAile The Shotaさんは「HAPPY TEARS」にフィーチャリングで参加してます。

「前作の『A GREAT FOOL』のときにAile The Shotaを呼ぼうと思っていたんですけど、「THE FIRST」が終わった直後だったので、まだその余波が大きくあって。Shotaも“THE FIRSTのShota”から、Aile The Shotaとして明確なポジションを築く必要があったタイミングだし、僕自身もBMSGの中でNovel Coreとしてちゃんと存在感を発揮する必要がある時期だったので、今、やっちゃうと、ただ単に同じ事務所のアーティスト同士のコラボっていうだけで消費されてしまうんじゃないかと思って。お互いにソロアーティストとして頑張ってからやろうよって話していて、今回、やっと実現したという感じで」

――Novel Coreさんにとって、Aile The Shotaさんはどんな存在ですか?

「本当にShotaと出会って、世界の見え方がだいぶ変わりましたね。音楽のスタイルは正反対のところにいますし、アーティストとしての活動の仕方や方針、スタンスも違うところがあるんですけど、お互いに、自分と違うものを見たときに、面白いとか、カッコいいとか思うっていうところが共通していて。僕はAile The Shotaのファンでもありますし、彼と出会ってから、自分と違うものに対する興味がどんどん湧いていって。彼のおかげで、自分と違うものをより受け入れられるようになったんですよね。それは、自分自身を許せるみたいなところにも直結してて。ある意味、『No Pressure』というアルバムを作るにあたって、彼の声は必要不可欠なパーツだったかなと思ってますね」

――彼の歌声は本作においてどんな位置や役割を占めてますか。

「自分自身の21年間、生きてきた人生の中で、現段階での答えみたいな曲なんですよね。過去があったからこそ、今があるという思いが強いというか。今回のアルバムのコンセプトに共通するんですけど。ネガティブなものがあったからこそ、ポジティヴがあるし。ネガティブとポジティブが独立した別々のものではないと言う感覚が、今の答えかなと思っていて。過去に味わってきたネガティヴも、今後の生き方で嬉し涙に変えていこうっていうマインドを彼の声がすごくストレートに表現してくれているなと感じていますし、アルバムが、アルバムとして成立するためにすごく必要だったかなと思います」

――教会でシンガロングしているようなハッピーなゴスペルのバイブレーションが満ちてますよね。一方でオープニングナンバー「TROBULE」で描かれているのは、音楽業界に対する怒りや憤りですか?

「一見すると現体制に対する風刺的な表現だったり、痛烈な批判が前に出がちなんですけど、現体制の批判ではなく、自分自身の所信表明なんですよね。既存ものを否定するわけではなく、既存のものは既存のものとして正解だし、それに救われた人もたくさんいる。それを受け入れた上で、そこからはみ出てしまった自分達みたいな存在の居場所がないことに対しての違和感もあって。自分自身がはみ出て、業界にとってのトラブルだったり、エラーと呼ばれる存在になっていくことで、次の世代の人たちが選べる正解の数がひとつでも増えるのであれば、自分は喜んではみ出てやろうっていう所信表明ですね」

――トラックはかなりシンプルになってます。

「Ryosuke“Dr.R”Sakaiさんのスタジオで一緒にセッションしたんですけど、不穏さと、内なる炎が燃えている感覚をミックスさせた世界観が欲しいっていうお話をさせていただいで。サビで爆発するようなトラックを作っていただきました。前作は歪んだギター数本の上に、さらにシンセが大きく鳴っていて。足し算の要素が強かったんですけど、今作はあえて音数を絞ることで、ヴォーカル自体への意識がすごく上がっていますね」

――続く「JUST NOISE」もエレキギターとボーカルが前面に出てます。

「前作との差を最も明確に出してる曲かなと思いますね。前作のタイトル曲「A GREAT FOOL」と歌っていること自体は近くて。前作では、既存の枠からはみ出てしまう自分達、賢く生きれない自分達を励ましていた。ある意味、不貞腐れにも似た感情が詰め込まれていたんですけど、今作の制作中に全国ツアーを回って。自分の楽曲に共鳴してくれているファンの人たちと実際に会ってきたことによって、すごく自信がついて。自分と違うものを恐れるのではなく、自分と同じ感覚を持ってる人たち全員を巻き込んで、新しい波を作ろうっていう感覚が強くなったんですね。なので、「JUST NOISE」では、誰かにとってはノイズかもしれない自分たちのメッセージが、誰かにとっては命綱になるかもしれない。だから、死ぬまでかき鳴らしてやる。それで、この街ごと飲み込んでやろうっていう歌詞が出てきた。前作に比べて自信がついてきたなって感じさせてくれた曲ですね」

