――今作「545」は、「青、その他」、「結末は次のトラフィックライト」とともに原因は自分にある。の三部作を完結する1曲となりますが、今回の三部作はげんじぶにとってどのような位置付けの作品ですか?
杢代和人「 “等身大の爽やかさ”を示す楽曲たちかなと思います。僕たちの楽曲って、哲学的な歌詞だったり、ピアノロック調だったり、世界観に凝ったものが多いし、過去のミュージックビデオとかを観てもらうとわかるんですけど、僕たちの顔が映らない演出とか、結構インパクトが強くて。そういった“げんじぶらしさ”は残しつつ、今までなかったような等身大と爽やかさをプラスしたのが、今回の三部作。等身大な感じとか、爽やかさとかって、今しか出せないと思うんです。それを三部作として出すことによって、今年のげんじぶのモードがファンのみなさんに伝わったんじゃないかな?って思います」
――「青、その他」や「結末は次のトラフィックライト」のMVも爽やか。
杢代「そうなんです。僕たちの顔も見えるし、海とかで撮影していて日常感もあるし。“こんなげんじぶもあるんだ”ってところを、この三部作で知ってもらえたんじゃないかなと思います。逆に言えば、この三部作があるから、これまでのインパクトのある楽曲もさらにハネるんじゃないかな?って。そういう意味では、僕たちがまたパワーアップする“原因”となる曲が増えたことになると思います。しかも三部作だから、ライブでこの3曲をそのまま披露するのとかも面白そう。この3曲だけで、世界観を変える力があると思うんですよ。そういう曲を得たのは大きい気がしています」
――今回の楽曲の印象について、ジャケットフォトに登場している大倉さん、長野さん、桜木さんから教えていただけますか。
大倉空人「今回はモーツァルトの代表的な練習曲「ピアノソナタ K.545」からインスパイアされていることもあって、ピアノロック調というより、シンプルなピアノみたいな感じで始まるんですけど(笑)。でも、ピアノが使われているからげんじぶ感はありつつ、やっぱりさっき和人も言っていた爽やかさがあるので、聴きやすさがあると思います。あと、ミディアムテンポで、メンバー一人ひとりの声が目立つっていうのは本当に思いますね。ライブでもそこを意識してパフォーマンスしたいですし、一人ひとりの声を楽しんでもらいたいです」
長野凌大「この曲は歌っていても心地いいので、聴いていてもきっとそうなんだろうなと思います。あと、展開が面白いなって。1番はAメロ、Bメロ、サビっていうJ-POP的な流れなんですけど、2番はAメロの後にDメロ、Eメロが入って、またAメロに戻るっていう。そこも原因は自分にある。っぽいというか。他にも歌詞だったり、ピアノ以外の楽器だったり、一見単純そうに見えて実はいろんな仕掛けが散りばめられていて、そういうのが僕たちらしい“実像”の見せ方になっているんじゃないかなと思います」
――桜木さんはどうですか?
桜木雅哉「みんなに言われちゃった…(笑)。でも、「545」みたいな優しいメロディの曲って意外とげんじぶになかったので、ライブとかで披露するのが楽しみだなって思います」
――タイトルの「545」はモーツァルトの作品名以外に、何か隠されたメッセージとかあるんですか?
杢代「“575”だったら、俳句なのかなって思いますよね。でも“545”だし…」
小泉光咲「最初、リリースが5月になるって聞いてたから、リリース日の何かかなって」
大倉「だとしたら、“527”だもんね」
杢代「“575”がよかったなぁ。僕、小学校の時に俳句大会で優勝してるんですよ」
大倉「それ原稿になると思う!?」
杢代「書かないですか!?生花大会も優勝してるんですけど(笑)」
大倉「だから、書くと思う!?」
――(笑)。いつか「575」ってタイトルの楽曲ができるといいですね。
杢代「欲しいですね〜。げんじぶ俳句大会やりたい」
大倉「曲は和人が自分で作るってことで(笑)」
――では、「545」の話に戻りますね(笑)。三部作ということで「青、その他」と「結末は次のトラフィックライト」とリンクする部分もありますが、逆にこの「545」にしかない世界観はどういうところだと思いますか?
