――まずは、前作『BREMEN』の各種ランキングで1位獲得、おめでとうございます!
中川勝就・浦野秀太・佐野文哉「ありがとうございます!」
本田康祐「え? そうでしたっけ?」
浦野「わざとらしい(笑)」
本田「正直、気にしてなかったんで…」
浦野「めっちゃ喜んでたじゃん。すぐ生配信したんだから(笑)」
――(笑)。
――(笑)。今回のシングル『LOVE BANDITZ』はそれ以来のリリースということで、収録された3曲からみなさんの気合を感じました。なかでも、作品の顔となるタイトル曲「LOVE BANDITZ」はどのように楽曲をセレクトしたのでしょうか?
本田「今回もコンペで選ばせていただいたんですけど、今回もやっぱりフィーリングで決めました」
――「BREMEN」のときもフィーリングとおっしゃってましたね。
本田「いや、今回が一番フィーリングだったかもしれないです」
――そう思う理由とは?
本田「いつもだと、“この曲とこの曲どっちにしよう?”って結構考えたりするんですけど、「LOVE BANDITZ」はどの曲とも全然音色が違っていて。違うから選べないみたいな部分が、逆に選ばせてくれたみたいなところがあります。それに、この曲は主題歌っぽいというか、主人公っぽい印象があって。それは「BREMEN」のときも同じ感じだったので、系統としては似ているのかな?と。最初に聴いたときのメンバーの反応、スタッフさんの反応を含めて、「LOVE BANDITZ」を選びました」
――コンペの場合、テーマを決めた上で楽曲を募集すると思うのですが、今回はどのようなテーマで行ったんですか?
本田「一つはライブで、それから「BREMEN」の流れを汲んでほしいというのもありました。アルバム『JACK POT』のリード曲「Gamer」、そして「BREMEN」と、OWVっぽい流れを作ってきたので、その流れを壊さないようにというのがテーマでした」
中川「カップリングはまた別でコンペを行っていて、今回の3曲を選んだ感じです」
――中川さんは「LOVE BANDITZ」について、どういうところに魅力を感じましたか?
中川「今回、それこそ『BREMEN』で1位を獲らせてもらってからの新曲なので、逆に挑戦しやすい環境だと思うんです。新しい曲を聴くときは必ずダンスのことが気になるんですけど、「LOVE BANDITZ」のような曲をこのタイミングじゃないときにやるとしたら、躊躇する気持ちの方が大きくなるかな?って。というのも、「LOVE BANDITZ」はダンスブレイク以外は踊らないんで」
――そうなんですか!?
中川「はい。曲の1割くらいのダンスブレイクで120%出すっていうような振り構成になっているんです。だから、さっき本田くんが言ってたように、他にないとんがり方が、僕たちにこの曲を選ばせてくれたいい要素だったのかなって思います。このタイミングにしかできないことを全面的にできた曲になっていると思いますし、これから夏も来ますから。この曲でみんなと一緒に盛り上がれたらっていう意味でも、最高の1曲になっています」
――ダンスブレイク以外は踊らないというところに驚いたのですが、そうしようと決まったのはいつぐらいだったんですか?
本田「聴いたときからじゃない?」
浦野「踊る曲じゃないっていうのはあったよね」
中川「BPMが速すぎるので」
佐野「それもありますし、楽曲のテイストがロックなのもあって、なんかそっち(ダンス)じゃないなっていう。だから、MVでもほぼ踊っていないんですよ。踊るのはダンスブレイクだけ。それ以外は僕らのアクティングでずっと進んでいく映像になっています」
――浦野さんは「LOVE BANDITZ」にどんな印象を持ちましたか?
浦野「僕は試聴の場にはいられなかったんですけど、その前のメンバー共通の意識として、“1位を獲った次の曲として普通では行きたくない”っていうのがあって。“唯一無二”を掲げているなら、置きにいくんじゃなくて、いい意味で賛否両論があるというか…“こうきたか!”みたいな、フックになる曲にしたいと思っていたので、ピッタリだと思いました」
――QWVのみなさんの反応はどうでしょう?
浦野「すでにリリースイベントとフェスで披露したんですけど、いい反応をいただけています。コール&レスポンスで叫ぶところ…ココでコール&レスポンスっていうところも浸透してきていて、盛り上がってくれています」
――今回は3曲ともZERO(YVES&ADAMS)さんの作詞ですが、みなさんたっての希望ですか?
佐野「はい。僕たちのほうからお願いできたらっていう想いがありました」
――あらかじめこういうことを書いてほしいといったリクエストをされたんですか?
