原因は自分にある。連続配信シングル スペシャルインタビュー！――Vol.2 「結末は次のトラフィックライト」

――配信リリース第2弾は「結末は次のトラフィックライト」。この楽曲はちょっとしたリズムの取り方やサウンドに遊び心がありますが、みなさんが特に注目してほしいところはどのあたりになりますか？

吉澤要人「2番の＜渡れない向こう岸　比べない不等式　笑えないって　でもそれでいい　僕がいたあの日々＞の部分は、1番から予想がつかないんじゃないかなって。急にメロディの感じが変わっていたり、ちょいちょい韻を踏んでいたり。この曲の楽しみどころの一つだと思います」

桜木雅哉「僕は曲全体の雰囲気が好き。ピアノの音がきれいだから、インストも聴いてみたいなって思いますね。印象的なのは、それこそ＜比べない不等式＞の後に、これはピアノじゃないですけど、ドゥーンって効果音が入るところ。そういう細かい部分の音も楽しめるんじゃないかなって思います」

杢代和人「僕はこの曲、デモをもらったときから、自分たちの曲だからとか関係なく単純に好きで、結構繰り返し聴いていたんですよね。歌詞も、サビの＜違いなんてあるのかな？＞って、聴くだけで考えちゃうじゃないですか。やっぱりメッセージ性もあって、しかも「青、その他」とは違った青春感があって、“なんか好きだなぁ”って。あと、この曲はすごく耳に残るんですよ。もともとげんじぶの曲って1回聴いたら耳に残るものが多いんですけど、「結末は次のトラフィックライト」は、みんな1回聴いただけで口ずさんでたりして。インパクトの強さで言ったら、今回の配信シングルの中でも強いほうなんじゃないかと思います。「青、その他」と合わせて、今年のげんじぶの感じが伝わるとうれしいですね」

大倉空人「僕は＜気取らない君が好き＞からの落ちサビが好き。音が少ないので声がちゃんと聴こえるし、ここで1回落ち着いてからサビに行く流れが、めちゃくちゃいいんですよね。まだ振り入れはしてないんですけど、ここの振りがどうなるのか、すごく楽しみ。あと、＜違いなんてあるのかな？＞っていうサビを、（桜木）雅哉が歌っているのもうれしいというか。もちろん、今までも雅哉がサビを歌っている曲、たくさんあるんですけど、＜違いなんてあるのかな？　願いなんて藪の中＞みたいな歌詞を、雅哉の年齢で歌っているのがすごくいいなって思いますね」

桜木「うれしい。僕も単純にサビを歌えるのがうれしかったですし、レコーディングが終わった後も褒めてもらえた気がする。（雰囲気に）すごい合ってるよって言われて、それがうれしかった記憶があります」

――武藤さんがこの曲で印象的なところは？

武藤潤「結構疑問文が多いっていうのが、この曲のいいところかなって。結局、自分の頭の中で考えてはいるんだけど、まだ行動には移してないとか、何も話は進まないままとか。そういう楽曲だなと思って」

――そういう時期ってありますよね。

武藤「そう、なので特に雅哉とかは共感できる部分が多いんだろうなと思いました」

大倉「＜街なかで何が為＞とかもすごくいいよね」

杢代「ここ歌ってるの、誰？」

武藤「俺。でも、ここで結構思ったのが「幽かな夜の夢」の＜単純な気持ち？＞に近いというか」

大倉「確かに」

武藤「だから、ライブとかでもどういうパフォーマンスになるのか楽しみです」

大倉「結局、振り付けが楽しみ（笑）」

杢代「でも、この曲はライブでもすごい盛り上がりそう」

大倉「アップテンポなんだけど歌詞が切ないって、これもげんじぶらしさだよね」

杢代「そろそろ報われてくれって思いますけど（笑）」

全員「（爆笑）」

杢代「もう何作連続で報われてない？」

大倉「最近だと「豪雨」っていう、本当に報われない曲があるんですよ」

杢代「「半分相逢傘」も報われてないですし、「0to1の幻想」なんてAIとの話ですからね（笑）。で、今回は＜行かない？行く？＞って言って、結局＜お預け＞で」

長野凌大「頭の中で考えるだけで終わってる（笑）」

杢代「そろそろ報われてほしい（笑）。曲調はめちゃくちゃハッピーエンドなのに」

小泉光咲「だから余計に振り付けが難しくなりそうだよね（笑）」

長野「あと、この曲はイヤホンで聴いてもらうのがいいと思います。左右で全然違う音が出ているので。どの曲もそうではあるんですけど、特にこの曲は、例えばサビの＜行かない？行く？＞のところも、＜行かない？＞は右から、＜行く？＞は左からって感じで振り分けてあって、掛け合いみたいになってるんです。そういうサウンド感もだし、頭の中で自問自答している感じも、イヤホンで聴くとより楽しめるんじゃないかなって思いますね」

――今回の楽曲は悩んで、悩んで、それでも結末がお預けというテーマになっていますが、みなさんが自分の中で行くか行かないか迷ったとき、何か壁にぶち当たったときはどうやって乗り越えるかを教えてください！

