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──アルバムには長い期間に渡る楽曲が収録されていて。アルバムとして一枚にまとめるときに難しくなかったですか?

YU「そもそも僕たちって2015年にリリースした1stフルアルバム『TOKYO』からなんですけど、アルバムの中にバラエティに富んだ曲たちが入ってるってことが一つのバンドのカラーだったりするんで。今回も2年ぐらいの間に書いた曲なんで、多分、その時に好きだったものとか、その時のモードによって全然違う曲があるのが、毎回出すアルバムの個性を強めただけなのかなっていう。だから感覚としては1stアルバムのカラーに近い。1stアルバムの最新版みたいな感じなのかなと思って」

──去年の5ヶ月連続リリースシングルあたりで、それまでにアイドラに抱いてたイメージはガラッと変わったと思うんです。YUさんの書く歌詞に変化が現れたり。アルバムのビジョンが見えたのはいつ頃なんですか?

YU「それで言うと最初の緊急事態宣言入る直前ぐらいからですね。豊洲PITのライブで一旦、『FUTURE』ってアルバムが完結して。"次、どうしていこう?"って時に、もう一回、原点回帰というか、"自分たちってどういうことをやっていきたいんだ?"とか、"このバンドってどんな立ち位置のバンドなんだろう?"って、結構見直す機会があって。そうこうしてるうちにコロナになったっていうのはあったので、3月頃かな。それで一番はじめに歌詞の世界観やアートワークも含めて、今の僕らっぽいものってことで「MR.CLEVER」って曲ができたんですけど。そこから5ヶ月連続リリースなりなんなりやっても、一番最初、原点回帰してできたその曲が、リードトラックというか、そこを元に構築していくんだろうなっていうのは自分たちもなんとなく思ってたんで、アルバムタイトルの『Black Humor』っていうのも、「MR.CLEVER」の世界観がアイロニックだったりとか、ちょっと社会風刺的なものもありつつ、でもポップな要素、ユーモアも残しつつっていうところで決まって行った感じです」

これまでもパーティチューンだけじゃなく、いろんな歌詞があったと思うんですけど、でも今回は相当、潜ってますよね。

YU「そうですね。今回バンドとして客観的に見た時に一番変わったのはそこになると思うんですよね。今まではやっぱライブは基軸で活動としてあったので、パーティーチューンだったり、一緒に盛り上がれる曲、それに乗っかる歌詞みたいなものを意識して作ってきたんですけど、やっぱり音楽の聴かれ方が、コロナになって、みんなが家でイヤホンで聴いたりとか、個人的なものになってきてるのを自分自身も感じてますし。メンタル的にもみんながそんなにハッピーになりづらいとか、考え事をする時間が増えたり...僕自身もそうだったので、"そういう時に寄り添える音楽ってなんだろう?"っていうことで、そういう時、書けるようなものを結構、煮詰めて考えて、今まで削ぎ落としてきた人間臭さとか、泥臭い部分を敢えて曲の中に歌詞として紡いでいくっていうのも意識し始めて、そういう曲が結構詰まってるアルバムになったかなと思います」

IDLMs

YU


──不思議ですよね、たらればですけど、コロナじゃなかったらどんな内容になってたのか。

YU「ほんとそうですね。おかげで時間的な余裕も正直あったし、考える時間もそうですし、あと、思い切って新しいスタイルにしても、今までのファンの人も許してくれる雰囲気というか。やっぱみんなの生活自体が大きく変わっていく中で、僕らも変わっても別に大丈夫でしょっていう、それはある意味勇気をもらったのかもしれないですね」

──逆にそういう時期だからこそ、「前向こうよ」って曲をすぐ書ける人もいるけど、でも大方の人はそうじゃなかったという気はしますね。

YU「そもそも僕、コロナであってもなくても「前向いて歩こうよ」って曲自体、あんまり共感できないタイプなんで(笑)。でも僕と同じように考えてる人って多いなと思って。なんか自分みたいなちょっと捻くれた性格の人に共感してもらえるものができたら、自分としては理想だなと思ってて。そういうのを結構、心がけて書いた。だから極力、説教臭くならないようにっていうのもそうですし」

