――新曲「VIVA SUMMER!!!!!」はタイトルに違わず超ゴキゲンなナンバー。DEEP SQUADの楽曲としては今までにないタイプだと思うのですが、どのような経緯で誕生した楽曲になるんですか?
宇原雄飛「今年の夏こそブチ上がりたいよねっていう想いで、どういう曲がいいのか、みんなでイチから話し合って決めていきました。DEEP SQUADの中でも一番アップテンポなパーティチューンで、さらにコーラスグループだからこその歌い繋いでいく感じも表現できるような楽曲というリクエストで何曲か用意していただき、満場一致で選ばれたのがこの楽曲でした」
TAKA「ありがたいことに、今年もナガシマスパーランド“ジャンボ海水プール”のCMソングになるお話があって、そこも考えながらの選曲でした。いくつか候補があったんですけど、これが一番振り切ってたんですよね。いい意味で、僕たちらしくないというか。これまでのDEEP SQUADを知ってる人からすると、“えっ、こんなこともするの!?”って感じると思います(笑)」
――逆に、自分たちがこういう楽曲を歌うのか!?という戸惑いもあったり?
TAKA「楽しみではありましたね。1回聴いたら耳に残るようなサウンドに、歌詞の世界観もトリッキーではあるんですけど、具体的な情景が浮かぶような描写だったり、<手ぶらで新幹線>などフックになりそうなフレーズがあったり。あまりやってこなかったことに敢えて挑戦してみるのも面白いんじゃないかという予感がありました。実際、歌ってみたら、やっぱり僕たちらしいものになりましたし」
YUICHIRO「歌っていると自然と笑顔になるような曲なんですよね。もちろん聴いてくださる方も元気にしたいんですけど、それと同時に自分もすごく元気をもらえる楽曲だなって思います。それに、サウンドは意外とカッコいいんですよ。歌詞の楽しさとサウンドのカッコよさと、かなりいい感じのバランスにできた気がしますね」
――<終電に間に合わない>とか<朝まで歌いたい>といったフレーズも、コロナ禍前は当たり前だったのが、今聴くと新鮮だったりして。
比嘉涼樹「そうですよね。ここ何年かはコロナの影響で、僕らもそうだし、みなさんも、思い切りエンジョイできていないっていう気持ちがあると思うんです。それこそ、この曲を作っていた当時は、今年の夏こそは!っていう想いもあって。時間を忘れてみんなで一緒に盛り上がれる、そういう楽しい気分になれるような曲にしたいよねって話しながら作っていたので、今はまた状況が変わってきちゃいましたけど、その雰囲気を楽しんでいただけたらと思います」
――これまでにないテイストの楽曲ということで、歌入れに対しても何か新しい試みをされたりしたんですか?
KEISEI「今回は今までで一番、おふざけ感を意識しました。なんか今の世の中って、コロナの影響もあると思うんですけど、ちょっとおふざけがなくなってきたように思うんです。その中で、自分たちがこうやって肩の力が抜けるような楽曲を出すことで、その世界観だけでも楽しんでほしいなって。DEEPの夏曲というと、これまでは割とクールでカッコいいもの、“スーツを着た夏”って感じのものをリリースすることが多かったんですけど、この曲はそうじゃなくて、“ふにゃふにゃ”っていうんですかね(笑)。そういう抜け感だったり、おふざけ感だったりっていうのはチャレンジでしたね」
――歌い繋ぐことがDEEP SQUADの魅力であり、こだわりだと思うのですが、歌割りはどのように決めているんですか?
杉山亮司「歌割りに関しては、普段から僕が担当させていただくことが多いです。今回も僕がやらせていただいたのですが、仮歌のときに決めたものだとなんかちょっと微妙で……。でも、歌割りの面白いところって、順番を変えるだけでしっくりくる形が見つかるんですよ。それでいろいろ変えていった結果、最終的には元の歌割りとまったく違う形になりました。歌い繋ぐのがDEEP SQUADの強みなんですけど、今回はサビの部分は敢えて6人の声がバンバン入れ替わる感じにしたりして」
――確かに。最初、誰がどこを歌っているのかを気にしながら聴いていたのですが、サビになった途端、入れ替わり立ち替わりになるので判別するのを諦めました(笑)。
杉山「それが狙いなんですよ(笑)。ここは誰、ここは誰っていうんじゃなくて、途中で“もういいや”ってなってほしいです(笑)。6人みんな個性がある声をしているので、いろんな声が入り混じったほうが面白いと思ったんですよね」
――レコーディングでは“おふざけ感”を大切にしたとのことでしたが、苦労したことなどありましたか?