大倉「時と場合によりますけど……」

杢代「めちゃくちゃものによるね」

大倉「でも、僕はだいたい身体を動かしたり、好きなことをしたり……って、全然この歌詞にはないんですけど（笑）」

――自分なりの方法で大丈夫です（笑）。

大倉「それこそメンバーといるとか。あとは、不安とか不満とか、思ってることを全部言葉にして出す。じゃないとスッキリはしないから、とりあえず1回吐き出して、そこから考えようかな〜って感じです」

小泉「僕は、寝れば消える。なんか嫌なことがあったとしても、一晩寝れば、“何だったっけ？”って。もちろん、自分が直さないといけないところはちゃんと見つめ直すけど、そうじゃないことだった場合は、寝て忘れるようにします」

大倉「すごくいいと思う」

小泉「あと、僕ってすごい人だなって思うようにする」

長野「何を言ってるんだ!?（笑）」

小泉「いや、めちゃくちゃ考え込んじゃう人とかいるじゃないですか」

武藤「考え込んじゃう人の良さもあるけどね」

小泉「そうそう。だから、どっちも違った良さがある感じです」

杢代「僕は悩んだらとりあえず選択権は自分で持つようにしています。“誰かに合わせます”っていうより、“自分はこう思っています”っていう意見をしっかり持つようにする。ただ、悩んだりしたときってちょっとストレスになるじゃないですか。そのときはメンバーと遊びますね。みんなと一緒にわちゃわちゃやっているうちに、気付いたら忘れてるというか、“人生楽しいじゃないか！”って気持ちになるので。そしたら、また頑張ってみようかなって気持ちにもなれますし。だから、よく遊ぶ武藤潤くんをはじめ、メンバーのみんなには感謝してます」

武藤「雅哉は何かある？」

桜木「僕のやり方はいくつかあって、まずは誰かに相談する。これが一番大事なんですけど、相談するときって自分が思ってることを全部言うわけじゃないですか。そうすることによって、自分もスッキリしますし、これからどうしようって冷静に考えられるんですよね」

小泉「成功者の話みたい（笑）」

武藤「めちゃめちゃためになる（笑）」

桜木「それと、もう一つが、悩んでいることとは違うことを1回やってみる。例えば、僕がげんじぶの活動に悩んでいたとして、まったく別のことをやってみると、やっぱり戻りたくなると思うんです。それが本来の夢だから」

杢代「ホワイトボードとか使う？」

桜木「使わない、使わない（笑）。そうやって考えると、誰かに相談するか、1回別のことをやってみるかの2択かなって思います」

――吉澤さんはどうですか？

吉澤「僕はもうとことん悩みまくります」

大倉「（吉澤）要人はどんどん悩むね」

吉澤「なんか、すぐに解決しようとしない」

――悩みまくった末に、どこに辿り着くんですか？

吉澤「最終的にどこに行ってるのかはわからないです（笑）」

武藤「わかんないんかーい！（笑）」

吉澤「わからないんだけど、時間の経過とともに悩んでることがなくなってます」

――いろんな方法があるんですね。長野さんはどうですか？

大倉「りょうちんの聞きたい！」

長野「僕はとりあえず歩くんですよ。帰り道にわざと1駅前で降りたりして、曲を聴きながら、どうでもよくなるまで歩く。“もう疲れた、帰ろう”って思うところまで、自分の意識を悩みとは別のところに向けさせるのが一つ。もう一つは、つらいことから逃げた後の自分を想像してみたりもします。そうすると、“それに比べたら今頑張ったほうが自分にとって幸せだろうな”と思って、“よし、頑張ろう！”って思えるんですよね」

大倉「素敵だね〜」

杢代「潤くんは？」

武藤「僕は映画とかアニメを観ますね。意外とそこに“あ、こうすればいいんだ！”って答えがあったりするんですよ。なので、教科書みたいに観てる感じがします（笑）。なんでそうするようになったかって言うと、僕、「豪雨」のレコーディングのときに、こういったタイプの楽曲をやるっていうのが意外すぎて、うまくイメージが掴めなかったんです。で、映画を観たんですよ。『卒業』っていう昔の映画で、結婚式に乗り込んで花嫁を連れ去るんですけど、連れ去った後の感じが“あ、これ「豪雨」だな”と思ったんですよ」

――答えを見つけたんですね。

武藤「そうなんですよ！そういう経験をしたので、“映画ってすげぇ！”と思って」

小泉「あれ？今って映画の話？」

全員「（爆笑）」

武藤「いや、映画にヒントがあるっていう話です（笑）」

――げんじぶの音楽を聴く人たちもいろんなことに悩んだり、迷ったり、それこそ今回の「結末は次のトラフィックライト」を聴いて、“これはどういうことだろう？”と思いを巡らす人も多いと思うんですけど、そういうときは今みなさんが話してくださったことを試してみるのがいいですね。

小泉「それをやってもらえれば、絶対解決できます！」

杢代「1回、要人で悩みすぎますけどね（笑）」

大倉「一番最初の入りは要人の方法で」

吉澤「歩きながら悩むのはアリかもしれないです」

長野「なんで道連れにするんだよ〜（笑）」

（Vol.3に続く）

取材・文／片貝久美子
写真／野﨑 慧嗣

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――Vol.1 「青、その他」