──説教くささの対極ですよね。こんなに人の日記を覗くような感覚ってなかなかないので。

YU「そうですね。それはすごく意識して書いた部分です」

──歌詞でパーソナリティを出したこと以外にも、今、ソウル、R&B、ファンクをメインにしてるバンドが一時期より多いじゃないですか。そういう意味でも2020年以降、アイドラがどう戦っていこうとしてたのかな?と思っていたので。

YU:「だからこそ、<踊ろうぜベイビー>って歌いたくないっていうか。一番あったのは今まで何枚かアルバム出していく上で、自分たちの中で葛藤は"おしゃれなサウンドですよね"って言われたりとか、"BGMに合うんですよね"っていうのって、もちろん嬉しい反面、"え、俺らそんなふうに聴いてもらうために音楽やってるわけじゃないし"って思ってしまう自分もいて。なんか、BGMになるっていうのは"心地いい"っていう意味ではプラスにも考えられるけど、ある意味、音楽が主体になれてないっていう葛藤もあって。あとは、おしゃれっていうのもすごい表面的というか。なので、それを崩したい、今までの自分たちのイメージを崩したいっていう気持ちもありましたね。自分たちで作り上げたイメージをいかに自分たちで曲として壊していくかっていうのをすごい考えながら、試行錯誤しながら作った曲は多いかもしれない」



──根本的なことをお聞きするんですが、アイドラ の曲作りってどういう手法なんですか?

YU「今までいろんなやり方を踏まえてきたんですが、一番しっくりきてたのが、作曲する部屋があってパソコンのDTM立ち上げて、みんなで"どういう曲にする?"って、結構、企画会議みたいなことから始めて、"このイメージだよね"って、曲のイメージが固まったら、コード進行どうしたらどうだ、ビートはどういうのがいいだろうって、話し合いながら打ち込んでいくスタイルでずーっとやってきたんですけど、逆に言うとそれもそれでなんか刺激がなくなってきて、"このままじゃまずいな"って思って。今回のアルバムの中では「MR.CLEVER」もそうですし、「Sunflower」、「ENTERTAINER」の3曲は外のプロデューサーさん、それぞれ別のプロデューサーさんに立ってもらって、編曲しながらディスカッションしながらっていうやり方を試したり。あとは今年に入ってまた新しい作曲の方法にトライしようってことで、「馬鹿」って曲と「独り占め」って曲とかはピアニストの方にスタジオに来てもらって、バンドの中だけじゃ思いつけなかったコード進行やメロディの動きっていうのを鍵盤の方とセッションしながら作っていくというやり方。それでできたものをバンドに持ち帰って、再アレンジするっていう、なんか曲作り自体も試行錯誤したアルバムですね」

IDLMs

SHUKI

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KENJI


SHUKI「それができるのも、4人とも大人になって集まってできたバンドっていうのが大きいですね。だからこそ、みんなそれぞれ意見が違うっていうのをみんなが把握して、その上でどうするかっていうのの結果がこの作り方になっただけですね」

YU「だからちょっとプロデューサーっぽいのかもね。個々の楽器のパートはあって、思い入れは強いところはもちろんあると思うんですけど、それよりはプロデューサー・セッションみたいな感じですね」

KENJI「企画会議っぽいですね(笑)」

SHUKI「作ってるとき、割と辛いですね、その場にいることも。メロディ出す時とか、普通にひたすら4人で集中して、どんどん意見出し合ってみたいな感じなんで、ポンポン流れるように進んでいくわけじゃなくて、結構絞り出して」

YU「でも、それだけでも凝り固まった曲ばっかりになっちゃうので、例えば「ENTERTAINER」とかはスタジオでわざとセッションする環境を作って、その場で思いついたコード進行で適当にやってみるっていうのも、たまにやったりとか。だから"こういうやり方をするんだ"って、ちょっと前まで決まってたんですけど、決まってたルールをまたさらに壊してやるっていうのは自分たちの制作意欲もそうですけど、やっぱ同じようなルーティンの曲作りしてると、同じような作品になっちゃうんで、それだけだと満足できないんで。だから常に新しいやり方を取り入れていきたいなと思ってます」

──プリプロの手法をどんどん更新していったんですね。

CHOJI「やり方の数で言うと一番多い。これまでもいろんなやり方で作ったから」

IDLMs

CHOJI


──ちょっと他のバンドはやらないだろうっていう曲はどれですか?