比嘉「苦労というか、本RECのときはプリプロより何倍もテンション高めで歌いました。僕が歌ってる1番の<朝からパーティ>は曲の表情が変わる瞬間で、そこまでバーンとアガってる音ではないんですけど、気分はアゲアゲで(笑)」
YUICHIRO「デモの仮歌がちょっと気だるそうなニュアンスだったので、プリプロも最初、そんな感じで歌ったんですよね。でも、なんか違うってなって」
TAKA「仮歌に僕らも寄りすぎちゃったんですよね。最初の段階で抑えめに歌ったら、本当難しくて。やっぱり、6人いるので、パートが変わるときに飛び抜けてテンション高いヤツがいたらおかしいことになっちゃうじゃないですか。そのテンション感を合わせるのがすごく難しいところで。最初は控えめに歌ったのが裏目に出ちゃって、サラッとした印象になっちゃったんです。それで、さっき亮司が言った通り、歌割りを変えて。さらに、いろいろ取っ払って、1回自分らしく歌おうってやったら、それが良かった」
YUICHIRO「自分らしく歌ったほうがいいっていうのは勉強になりましたね」
KEISEI「今回のレコーディングが一番楽しかったかも。それぞれのキャラクターを生かして、ナチュラルにやっていいんだなって。歌ってるっていうよりかは、なんていうか、“飲みまーす!”みたいな(笑)。それをただメロディに乗せてるような感覚があります(笑)。比嘉くんが言った“そこまでアガってない”というのも、あれは“ちょっと聞け、聞け”っていう段階で」
比嘉「一回落ち着こうぜっていう」
TAKA「それぞれが自分らしさを大切にしつつ、次の人にリレーのバトンを渡すじゃないですけど、うまい具合にテンションの息を吹き込むことを意識しながら臨んだレコーディングでしたね」
――「VIVA SUMMER!!!!!」のミュージックビデオも楽しく拝見しました。いろいろな工夫が施されていますが、一番の見どころというと?
宇原「一番はダンスですね。ビバダンスと呼んでいるんですけど、イントロとアウトロ、それからサビのところに振りを付けてもらったんですけど、クスッと笑えて、癖になるダンスをしているので(笑)」
KEISEI「ミュージックビデオで踊るのが初めてだったんですよ」
TAKA「初めて踊る曲が、こんなぶっ飛んだ曲で、こんなユニークな振りとは思わなかった(笑)」
――初めて尽くしの撮影はいかがでしたか?予想外のハプニングとかもあったり?(笑)
宇原「あの踊り、結構脚を使うんですよ。何回もやると本当にダメで(笑)」
杉山「誰かが間違えると撮り直しじゃないですか。脚がガクガクしてくるから、なるべく回数を重ねたくない、みたいな(笑)。絶対にミスれない集中力が必要でした」
TAKA「めっちゃ怒ってたな?」
杉山「いやいや、怒ってないっす(笑)」
TAKA「怒ってはいなかったけどね(笑)。でも、誰かが間違えたって言って1回撮影を止めるじゃないですか。そしたら、“1回止めるのやめましょうよ”って。“いいところが撮れるかもしれないから、そのまま続けましょう”とは言ってた」
宇原「全部は使わないですもんね」
TAKA「そう。俺も“あ、それもそうだね”って思った(笑)」
杉山「撮影の日、めちゃくちゃ暑かったんですよ」
TAKA「そうなんだよね。その節は……すみません!」
杉山「いやいやいや!なんか俺、めちゃくちゃ悪いヤツじゃないですか(笑)。というか、俺、そんなこと言ってました?」
TAKA「止めないでそのままいきましょう!って、横に揺れてました(笑)」
全員「(笑)」
――YUICHIROさんはずぶ濡れになるシーンがありましたね。
YUICHIRO「なので、僕は涼しかったです(笑)。あと、決めポーズとかで僕はアイーンとかスイカの早食いとかをしていて。それらは志村けんさんにオマージュを捧げる気持ちでやらせていただきました」
――あと、ダンス以外に演技っぽいシーンもありましたよね。
KEISEI「ラグビーボールを前にした僕と比嘉のシーンは難しかったよね。指差しながら、目を合わせながらって、タイミングを合わせるのに苦労して」
比嘉「あのシーン、実はちゃんと設定があるんですよね」
KEISEI「そうそう。短いシーンにも関わらず、ここに至るまでの過程とか、比嘉の地元はここで、僕の地元はここでって。監督がいろいろ盛り込んできて(笑)」
――そういう裏設定って、すべてのシーンにあるんですか?
