――新曲「Gimme Gimme」は、前作の「Good Love your Love」が起用されたドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」の映画『チェリまほ THE MOVIE~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』の挿入歌になっているんですね。

DEEP YUICHIRO「はい。この「Gimme Gimme」は、リズム感を大切に歌うことを重要視したんですが、コーラスもふんだんに取り入れたので、DEEP SQUADらしさが出せたんじゃないかなと思っています。自分が歌っているパートで言うと、<いつもの店が何だか/今日は違った場所みたい>というフレーズが、好きな人がいるからこそ、日常が輝いて見えることが伝わってきて、すごく好きですね。キラキラしていますよね」

DEEP TAKA「前作の「Good Love your Love」と雰囲気は近しいものがあったかもしれないですが、サウンドのルーツにはR&Bテイストをいれたりと、トラックにはすごくこだわっています。「チェリまほ」の映画のスタッフさんたちとも、前作の雰囲気を継承しながらも、また違うアプローチで、DEEP SQUADらしく、「チェリまほ」らしい雰囲気を作ろうとたくさんディスカッションをして作り上げた曲なので、僕たちもすごく思い入れがある曲になりました。“グラユラ”に続き、“ギミギミ”というフレーズが入ってくるんですが、それがすごくキャッチーで心を掴まれる印象だったので、みなさんにも前作の“グラユラ”のように“ギミギミ”いいよねって言っていただけたらうれしいです」

DEEP KEISEI「楽曲の制作は映画の台本を読まさせていただいて、いろんな過程があり、結論に至るんですが、“君と出会えたのが奇跡だった”というハッピーエンドを想像させるフレーズも入っているので、映画といっしょに楽しんでもらいたいですね」

杉山亮司「僕自身、この歌詞の世界観って、ふだんの僕とは少し違う人だなって思ったんです。というのも、キラキラしている男の子なのかなっておもったんですよね。そこに自分がなるべく寄せられるように意識をして歌いました。<ヤバいってもう心蕩けそうさ>って、なかなか思わないじゃないですか(笑)」

一同「ははは!」

杉山「その言葉の選び方がすごく素敵でしたし、話し言葉だったので、なるべく話しているように歌おうと思ったんです。それはすごく勉強になりましたし、楽しく歌えましたね」

TAKA「キラキラというか、どちらかと言ったらギラギラだよね(笑)」

杉山「はい。だからこそ、キャラクターになり切れるのはすごくおもしろいですし、楽しかったです」

宇原雄飛「この曲の歌詞は、ふたりの恋愛の初々しさを描いているんです。それを歌で表現するために、いろいろ工夫をして取り組みました。なかでも、僕のパートである“近づきたいから”というところを相手が大好きすぎてという感情を出すために、必死な感じを出したいと思っていたんです。最初はどうしようと考えていたんですが、歌い始めると、リアルに息継ぎが難しくて、苦しいんです。それも相まって、いい感じに表現できたんじゃないかなって思います」

YUICHIRO「この前、楽しく歌っていたら息継ぎをするタイミングを忘れて、大変だった!」

宇原「そうなんですよ。なので、そこは気を付けて真似して歌ってもらえたらうれしいです(笑)」

比嘉涼樹「本当にかわいい曲ですよね。でも、めちゃくちゃコーラスを積んでいたり、そのコーラスラインがすごくかっこよかったりもしますし、ブラックミュージックからくるような音を使っている部分もあるんです。僕らならではのスパイスも隠れているので、楽しんで聴いてもらえたらうれしいです。なによりも、「チェリまほ」の映画と合わせてみてもらいたいですね」

――みなさん、もう映画は見られましたか?

TAKA「見ました!めちゃくちゃおもしろかったです」

YUICHIRO「安達君が転勤するんですが、それが僕の地元の長崎なので、めっちゃうれしくなりました(笑)」

――あははは!その背景もいっしょに感じてもらいたいですね。さて、2曲目の「ヒトリゴト」は、ドラマチックなラブソングですが、作詞はYUICHIROさんです。

YUICHIRO「はい。この歌詞を曲にしたいと思っていたんですが、このタイミングですごく素敵な楽曲をいただいたので、僕の想いを乗せるならこの曲しかないって思ったんです。実際に歌ってみると、ちょっと恥ずかしいですね。僕の気持ちをメンバーに知られるのがちょっと恥ずかしくて……」

――それだけリアルな気持ちってとですよね。

YUICHIRO「はい。僕はヤキモチ焼きなので、その想いも込めたり、付き合って半年の気持ちを歌に乗せて、こういう想いなんだよというのが届けばいいなって思っています。……って話せば話すほど恥ずかしいですね(笑)」

KEISEI「なにが恥ずかしいかわからない!だって、まんまですよ(笑)」

TAKA「オリジナルメンバーは、付き合いも長いので歌詞の言葉の使い方から、“らしさ”が溢れていることがわかるんですよね。YUICHIRO節みたいなものがあって。さらに亮司がYUICHIROと話して、最近の言葉遣いに直したりして、世代が違うからこそ、僕らの世代と、若い世代のエッセンスが入った曲になったんです。個人的にはDEEPっぽいイメージがある曲だと思ったんですよね。歌い上げるこういった曲は、リアルな歌詞が乗るとすごくライブ映えがするんです。先日行われたツアーの最終日に歌った時にも、すごくその良さを感じました。もともとDEEPを応援してきてくださった方は特に気に入ってもらえる曲だと思います」