YU「作り方に関しては「独り占め」とか「馬鹿」みたいな作り方はまず普通のバンドはやらないんじゃない?ピアノとコードと、コード理論合戦みたいな(笑)」

CHOJI「普通、それは一人でやるよね。例えばバンドの中でメインで曲を作ってる人が多分、それをやるってことはよくあることだと思うんですけど。コライトでもみんなそれぞれ得意な楽器とかはあって、"じゃあこういう風にピアノ入れてみようか"とか"じゃあベース入れてみようか"みたいな感じの作り方は良くあると思うんですけど、メロに対してだけコライトしていくみたいな、そういうのって多分あんまないかなって気がしてて」

──音源としては聴き疲れはしないし、でもメッセージとしては独自なものなので、そこのバランスがいいんだろうなと思います。

YU「それができたらいいなと思ってたんで。ま、ただ、オシャレで乗りやすい曲はちょっと卒業できたのかなと思ってますけどね」

──既発曲がありつつ、アルバム曲もいい感じで違和感なく入っているところがすごいなと思うんですけど、前半、割と家の中という感じじゃないですか?「独り占め」に始まり「ノラリ・クラリ」、そして「MOON NIGHT」の音像が素晴らしい。

YU「それはすごい頑張って録った。最後にできた曲ですね」

──みんな生きてる確信が持てない時期があったと思うんですけど、そういうニュアンスがあって。

YU「だから「MOON NIGHT」とかは逆にいうと、最後にできたってこともあって、『Black Humor』的に裏のテーマじゃないですけど、"さ、曲を作ろう"と思って、目掛けて作った曲ですね。すごいネガティブですね、こう見ると(笑)」

CHOJI「サウンドは明るいんで、ネガティブなこともいい感じに聴かせるというか」

YU「そう。<君とならうまくいけるさ>みたいなことを書きたくなるトラックなんですけど、普通だったら。でも今、そんな曲歌ってもつまんないなと思っちゃうし」


──「MR.CLEVER」で始まるから、歌詞の通りですけど、うまいことやろうとしてるけど実は辛い、みたいな主人公の本音が後の曲で見えてくる。

KENJI「そうですね。そういう風に聴こえてるとしたら嬉しいです」

YU「「MR.CLEVER」や「地上を夢みる魚」が前半にあって、アイロニックなことを先に歌えてるんで、後半に出てくる、例えばピュアな「愛言葉」だったり「サボテン」だったりとかが素直に届けられるというか。"あ、なんかあんなこと言ってたやつがこういう一面あるんだ"みたいな。あれが前半にきたら僕も"うっ......"てなっちゃう」

SHUKI「8曲目の「??」から12曲目の「gift」はすごいピュアな(笑)」

YU「そうね。前半に毒々しいのがあるから、より映えてるなと思ってます、自分的には」


──終盤はシリアスですね。「ENTERTAINER」の女性像は女性の共感度高そうです。

YU「初めて書いた女性目線の曲なんですけど、反響はよかったです。この辺から内面的に迫って行こうって意識がうまく歌詞に落とし込めてきた辺りですね、去年の今ぐらいだったんで」

──連続リリースの間に女性目線も男性主人公もいるし、曲のジャンル的にも様々なものが連続リリースで出たというのは大きいんじゃないでしょうか?

KENJI「スタイル変えた歌詞をいろんな楽曲で表現した時に、"どれがいいのか?"みたいなのがあったんで、その5連続に関してはバラバラにしていこうみたいなのはあったかもしれないですね」

──それらの曲が後半に固まってるのが強力で。

YU「最後の「ミレニアルズ ~just I thought~」は絶対、最後でしょって作った時から思ってたんで」

KENJI「「MR.CLEVER」の最初と「ミレニアルズ」の最後はほぼ決まってたね」

──「ミレニアルズ ~just I thought~」もここにあるから唐突感がないというか。

YU「これは自分でもびっくりした、ま、歌詞なんですけど」

──日常的にネットやテレビを見ていて出てきたものなんですか?

