── GENERATIONSのメンバープロデュース楽曲配信プロジェクト『PRODUCE 6IX COLORS』、締めを飾るのは数原龍友さんです。まずは、これまでのメンバープロデュースの楽曲を聴いてどんなことを思いましたか?
「サプライズが多かったですね。なにより、メンバーそれぞれが“こういうことがしたかったんだな”ということがよくわかりました。予想していた通りの“なるほど!”という曲を持ってきたメンバーもいれば、驚く曲を持ってくるメンバーもいて。ボーカリストとしても試されるような曲がたくさんあったので、楽しみながら取り組めました」
──その中でも特に楽しかったのはどの曲でしたか?
「小森隼プロデュースの「MY GENERATION」です。僕は邦ロックを聴いてはいましたが、その畑で育ってきてはいないので、歌うことがとても難しかったんです。アジカンさん(ASIAN KUNG-FU GENERATION)の曲は本当に多くのみなさんが聴いて育ってきていますし、そのフロントマンであるゴッチさん(後藤正⽂)が作ってくれた楽曲を僕がどう歌ったらいいんだろう?と、かなり悩みました。それに、当たり前ではあるんですが、デモを後藤さんが歌っていたんですよ。もう、“これをGENERATIONSの名前でリリースしたほうがいい”と思いましたからね(笑)」
──あはは。たしかに、邦ロックの歌い方と、これまでのGENERATIONSの楽曲の歌い方とはまったく違いますね。
「そうなんです。僕が歌うと、どうしてもグルーヴィに、メロウな雰囲気が出てしまうんですが、それはこの曲には不要なものだったので、曲のテイストにすり合わせていく作業がすごく難しかったです。でも、最後に隼人が“さすが!”と言ってくれるところまで持っていけたのは、良かったです」
──そして、ついに数原さんプロデュースの楽曲です。ファンの人達は“どんな曲を聴かせてくれるのだろう?”とかなりワクワクしていると思うのですが、すごく爽やかな夏のポップチューンになりましたね!
「実は、この曲がO.A.解禁される直前まで、“夏の泣けるバラードが出来た”と公言していたんです」
──…泣けるバラード?…ではないですよね?(笑)
「はい(笑)。でも、そう思い込んでからこの曲が流れたら、プレイボタンを押した瞬間、“え!?”ってなりますよね。その裏切りが狙いです!」
──あはは! そんな楽曲プロモーションは初めて聞きました!
「プロモーションも含めて僕プロデュースなので、ここは徹底的に仕掛けていきました。普通に“今度のGENERATIONSのバラードは泣けるのか~”と思って聴いたら、この思いっきり踊れるサマーチューンが流れたらいいフックになるかな?と(笑)」
──プレイボタンを押した瞬間から裏切られる曲ですね。ちなみに、最初にプロデュースをすることになった時には、どんなことを考えていましたか?
「リリース日が七夕なので“ロマンチックな曲もいいな”と思っていたんですが、他のメンバーのデモが上がり、聴いているうちに、みんなそれぞれが好きなことを詰め込んでいることが伝わってきたんです。この特別なプロジェクトのラストを飾るのであれば、自分も大好きな夏をテーマに、さらにはDREAMERS(ファンネーム)のみなさんが見たいGENERATIONSをやろうと思ったんです。その時に、“誰かに頼むよりも、自分で作った方がハンドリングが出来るな”と思い、制作を始めました」