本田「レーベルの方が中心となって僕たちのバックグラウンドや想い、なぜ『LOVE BANDITZ』にこの3曲を選んだのかなどをZEROさんにお伝えして、それをZEROさんが昇華してそれぞれの歌詞に落とし込んでくれた感じです。ただ、もちろん3曲すべてに意味があって、「LOVE BANDITZ」は前回の「BRAMEN」から続く僕たちっぽい曲で、「Fanfare」はOWVの夏曲、「Luminous」は『UNDER5 AWARD 2024』っていうお笑いの大会のテーマソングになることもあり、夢に向かっていくみたいなテイストを入れながら作ってもらいました」
――「Luminous」にはOWVのこれまでの道のりが重なる部分があるなぁと思いながら聴いていました。
本田「確かに。これまでの僕たちのバラードって、僕たちがファンに贈る言葉とかが多いイメージで、「Luminous」のように等身大の自分たちを描いたり、夢を追う人たちを等身大で照らすような曲は多くはなかったので新鮮です。言葉選びも素敵で、きれいな曲になりました」
中川「応援ソングなんだけどミッドバラードで、リリックで伝えるっていうのが今までにないというか…アップテンポの曲で“頑張ろう!”とかじゃなくて、応援の中にもエモーショナルなところがあるのが、この曲の推しポイントです」
佐野「僕らの楽曲って、それこそ数作前までは、なんとなく過去に囚われているようなリリック…過去の悔しさを挽回していくとか、下克上していくとかが多かったりしたんです。でも、ここ最近はそうじゃなくて、僕らが誰かの背中を押す側に回っている感じがあって。そういうリリックの変化を通して、いい流れが来てる気がするというか…なので本当、当時からの曲を聴いていくと、そのまんま僕らの心情だったり、動きだったりが追える感じになっているっていうのは、この9枚目のシングルに来て思ったりします」
――浦野さんが今回の3曲の中でお気に入りを挙げるとしたらどの曲ですか?
浦野「曲というより、お気に入りの歌詞があります。「Fanfare」に出てきて、僕もちょこちょこ使ったりするんですけど、夕暮れ時のことを<太陽が海にキスする瞬間>って…」
本田・中川・佐野「(吹き出す)」
佐野「秀太、よく言ってるもんな(笑)」
浦野「言ってるじゃん? “太陽が海にキスした”って。それがZEROさんに伝わってるっていうのは、ZEROさんもやるなっていうか…」
本田「なんちゅう発言だよ(笑)」
浦野「すみません(笑)。この歌詞すごくカッコいいですよね。「Fanfare」は掛け声もしやすいし、フェスでも映えそうだなって思います」
――レコーディングはいかがでしたか? 3曲の中で特に力を入れたパートや、注目して聴いてほしいパートなどがあったら教えてください。
本田「力を入れたパート…そんな優劣はつけてないっすけど…」
浦野「なんかあるでしょ?」
本田「あるよ」
浦野「あるなら言いなさいよ(笑)」
中川「秀太は<太陽が海にキスする瞬間>でしょ?」
浦野「あ、僕はそこじゃない」
中川「違うんかい!(笑)」
浦野「僕はフェイクですね。いろんな曲でフェイクを担当することが多いんですけど、今回はより難しいというか、スキルのいるフェイクでした」
中川「「Fanfare」のフェイク?」
浦野「「Fanfare」もカッコいいし、「Luminous」もカッコいい。でも、スキルという意味では「Fanfare」が一番でしたね」
中川「本当すごかった。落ちサビで、それがメインなのかな?っていうくらいずっとフェイクしてるんです」
――フェイクって練習してレコーディングに臨むものなんですか?
浦野「フェイクに関しては特に練習はしていないです。ただ、レコーディングでは音程が決められているので、それに沿って歌います。でも、本番では気持ちだったり、その場の雰囲気だったりに合わせてやるので、特別練習するってことはありません。その中で「Fanfare」のフェイクは力を入れて歌い上げました」
――佐野さんはいかがですか?
佐野「僕は「LOVE BANDITZ」のサビ頭の<世界を奪いにいこう>で、1番を浦野が歌って、2番を僕が歌ったんですけど。レコーディングのときのイメージとして、浦野は“ファンのみんなと一緒に世界を奪いにいこう”みたいな表現の印象があったんです。対して僕は、“俺が行くから着いてこい”っていう気持ちでそのフレーズを歌っています」
――響きの違いをぜひ聴き比べてみてほしいですね。
佐野「そうですね」
――中川さんがレコーディングでこだわったところは?
中川「僕は「Luminous」のサビです。唯一のミッドバラードですし、歌詞的にも、僕たちにもそういう過去があっただけに一番没入しやすい曲です。なかでもサビの部分は、トラックが広がっていく感じとか、どうしたらみんなの心に響かせられるんだろう?って考えながら歌いました。努力したというより、自分の気持ちを素直に歌った感じに近い曲です。本当にスッと入ってくる楽曲になっていると思うので、何かに頑張っている人はぜひ聴いてほしいです」
――自分たちの歩みを重ねて、歌ってていも思わずグッときちゃいそうじゃないですか!?
