──2nd ALBUM『MAGenter』には7人それぞれがフィーチャーされている楽曲が収録されていますが、『MAGenter』ではどのようなIMP.の姿を見せたいと思っていたのでしょうか?
影山 拓也「今年で、デビュー3年目になるので、新しい一面を見せていきたいと思いました。ずっと応援してくださっているPINKY.(IMP.のファンネーム)のみなさんにはもちろん、僕たちのことを知らない方にも届けたかったので。幅広いジャンルの楽曲も取り入れて、パフォーマンスも含めて、今までのIMP.とはまた違う姿を見ていただけるアルバムになっていると思います」
──実際にアルバムが完成して、現時点での手応えはどんな感じですか?
影山「とてもいいアルバムができました。間違いなく、皆さんに“カッコいい!”と思っていただける自信があります」
基 俊介──ではさっそく、各メンバーがフィーチャーされた楽曲について教えてください。
基 俊介「では僕から。僕は「Heaven」です。フィーチャー曲は、僕たちの新しい一面を見せたいという想いから始まったことなので、曲は音楽制作チームから提案いただく形で決めていったんですが、最初にこの曲を聴いたときは“難しいそうだな…”と思いました。ほとんどが英語詞なので、実際かなり苦戦して。もともと僕は自分の声が高くて幼いのがちょっとコンプレックスというか…あまり好きじゃなかったんです。だからこの曲では、いつもよりもトーンを落として、歌詞の説得力を持たせるようにしたいと思ってレコーディングに挑みました。結果、すごく勉強にもなりましたし、自分で聴いても納得いくものになったので、「Heaven」で良かったと思います」
──他のメンバーの皆さんは、「Heaven」の制作を通して基さんに対する発見や気づきはありまたか?
影山「僕は、基の声色がとても好きなんです。でもバラードとか落ち着いた曲で聴くことが多かったので、最初は“基が「Heaven」なんだ!?”と驚きました。でも、だからこその化学反応が起きたというか…想像していなかった基のいい部分が引き出されていて“カッコいいな”と思いました」
基「うれしい!」
松井 奏松井 奏「僕のフィーチャー曲は「Spotlight」です。デビューシングル「CRUISIN'」を作ってくださったチームが制作してくださった曲なんですが、発音もメロディもすごく難しくて…。レコーディングも普段の倍くらいかかりました。でも楽しい曲で、聴いたらみんな好きになるんじゃないかな?と頑張りました」
──この曲は歌詞もユニークですよね。
松井「そうなんですよ。朝起きて、Siriに話しかけて、友達と集まっていくストーリーで、歌詞に<Harajuku>とか<EDO>とかもあって。おしゃれでかわいくて、カッコいい曲です」
椿「奏はセクシーな声を担当することが多いので、こういう明るい楽曲になるとは思いませんでした。でも、普段の曲ではあまり見ることのできない無邪気さも出ていて、“こういう曲も似合うんだ“と思いました」
松井「(満面の笑顔で)ありがとう!」
横原 悠毅横原 悠毅「僕は「Flavor Of You」。バラードです。ファルセットがメインになる曲なので、みんなも苦労したと思いますし、だからこそ、新しい一面も見せられたと思います」
──最初に聴いたときはどのように感じましたか?
横原「僕はヒップホップが好きで、今回、メンバーそれぞれをフィーチャーした曲があると聴いたとき、“ヒップホップがいいな”と思っていたので、最初にこの曲を受け取ったときは、正直、“マジか…”と思いました(笑)。これまでもこういう楽曲でボーカルを担当させてもらうことが多いので、“いつもと違うことをしたい”という気持ちもあったので…。でも、「Flavor Of You」ではファルセットなどの新しい挑戦もして、とてもカッコいい曲になったので、最終的にはすごく好きな曲になりました」
鈴木 大河「この曲は僕が普段好んで聴いているタイプの曲に近いので好きです。最初に聴いたときから、“ヨコは声の音域が広いから似合うだろうな”って、ヨコが歌っている姿が想像つきました。だけどファルセットで歌うと、普段とは違ってとても透き通った声で…すごくハマっていると思います」
横原「なんか…うれしいです!」
鈴木 大河鈴木「僕のフィーチャー曲はアルバムの中で一番激しいダンス曲の「Revolution」です。アルバム『MAGenter』の中で一番今までのIMP.らしい曲かな?と思います。でも、自分のフィーチャー曲がこの曲なのは少し驚きでした。というのも、自分では割と落ち着いているタイプだと思っていて…この曲はBPMも速くて、疾走感も強い曲だから。だから自分で歌っている想像があまりつかなかったんですが、チームの皆さんからは“殻を破るきっかけにしてほしい”という理由もあって、この曲が僕のフィーチャー曲になりました。そういう意味も込めた「Revolution」なので、自分もそこを意識しながらレコーディングに挑みました」
──殻は破れましたか?