武藤潤「「ピアノソナタ K.545」ってモーツァルト自身もピアノ初心者のために書いた曲だと思うので、僕らの「545」も、何かを始めようとしている人に聴いてほしいなって思うんです」
(メンバー全員、怪訝そうな顔で武藤を見る)
武藤「結構、何かを始めようとすると、スタートラインには立てるけど、始めてみると急に難しい、大きな困難が立ちはだかるんですよ。モーツァルトの「ピアノソナタ K.545」も、ゆったりした始まりから急に難しくなるから、モーツァルト的にも絶対“何かを始めるとだいたいすぐに困難が出てくるから、それに立ち向かわなきゃダメだよ”っていうメッセージなのかなって。だから、げんじぶの「545」も“For Beginners”の曲なんだろうなと思うんですよね」
大倉・長野・杢代・桜木・吉澤・小泉「(爆笑)」
長野「面白くしようとしてる!?」
吉澤要人「For Beginners(笑)」
大倉「深いわ〜(笑)」
武藤「最初のピアノも、何回も間違いを繰り返しているように見えるけど、2番に入る前にはちょっと弾けるようになっていて。失敗を繰り返して成長していく姿が描かれているところは、「青、その他」や「結末は次のトラフィックライト」とはちょっと違うところなのかなって思います。「545」っていうタイトルも、そういう意図で付けられたんじゃないかな!?と僕は思いました」
大倉「そういうことにしよう(笑)」
――ちなみに、冒頭のピアノはメンバーの誰かが弾いてたりするんですか?
大倉「音源では弾いてないんですけど、MVでは実際に雅哉がピアノを弾いています。最初のイントロで、ピアノを間違えて<あっ>っていう声も雅哉なんですよ」
桜木「歌割りが違ったら、別の人が弾くことになってたかも」
大倉「雅哉以外はピアノ弾けないから、ピアノが弾ける雅哉だからこその歌割りだったと思います」
杢代「<あっ>の練習、してたんだけどな〜(笑)。雅哉は今、ピアノ練習してるんでしょ?」
桜木「うん」
小泉「楽譜もらってたよね。チラッと見たんですけど、めちゃめちゃムズそうでした」
杢代「なるほど。雅哉次第で撮影の押し巻きが変わってくるってことね」
桜木「急にプレッシャー(笑)」
小泉「僕は押してもいいよ♡」
杢代「おい!(笑)」
桜木「でも、撮影まであまり時間がないから、やばいです。MVの撮影で緊張することってあまりないんですけど、久しぶりに緊張しちゃいます(苦笑)」
――振り付けはこれからとのことですが、「青、その他」や「結末は次のトラフィックライト」とのつながりも気になります。
吉澤「振りの方向性はきっと同じだよね?」
大倉「まだわからない(※取材時)んですけど、「青、その他」と「結末は次のトラフィックライト」でサビの振りが逆回りになっていたりするので、どこかにそういうつながりがあったらいいなとは思いますね。それか、前の2曲の振りを引用して「545」に使うとか。「545」は、「青、その他」や「結末は次のトラフィックライト」の“その後”の話なので、そういうのをいろいろ考えちゃいますね」
――ちなみに、歌詞の中に<「もう一度、やり直せるなら」>というフレーズが出てきますが、みなさんにも“やり直したいこと”ってありますか?
大倉「たくさんありますよ!僕たち、波乱万丈の人生ですから(笑)」
杢代「光咲ってやり直したいことあるの!?」
小泉「たくさんあるよ。たくさんあるんですけど…なんか、1日経ったら前を向いちゃうこともあって。寝たら忘れちゃう(笑)」
杢代「忘れないで(笑)」
大倉「3日は引きずろう(笑)」
杢代「光咲が忘れちゃうことで僕たちが迷惑を被ることも多いんですよ(笑)」
――「やり直したいことはない」でもいいですよ(笑)。
小泉「いや、あります!えっと、僕がやり直したいのは、事務所に入って初めてのレッスン。レッスンに行ったら周りのみんながキラキラしていて、僕、その雰囲気に負けて何一つうまくできなかったんです。今思うと、気持ちを切り替えてやったほうがよかったんじゃないかなって。本当、その日で辞めようと思った」
長野「1日で!?」
大倉「決断早っ!」
小泉「それくらい、みんなのキラキラした空気感と、自分のできなさ加減に凹んだんです。あのとき気持ちを切り替えられていたら、もうちょっとキラキラ男子になれてたかもしれないなって(笑)。だから、もう一度やり直したいですね」
――吉澤さんは?