中川「もしかしたら泣く場面もあるかもしれないですよね。…て、(メンバーに向かって)何笑ってるんすか!?」
佐野「お前が一番なさそうだな(笑)」
中川「マジで泣かなそうやな(笑)」
――泣きそうなのは?
中川「本田です。ことあるごとに泣くんで(笑)」
本田「何? “オーロラ”のこと?」
浦野「<涙はオーロラ>って言うなよ」
――「Luminous」に出てくる歌詞ですね。
――では、そんな本田さんのレコーディングで力を入れた部分は?
本田「全部です」
中川「“全部です”って小学生やん(笑)」
浦野「大人になるとそこを細分化できるのよ(笑)」
――敢えて挙げるとしたら?
本田「「Luminous」のラスサビ前に出てくる<Never give up 今 Let me show you>から<十人十色にGlow in the dark>の部分ですね。低い音程なんですけど、いろんな歌い方をして。1オクターブ下も入れて歌ったりしたので頑張りました」
――今回お話を伺ってきて、『BRAMEN』から『LOVE BANDITZ』の流れに、みなさんも手応えを感じていることが伝わってきました。その上でお聞きしたいのですが、「LOVE BANDITZ」には<CODE:OWV作戦>というフレーズが出てきます。個人的な印象では、OWVのみなさんはデビュー当時から活動内容を自発的にコントロールしてきているように思うのですが、もしみなさんにとって“OWV作戦”があるとしたら、現時点での進み具合についてどう感じていますか?
中川「そもそも用意していたプランFくらいまで潰れたよね? コロナで全部崩れちゃったから」
本田「本当にそう」
佐野「当時の司令室ドタバタだったよね」
中川「これもあかん、それもあかん、どれもあかんって感じだったもんなぁ。何事もうまくいかないグループの頂点やった(笑)。でも、だからこそ、この掛け合いの小気味よさだったり、グループの仲がよくなったりしたと思ってるので。そこに関しては作戦通りでしたね」
――「Luminous」に<夜を乗り越えて光になる>とありますが、OWVにとっての<夜>はやはりコロナ禍ですかね。
中川「そうですね」
佐野「でも、素敵な夜だったよ」
中川「今ではこういうことも言えるようになって(笑)」
佐野「もしかしたらまだ夜かもしれない…(笑)」
本田・中川・浦野「あははは!」
中川「まだ深夜の可能性あるね(笑)」
――(笑)。でも、今のOWVがあるのは、あの時期があったからこそっていうことですよね。
本田「そうですね。歩いてきた道って直せないですから。俺らが直すべきなのは、今からの道なので。過去を振り返っても…」
中川「(思わず吹き出したあと)ごめん!」
浦野「笑うなよ」
中川「いや、なんか、あんまり言ってる意味がわからなくて(笑)」
佐野「いま1人で飛び込んで、最後溺れていったから(笑)」
浦野「僕も、“あ〜、行ったな〜”と思って、黙って見てた」
佐野「そしたら陸に上がってこないからさ」
本田「沈んでいったな…(笑)」
――本田さんが言ってたのは、“過去を振り返っても変えることはできない”ってことですよね。
佐野「わかるんかい(笑)」
本田「そうです。過去を後悔したってキリがないので、今から頑張りますっていう」
中川「そういうことね」
――では、そんな前進あるのみ!なOWVのみなさんの今後の展望を最後に教えてください。
本田「本格的に日本武道館を目指しますっていうのは、改めてここに宣言します。デビューしたときも言ってましたけど、コロナ禍でうまくいかないことも多かったので…。でも、いままた改めてスタートラインに立った気分で、改めてもっと大きく、メンバー、スタッフ一丸となって目指そうっていう展望を描いています。そのために、今年は47都道府県を行脚する企画(「OWV日本全国行脚~47都道府県全部行きます!~」)を立ち上げました。イベントでも何でも呼ばれたら行くっていうスタンスで、OWVをいろんな人に知ってもらうため、OWVのことをまだ知らない人たちを迎えに行くため、今年は僕たち4人が全国に行きます!」
(おわり)
取材・文/片貝久美子
写真/野﨑 慧嗣
- OWV『LOVE BANDITZ』 × radio encore
- 近日公開!
RELEASE INFORMATION
9th single『LOVE BANDITZ』リリース記念ミニライブ&ハイタッチ会
6月12日(水)17:30- 千葉・ららぽーとTOKYO-BAY 北館1F 中央広場
6月15日(土)14:00- 大阪・あべのキューズモール 3F スカイコート
6月16日(日)15:00- 東京・ダイバーシティ東京 プラザ 2F フェスティバル広場