──昨年末にソロアルバム『STYLE』をリリースされていますが、GENERATIONSの曲を作るのと、ご自身の曲を作るのとでは、どんな違いを大事にしていたのでしょうか?
「ソロ曲は自分の自由さが焦点となりますが、GENERATIONSとしての曲であるならば、このメンバーがやる意味を大事にしなくてはいけないと思ったんです。それに、これまでの5人のプロデュース曲が、GENERATIONSというものをしっかりと表現してくれていたからこそ、迷うことなく、和気あいあいと、ものすごくスムーズに取り組むことができました」
──アレンジを担当されている上條頌さんは、ソロアルバムでもガッツリとご一緒されている方ですよね。
「はい。頌さんにも、最初は“バラードを作る”って言っていたんですよ。なので、最初にこの曲を持っていった時に、“こんな曲を作ってくるとは思わなかった!”と言われて(笑)。さらに、サウンドも最初はもっとゴスペルっぽさを入れたカッコいい感じにしようと思ったんですが、メロディやリリックを考えていたらふざけたものばかり出てきてしまって…。“これはどうしようもねぇな”と思って、そのコミカルな世界で書ききりました。結果的に、頌さんはゲラゲラ笑いながら、楽しそうにアレンジをしてくれていました」
──その時点で、この“楽しもう!”という曲のイメージが確立されていたんですね。
「そうですね。耳で聴いて楽しむのもそうですが、リリックも読んだら笑顔になるし、ジャケット写真も悪い顔をしている僕のデザインを自分で作ったんです。もう、この曲を聴いて笑えたらそれでいいんです! 唯一、この曲で伝えたいことがあるとすれば、“はめをはずしてもなんでもいいから、とにかく楽しもう”ということですね」
──パフォーマンスはどのようなものになるのでしょうか?
「そこはかなりこだわりました。なので、いざ振り付けがついたときに、パフォーマーチームが“大変だ!”って言っていて。曲がコミカルだからこそ、パフォーマンスは難しくして、そのギャップも楽しんでほしかったんです。振り付けはKAITAくんにお願いしたんですが、“パフォーマーが踊りがいのある、サボれないような振り付けにしてほしい”ってリクエストをしたんです。さらに、“パフォーマーのカッコよさが際立つようなものにもしてほしい”とお願いしたら、その通り、すごく難しいものになりました」
──KAITAさんは、歌詞とリンクした振り付けを作るのが得意なイメージがありますが…。
「そうなんですよ。なので、<Tacos頬張って>という歌詞ではタコスを食べている振りになっています。“さすが!”って思いました。最終的にKAITAくんがこのパフォーマンスに対して言ってたのは、“スキルの無駄遣い”でした(笑)」
──あはは!
「簡単に見えて、かなりのスキルがないと踊れない曲だと思います。ぜひ真似をして、パフォーマーの凄さを体感してほしいですね」
──同じボーカルの片寄涼太さんにはどんなディレクションをしたのでしょうか?
「早口のパートを彼に任せてしまったので、そこは大変そうでした…。奇跡的に噛まずにできたテイクを使ったんですが、珍しく苦しんでいました(笑)。歌いやすい歌詞に書き換えたパターンもあったんですが、難しいことをやった方が、カラオケなどで歌った時に“これは歌えない!”となって面白いと思うんですよ。なのであえて難しい方で何度も挑戦してもらいました。いい感じで焦っているテイクが録れたので、僕的には狙い通りでした(笑)」
──リリックビデオはどんなものになるのでしょうか?
「サーフボードに金髪のかつらをつけていろんなところをデートしているというリリックビデオになっています」
──なるほど…???
「わからないですよね(笑)。でも、みんながそうなるようなユーモアがあるもの、違和感があるものにしたかったんです。サーフボードを恋人に見立ててくるくる回っている僕は、傍から見たら間違いなく危ないヤツだったんですが、みなさんが楽しんでみてもらえたら一番いいと思っています」
──最近はバラエティ番組などにも多く出演されていて、数原さんのそのキャラクターにも注目されています。
「僕、歌手なんですけどね(笑)。今まで大人しくしていたわけでもないんですが、みなさんに受け入れてもらえたようで嬉しいです」
──そして、KAZとしてのソロシングル「Buddy」も7月23日にリリースされます。まずは「T&W」ですがこの曲は、どのような曲になっているのでしょうか?
「以前から、“愛犬に楽曲を作りたい“と思っていたんです。普段、たくさんの幸せな時間をもらっているからこそ、美味しいご飯をあげて、いろんなところに連れて行ってあげるのも愛犬への恩返しのひとつなんですが、自分にしかできないことをしてあげたいと思ったんです。それって、音楽で愛犬への想いを綴ることが一番だと思って。いつかお別れの瞬間は必ず来てしまうので、MVや音楽に残すことで色あせない思い出になるのかな?と思って、愛犬が主役のMVも作りました」
──ものすごく自然体の姿がみられそうですね。
「日常を切り抜いた姿が映し出されています。ただただ、微笑ましいMVになりました。アウトロには愛犬たちの肉声もしっかりと入っているので、聴いてもらえたら嬉しいです。追いかけまわしながら録音しました(笑)」
──さらに、もう1曲収録される「Avocado feat. Airi Suzuki」は、鈴木愛理さんとのコラボ曲ですね。
「はい。最初に彼女の歌を、鈴木愛理さんだと認識せずに聴いた楽曲があって、その時に、可愛らしさもありながら、エッジの効いた歌い方もされていて、なによりもものすごい表現力がある方だと思ったんです。そのときに鈴木愛理さんというお名前を知ったんですが、その後、相方(片寄)とドラマで愛理さんが共演しているのを見ていたら、クレジットに鈴木愛理さんとあって、“この人って同一人物!?”って驚いたんです。そこから調べさせてもらったら、素晴らしいキャリアを積まれている方だったので、その表現力に納得しました。そこで、“一緒に歌ってみたい”と思い、オファーをさせていただきました」
──実際に歌ってみていかがでしたか?
「“普段はこういった歌を歌わないので難しい…”とおっしゃっていたんですけど、飲み込みがとてつもなく早く、なによりかなり練習してきてくださったことを感じて、本当にリスペクトでした」
──この夏は、いろんな数原さんが楽しめそうですね。
「そうですね! まずは「Summer Vacation」で思い切り笑って楽しんでもらえたら嬉しいです!」

(おわり)
取材・文/吉田可奈
写真/中村功
RELEASE INFORMATION
LIVE INFORMATION

『GENERATIONS LIVE TOUR 2025 "6IX SENSE"』
9月21日(日) 福岡 マリンメッセ福岡 A館 SOLD OUT
9月27日(土) 東京 国立代々木競技場 第一体育館 SOLD OUT
9月28日(日) 東京 国立代々木競技場 第一体育館 SOLD OUT
10月11日(土) 宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ
10月18日(土) 静岡 エコパアリーナ
10月19日(日) 静岡 エコパアリーナ
10月28日(火) 大阪 大阪城ホール SOLD OUT
10月29日(水) 大阪 大阪城ホール SOLD OUT
11月15日(土) 三重 三重県営サンアリーナ SOLD OUT
11月16日(日) 三重 三重県営サンアリーナ
12月6日(土) 福井 サンドーム福井
12月7日(日) 福井 サンドーム福井
12月17日(水) 千葉 ららアリーナ 東京ベイ
12月18日(木) 千葉 ららアリーナ 東京ベイ
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