TAKA「いや。そこだけというか、KEISEIだけです」
KEISEI「僕だけ演技の才能を見込まれたのかもしれない(笑)」
杉山「でも、確かにクオリティ高かったですよね。ヌンチャクとかマジすごかった」
KEISEI「ヌンチャクは一発OKでした。でも、意外と僕とTAKAさんのラジカセのシーンは何回も撮り直したんですよ。何かが違うって言われて」
TAKA「本当はもっと振り切ってたんですけど、だいぶ抑えたバージョンが使われてましたね。それで言うと、僕のサンタのシーンも、もっとヒドかったんですよ(笑)。やり切るって話だったからやり切ったのに、ちょっとやり過ぎてるねって言われちゃって(笑)」
KEISEI「演技を超えちゃったんだね(笑)」
TAKA「結局、全部シュールなやつが採用されてました」
――また、みなさんが持っているアイテムが“しりとり”になっているところに遊び心を感じます。
比嘉「知らずに見たらきっと、何してるんだろう?とか、何持ってるんだろう?とか、気になりますよね」
TAKA「あれ、意外と難しいんですよ。俺、涼樹のサムライ姿のところで止まっちゃったもん。“い”で終わるのに、なんで俺、獅子舞なんだろう?って。繋がってなくない!?って思ったら、サムライじゃなくて武士だった(笑)」
――数えてみたのですが、どっちの言い方か悩むのが面白かったりもしました(笑)。
KEISEI「何アイテム出てきたか、クイズにしたいね」
TAKA「ぜひ映像を見て数えてみてください!」
――そして、カップリングの「夏薫風(ナツカオルカゼ)」。こちらは杉山さんが作詞に参加されていますね。
杉山「はい。この曲はタイトルに「夏薫風(ナツカオルカゼ)」と付けさせていただいたんですけど、夏って夕方とかに風が吹いたりして、その匂いや音、感触をきっかけに何かを思い出すことがよくあるよなと思っていて。個人的に、夏の楽しみってそういうところだったりするんです。昼間は「VIVA SUMMER!!!!!!」みたく友達と楽しい時間を過ごして、夕方になったら、そういう風や、ピンク色に染まる空を見ながら、ふと過去を思い返したりするエモさを表現したいなと思いました。それを今回は恋愛に例えて書いているんですが、いろいろな別れ方がある中で、嫌いになったわけじゃないけど、お互いの夢が違っててすれ違いが生じたり、もうこれ以上向き合えなかったり……。そういう、嫌いなわけじゃないけど離れなきゃいけない恋愛って、思い出が美化されるというか。それは自分の実体験にもあるので、なんか、そこに共感してもらえたらと思って書きました」
――TAKAさんは今、杉山さんのお話を聞きながらすごく頷いていましたが。
TAKA「その通りだなと思って。いろいろ思い出しました(笑)。でも、この「夏薫風(ナツカオルカゼ)」って「VIVA SUMMER!!!!!!」とは真逆にいる曲じゃないですか。この2曲が入った今回のシングル、僕は個人的に夏の1日を過ごすのにピッタリだと思うんですよね。これから出掛けるとき、玄関を開けた瞬間「VIVA SUMMER!!!!!!」のイントロから始まって、遊び疲れた頃に「夏薫風(ナツカオルカゼ)」が流れてきて……。しかも、この「夏薫風(ナツカオルカゼ)」はどこか和テイストな感じもあって、余韻に浸れるんです。この2曲で、その日1日がドラマとして繋がってる感じがして、すごくバランスのいい1枚になったと思います」
――そして、新メンバーの宇原さん、比嘉さん、杉山さんの3人は、9月9日公開の映画『HiGH&LOW THE WORST X』の劇中楽曲に参加されています。3人での活動はみなさんにとってどういう位置付けでしょうか?
