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――今作『Enjoy』は2年ぶりのオリジナルアルバムになりますが、どんな作品にしたいという想いで制作されましたか?
「前作の『V(ビバ)』は二十歳を迎えて出したアルバムだったんですけど、二十歳を過ぎて以降、自分の中で“大人っぽさ”というのを意識していたんです。それまで元気で前向きな楽曲が多かったのに比べて、ここ1、2年はバラードとかミディアムなテンポ感の楽曲が増えていて。それが今回、なんか久しぶりにはっちゃけたいなと思いまして(笑)。リリースも夏だし、タイトルも『Enjoy』だし、アップテンポでノリがいい楽曲をたくさん詰め込みたいなと思っていました」
――タイトルを決めたのは?
「結構最初のほうに決めました。収録曲についての話し合いが進む中で、タイトルはどうする?ってなったときに、1曲1曲全然違うテイストの楽曲が揃っていたので、ポップな名前がいいなとは思っていて。さらに、今年に入って舞台(ミュージカル『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』)をやらせていただいたんですけど、そこですごく“エンジョイ”という言葉を大事にしていたというか。本番前にキャストで円陣を組むときも“今日もよろしくお願いします。エンジョイ!”って言っていて、それが私自身にすごく染み付いていたんですよね。舞台が終わってからも、結構日常でエンジョイって言葉を使っていたくらい。だから、いまの私自身を表す言葉もエンジョイだし、今回のアルバムも、いろんなエッセンスが詰まっていて、きっとエンジョイしてもらえるはず……という想いから、『Enjoy』にしました」
――ちなみに、制作は2月の舞台と並行して行われたんですか?
「いえ、舞台の後です。でも、3月は映画『あの日のオルガン』の撮影があったので、本格的にスタートしたのは4月くらいからです」
――4月!?かなり最近の話なんですね。
「やっぱりそうなんだ!(笑)他のアーティストさんがどんな感じなのかわからないので比べようがないんですけど……そっか、そんなに驚かれる感じなんですね(笑)」
――でも、そのぶん最新の大原さんが詰まってるとも言えますね。
「そうですね。本当、いまの私そのままだと思います」
――収録された14曲の中には、これまでにないようなダンスチューンもあって、とても新鮮に聴かせていただきました。楽曲を選ぶ際、大原さん自身新鮮に感じる楽曲もあったのでは?
「それは思いました。とくに「Joy&Joy」は、いただいた楽曲に女性の方が仮歌を入れてくださっていたんですけど、自分が歌えるイメージが浮かばなくて……。この曲歌えるのかなあっていう不安もありました」
――それでもこの楽曲を選んだ理由は?
「それこそアルバムの『Enjoy』ってタイトルが大きくて。チャレンジを楽しもう!みたいな。それに、出し惜しみしたくないなって。いま発信できるもの、たとえ自分が歌っているのを想像できないものでも挑戦する。そういう意味では、アルバムの中でいちばんチャレンジな楽曲でした」
――この曲は作曲と編曲に多保孝一さんが参加されていますが、多保さんとは久しぶりですか?
「1stアルバム『HAPPY』で「Over The Rainbow」という楽曲を提供してくださっていて、それ以来ですね。しかも今回は結構がっつり絡ませていただいたというか、レコーディング現場にも来てくださって、歌い方をはじめいろいろなアドバイスをしてくださいました。多保さんとはまたいつか絶対にやりたいと思っていたので、今回それができたのはうれしかったです」
――昔から大原さんのことを知ってる多保さんが、今回「Joy&Joy」のような楽曲を提供してくれたっていうのも意味がありそうですよね。
「そうですね。“あ、こういう楽曲をくださったんだ”って、意外でした。でも、『Enjoy』ってタイトルにぴったりだし、新しさもあるし。多保さんも、歌詞にある<JOY and JOY>が“ENJOY”に聴こえたらうれしいっておっしゃっていて。そういうエピソードもあって、最初は「Close to you」というバラードがアルバムのラストかなって思っていたんですけど、「Joy&Joy」で締めくくるのもいいかなって思ったんですよね」
――多保さんのほかにも、今作で楽曲を提供されてる方々は皆さん豪華ですね。それぞれの方が大原さんをイメージして作った楽曲になると思うのですが、自分でも意外と思うような楽曲はありましたか?