吉澤「やり直したいことが多いのは間違いないっす(苦笑)」
武藤「<「もう一度、やり直せるなら」>ってフレーズ、要人に歌って欲しかったね(笑)」
大倉「そんなこと言うなよ(笑)」
吉澤「本当にいろいろあるんですけど、一番は、部活をやっておけばよかったなって」
大倉「あ〜、わかる!」
吉澤「中学も高校も、1回も部活をやったことがなくて。当時は絶対無理だなって思ってたんですけど、時間を見つければできたと思うし」
杢代「部活楽しいからね」
吉澤「そうだよね。何部に入りたかったっていうのはないんですけど、部活ならではの友達との交流とかもあったと思うし、部活の時間を楽しみたかったっていうのはあります」
――桜木さんはどうですか?
桜木「僕は出来事というより、気持ちの面なんですけど。研究生時代の時期に、なんかわかんないんですけど、“自分、できちゃうんじゃね!?”みたいな変な自信があって。でもあるとき急にそれが通用しなくなって…。そのときの自分の気持ちの持ち方をやり直したいなって思います」
大倉「雅哉が研究生のときはMCしてたんですから」
杢代「めっちゃ元気だったよね」
長野「生放送の現場とかも回してたもんね」
――杢代さんは?
杢代「いやぁ、僕、後悔しないで生きてるからなー」
大倉「じゃあ、次、凌大」
杢代「待って待って待って!ここから話がスタートするから!」
大倉「前振りが長いのよ(笑)」
武藤「原稿になったときに短くなってるやつだ(笑)」
小泉「で、何?(笑)」
杢代「早いな(笑)。えっとですね、僕は、もう少しご飯を食べておけばよかったな、と。というのも、僕は体質的にまったくお腹が空かないんです。でも、今ちょっと肉体改造をしていて。筋肉をつけようとしているんですけど、脂肪がないと筋肉にならないから、まずは増量をしなくちゃいけなくて…」
吉澤「え?もう手遅れな身体ってこと!?」
武藤・大倉・長野・桜木・小泉「(爆笑)」
武藤「今からでも遅くないよ!」
杢代「そう思って頑張ってるけどね。だからこそ、もっと普通に食べてたら、もう少しラクに体作りできたんじゃないかなと思って、ちょっと悔しいんですよね」
――長野さんは何かありますか?
長野「僕は、この世界に入ってから音楽を聴いたり、映画を観たりするようになったんですよ。それまではサッカーしかしてなくて、音楽も1曲も知らないくらいで。なので、その頃からもっと音楽や映画を好きになっておけばよかったなって思います」
小泉「まったく一緒だ」
大倉「それ、さっき言えばよかったのに(笑)」
小泉「僕もサッカーばかりやってて…」
大倉「光咲の話になっちゃうんで、僕、いきます!(笑)さっき要人も言ってましたけど、僕も部活ですね。ただ、僕の場合は中学に入ったらバスケ部に入るつもりでいて。でも、そのタイミングでこの世界に入ることになったので、部活に入れなかったんです。やっぱり部活での青春みたいな時間を送ってみたかった。あと、バスケをやっていたらもうちょっと身長が伸びてたかな!?って」
桜木「間違いない!」
大倉「今も低くはないと思うんですけど、要人、雅哉、潤が高すぎて」
――3人に限らず、みなさんお会いするたびに身長が伸びている気がしますよ。
吉澤「今日雅哉に会ったとき、めっちゃ伸びたなって思った」
桜木「僕、最近バスケやってるんですよ。仕事終わりの夜にやったりしていて」
武藤「元気すぎる(笑)」
杢代「雅哉、意気揚々と喋ってるけど、これバスケ特集じゃないからね(笑)」
大倉「というわけで、僕がやり直したいことは部活です」
――では、武藤さんお願いします。
武藤「僕はプラモデルで…」
大倉・長野・杢代・桜木・吉澤・小泉「プラモデル…?」
武藤「プラモデルで右腕を作ろうと思ったら、間違えて左腕と同じ形をしたパーツをつけちゃって、取れないまま終わったことです」
大倉・長野・杢代・桜木・吉澤・小泉「(爆笑)」
武藤「形は同じだからくっつきはするんですよ。でも、ある程度作った後に、“あれ?”って。“あ、間違えた!”と思って取ろうとするんですけど、全然取れなくて」
長野「めちゃくちゃ悔しそうな顔してる(笑)」
武藤「いや、本当にその間違いのせいで作れなかったんですよ。今でも屋根裏部屋にそのプラモデルがポツンとあります…」
大倉「屋根裏部屋にポツンとって(笑)」
長野「歌詞みたいに言ってる(笑)」
武藤「だから、みなさんも気を付けてください。プラモデルを作るときには、ちゃんと説明書のパーツの形を…」
杢代「もういいから(笑)。プラモデル特集じゃないのよ(笑)」
――(笑)。“やり直したいこと”はそれぞれでしたが、“これからやりたいこと”はきっとみなさん同じで、ワンマンライブですよね!秋ツアーのお話をうかがう前に、先日行われた「ワンマンライブ げんじぶ空間:case.3」の感想を教えてください。
