――GENERATIONSのメンバープロデュース楽曲配信プロジェクト『PRODUCE 6IX COLORS』の第四弾は小森さんとなります。コラボをするお相手が、まさかのASIAN KANG-FU GENERATIONの後藤正文さんで驚きました!

「驚きますよね。僕も驚きました(笑)」

――あはは。今回のコラボは、それぞれのメンバーが親交のある方にオファーをするということでしたが、この企画が立ち上がった時にすぐに後藤さんにお願いしようと考えたのでしょうか?

「すぐにゴッチさん(後藤)を思いついたんですが、かなり悩みました。やっぱりジャンルも違いますし、受けて下さるかどうかもわからなかったので、何周も悩んで…4周くらいした後に、“こんな機会だからこそ、自分の一番好きなものがいい”と考えたんです」

――後藤さんは楽曲提供をしているイメージもあまりないですよね。

「これまでSUPER EIGHTさんに楽曲提供をしていたのは知っていたのですが、タイプも違いますし、僕たちはダンサー、パフォーマーのパフォーマンスグループなので、お願いしても受けてもらえないと思ったんです。でも、どうしてゴッチさんにお願いしたかったのかをご本人にお伝えしたら、“小森くんのプロデュースであれば”ということで引き受けてくださったんです」

――どんな熱い想いをぶつけたのでしょうか?

「まず、テーマとして楽曲を聴いてくださった方に元気を与えたい、背中を押したいという想いがありました。さらに、僕たちはこれまでのキャリアを経て、ロックフェスや音楽イベントなどに多く出演させていただく機会が増えて、少しずつですがロック界隈や、バンドサウンドを愛する方々にも知っていただけるようになってきました。だからこそ、そういった人達に僕たちのことをより知ってもらう機会を作りたいってずっと考えていて。そこで、『PRODUCE 6IX COLORS』が立ち上がった時に、ロックミュージシャンの方にお願いしたいと思ったんです。そんなふたつの狙いが合わさった時に、行きついたのが、僕が10代の頃に一番勇気をもらったASIAN KANG-FU GENERATIONでした」

――10代の頃に音楽から受ける影響って、ものすごく大きなものですよね。

「本当にそう思います。僕が学生時代に“アジカン”と出会い、勇気をたくさんもらっていたからこそ今がありますし、さらにGENERATIONSで活動するようになってから、いろんな苦しいこともたくさんありましたけど、結果的に行きついた先でゴッチさんと一緒に作品を作ることで、あの頃の自分も救いたいですし、聴いている人達に勇気を与えられるんじゃないかな?って思ったんです。その気持ちををお伝えして、引き受けてくださったので、すごく嬉しかったです」

――素敵ですね。後藤さんとはラジオでの共演から仲良くなったのでしょうか?

「はい。ラジオでご一緒させていただいたときに、学生時代によく聴いていましたというお話はさせていただいたんです。今回、制作の時に、さらに深くお話をすることができたのはすごく嬉しかったですけど、すごく緊張しました。打ち合わせはリモートだったんですが、ものすごく憧れていた人だからこそ、喋れなくなってしまって…」

――小森さんが喋れないなんて!

「あはは。そうなんですよ。僕は好きな人を目の前にすると言葉が出なくなる傾向があるんです(笑)。でも、そこでしっかりと伝えたいこと、お願いしたいことをお話させていただいた後、実際に完成した曲を頂いたときに、ものすごく今のアジカンらしさを感じて感動しました。アジカンの音楽をずっと聴いてきた僕は、ソリッドだった初期から、世の中のことを歌うようになり、ハートフルな楽曲が多くなってきた時間の経過を感じてきたので、頂いた曲は最近の「ライフ イズ ビューティフル」や「You To You」のように、軽やかな爽快感もあり、疾走感もありながら、聴いた後に視野がグッとひろがるような今っぽさを感じて…この曲をGENERATIONSのボーカルふたりが歌ったらどうなるんだろう?ってワクワクしました」

――後藤さんが書く歌詞は哲学的で中毒性のあるものが多いですが、今回どんなことを感じましたか?

