──25歳の新進気鋭のシンガーソングライター、ルイさんの提供楽曲となりますが、たくさんの候補曲の中からどんなところに魅力を感じましたか?

「まず、キャッチーさにやられました。そして<まるでサイダー!>、<口を塞いだ>と韻を踏んでいるサビ。チャーミングですし、ユニークで、1度聴いただけですぐに歌いたくなるような感じがあって。あと、Dメロも好きです。最初からテンションアゲアゲな感じですけど、さらにワクワクさが倍増していくような感覚があって。メロディも歌詞もすごく好きですし、グッと掴まれました」

──キャリア重ねた今、このタイミングで甘酸っぱい青春の夏曲を歌うということを櫻子さん自身はどう考えていますか?

30歳になって初めてリリースした楽曲は「裸になって」で、その次がこの「まるでサイダー!」です。この間、ラジオで初公開したんですけど、その時にファンの方から“学生時代を思い出すような楽曲だな”とか、“あの頃の青春が甦ってきたような気持ちになりました”というコメントをいただいて。まさにいただいたコメントの通りだと思いました。今、現役の学生さんにももちろん聴いてほしいですけど、大人になった私たちが、青春のキラっとした時代を思い出すような楽曲になるといいな…と改めて感じました」

──櫻子さんにとって青春時代というとどんな風景が思い浮かびますか?

「水泳部だったので、ひたすら毎日、水しぶきを上げて、バシャバシャって必死になって泳いでいる姿が目に浮かびます」

──ちなみに種目は?

「当時はスタイルワンと言っていた気がするんですけど、いわゆるフリー、自由形でクロールを泳いでいました。女子校だったんですけど、夏は大会にも出ましたし、合宿もあったので、青春を注ぎ込んだのが部活だったと思います」

──デビュー作となった映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』のオーディションが17歳の時ですか?

「そうです。だから、高校2年生まで水泳部でもうガンガンに泳いでいました。今でも当時の1日のサイクルを思い出せるんですけど、朝7時半前くらいに家を出て、学校に行っていました。でも、体を強くしたかったので、5時には起きて、近所のバスケ部の友だちに声をかけて、その子と一緒に 30分走って。“じゃあ、後でね、学校で!”と言って家に帰る。そんな肉体作りを毎日のようにしていた記憶があります」

──放課後が部活ですね。何時までやっていたんですか?

「長い日もありましたけど、基本的には 午後3時半から5時までの1時間半だったと思います。2,000mくらいは毎日泳いでいました。あと、高校生になってからは部活動と平行して友だちと女子バンドを組んでいました。女の子6人の乙女ばいぶるというバンドで、ギターが2人、ベース、ドラム、キーボードで、私がボーカルでした。そのうちの1人が『カノ嘘』のオーディションに応募するのを勧めてくれたんです。そのバンドでSuperflyさんの「Alright!!」や椎名林檎さんの「ここでキスして。」をカバーして…他にもTHE BLUE HEARTSや銀杏BOYZもやっていました。林檎さんの東京事変の曲は多かったです。そのバンドで学祭にも出ましたし、学祭ではファッションショーにも…女子校なので、先輩や後輩と混じって、みんなで衣装を作って出たりしていました。楽しかったです」

──“THE 青春”していますね。そのあとで、東京事変の亀田誠治さんが音楽プロデューを務めていた映画『カノ嘘』のヒロインとなり、劇中でバンドのボーカルを務めて。デビュー後もドラマ『水球ヤンキース』や映画『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』でも部活をやっていて…。

「そうですね。そう思うとずっと青春していますね」

──「まるでサイダー!」はまさにそんな青春真っ只中を想起させる曲になっていますが、レコーディングはどんなアプローチで臨みましたか?

「実はレコーディング当日まで、キー設定で少し迷っていたんです。この曲、どのキーで歌うかによって全然印象が違ってくるので。最終的には原曲キーにしましたけど、私には、少し高くて。パワフルに歌い上げるようにするのは半音下げた方がいいので、そのキーで歌ってみたら、キラッと感が少なくなってしまって…だから、あまりキンキンしないように、声帯を開いて、原キーで歌いました。慣れてしまえば、とても歌いやすいですし、この曲の雰囲気が映画『カノ嘘』の「明日も」と少し色味が似ていると感じていて…」

──どんなところが似ていますか?

「私、歌のイメージを色で捉えることがあってスカイブルーとキラキラしている黄色っぽいのがとても似ていると思います。編曲をしていただいたきなみ(うみ)さんにも“デビュー当時のキラッと感をこの曲でも入れたい”と言われて。当時のテンション感を重ね合わせながら歌った感じです」

──大きく口を開けて伸びやかに歌っている印象ですが、ミュージカルとも違うアプローチですか?

「全然違います、ポップスは。ミュージカルはどちらかというと、より喋る感じに近いですけど、ポップスを歌う時はやっぱりビートが非常に重要なので。そのグルーヴ感をすごく意識しながら歌っていました」

──歌詞はどう捉えましたか?