「「甘えてしまうんだよ」は、ありそうでなかったので、新しいなあって思いましたね。バラード曲でも、こういうギターと歌だけというのはいままでなかったなって。逆に「夏のおいしいところだけ」は、自分的にもしっくりくるところがあって歌いやすかったです」
――「夏のおいしいところだけ」の作詞はチャットモンチーの高橋久美子さん。作曲がいきものがかりの水野良樹さんというコンビです。
「はい。あ、でも、久美子さんは、最初にどんなテーマがいいですか?と聞いてくださったんですけど、私はもう、久美子さんの世界観に染まりたい!と思ったので、夏というテーマだけ伝えて作っていただきました。逆に水野さんは、ふだんから私のお芝居とか舞台を観てくださっていて。今回もいっしょにご飯に行ったりしていろいろお話しさせていただいたんですけど、歌だけじゃない、私のいろんな面を見て楽曲を作ってくださっているんだなっていうのはすごく感じました」
――楽曲に描かれている登場人物もさまざまですけど、櫻子さんの等身大に近い曲、逆に遠い曲は?
「「ツキアカリ」は本当に等身大だなと思いました。たぶん、この楽曲で描かれているような、友達だったり彼氏だったり彼女だったり、相手のことが好きだからこそ感じる切なさって、20代前半の人は共感できるんじゃないかな。人との距離感がうまくつかめなくてうずうずするみたいな気持ちは、私も感じたりするのですごく等身大だと思います。それから、「いとしのギーモ」。これは等身大というより、私のことを歌っている歌なので」
――ちなみに“ギーモ”って何のことですか?
「サビの歌詞の頭文字を縦に読んでみてください」
――す・な・ぎ・も……って砂肝ですか!? ペットのことかな?なんて思ってたんですけど。
「そうなんです(笑)。私の大好物のことを、ただひたすら歌っている歌で、ただのラブソングではございませんでしたっていう(笑)」
――逆に、自分とはちょっと遠いなと思う楽曲は?
「んー、やっぱり「Joy&Joy」になっちゃうかな。あと「one」。共感はできるんですけど、ちょっと年齢が上なイメージがありました」
――そういう楽曲の歌入れは、特別な気持ちで臨んだりするんですか?
「そういうのに関係なくなんですけど、毎回楽曲の色というのをディレクターさんと決めていて。その楽曲のイメージカラーっていうのを必ず聞いてから録音していますね。例えば「one」だったら、クールだし、水色かなとか、ディレクターさんが楽曲ごとに完成形をイメージした色を教えてくれます。色を決めると歌い方も変わってくるというか」
――なかには大原さんがイメージしてた色と違うこともあるんですか?
「あります!あります!ときどき“えっ!?”てなります(笑)。今回だと「Close to you」。私、白をイメージしていたんですけど、ディレクターさんからオレンジって言われて、“おお~ !?”みたいな(笑)。実は、このやり方はデビューシングルの「明日も」からずっとやっていることなんです」
――楽曲によってキャラクターを変えたり、その曲の主人公になり切るという意味では、お芝居の経験も役に立ったりしますか?
「そうですね。やっぱり、芝居と歌って通じるものがあって、歌うときは演じるように、演じるときは歌を歌うようなリズムだったり間だったり。そこはすごく相乗効果があるというか、両方やっていてよかったなって思います」
――逆に、お芝居と歌の両方をやっているからこそ、迷いが生じることってないですか?
