──昨年12月に新レーベル移籍を発表し期待が高まる中、待望の新曲リリースとなります。心境を聞かせてください。
「ポニーキャニオンさんとご一緒させていただくにあたり、自分がこれまでやってきたこととポニーキャニオンさんの重ねてきた歴史や得意な部分との融合ができたらと考えました。お互いが持っている“いいカード”を混ぜ合わせた結果、化学変化が起きるといいなと思いました。受け取ってくださった方々には、”北山はこんなことを始めたのか”、”何か楽しそう”と思ってもらえるとうれしいです。今はちょっとワクワクしている状態です」
──いいカードを持ち寄るとのことですが、北山さんの“最強”カードは?
「最終的にはコンサートのことまで考えて歌詞を書いたり曲を選んだりすることが多く、自分の体を通して表現することで、より曲が完成していくというのが、僕のやりたいことでもある。そして、強みでもあると思っています」
──ライブやショーアップを目指す意図が、今作のコンセプトにつながってきているのでしょうか。
「そういった狙いはもちろんありますが、自分の強みを生かすより、聴いてくださる人が希望にあふれるというか。曲を聴いて、”今日も頑張ろう”など少しでも何か一歩を踏み出すきっかけや、心の乾いた部分に染み入るような優しい曲になることを意識して制作しました」
──おっしゃるとおり、「ULTRA」を聴くと健やかな気分に浸れました。曲の方向性を決めたきっかけは何でしょうか。
「自分の楽曲制作ではタイトルが先行する場合が多く、「ULTRA」も作曲を担当してくれた藤家(和依)君から「この曲どう?」とデモを聴かせてもらった時点で、これはもうULTRAだなと感じました。そのきっかけとして、友達の家族とプールに行った際、友達の子供を抱っこしてプールに入ったことがあったのですが、とてもキラキラしている印象を受け、「生きているだけでこの子はもうULTRAだ」と感動したことがありました。それで、藤家君が作ったデモを聴いてイントロから生命力や命の尊さを感じた記憶とマッチして、この曲はULTRAだと直感しました」
──そういった経験も相まってタイトルを「ULTRA」にしたのでしょうか。
「感情的な要因もあるのですが、実はスペル的な意味合いもあります。「ULTRA」のLとRを飛ばすと「UTA(歌)」になりますよね。さらに僕が左手と右手で、友達の子供の大切な命を抱きかかえてULTRAだと感じたこと。その感覚を歌にするということで「ULTRA」にしました。それで歌が生まれたら、こんなにも嘘のない言葉はないですよね」