「“まだ好きって言えてないのかな?”っていうのはあって。“まだあまり恋愛をしたことがなくて、恋愛を今、新鮮な気持ちでとても楽しんでいる男の子だな”って思いながら、愛しい気持ちで歌っていました」

──言えない想いを抱えた主人公が、最後は告白する決意をしています。そこに向かうまで、どんな気持ちの作り方をしていますか?

「楽しい、ワクワクが一番大きいかな? 自分の気持ちを言えなくてウズウズしていることも楽しんでいる感じです。だから、歌っていても常に笑顔で、嬉しい気持ちでいました。恋をしている喜びで溢れている曲だなって」

──最後のセリフ<「君が好き。」>はどんな想いで?

「“これ、どうしよう?”と思っていたんですけど、最初に言った<「君が好き。」>で、“それ、いいじゃん!”ってなりました。何も考えていないと言うとあれですけど(笑)、“どういうふうに言おうかな?と考える前にO.K.テイクが出て。少し照れるフレーズですけど、可愛らしく頑張って言っている感じでした」

──完成した楽曲を聴いてどう感じましたか?

「“きなみさんのアレンジによって、こんなに世界観が広がるんだ!”と思いました。例えば、Dメロのディレイがかかっているところとか、最終ミックスまで私は知らなかったんです。だから、最初に聴いた時にすごくドキッとしましたし、Aメロ、Bメロとサビのメリハリもすごくついていて、よりキラッと感が増した感覚はありました。何より、こんなに夏らしい曲を夏の真っただ中にリリースできることがとても嬉しくて。私、夏が好きなんです。最近はあまりにも暑くて、なかなか出かけられないですけど、アウトドアな人なので。本当だったら日焼けとかも気にしないで、海でバシャバシャ泳ぎたいタイプなので、花火大会に出かけたり、海にドライブ行く時とか、夏の思い出と共にこの曲が流れていると嬉しいです」

──楽曲配信に続いて、ミュージックビデオが公開されました。

「ビクターのスタッフさんが“王道なポップな方向にもいけるんだけど、ちょびっとのコミカルさってあっても良くない?”というヒントをくださって、“ああ、そっちに振ってみるか”と思いました。いろんな画像を検索して、“こういう世界観、ありだね”とか、“ちょっとひとひねりはしたいけど、オモシロに行き過ぎない、絶妙な可愛らしさと面白さがあったらいいね”となって、たくさんの櫻子が登場する映像にしました。サビの一部で、画面の半分ぐらいがたくさんのミニチュア櫻子になって…あれはキモ可愛い(笑)。あと、実はミュージックビデオのサビの振り付けは自分で考えたんです!」

──そうなんですね!?

「“振り付け師どうする?”という話になって、“櫻子ちゃん、ずっとダンスやっていたけど、誰かいる?”と聞かれたんです。これまでのMVでダンサーさんに振り付けてもらったフリもあれば、「無敵のガールフレンド」や「ポッピンラブ!」は私が振り付け考えていて。“コミカルさでいくんだったら自分で考えたいかも”と思って、“…あの、私はどうですか?”って手をあげたら、“めっちゃいいじゃん!”と言ってくれて、自分で考えることになりました」

──では、櫻子考案のフリのポイントを教えてください。

「一番は歌詞にもタイトルにもある<サイダー>と<ライダー>をかけているところです(笑)」

──歌詞だけだはなく、フリも韻を踏んでいるんですね?

「振り付けとしての可愛さのチャームポイントだと思います。あと、自分がサイダーの炭酸の泡になって、楽曲の主人公の恋愛を応援しているという意味で、サビはずっとタオルを回しているイメージで考えたりしました。体育祭でも歌われると嬉しいですけど、とにかくライブでみんなと踊れる振りにしたかったんです。だから、そんなにあっちこっちに激しく動くというよりかは、主に上半身を動かすだけにして、ライブでもみんなと一緒にタオルや拳を回しながら楽しめる振りにしたいと思っていました」

──ライブでみんなで一緒にやるのが楽しみですが、その前に8月24日に玉井詩織さんとのオーケストラコンサート『大原櫻子×玉井詩織 Orchestra Concert Summer Memories』が開催されますね。

「まだリハーサルやっていないですけど、詩織との一夜限りのコラボレーションです。今回の制作のタクティカートさんとライブを企画している中で、いつか仲良しの詩織と2人でライブをやりたいという気持ちがあって」

──櫻子さんにとって、玉井さんはどんな存在なんでしょうか?

2013年に『FNS歌謡祭』に出演した時に詩織が話しかけてくれたことがきっかけで仲良くなりました。そのあと、ラジオ番組にゲスト出演してもらったり、一緒にイベントにも出たりして、どんどん距離が縮まって。今はお家でたこ焼きパーティーをやったり、定期的に近況報告し合うくらい仲がいいです。同い年ですし、同じ学校出身の匂いがするんです。なんて言うんだろうな…会話をしていても、“あ、女子校の匂いがする”って時があるんです。私も詩織もすごく気を遣う方なんですけど、オープンなところはオープンなので、すごく話しやすいですし、お互いに黙っていても気が楽な間柄です」

──お二人によるオーケストラコンサートは、どんなステージになりそうですか?