鈴木「はい。レコーディングにはかなり時間がかかりましたが、畳み掛けるラップもあれば、メロディもあって。いろいろな自分を見せられたと思います」
椿 泰我「デモ音源から一番変わったのがこの曲じゃないかな?…アドリブがたくさん入っていて。大河は普段綺麗にパフォーマンスすることが多いので、ライブで大河がどんなアレンジをして、どういう風に曲が進化していくのが楽しみです」
影山 拓也影山「僕のフィーチャー曲は「Align」です」
基「きたー!」
影山「曲を聴く前にチームの方から“影山はこの曲しかない”と言われていました。でも、バラード「Flavor Of You」はすでに横原のフィーチャー曲に決まっていたので、“どんな曲が来るんだろう?”とワクワクしながら聴くと…壮大な曲で驚きました。レコーディングでは“思うように歌って”としか言われなくて。そのときに感じたままに歌わせていただいたのですが、すごく楽しかったですし、“自分ってこういう表現もできるんだ”という新しい発見もありました」
──“思うように歌っていいよ”と言われて、感じたままを出したとおっしゃいましたが、影山さんはこの曲をどういう楽曲だと捉えましたか?
影山「心の叫びのような曲だと思いました。もがいているけど開放感もあって。だから、そのときそのときの心情を爆発させることが合うと思いました」
──基さんは先ほど、“きたー!”とおっしゃっていましたが…。
基「この曲、すごく好きなんです。今、リーダーも言っていましたけど、壮大で、少し聖歌みたいに感じました。神聖な雰囲気もあって、心にグッと来るメロディラインもあって…すごく好きです」
椿「この曲は影の歌声の魅力が存分に生かされています。ロングトーンもハイトーンもきれいで…とても魅力的な1曲だと思います」
椿 泰我──そんな椿さんのフィーチャー曲は?
椿「僕は「JUSS GET ON」です。これはPINKY.とライブで盛り上がれそうな曲です。レコーディングでも、“PINKY.が一緒に踊ってくれるような、ノリノリになる曲になったらいいな”とイメージして、キャッチーな声色を薄く入れました。ダイナミックに楽しくレコーディングさせてもらいました。アルバム『MAGenter』は“大人R&B”の曲が多いので、そことのギャップを感じさせる曲になったと思います」
──では、この曲で新たに知った椿さんの姿は?
横原「(食い気味に)ないですね〜(笑)」
基「僕もずっと考えていたんだけど、ないね(笑)」
椿「あってよ!(笑)」
横原「というのは冗談で。パフォーマンスしているときのバッキーよりも、普段のバッキーに近い雰囲気があります。明るくて優しいバッキーが存分に出ている曲です」
基「うん、なんか元気が出る。気分を上げたいときに聴くとすごく良いんですよ。後ろから“頑張れ!”と言われている感じがするというか…」
鈴木「“俺について来い!”という感じの応援歌だと思いました。盛り上げリーダー的な。だからライブでもバッキーに引っ張ってもらいたい!」
松井「この曲、ライブでやったらどうなっちゃうんだろう?…すごそうだよね」
椿「確かに。PINKY.と一緒に盛り上がれたらいいな!」
佐藤 新──佐藤さんのフィーチャー曲は、リード曲「KISS」です。この曲を初めて聴いたときはどう思いましたか?
