――ついにアーティスト活動休止前ラストとなるアルバム『THIS IS WHERE WE PROMISE』が発売されましたが、反響はいかがですか?
「いろんな方に“表紙の雑誌を見たよ”、“アルバムを聴いたよ”と言ってもらえるのはすごく嬉しいですね」
――現在は日本とロサンゼルスの半々で生活をされているとお聞きしますが、そこでの心境の変化がかなり大きかったのではないでしょうか?
「だいぶ大きかったですね。僕は14歳から芸能界に入り、この業界のことしか知らなかったからこそ、どこか自分を見失っていたところがあるんです。そう思っていたからこそ、普通の感覚も持ちたいし、もっといろんな人と出会いたいなと思い、さらに英語も学びたかったので、5年ほど前にロサンゼルスで生活をすることを選んだんです。そこから2年、大学に行き、様々なことを学ぶうちにロサンゼルスが大好きになりました。さらに制作もロサンゼルスでするようになり、カルチャーの違いを持った人たちと話すことによって、自分の視野が本当に狭かったことを実感したんです。そこであらためて“人って変われるんだな”って思ったんですよ。そこで得た感覚をいろんな人にシェアするようになったら、本当に多くの方が共感するようになり、新たな人生が始まったように感じたんです」
――今作でアーティスト活動を休止することもそうですし、そうやって新たな生活を選ぶ決断の潔さはすごいですよね。
「もともと、居心地がいいところにずっといることが自分の性分に合わないんですよね。上京したときも、推薦で高校も決まっていたんですが、それを蹴って東京に行かないとデビューなんかできないと思い込んでいた節があって…(笑)。ダメだったらまた違うことを考えればいいやという性格だったので、やりたいことはやって、問題が起きたらその場で解決していくのが僕のスタイルなんです。だからこそ、本当にいろんな挑戦はするようにしているんです」
――すごくポジティブですよね。
「よく”ネガティブになることはないんですか?”と聞かれることがあるんですが、本当はすごくネガティブになりやすいんですよ。なので、運動したり、ヨガや瞑想をして、いろんな本を読んだり、いろんな人と出会ったりすることで、自分を成長させていくようにしているんです。なので、ポジティブというよりも、ポジティブになる方法を知っているという感じなんですよね」
――そんな與さんが、アーティスト活動休止を発表した直後に「This Is Where We Promise」をリリースしましたが、その反響もかなり大きかったのではないでしょうか?
「そうですね。自分的に、“ファンの皆さんは裏切られた気持ちになってしまうのかな?”と思っていたんですが、逆に応援してくれるようなメッセージが多く届いたので、すごく驚いたんです。実際にこの曲は本当にファンのみんなを想って書いた曲なので、それがちゃんと届いたことが分かって、すごくうれしかったんです。僕は普段、泣かないタイプなんですが、その夜は泣いちゃいましたね」
――想いがしっかりと届いたんですね。
「はい。いま、アルバムがみんなの手元に届いたからこそ、コメントを送ってくれるんですが、すごくポジティブなコメントが多いんですよ。それを見る度に、“AAAが帰ってきたときに、やっぱりまた、みんなが歌って踊って、みんなが好きでいてくれる與真司郎を見せられたらいいな”と強く思うようになりました」
──AAAとしては、ちゃんと帰ってきてくれるということですよね。
「もちろん。AAAも休止になりますが、帰ってくるときには僕もちゃんと帰ってきたいなと思っています。それは今から楽しみにしています」
――しかも、この曲が全部日本語だったこともすごく印象的でした。
「僕は小学5年生からダンスをやっていたので、洋楽に触れることが多かったんです。なので、あまりJ-POPに触れてこなかったんですよね。もちろん、AAAになってからはJ-POPを聴くようになりましたが、自分の良さを出すには、ルーツである洋楽ライクな英語を多くしたいという気持ちがあったんです。でも、ファンの方は日本人が多いので、母国語でちゃんと気持ちを伝えたいと思い、この曲の歌詞はしっかりと日本語で書かせていただきました。それに、ライブやカラオケで、みんなで歌ってもらいたいという想いも強かったんですよ」
――ちなみに、今作の楽曲の選曲基準はどんなところにあったのでしょうか?