「どうだろう……役を演じているときは、どちらかと言うとその役になり切りたいタイプなのであんまり迷わないんですけど。逆に歌っているときは、どれが私らしさなんだろう?っていうのはときどき思います。歌のときは全部が私だから。でも、芝居と歌の両方があるから、自分の中でバランスがとれているというか。もし、どっちかがなかったら、何かがきっといまより欠けているはず。今回、アルバムのタイトルが『Enjoy』になったのも、舞台の影響がとても大きいですし。逆に、舞台の緊張に耐えられているのは、ライブで慣れているからっていうのが絶対にあると思うし。芝居と歌、このふたつはこれからも自分の軸としてやっていきたいなって思っています」
――完成した『Enjoy』、改めてご自身で聴いてみていかがですか?
「ちょっと笑ったのが……」
――笑っちゃった?
「なんか、笑えるんですよ。「energy」からの「ひらり」とか、楽曲のテイストが違い過ぎじゃない!? みたいな(笑)。あと、「さよなら」からの「いとしのギーモ」、「Close to you」って並びも、真面目なんだか、ふざけてるんだか、よくわからないっていう(笑)」
――どうしてこの並びに?
「いや、なんか、そういうギャップも聴いていて面白いかなと思って。それこそ、お、次こんな曲が来たか!って、面白がってもらえるんじゃないかなって。聴いてくれる人の想像を、いい意味で裏切りたいっていうのがありました」
――アーティストにとって3枚目のアルバムは重要とも言われますが、今作は櫻子さんにとってどんな作品になったと思いますか?
「いままででいちばん自分らしさが詰まっている気がします。それに、お芝居でいろんな役を演じたいじゃないですけど、いろんな楽曲を歌いたいっていう意味では、すごくいろんなタイプの楽曲が歌えたなっていう手応えもありますし。しかも、1曲1曲に染まる色の濃さっていうのが、やっぱり1st、2ndよりも絶対濃厚になっているなってすごく感じるんですよ。なので、心の底から聴いてほしい1枚になったなって思います」
――ちなみに、完成したアルバムは、ふだんから交流があるという藤原さくらさんや、家入レオさんにも聴いてもらってるんですか?
「あ、今回はまだ聴いてもらってないですね。出来上がったら渡します」
――どんな反応だと思います?
「どんな感じだろう……でも、素が出ている作品になったので、素の私を知っているふたりには、ふだんと変わらないねって言われるかも(笑)」
――アルバムをリリースした翌日からはツアー「Enjoy?」が始まります。当然『Enjoy』を中心とした内容になるかと思いますが、見どころを教えてください。
「そうですね……「甘えてしまうんだよ」なんですけど、実はCDに収録されているものはまだ未完成なんです」
――え、そうなんですか?
「続きがあるんです」
――そんな仕掛けになっていたとは!
「最初にいただいたデモではあの長さだったんですよ。それが、いざレコーディングするという段階になったら、作家さんから長いバージョンが届いて……あれ?って(笑)。でも、このしっとり感だったら短いままでも面白いし、せっかくだからこの続きはライブで演るのもありかな、と。なので、結末を知りたい方はぜひライブへ(笑)」
――“続きはWebで”みたいな(笑)。
「そうなんですよ(笑)。楽しみにしていてほしいなって思います。あとは、やっぱり夏のライブなので、結構いままでと比べてもバラードよりアップテンポめに、タオルを回して、ジャンプして、いっしょに歌えるような楽曲をセットリストにたくさん入れていて」
――歌うほうも大変そうですね。
「本当にそうなんです!私の体力が前半でなくなるんじゃないかなって心配になるくらい(笑)」
――史上最強にポップなツアーになりそうですね。
「そうですね。ステージセットもかわいらしく、楽しい感じになるので、ぜひ遊びに来てほしいなって思います」
(おわり)
取材・文/片貝久美子
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2018年6月27日(水)発売
初回限定盤A(CD+DVD)/VIZL-1398/4,500円(税別)
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2018年6月27日(水)発売
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通常盤(CD)/VICL-65026/3,000円(税別)
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