佐藤 新「何が起きたのかわからなかったです。曲の展開が激しくて“えっ? えっ? えっ?”って。でも自分がパフォーマンスしている姿は想像つきましたし、自信を持って歌わせてもらいました」
──歌詞も色っぽいですよね。
佐藤「はい。僕は<Shhh...>」とか<x...>といった印象的なパートや、最後のロングトーンのフェイクを歌わせてもらいました。<x...>も、普通に囁くのではなくて、少し低い音で囁いてみたり、細かいニュアンスまで考えて、いろいろ試して…とても歌い甲斐がある楽曲でしたし、自分としても成長できた曲です。すごく思い出深い楽曲になりました」
影山「「KISS」は“大人のミステリアスな恋”がテーマなんですが、新のキャラクターにぴったりで。そういう意味でも、これは新にしかできない表現だと思いました」
──佐藤さん以外の皆さんは、リード曲としてこの曲を受け取ってどう感じましたか?
影山「僕はこの曲を自分の中に落とし込むのに時間がかかりました。今までのIMP.らしくカッコよくパフォーマンスすることもできる曲ですけど、ちょっと違うのかな?と思って。誘惑させるような雰囲気も出したかったので、息を多く入れてみるなどいろいろ試しました。その結果、時間はかかりましたけど、納得のいくものができました」
──「KISS」はアルバムのリリースに先駆けて、先行配信もされていますが、反響はどのように受け取っていますか?
鈴木「スタッフさんも含めて“キャッチーだね”と言っていただくことが多くて。キャッチーでありながら、大人っぽさもあって、聴いてくださった方には“攻めているな”とわかる、いいとこ取りのような曲になっていると改めて感じました。『MAGenter』という2nd ALBUM のリード曲にふさわしい楽曲だと思います」
──さらに、通常盤にはユニット曲も収録されています。ユニット曲についても聞かせてください。
基「いくつか候補曲のデモをいただいたのですが、その中から“この曲がいいね”と意見が2人で一致したのがこの曲です。それこそヨコがやりたいと言っていたヒップホップ曲で…」
横原「そもそもデモを作ってもらう段階から“こういう曲がいいです”という意見を言わせてもらって。レコーディングでも、トラックについて話し合ったりして、とにかくコミュニケーションを重ねて作り上げたので、すごくいい曲になっていると思います」
基「ユニット曲はボーナストラックなので、自分たちがやりたい曲であると同時に、ファンの人のためにもある曲だと思っています。“PINKY.と一緒に歌えたらいいな”とか“ライブでPINKY.がどんな反応をしてくれるんだろう”と想像しながら作りました。ポジティブな気持ちで聴いてもらえたら嬉しいです」
──影山さん、松井さん、椿さんのユニット曲は「REALIZE」です。この曲はどうやってできた曲なのでしょうか?
椿「“とにかく踊りまくる楽曲にしよう”というところから始まりました。候補曲のデモをいただいて、3人それぞれで聴いたのですが、次の日に3人で会ったら全員一致でした」
影山「ユニット曲とはいえ、“この1曲の中でも3人の個性を出したいよね“という話になって。奏は“囁き系”、椿くんは“暴れまくったラップ”、僕は“バラード要素”と、それぞれの個性を際立たせられるような曲にしました。3人のこだわりが詰まりまくっています」
松井「締切ギリギリまでたくさんわがままを言いました。なんならレコーディング中にも“ここの音を変えたいです”とか言って。ライブを意識して作ったので、早くライブでパフォーマンスしたいです」
──そして、「I Love Gotcha」は佐新さんと鈴木さんのユニット曲です。
鈴木「僕たちも、候補曲をいただいた時点で、すぐに2人の意見が揃いました。内容もほぼ変えずに」
佐藤「それくらいすんなり、お互い自分に落とし込めたよね」
鈴木「うん。ラップやシャウトなど、お互いが伸ばしたいところを融合させたら、こういう雰囲気になるんだという新しい発見もありました。もうパフォーマンスも完成していて、あとは2人の息をあわせていくだけです」
佐藤「僕がメロディを歌って、がちゃんがハモっているんですけど、これまであまりこの2人でハーモニーを作ることってなかったと思うので、新鮮に聴こえると思います」
──ちなみに「I Love Gotcha」は略すと、佐藤さんと鈴木さんのコンビを表す“あらがちゃ”になりますが、このタイトルはお2人のアイデアですか?