YU「いや、そんなことなくて。この曲に関して言えば、曲からですね。ラフデモみたいなものがあって、それを僕が家で聴いて、どんな歌詞のテーマにしようかなといろんなことを考えながらぼんやりしてる時に、すごい地球の映像が見えたんですよね。かといって、自分自身は今までそんなこと考えてなかったけど、"そういうのトライしてみるか"って思ったんだけど、かと言って、そんなに知識もないし"そんなこと自分が言っても..."と思ったんだけど、それ自体をを歌詞にすればいいんだと思って」

──ああ、素直に。

YU「て、いうところからの発想で、これをきっかけにいろんなことを調べたり、本を読んだり、ネットに上がってる映像とかいろんなもの調べて。そこから、映像作品作る時もみんなで調べたり見たりして作って、ファンの方々にサポートしてもらいながら作って。その後、この曲きっかけでゴミ拾いをしにいったりとか、ファンの方々がエコバッグを作ったり、ほんとに活動につながっていったんで、"曲を作るっていうのは人の行動を変える力があるんだな"って、自分で書いて改めて自分でそう思ったし(笑)、音楽の力ってすごいなと思いましたね、素直に」

──ちなみにメンバーの皆さんそれぞれ、アルバム曲でリード曲だなと思う曲を教えて欲しいです。

CHOJI「じゃあ、「独り占め」を。それこそピアノの方とみんなでメロディを作って、で、最初ギターを入れる時にあんまり考えずに弾くんですよ。割とこうサビで弾いてるフレーズが気に入ってて。ま、自分の問題なんですけど、いかにギターで曲を自分が好きになれるようにするか?ギターのフレーズ大事なんで。それが割とに自然に出てきたんです。メロディも大好きだし、繊細な曲なんでぜひ聴いてもらいたいなと思います」

KENJI「僕は「MOON NIGHT」で。やっぱりこの時期になっていろんな作曲方法を特に試したアルバムで。多分自分たちだけじゃない、いろんな人から吸収して、最後に入れようと思ってた曲は違う曲だったんですけど、それがあんまこのアルバムに相応しくないなってなった時に、時間もないし、自分たちだけでもう一回作るかみたいな感じで、一番力が抜けて、今できるI Don't Like Mondays.の集大成っぽい曲になってるって意味で、僕はこの曲がいいんじゃないかなっていうところですね。トレンドっぽいけど、風化していかないようにシンプルに落とし込んでるし。時代感がありつつ、時代を選ばないような楽曲になってるっていうのもポイントの一つなんじゃないかなという風に思いますね」



SHUKI「僕はじゃあ「ノラリ・クラリ」。ピアニストの方とメロとコード進行は作ったんですけど、アレンジは完全に僕らがやったので。ほんとにこのアルバムならではの作り方でしかできなかった曲かなと。アレンジは一歩間違えるとすごく普通になる曲をどうやって僕らっぽくするかっていうのをすごい話し合ってやった曲で。そこで、シンセベースを使ったら僕らっぽさが出るんじゃないかってとこから、その音が中心になるので、KENJIが実機を借りてきて、色々チャレンジができた曲ですね」



YU「僕は「地上を夢見る魚」ですかね。自分的には今までこういう歌詞を書きたかったっていう曲です。生々しさもあるんだけど、なんか自分も聴いて救われる部分があったりとか。後、構成自体がちょっとショートフィルムじゃないですけど、1サビ、2サビで歌ったことをラスサビで回収してくるっていうのをこの少ない文字数の中で、"自分、よくできたな"って、書き上げた時に思えた曲なんで。歌詞の面白さっていうのも感じてもらえるのかなっていうのが自分の中で自信を持って言える曲かなと思います」



──ファンの方はもちろん、このアルバムで初めて出会うリスナーの反応もすごく楽しみです。ありがとうございました!

(おわり)

取材・文/高橋栄理子
写真/いのうえようへい





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