「グッときました。いろんな言葉が散りばめられているんですが、僕の中ではキュンとするものが多かったんです。例えば、<荒波が僕らの距離を隔てても>というフレーズは、普通であれば海原をイメージすると思うのですが、僕は電波の波に感じたんです。僕と後藤さんが出会ったラジオや、音楽を形にしたものは“波長”じゃないですか。それを超えて、僕たちが想いを届けているんですよねってゴッチさんに言ったら、“そういう解釈もあるか”と言ってくれて。さらに<光を目指した暗い時間だって>、<また巡り合える>という言葉は、悩んでいた時期に、アジカンの音楽と出会い、たくさん辛いこともあったけど、巡り巡ってゴッチさんと出会い、一緒に音楽を作れているという今を実感して感動しました」

――きっと、後藤さんも小森さんをイメージして歌詞を書いてくれたんでしょうね。

「そう言ってくれました。それにデモはゴッチさんが歌ってくれていたんですよ。それが贅沢で!(笑)」

――それはプロデューサーの特権ですね! ちなみに、他のメンバーに後藤さんとコラボをすることを伝えたときはどんな反応でしたか?

「みんなすごく驚いてくれました。HIROさんもすごく喜んでくれたんです。HIROさんと事務所でお会いした時に、“後藤さんの曲、すごくいいね”と言ってくださって、とても報われました」

――完成した曲のタイトルが「MY GENERATION」ということにも愛を感じました。

「このタイトルは、最後の最後まで悩みました。今回、ロックサウンドとダンスミュージックを融合させて、その中間地点である曲を作りたかったんです。そこで“踊れる邦ロックを作りたい”と考えて出来上がった曲なので、リズム隊は打ち込みなんです。でも、ギターはゴッチさんと喜多さん(喜多健介(GuVo))が弾いてくれています」

――とても贅沢ですね!

「贅沢ですよね。レコーディングに参加させてもらったんですが、夢のような時間でした。でもゴッチさんはグループ名をタイトルに掲げていいのか?とタイトルにすごく悩まれていて…。でも、僕はこのタイトルはとても説得力があると感じましたし、これ以上のタイトルはないと思ったので、「MY GENERATION」に決定しました」

――すごくいいタイトルだと思います。

「そうですよね。僕もすごく気に入っています」

――今回は、ジャケット、リリックビデオにプロモーション方法も全てプロデュースされるということですが…。

「“本当に全部やるんだ!?“と思って驚きました(笑)。もう二度とやりたくないです!」

――二度とですか!?

「はい! これは最初で最後のプロデュース作品です(笑)。なので、リリックビデオはもう全力を尽くしました!」

――どんなものになりましたか?

「この曲を聴いた時に、すぐに1人の少女が思い浮かんだんです。その少女の心の中から溢れる想いをリリックビデオで表現しました。実は、これは僕の中ではアジカンの「マーチングバンド」という曲で少女がずっと走り続けているMVのオマージュなんです。あと、「MY GENERATION」は僕のラジオ番組(TOKYO FMSCHOOL OF LOCK!)で初解禁をします。その番組が生放送なので、僕が“「MY GENERATION」です”と言った本当の動画も入れようと考えています。そこから流れる曲を聴いて、少女が動き出すというリリックビデオなので、本当に初解禁した日に、世界のどこかでそのラジオを聞いて、もしかしたら前を向いた少女がいるかもしれない、いたらいいなと思って。そういった、フィクションとノンフィクションを混ぜ込んだ作品になっています」

――ものすごくエモーショナルな作品ですね!

「いいですよね。贅沢を言えばアジカンのMVに出演していた同じ少女に出演してもらえたらよかったんですが、なんせ13年前なのでもう大人になっていると思うので…(笑)。でもこれは全て裏テーマになっています。なによりも、僕と同じ時代を生きた人達に、“平成にはこういった曲があったよね“と思ってもらえたら嬉しいですね」

――そして、気になるのはパフォーマンスなんですが、どんなものになりそうですか?

「想像が出来ないと思うんですが、かなり踊っています! 僕たちのフィルターを通して、しっかりとこの曲を表現したので、踊れる邦ロックが出来ました。そこにボーカリストも共存しながら、サウンドとしては温度を感じられるものになっています」

――それにしても、『PRODUCE 6IX COLORS』は、“お友達にお願いする”という決まりが、かなりコミュニケーション能力を試されるものだと思うのですが、勝手に小森さんは有利なのではと感じていました(笑)。

「いや~、難しかったです。僕は友達は多いんですが、表現できるアーティストの方でないとお願い出来ないのでかなり悩みました。お笑いコンビのコットンさんや藤田ニコルさんとも仲は良いんですが曲は作っていないので…(笑)。でも、そう考えると、(中務)裕太くんがDa-iCEの花村想太くんとコラボをすると聞いたときは驚きました。“よく頑張ったね!”って親の気持ちになりました(笑)。まだ発表されていないメンバーのコラボ相手もおもしろいことになっているので、ぜひ楽しみにしていてほしいですね!」

(おわり)

取材・文/吉田可奈
写真/中村功

RELEASE INFORMATION

GENERATIONS「MY GENERATION」

2025年55日(月)配信

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