佐藤「いえ、いただいたときからこのタイトルでした。“略したら「あらがちゃ」になるよ。いいでしょう?”と言っていただいて、“絶対にこれだ!”となりました」
──さまざまな挑戦が詰まっているアルバム『MAGenter』ですが、どんな1枚になったと思いますか?
佐藤「一人一人のフィーチャー曲もあって、僕たちの楽曲に対する向き合い方もブラッシュアップされたので、そういうメンバーの成長や進化が味わえるアルバムになっていると思います。また、僕たちのグループカラーであるマゼンタピンクを表現するような、大人っぽい色気も出せていると思いますし、いろいろなジャンルの楽曲が入っているので全曲楽しんでいただけると嬉しいです」
──“グループカラーのマゼンタピンクを表現できた”というお話もありましたが、アルバムタイトル『MAGenter』にはどういった想いが込められているのでしょうか?
椿「まずは僕たちのグループカラーがマゼンタピンクであるということを知っていただきたいという気持ちで“マゼンタ”にしました。今まで応援してくれているPINKY.と磁石のようにより強い絆で繋がっていたいという想いで、最初の3文字を“マグネット”の意味で大文字の“MAG”にしています。そして、新しく応援してくださる方々が出会う入り口のようなアルバムになるように、という想いで“enter”にしました」
──タイトルに“マゼンタ”を背負うこともそうですし、今回のアルバムやアリーナツアーについて、皆さんはいろんなところで“賭けている”とおっしゃっていますよね。皆さんとしては、IMP.の現在地を、どう捉えていらっしゃるのでしょうか?
基「デビューしてから3年。いろいろなことを経験させてもらっていますが、まだまだ叶えられていない目標のほうが多くて。“もっとこうなりたい”、“僕たちはまだまだこんなものじゃない”という貪欲さは昔から変わっていないですし、“まだまだ僕たちは知られていない”と思っているので、現状に満足せずとにかく全力で突き進んでいくだけです。今年は舞台やホールツアーをやらせてもらって、フェスに出演させてもらって、手応えもありましたが、各々の課題も見つかりました。だから2026年は“2025年よりも2026年のほうがよかったね”と思ってもらえるような1年にしていきたいです」
──そんなIMP.の2026年は初めての全国アリーナツアー『IMP. LIVE TOUR 2026 MAGenter』から始まりますね。
影山「とても楽しみです。結成したときからずっとファンの方に“単独でアリーナ公演をやる!”と宣言して、そこに向かって走ってきたので、僕たちはもちろんPINKY.も強い気持ちで会場に来てくださると思います。だからその期待以上のライブを見せたいですし、“アリーナ公演ができたね。よかったね”では絶対に終わらせたくないです。次につながるための大きなきっかけにしたいです」
基「アリーナツアーは、決してゴールではないので。僕たちは単独ドーム公演を目標に掲げているので、これからもひたすら走り続けます。そして、IMP.という名前を知らない人がいない世界にしたいです!」
(おわり)
取材・文/小林千絵
写真/野﨑 慧嗣
RELEASE INFORMATION
LIVE INFORMATION

IMP. LIVE TOUR 2026 MAGenter
兵庫公演
1月10日(土) 兵庫 GLION ARENA KOBE 開演17:30
1月11日(日) 兵庫 GLION ARENA KOBE 開演13:00 / 17:30
1月12日(月・祝) 兵庫 GLION ARENA KOBE 開演13:00
神奈川公演
1月21日(水) 神奈川 横浜アリーナ 開演18:00
1月22日(木) 神奈川 横浜アリーナ 開演13:30 / 18:00
広島公演
2月5日(木) 広島 広島グリーンアリーナ 開演18:00
2月6日(金) 広島 広島グリーンアリーナ 開演13:30 / 18:00
宮城公演
2月14日(土) 宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ 開演17:30
2月15日(日) 宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ 開演13:00 / 17:30
愛知公演
2月25日(水) 愛知 日本ガイシ スポーツプラザ 日本ガイシホール 開演18:00
2月26日(木) 愛知 日本ガイシ スポーツプラザ 日本ガイシホール 開演13:30 / 18:00
北海道公演
4月4日(土) 北海道 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ 開演13:00 / 17:30
4月5日(日) 北海道 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ 開演13:00