大倉「この前の春ツアーは、実は結構トラブルが多かったんです。でも、そのたびに、メンバー同士でどうするかを話し合って。みんなでトラブルの対処法を考えられたことが、今後の糧になるなぁと思っています。case.3の反省点をどんどん直して、秋に行うツアーがより良いものなるんじゃないかなって」
長野「これまでのツアーだと、作られたものを僕たちがどれだけこなせるかってものに近かったんですけど、今回はリハーサルの段階から、メンバー発信のことが多かったというか。7人で考えることが増えたし、自分たち的にも演出や動きをしっかり理解してステージに立てたし。確かにトラブルもあったんですけど、そういうのを含めて、7人で全部やり切った!と思えるライブで、すごくいいツアーになったなと思います」
武藤「『虚像と実像』というセカンドアルバムを出してから、2次元と3次元を行き来するっていうげんじぶらしさが生み出されて、そこから春ツアーでのアバターを使った演出につながって。元からあったげんじぶらしさがありつつも、新しいことに挑戦したツアーだったと思います」
――9月に行われる「ワンマンライブ げんじぶ空間:case.4」は、東京・大阪・名古屋に福岡と北海道が加わった5都市で開催。みなさんの様子から、並々ならぬ意気込みが伝わってきます。どんなツアーにしたいですか?
杢代「秋ツアーは必ずレベルアップして臨まなきゃいけない壁だと思っていて。ありがたいことに、僕たちは現状維持じゃないので。それこそ秋ツアーがゴールなわけじゃないですし、今の目標はパシフィコ横浜でのワンマンライブ。それに向けて秋ツアーを成功させなきゃいけないっていう状況なんです。でも、春ツアーでげんじぶの強みだったり、ライブの作り方っていうのが僕たちの中でもわかってきたし、夏は夏で動き続けていくので、そのすべてを秋ツアーにぶつけて、さらにその先が見えるライブにしたいと思っています」
――初めて行く土地も楽しみじゃないですか?
吉澤「そうですね。やっぱり秋ツアーは初めて行く場所があるので、ライブに来てくれる人も、そこで会うスタッフの人も、“はじめまして”の人が多くなる気がするんです。その人たちに、げんじぶってこういうものだよっていうのを、目でも耳でも感じてもらえるように、全力で表現したい。げんじぶならではの空間を味わってもらいたいなって思います」
大倉「光咲さん、ラーメンですよ」
小泉「ラーメン!札幌に福岡に、たくさんありますね〜」
武藤「僕もラーメン食べたい(笑)」
小泉「他にもたくさん食べたいものがあるよね(笑)。もちろん、その土地土地の雰囲気もしっかり掴んで、ライブを楽しみたいと思います!」
(おわり)
取材・文/片貝久美子
写真/野﨑 慧嗣
Release Information原因は自分にある。「545」
- 連続配信シングル スペシャルインタビュー!
- ――Vol.2 「結末は次のトラフィックライト」
Release Information原因は自分にある。「結末は次のトラフィックライト」
- 連続配信シングル スペシャルインタビュー!
- ――Vol.1 「青、その他」
Release Information原因は自分にある。「青、その他」
- 連続配信シングル スペシャルインタビュー!
- ――Vo.3 「キミヲナクシテ」
Release Information原因は自分にある。「キミヲナクシテ」
Release Information原因は自分にある。『虚像と実像』
2021年12月8日(水)発売
初回限定盤:CD+DVD/ZXRC-2083/4,950円(税込)
通常盤:CD/ZXRC-2084/3,300円(税込)
SDR
原因は自分にある。 「ワンマンライブ げんじぶ空間:case.4」
9月4日(日)【福岡】Zepp Fukuoka
開場 17:45/開演 18:30
9月9日(金)【東京】Zepp DiverCity
開場 17:45/開演 18:30
9月10日(土)【東京】Zepp DiverCity
1部 開場 12:45/開演 13:30
2部 開場 16:45/開演 17:30
9月19日(月)【北海道】Zepp Sapporo
開場 17:45/開演 18:30
9月23日(金)【愛知】Zepp Nagoya
1部 開場 13:45/開演 14:30
2部 開場 17:45/開演 18:30
9月24日(土)【大阪】Zepp Namba
1部 開場 13:45/開演 14:30
2部 開場 17:45/開演 18:30