「一番大事にしたのはライブですね。“オープニングにこういう曲があったらいいな”とか、“途中でこういう曲を歌ったら喜んでくれるのかな”とか、みんなと一緒にいる空間を想像しながら選びました。AAAの時からそうだったんですが、とにかく“ライブにこういう曲があったらいいよね!”という想いが一番なんです。それが染み込んでいるのでソロでも自然とそうなったんです」
――今後はアリーナ―ツアーが控えていますが、ソロで今作をどう見せていくかも大事になってきますよね。
「そうですね。いままで休むことなくライブをし続けてきたので、ここまでライブがない期間が続いたのが初めてなんですよ。さらにコロナ禍なので声は出せないというルールもありますし、どんなライブになるのか今もちょっとわからないんですよね。でも、そんな状況下でも、みんなと繋がれるライブになればいいなと思っています」
――楽しみにしていますね。さて、今作で與さんがより思い入れがある曲を教えてください。
「「Bye Bye」は思い入れの強い曲となりました。この曲は自分の祖父母が亡くなったり、愛犬が亡くなったときの本当に悲しい感情をそのまま歌詞に書かせてもらったんです。だからこそ思い入れが本当に強いので、ライブで泣かずに歌えるのか、今からすごく心配をしています(笑)」
――青山テルマさんとの「好き好き好き」も、すごく話題となりましたよね。
「テルマとは10年以上仲がよかったんですが、あまり仕事をしたことがなかったんですよ。でも、“ふたりで曲を作りたいね”とずっと話していて、ついに実現したのがこの曲なんです。ふたりでテーマを決めて、僕が思っていること、テルマが思っていることを書いて、一緒に集まって、お互いの歌詞を見ながら決めていったんです」
――友達との制作となると、また普段とは違う感覚だと思うのですが、いかがでしたか?
「まったく違いましたね。テルマはもちろん、僕もプライベートとは違う姿なので、お互い“ちゃんとプロフェッショナルなところがあるんだ”と思いながら作っていました(笑)」
――ちなみに、仕事とプライベート、どう違うんですか?
「どうだろう~!?仕事は完璧主義者なんですが…プライベートもか(笑)。あまりかわらないですね。例えば、休みの日も朝からスケジュールをパンパンに入れて、予定通り過ごしたいんです。無駄な時間を過ごすことが本当に嫌なので、心身ともにプラスなことしかしたくないんですよね。食べ物も運動もそうですが、自分の人生がポジティブになるようなことばかりやってます。……なので、オフも分刻みのスケジュールですね(笑)」
――あはは。さて、ファンのみなさんは今後どんな姿を見せてくれるんだろうとワクワクしていると思うのですが…。
「そうですよね。最近は雑誌だけでなくバラエティもそうですし、今までやってこなかったことをやったり、発信したりしている最中なんですなので、まだまだ新しい與真司郎を楽しんでもらえたらいいなと思っています」
――新しいことに挑戦することで発見したことはありましたか?
「僕自身、すごく喋るのが好きなことを再確認しました。それに、自分が喋ることで、ファンの皆さんから“ポジティブになりました”というコメントを頂いたりしているので、ファンの皆さんが悩んだときやネガティブになった時に、自分が発する言葉によって、また頑張ろう、夢に向かって頑張ろうという人が増えたらいいなとは思っています」
――たしかに。ずっとトークショーをされていますよね。
「そうなんですよ!もう10年程やっているんですが、昔はまったく人が入らなかったんです(笑)。でも最近は多くのファンの方が来てくれるようになって、楽しんでもらえるようになりましたし、なによりもすごく大事な場所になっているんです」
――アーティストが、しかもドームクラスでライブをやっている人がトークショーを定期的にやっているのって與さんくらいしかいないと思うんですが…。
「僕もそう思います(笑)。でも、ずっとファンの皆さんと近くにいたいんですよね。ドーム公演をするようになって、“離れて行った”って思われたくなかったんですよ。自分の中で、誰よりも近い存在でいたかったんです」
――それはどうしてそう思ったのでしょうか?