比嘉「DEEP SQUADに新しいメンバーとして入ったときから、DEEP SQUADをどう盛り上げていけるかを常に考えていたと同時に、僕ら3人でも何かやっていけたらっていうのはずっと話していたことなので、今回のようなお話をいただけたのはすごくうれしかったです。そこでまた活動の幅が広がるというか、DEEP SQUADの表現の幅も広がると思うんですよね。なので、3人での活動はもちろん、この3人に限らず、いろんな組み合わせができるのがDEEP SQUADの強みでもあると思うので、そういった“変幻自在感”をもっともっと出していきたいと思ってます」
杉山「やっぱり、DEEPの3人にしかできない良さというのがあって。それと同じように、僕らも何か、この3人でしかできない表現の仕方を見つけられたら幅も広がって、また違ったエンターテインメントができると思うんです。そういった意味でも、今回のお話はプラスの方向に進んでいる実感があります」
――3人が加入して3年、DEEP SQUADの一員になった感も増していますか?
宇原「そうですね。成長したなあって思います。加入したときはまだ18歳、未成年だったので」
――やっぱり変わるものですか?
宇原「変わりましたね」
YUICHIRO「肝臓が変わったよね」
宇原「肝臓も変わりましたね(笑)。そこもそうなんですけど、本当に人間としてというか。礼儀作法とかも含めて、人としてひと回りくらいは大きくなれたんじゃないかと思います」
――迎え入れた側のDEEPの3人は、3人の加入によってグループの変化を感じたりしていますか?
YUICHIRO「結成当初はやっぱり年齢差を感じたりすることもあったんですけど、今はもう6人がしっかり固まってきて、グループして確立してきたなっていう想いがあります。今後は新メンバー3人での活動もありますし、僕たちDEEP3人での活動もちょくちょく出てきたりするので、そうした活動を経験して、またDEEP SQUADに戻ったときには、さらに大きくなった6人として集まれるように、みんなで成長していきたいですね」
TAKA「3人が入ってくれたことによって、可能性の広がりをひしひしと感じています。YUICHIROが言った通り、最初はいろいろジェネレーションギャップがあったんですけど、今となってはそれがよかったなって思うんです。聴いてきた音楽だったり、育ってきた環境だったりが違うことで、僕たちが今まで気付かなかったことに気付かせてもらえることもたくさんあったので。結成から3年経ちますが、今ではそれぞれの才能も開花し始めているし、改めて、3人を迎え入れてよかったと感じています。これからはもっともっと、新メンバーの3人が新しいことに挑戦していくこともあるでしょうし、僕たちDEEPはDEEPでよりしっかりとした土台を作れるように活動することもあるでしょうし、いろんな組み合わせで活動することもあるでしょうし……。本当、変幻自在の可能性を感じています」
KEISEI「僕は、自分たちがこうしてDEEP SQUADとしての活動に手応えを感じられるのも、やっぱりファンのみなさんが僕たちを成長させてくれたと思っていまして。グループの絆が深まるのって、一緒に歌った回数だったり、一緒にいる時間だったりもそうなんですけど、やっぱりファンのみなさんの前で、一人ひとりが緊張感を持ってステージに立つこと。チームとして、来てくださったお客さんたちを楽しませようって、これができたことが一番大きいと思うんですよね。これからもっともっとライブをすれば、メンバーだけでなく、ファンのみなさんとの絆も深まっていくと思うので、みんなで一つのファミリーとして和気あいあいと楽しみながら進んでいけたら幸せかな、と。まずは「VIVA SUMMER!!!!!!」で今年の夏をアゲていきましょう!!!!!!」
(おわり)
取材・文/片貝久美子
写真/中村 功
DISC INFODEEP SQUAD「 VIVA SUMMER!!!!!! 」
2022年8月31日(水)発売
初回生産限定盤(CD+DVD)/AICL-4257/4258/2,000円(税込)
ソニー・ミュージックレーベルズ
DEEP SQUAD「 VIVA SUMMER!!!!!! 」
2022年8月31日(水)発売
通常盤(CD)/AICL-4259/1,100円(税込)
ソニー・ミュージックレーベルズ
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