──ULTRAな体験を歌詞にする際、どんなことを意識されたのでしょうか。
「出来事だけにフィーチャーすると僕の経験則だけになってしまうので、恋愛とも青春とも取れるような曖昧な表現にして、多くの人が共感できる方向性、どこが聴いた人の青春に刺さるのかを意識しました。例えば青春まっただ中の人が聴くと自分がキラキラしている時代に生きていることに浸るのか、僕ぐらいの年齢の人が聴いたら”あの頃、懐かしかったな”という感傷に浸るのか。どんな世代の方が聴いても、何かしらフックになってキャッチできる展開として歌詞を書きました」
──曲を聴き、人によりさまざまなとらえ方はあると思いますが、大切な存在に向けた歌詞に感動しました。特にここはというフレーズはありますか。
「強いて挙げるとすれば、自分に芽生えた感情や体験した出来事をストレートに綴った、<この両手(L/R)で君を抱きしめた時 僕の中でUTAが産まれたから>ですね。そこから続く<同じ時代(とき)>を<共に生きる>は、友達の子供だけでなく(共に生きるのは)ファンの方でもあります。これからコンサートで歌った瞬間、空間で一緒にいられる尊さ、この時代じゃないと会えなかったといった意味合いも持たせています」
──「ULTRA」の歌詞にもありますが、これまでで”my precious ULTRA!!!!!!!”と言える体験、経験があれば、教えてください。
「やっぱり「ULTRA」は、友達の赤ちゃんを抱っこしたときに感じた言葉で、生きているだけでULTRAだと実感したことで始まった歌詞。なかなか経験しようと思ってもできないし、その場だからこそ生まれたことだから、そのときの感情はすごいと思う。世の中のパパとママがきっと、その子が生まれてきたときに思ったことだろうし、僕もきっと生まれたときには両親にそう思われたのかもしれない。そんな言葉に表せられない尊さに気づけた、そのときが”my precious ULTRA!!!!!!!”じゃないですかね」
──「ULTRA」のミュージックビデオの撮影でこだわったポイントは?
「僕も感じていましたが、スタッフさんとの打ち合わせで曲のイメージを聞いたら、”宇宙”と返ってきて。そこまで飛んだのかと(笑)。そこまで壮大にしたら面白いとなりました。「ULTRA」はスタッフさんから今までとはまた違ったイメージで幅が広がっていいと言われたのですが、自分では気づかなかったこと。言われてみればそうかなと思い、そのイメージに振り切ろうということで、聴いた人が明るくなれるような、映像を観ながら思わず笑顔になってもう1回観たいと思うようなMVを作りたいと考えました。子供たちの純粋無垢な感じ、青春だったり青空だったり、そういうものをテーマにした画は押さえたかった要素の一つです」
──MV撮影で印象に残ったエピソードはありますか。
「16歳頃にバックダンサーをしていたとき、一緒にやっていたダンサーの方のお子さんが出ています。時を超えて、お子さんがステージに出ている。僕もバックダンサーだったけどデビューさせてもらって今ソロで活動している。モニター越しにみんなちょっとウルウルしていました。偶然だと思いますけど、時を超えて点だったものが線になって、ひとつの作品になっている感じがしました。やろうと思ってもできることではないし、すべてタイミングで導かれていると感じました」
──いろいろな”my precious ULTRA!!!!!!!”な瞬間はあると思いますが、確かにその体験に勝るものはないかもしれませんね。
「だから<君に初めて触れた前からくるくると繋がってる>という歌詞も、まさにそういうことです。DNAの螺旋のようにくるくるということも含め、その感情に気づけたときが、まさに“my precious ULTRA!!!!!!!”でした」
──では楽曲を聴いた人に委ねる部分ではありますが、「ULTRA」の聴きどころは?
「何気なく曲を聴いていると、当事者になるのが難しい部分もあると思います。その意味で「ULTRA」は、聴いてくれるその人に向けて歌詞を書きました。きれいごとに感じる人もいるだろうけど、純粋にマンツーマンで聴いてほしいという思いを込めたつもり。聴いてくれた人のために届くように作りました。だからこそ当事者は“あなた”ということを感じてもらえたらうれしいです」
──カップリング曲の「タイムトラベラ」は、「ULTRA」と一転してアダルティーな雰囲気が感じられました。誕生のきっかけを教えてください。
「「ULTRA」にも参加してくれている藤家君は、僕のソロツアーにベーシストとして一緒に回ってくれていて、そのどこかの公演の際、”ライブにこういう曲あった方がもっといいかも”と提案してくれたのがきっかけです。自分もそう思っていて話し合った中、藤家君がもってきてくれたのが「タイムトラベラ」のデモでした」
──ファンタジックな歌詞ですが、どんな思いで書かれたのでしょうか。
「架空の大都会を頭の中で作り、そこに男女なのだろうけど、男女どちらが歌っているかわからないイメージで書きました。歌詞の一人称を<僕>にしたのは、女性でも僕と言う方もいるので、どう捉えられてもいいように作りました。イメージはネオン街のビルの屋上、そこから外に足を投げ出してパタパタしている二人から始まり、この二人はある一定の時間になると魔法のようなものを使える空間があって……と展開させていきました。ファンタジーだからこそ、月というワードが出てきたと思うし、絵本にしたら成立するような内容かもしれないストーリーを空想しながら歌詞を書きました」
──「タイムトラベラ」の聴きどころを教えてください。
「ファルセットもそうだし、目をつむって画を浮かばせながら聴ける曲だと思っています。聴きながら世界観を想像すると面白い楽曲になっています」
──通常盤に収録されている「「11:11(イレブンイレブン)」は、3名のアーティストが参加したフィーチャリング楽曲という、新たな試みですね。
「これまでトライしていないことをやろうと思い、自分も含めた4人かつ女性のSERINAちゃんも入った編成になりました。そういった形にするのはいいかなと、打ち合わせ段階で始まってできました」
──曲も歌詞も攻めた印象を受けました。
「新レーベルという時期に現状をもっとレベルアップさせ、さらに攻めていく勢いのある楽曲で、サビはライブでファンと盛り上がれるというのもありました。楽曲に参加しているみんなの経験値を乗っけた印象を受けたし、自分の感性だけでは生まれない楽曲だからこそ、面白いと思いました。僕としては新しいフェーズに入っていくし、みんなと自分の声が重なり合ったときの化学変化も楽しみ。聴いてくれる方も楽しみながら聴いてもらえるとうれしいです」
──新レーベルでのリリースも含め、北山さんは常に挑戦しているイメージがあります。今後、挑戦してみたいことは何かありますか。
「新しい座組になって楽曲を生んでいくこと、その生み方もそうですね。ゲームやアニメなど日本のサブカルは海外に通じるものが多くあるので、そこに音楽として入っていけたらとも考えています」

──ところで、街でご自身の楽曲が流れているのを聴いたら、どんなお気持ちになりますか?
「うれしいですよ!」
──その場で何か反応することは?
「”えっ…あっ!”となるかもしれません(笑)」
──実際に耳にしたことは?
「確かあった気がします。「乱心 -RANSHIN-」のときはカラオケで流してもらったこともあったし、あとは商業施設で「Just Like That」とか「DON'T WANNA DIE」が流れていたのを聴いたことがあります。もちろん、耳にするとうれしいです」
──ちなみに、口ずさむことは…?
「それはさすがにないですね(笑)」
──ですよね(笑)。失礼しました。では最後に、シングルを楽しみにしている方にメッセージをお願いできますか。
「楽曲に巡り合ってくれた“あなた”に歌っていますという思いを込めて、それぞれの方の人生に寄り添えるような曲に、と制作しました。聴いてくれた“あなた”一人一人に歌っていると感じてもらえるように作ったし、聴いてくれた方に生きているだけでULTRAだと伝えたいです」
(おわり)
取材・文/遠藤政樹
写真/野﨑 慧嗣
衣装:
■ブランド
・ピアス ¥11,000-
・ネックレス ¥27,800-
・リング(右薬指 上) ¥15,400-
・リング(右薬指 下) ¥17,600-
↑全てLION HEART(Sian PR)
※その他スタイリスト私物
※全て税込価格です
■問い合わせ先
・Sian PR
tel:03-6662-5525
■スタイリスト
柴田 圭
ヘアメイク:大島智恵美
RELEASE INFORMATION

北山宏光「ULTRA」初回生産限定盤A
2026年4月22日(水)発売
CD+Blu-ray/PCCA-06492/1,980円(税込)
CD+DVD/PCCA-06493/1,980円(税込)
LIVE INFORMATION

to HEROes ~TOBE 3rd Super Live~
2026年4月20日(月)、21日(火)、22日(水) 愛知 バンテリンドーム ナゴヤ
2026年5月16日(土)、17日(日) 北海道 大和ハウス プレミストドーム(札幌ドーム)
チケット一般発売 受付中
※予定枚数に達し次第、販売終了
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