「ファンの皆さんを近くに感じると、笑顔も見れますし、直接声も聞けるし、なによりも感謝が出来るんです。ドームではみなさんとの距離が遠いんですが、トークショーでは本当に近くで会えるのでそのギャップを楽しんでもらえるんですよね。自分も勇気をもらえるし、ハッピーな感情になるので、ずっと続けてこられたんです。アーティスト活動を休止したあとも、トークショーは続けていきたいと思っています」
――ファンとの絆が本当に強いんですね。
「それは本当にそう思います。“Team ATAE”と呼んでいるんですが、その皆さんとは、誇れる絆、深い絆があると思っています」
――きっと、今回のアーティスト活動休止というニュースに悲しい気持ちになってしまう人も多いと思うのですが、きっと新しい一歩には必要な判断だったんですね。
「そうですね。なによりも、AAAがあるから音楽活動をやってこれたというのが根本にあるので、AAAが休止になるとなったら、僕も音楽活動はできないと思ったんです。でもファンの皆さんに何かを伝えたいという気持ちはあるので、AAAが帰ってくるまでには、違う形で届けられたらいいなと思い、いまはいろいろやっているので楽しみにしていてください!」
――そのニュースを楽しみにしていますね。それにしても、本当にストイックな一面を感じるのですが、一番ほっとする瞬間はどんな時なのでしょうか。
「う~ん…。人といる時は基本的にすごく元気ですよ。あとは、いまはヨガをやっているときはホッとしていますね。身体にもメンタルにもいいことをしている実感が持てるのですごく充実しているんです。これはずっと続けていきたいですね」
――ありがとうございました。では最後にencore読者へメッセージをお願いします!
「デビューしてからの17年間、ストリートからドームまでいけるアーティストになれたことは本当にファンのみなさんがあってこそなんです。その大きな感謝をしつつ、アーティスト活動を休止しますが、AAAが帰ってくるときには、必ず帰ってくるので、今までやれていなかったことをいろいろやりたいと思っています。そのみなさんへの感謝をしながら作ったアルバム『THIS IS WHERE WE PROMISE』なので、じっくり聴いてもらえたら嬉しいです!」
(おわり)
取材・文/吉田可奈
- ■SHINJIRO ATAE ARENA TOUR -THIS IS WHERE WE PROMISE-
アルバム『THIS IS WHERE WE PROMISE』を引っ提げ全国アリーナツアー開催決定!
【公演日程】
◆2021年9月11日(土) [宮城]ゼビオアリーナ仙台
◆2021年9月12日(日) [宮城]ゼビオアリーナ仙台
◆2021年9月23日(木・祝) [愛知]日本ガイシホール
◆2021年10月2日(土) [大阪]大阪城ホール
◆2021年10月3日(日) [大阪]大阪城ホール
◆2021年10月16日(土) [神奈川]ぴあアリーナMM
◆2021年10月17日(日) [神奈川]ぴあアリーナMM
◆2021年10月23日(土) [福岡]マリンメッセ福岡B館
◆2021年10月24日(日) [福岡]マリンメッセ福岡B館
SHINJIRO ATAE (from AAA)『THIS IS WHERE WE PROMISE』
2021年8月11日(水)発売
初回生産限定盤(CD+DVD)/AVCD-96689B/4,400円(税込)
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SHINJIRO ATAE (from AAA)『THIS IS WHERE WE PROMISE』
2021年8月11日(水)発売
通常盤(CD Only)/AVCD-96691/3,300円(税込)
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SHINJIRO ATAE (from AAA)『THIS IS WHERE WE PROMISE』
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