KEISEI「この曲の、好きな人が友達と出かけていて、LINEが全然既読にならない怒りにも似たような気持ちって、まさしくYUICHIROなんですよ(笑)」

TAKA「「ヒトリゴト」ってタイトルだけど、昔、同じこと大きな声で言っていた時あったよな(笑)」

KEISEI「あははは!でも、こういう感情ってどんどんなくなっていきがちだからこそ、あらためてこういう気持ちを歌うのは新鮮でしたし、ある意味、こういう気持ちを持ち続けてもいいんだなって思いましたね」

――杉山さんは、YUICHIROさんとどんなディスカッションをしたんですか?

杉山「この楽曲のデモは、英語の歌詞だったんです。日本語にすると、聴き心地のいい言葉数があると思ったので、それを提案したり、YUICHIROさんが“もっといい言葉ないかな”と聞いてくださったときに提案をしたり、整える作業を手伝わせていただきました。僕の世代も、LINEが返ってこなくて不安なのはすごくわかるし、いろんな世代に共感できる曲になったんじゃないかなと思います」

――最初に歌詞を読んだときもYUICHIROさんらしさを感じましたか?

杉山「僕はプライベートでもご飯に行ったときに、そういった話を聞いたりもするので、らしいというか、そのまんまで(笑)。でも、この気持ちって誰もがあって、言うか言わないかのそれだけの話なんです。すごく素敵な歌詞ですよね」

宇原「僕もすごく共感しました。たくさんの男性が共感できる歌詞だと思います。それに、この曲は、メンバーそれぞれに合うパートを歌おうということで、僕はAメロとBメロを担当させてもらいました。<182.5>というフレーズってこの曲のパンチラインだと思うので、ちゃんと聴かせたくて、歌い方をたくさん考えました」

――この数字は計算しますよね。半年だから182.5なのかってハッとしました!

YUICHIRO「よかったです。歌詞になった時に、もう一度電卓で計算しましたからね(笑)」

比嘉「ただキレイごとを言っているだけのラブソングよりも、生々しいし、人間味がありますよね。その部分がすごく表現されているので、リアルだなって思いました。さらに曲調もすごく素敵で、“嫌いな人がいるのかな?”って思うくらいなんですよ。僕とYUICHIROさんで全部のサビを歌っているんですけど、サビを歌えることもすごくうれしいです」

YUICHIRO「トラックのストリングスがすごくドラマティックで素敵なんです。それに、何度か作詞をさせていただいているんですが、初めて“愛してる”という言葉を使いました」

――それは今だからこそ書けたことですか?

YUICHIRO「そうですね。“愛してた”はあるんですが、現在進行形の愛しているという言葉は初めて使いました。勇気はすごく必要でしたが、この素敵な曲には絶対に使いたいと思ったんです」

――この気持ちを知ってから聴くと、またさらに深い曲になりそうですね。さて、先日ツアーファイナルを迎えたばかりですが、だからこそ思う、次のライブでしたいことはどんなことですか?

比嘉「今回のライブで、ダンスなど初めての挑戦をたくさんさせてもらったんです。そこで学んだこともたくさんあって、新しい展望がみえたからこそ、もっといろんな見せ方ができるなって思えたんです。DEEPさんと、僕ら3人で見せるステージもあったりと、変幻自在に動けるグループだと再確認したので、これから新しい挑戦もしていきたいなと思いました」

TAKA「今回のライブはエピソード0と銘打っていたからこそ、先を見越しての第一歩だったのでかなり攻めた感覚もあったんですが、なにより会場が狭く感じることが出来たのがうれしかったですね。大きなステージでやりたいとも思いましたし、もっとたくさんの人に見てもらいたいなという想いも強くなりました。あとは、早くコロナが収束して、声が出せるようになりたいなって思ったんです。マスク越しの涙も笑顔もすごく素敵でしたが、もっとみんなで盛り上がれるライブがしたいとあらためて思いました」

――自分達をより奮い立たすことが出来たライブだったんですね。

TAKA「はい。感極まる部分もありましたし、オリジナルメンバーは昔の曲を歌うことで泣きそうになることもあって……。歴史もちゃんと大事にしながら、新しいものを取り入れながら、古き良き音楽を届けるエンターテイメントもあれば、新しいトレンドの音楽を取り入れて、パフォーマンスするというセクションがあってもいいなと思いました。今後も、新たな姿をどんどん見せていきたいので、ライブに来てもらえたらうれしいです」

(おわり)

取材・文/吉田可奈
写真/中村 功

DISC INFODEEP SQUAD「Gimme Gimme」

2022年4月13日(水)発売
初回生産限定盤(CD+DVD)/AICL-4212/4213/1,500円(税込)

DEEP SQUAD「Gimme Gimme」

2022年4月13日(水)発売
通常盤(CD)AICL-4214/1,000円(税込)
Sony Music Associated Records

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