「今年、既にいろんなイベントで詩織と一緒になっていて…ジブリのコンサートも一緒でしたし、『TACHI FES』も同じ日が出番で前後しているので、詩織と会うと安心するんです。コンサートでは、ちょっとしたネタバレですけど、詩織の楽曲を歌うかもしれません。詩織の番組『しおこうじ 玉井詩織×坂崎幸之助のお台場フォーク村』に出演した時に私の楽曲を一緒に歌ったことはあるんですけど、詩織の楽曲を歌うのは初めてです。ハモリもありそうなので頑張って準備したいと思います」

──そして、10月には全国7箇所を巡るツアー『大原櫻子 TOUR 2026 “REFRESH”』が開催されます。前回のツアーは『Trip To rakko Traveler』というタイトルでした。

「トラベルしてリフレッシュって、どんだけ癒されるんだ!みたいな(笑)。“REFRESH”には“元気づける”や“新たな”という意味があって、音楽で皆さんを元気づけたいという想いと、私自身の周りの制作スタッフさんやバンドメンバーを一新するという意味もあって。私も新たな気持ちで挑むという意味でのリフレッシュにもなるかな?って思っています」

──どんなバンド編成になるのでしょうか?

「今年の『JOIN ALIVE』で初めてそのバンドメンバーと一緒にやらせていただくんですけど、バンマスは、ピアノの横山(裕章)さんです」

──YUKIや木村カエラの楽曲提供、アレンジ、サウンドプロデュースを手掛けている人ですね。

「そうです。そして、ドラムが伊藤大地さんで、ギターが井手上誠さん。ベースは私より年下で、27歳の江原“Bandy”悠紀さんです。本当に一新する感じになりそうです。(取材時点では)まだ1回しかリハーサルをやっていないですけど、どんな感じになるんだろうな? ツアーは演出も全部変えるので、まだ私も想像ついていないです。ただ、昔から聴いていただいている楽曲もやりつつ、もしかすると、また新しいものをお届けしたいと思っているので、新曲たちも楽しみにしていて欲しいです」

──フレッシュなサマーソングとリフレッシュツアーを持って、新たなスタートを切るわけですね。

「はい。音楽的にはかなり変わると思います。でも、まずはツアーをやってみないとわからない部分がありますね。私も初めてのスタッフさんとなので、その後がどんな感になっていくのか…。自分がやりたいことをいろいろと言ってきたんですけど、私のセンスを汲み取って、かつ、“どこまでできるか?”というのをすごく客観的に見てくれるスタッフさんが揃っているので、そこは安心しています。一任しつつ、私のやりたい方向性も伝えつつ、フレッシュにやっていきたいと思います!」

(おわり)

取材・文/永堀アツオ
写真/野﨑慧嗣

RELEASE INFORMATION

大原櫻子「まるでサイダー!」

2026年715日(水)配信

大原櫻子「まるでサイダー!」

LIVE INFORMATION

大原櫻子×玉井詩織 Orchestra Concert Summer Memories

2026年8月24日(月) 18:00開場/19:00開演
会場:すみだトリフォニーホール 大ホール
出演:大原櫻子/玉井詩織/Japan Pops Orchestra(Tacticart Orchestra)

大原櫻子×玉井詩織 Orchestra Concert Summer Memories

大原櫻子 TOUR 2026 “REFRESH”

2026年10月3日(土) 宮城 SENDAI GIGS
2026年10月4日(日) 愛知 Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
2026年10月7日(水) 北海道 PENNY LANE 24
2026年10月15日(木) 広島 HIROSHIMA CLUB QUATTRO
2026年10月17日(土) 大阪 NHK大阪ホール
2026年10月18日(日) 福岡 福岡国際会議場メインホール
2026年10月28日(水) 東京 LINE CUBE SHIBUYA

大原櫻子 TOUR 2026 “REFRESH”

U-NEXT

大原櫻子 ライブ映像&MVを配信中

■大原櫻子全国ツアー2025「Trip To rakko Traveler」
■10th Anniversary tour 2024「ハイッ︕10ション︕」
■Zeppツアー2023「大原櫻子10(点)灯式」2023.10.12 @Zepp Haneda
■5th TOUR 2018 ~Enjoy?~
■5th Anniversary コンサート「CAM-ON! ~FROM NOW ON!~」
■5th TOUR 2018 ~Enjoy?~
■4th TOUR 2017 AUTUMN ~ACCECHERRY BOX~
■LIVE CONCERT TOUR 2016 ~CARVIVAL~ at 日本武道館
■2nd TOUR 2015 AUTUMN ~秋櫻タルトを召し上がれっ☆~ 2015.11.12@Zepp DiverCity (TOKYO)
■1st TOUR 2015 SPRING~CHERRYYYY BLOSSOOOOM!!!~

大原櫻子 ライブ映像&MVを配信中

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