――はみ出しものの先頭に立って引っ張ってますよね。その姿勢は「BABEL」でも顕著です。

「そうですね。今までの自分自身、新しいことをやろうとしたり、人から大きな夢をバカにされた瞬間に、歴史上の偉人から力を借りることが多かったんですね。大きな発明をした人たちも、当時はきっと、おかしな人たちだってみられてて。前回のツアー中にMCでしていた話を曲にした感じですね」

――リリックにはダヴィンチやニュートン、エジソンが出てきます。テスラやガリレオもそうですよね。

「あとは、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアとか。僕は彼の言葉に幼少期から影響を受けていて。彼のように、いわゆる人を力とかでひれ伏せさせるのではなく、同じ感覚を持っている人たちの心に問いかけて、自分達の意思のもとでついてくる人たちがあれだけいるっていう」

――「I HAVE A DREAM」の演説が有名ですけど、夢を共有したわけですよね。

「はい。王様というよりかは、先生とか、リーダーという感じがする人たちからの影響が大きいですね」

――なぜバベルの塔でしたか。

「天に届くような高い建物を人間が作ろうとしていたのを、神様が激怒して、ぶち壊すっていう。いわゆる実現不可能なものの比喩としてよく使われると思っていて。ネガティヴな言葉として使われることもあると思うんですけど、あえて、ネガティブな言葉をポジティブに使うっていうのが、今作のテーマ的にも重要かなと思って。実現不可能なバベルの塔自体が、僕たちにとってのアジトであるっていうのを歌いたくて」

――倍速で走って、高みにも登っていくという所信表明がここにも刻まれています。

「そうですね。時代の流れに沿う沿わないとか、いろいろあると思うんですけど、もしそういうものがあるのであれば、追い抜いてしまえと思ったし、自分は少なくとも、そうやって生きていこうと決めた。それを改めて曲にしたって感じですね」

――「No Stylist」についても聞いていいですか。ファッションに関する曲ですよね。

「これはもう、ライフスタイルそのものですね。実際に服が好きで、自己表現として、ステージに立つときも、メディアに出させていただくときも、基本的に自分で服をセルフスタイリングしてて」

――今日も私服なんですね !?

「そうです。こんなに服が好きなのに、服をテーマにした曲を作っていなかったことに気づいて。韓国のYosiのビートもかっこ良かったので、そこからインスピレーションを受けて、作っていった感じですね」

――リリックに出てくる<守谷さん>というのは?

「今、休刊中なんですけど、『SENSE』と言う雑誌の編集長です。すごくお世話になっている方で、ふだんからファッションの話もさせてもらって。この曲を書いている時も連絡を取り合っていたのと、自分は守谷さんみたいな渋い大人になりたいと思っているので。それを含めて入れさせてもらいました」

――<Jun Nakayama>も誰だか聞いていいですか?

「あははははは!僕がめちゃめちゃお世話になっている原宿の「NUBIAN(ヌビアン)」というセレクトショップの店長さんです。お二人に確認を取る前にリリックを書いて、レコーディングしてしまったんですけど、後から連絡したらみなさん、喜んでくださって、安心しました」

――今日もリリックに出てくる<DIESEL>のデニムを履いてますし、買い物のルートがバレちゃいますね。

「休日に同じルートをたどって、僕に遭遇するかぜひ試してもらいたいですね」

――うーん……やめときます。いい値段のお店が多いので(笑)。

「あはははは!それでいうと、冒頭の<100万円のお会計/痛くも痒くもないぜ>は、僕的にも、あのー……正直、痛いです。これは言っておきたいです(笑)。好きなものに使うお金は麻痺しちゃってるんですよね。その瞬間は痛みを感じないだけで、100万円は痛いです!」

――あはははは!「TROUBLE」では<100円玉を1億に魅せるアイデアこそが最大の資本>と言ってます。

「そんなやつが、服には惜しみなく100万円使うっていう。音楽に使え!機材を買え!と言いたいです(笑)」

――そして、アルバムは「skit」でカセットデッキのボタンをガシャンと押し、ラストナンバー「Untitled」に向かいます。

「自分がもし、明日死んでしまうとしたら?もしくは、この星が明日滅びるとしたら?自分は何をして過ごすだろうか?をテーマにしていて。サウンド自体もアコースティックギター一本で削ぎ落とし、リリックの内容も削ぎ落としていて。僕はきっと、最後の日でも、誰が聞いてるわけでもないのに、自分自身の“今、この瞬間”を切り取って、歌を口ずさむだろうっていうのが自分の答えだったんですね。本当に最後の日にそう思えていたらいいなっていう気持ちもあるので、時系列的に「untitled」はもっともっと未来の曲ではあるんですけど」

――そうなんですよ、未来の曲なんですよね。だから、どうして、未来から今を振り返っているような曲を、ここに入れたのかが聞きたくて。

「メジャーデビュー以降、いろんなことが目まぐるしく環境も変わって。いろんなことに対して果敢にチャレンジしていく中で、自分自身が本当に音楽を心から愛せているかとか、ビジネスとして、商業的な意味での音楽とだけ向き合ってないかとか。心の奥底では、それがわからないというか、自分を疑ってしまう瞬間がちょくちょくあって。ずっとモヤモヤしてたんですけど、その上で、自分は本当に音楽が心から好きだって。誰に聴いてもらうわけでもなくても歌うんだっていうのを、自分の心からの声として聴きたかったんですね。だからこそ、このタイミングでこの曲を作ったのかなと思っていて。結果、そういう答えが返ってきたことが嬉しかったんです。ただ、その前の現時点での答えである「HAPPY TEARS feat. Aile The Shota」とは時系列の差があって。自分のイメージとしては、「Untitled」を歌っている未来の世界線の自分が、過去のアルバムである「No Pressure」を聴き返していて。「HAPPY TEARS」を聴き終えて、カセットを終了したっていう。一回、アルバムがそこで終わるっていう感覚ですね」

――なるほど。何十年後かにもう一度この話をしたいですね。

「そうですね。その時も同じことが言えるように、ちゃんと進んでいけたらなと思います」

――いつか「Untitled」にタイトルがつくんでしょうか。

「長期的な目線で作った曲なので、タイトルをつけたら、今後の人生が決まってしまう気がして。あえて「無題」にしてて。今後、自分が生きていく中でも、この曲の聴こえ方はその時々で変わってくると思いますし、人それぞれが僕をみた上で、その時々でこの曲にタイトルをつけてくれたらいいなと思ってます」

――<今>を口ずさんでるのを<僕>だけじゃなく、<僕たち>にしたのは? 

「これはふたつ理由があって。ひとつは、僕が歌ってる僕自身のことって、ネガティブな感情を重く背負っていた当時の自分自身と似た境遇にいたり、似た感覚を今、現在進行形で抱いている人たちでもあって。自分と同じような人たちに向けて歌ってるという意味もあって、<僕たち>を一人称に選んでます」

――もうひとつは?

「やっぱり、ひとりぼっちみたいな感覚が強かった時期から抜け出して、今、ファンも含めてチームで、みんなで新しいものを作って、いい景色をみていくっていうのが、本当に自分としては幸せなことで。あわよくば、自分が音楽の道から退く時も、自分のまわりに今と同じように仲間がいてくれたらいいなと思ってて。その人たちと同じ方向を向けていたらいいなという思いで<“僕たち>を選んでますね」

――仲間のいるBMSGはどんな場所になってますか。

「日高さんをはじめ、レーベルメイトのみんなは本当に刺激を与えてくれる存在であって。自分は先に事務所にいたとはいえ、いわゆる先輩という感覚は本当になくて。あくまで同じ志や理念のもとに集まった仲間であるし、友達でもある。本当にフラットに相談したり、相談されたりをレーベルの中で繰り返していますし、自分にとっては、自分が自分らしくいられる場所ですね。9月にはBMSGのアーティストが全員集合するフェスもあるので、今から楽しみです。僕自身は、自分がどこからきて、どこに向かうアーティストであるかを伝えつつも、音楽で観客を圧倒させ、感動させられるようなパフォーマンスがしたいなと思ってますね」

(おわり)

取材・文/永堀アツオ
写真/野﨑慧嗣

LIVE INFOBMSG FES ’22

9月17日(土)、18日(日)@富士急ハイランド コニファーフォレスト
LINE UP/SKY-HI、Novel Core、BE:FIRST、Aile The Shota、edhiii boi、RUI、RAN、REIKO、TAIKI、全BMSG所属アーティスト及びトレーニー(予定)

BMSG

DISC INFONovel Core『No Pressure』

2022年8月3日(水)発売
BMSG MUSIC SHOP限定盤(CD+Blu-ray)/AVC1-96999A/7,150円(税込)
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