INTERVIEW

――ニューアルバム『i -Special Edition-』は、今年4月にリリースされた1stアルバム『i』収録の13曲に、8月リリースのシングル表題曲「Catwalk」とカップリング「恋するプラネット」、さらに新曲3曲の計5曲を加えた全18曲。こういった形のアルバムを作ろうと思ったきっかけはなんだったんですか?

RUI「『i』をリリースした後、日本中たくさんの場所でリリースイベントをさせていただいたんです。その経験を経て、私たちもより成長できたと思いますし、スタッフさんとも“このアルバムをもっと届けたいよね”って話になって。自分たちにとって『i』というアルバムが大切だからこそ、楽曲も、自分たちの歌声も、パワーアップしたスペシャル・エディションをリリースすることになりました」

――5曲が加わることで、どんな進化を遂げたと感じていますか?

YUNA「4月に『i』をリリースしたときも、“自分たちの今までのすべてが詰まっています!”と言っていたんですけど、今回のスペシャル・エディションにはアカペラの楽曲が入っていて。私たちはデビュー当時からSNSなどでアカペラを披露していたり、“アカペラが自分たちの強みです!”って言っていたことが、こうして楽曲としてCDに収録されているっていうのは一つのポイントだと思います。ほかにも、新曲のうちの「夢色Tear Drops」は、自分たちが今まで挑戦してこなかった曲調や失恋を描いた歌詞など、新しい一面が入っていてスペシャルになっているのではないかなと思います」

――新しいテイストの楽曲が入ることによって、既存の13曲の聴こえ方も変わってきますね。

HINATA「そうですね。今回新曲として収録させていただく3曲(「ホワイト・ラブ」「夢色Tear Drops」「Xmas A Cappella Medley」)は、どれも冬という季節やクリスマスをイメージした楽曲なんです。もともとの楽曲はどちらかというとアップテンポな楽曲が多いので、全体的な緩急というか、今回、冬ソングが加わったからこそ、夏をイメージした「himawari」の聴こえ方も変わってきたりもして。新しい楽曲が加わることで、ギャップを見せることができたんじゃないかなって思います」

――新曲について、1曲ずつ聴きどころを教えていただけますか?

RUI「はい。まず「ホワイト・ラブ」なんですけど、どれも推し曲になってる3曲の中でも、リード曲がこの曲になります。タイトルからもわかる通り、“ザ・冬”というような曲に仕上がっていて、iScream初のウィンターソングなんです。夏だったら「himawari」、冬だったら「ホワイト・ラブ」みたいに、iScreamを代表する楽曲の一つになっていけたら嬉しいです」

――ちょっと大人っぽい印象を受けたのですが、最初に聴いたときの印象は?

RUI「誰が聴いても身近に感じていただけるような、シンプルでストレートな歌詞だなっていうのが、私たちの最初の印象でした。ただ、本当に正統派なバラードなので、シンプルだからこそ繊細なアクセントなどでメロディに感情を入れ込んで、それこそ『i』のリリースイベントで自分たちが得たものを詰め込んだ楽曲になっています。だから、聴いてくださる方も自分自身に重ねて聴いていただきたいですし、“この冬は「ホワイト・ラブ」を一番聴いたよ”って言ってもらえる楽曲になったらうれしいです」

――iScreamのみなさんは、楽曲をもらったときに3人で歌詞の世界観をイメージすると話していましたが、この「ホワイト・ラブ」はどうでしたか?

HINATA「「ホワイト・ラブ」は、歌詞を書いてくださった荘野ジュリさんが、“こういうイメージで書きました”ってメッセージを細かく書いてくださって。だから、今回は自分たちの考えというより、“荘野さんが思い描く世界観を、iScreamが忠実に声で表現するのが素敵だね”って話し合いました」

YUNA「この曲では男女が出会って、相手のことを好きになるストーリーが描かれているんですけど、サビの部分の歌詞の最後が1番は<冬のせい?>、2番は<恋のせい?>、最後は<君のせい>と、変わっていくんです。その想いに沿って、私たちも純粋な気持ちで歌いました」

――「ホワイト・ラブ」はミュージックビデオも撮影したとのこと。現時点(※取材時)ではまだ完成していないそうですが、撮影で印象的だったことはありますか?

RUI「衣装は真っピンク、セットは真っ白っていう、色のコントラストだけでもすごく印象的な撮影でした。今回のMVは“雪”をテーマにしたドラマ仕立てっぽくなっているんですけど、1番は、まだ雪が降っていない世界の下で、2番くらいから少しずつ変化してきて、最終的には雪が一面に降ってきて。想いがどんどん溢れていく歌詞に合わせて、MVの中でも、その想いを雪に変えて表現していて、それがすごくきれいでした。自分たちも普通に見惚れちゃって、雪が降るシーンとか、セットの中をめちゃくちゃ写真に撮りました(笑)」

――セットもそうですが、自分たちの表現でココに注目してほしいというところは?

HINATA「Dメロのところは気持ちが降り積もっていくシーンなんですけど、そこで監督さんから“もっと優しい表情のほうがいいよ”ってアドバイスをいただいて。かなり頑張って表情を作ったので、表情が変わっていく感じを観てもらいたいです」

YUNA「個人的には目線を意識しながら撮影をしていました。シンプルなセットと自分たちだけっていう、情報量が少ない中で歌詞が際立つMVになるので、観てくださる方に少しでも歌詞が伝わりやすく、想像を膨らませやすいようにと思って、目線を意識するようにしました。そこはポイントになるかなって思います」

――続いて、2曲目の新曲「夢色Tear Drops」について教えてください。

YUNA「この曲は先ほど言った通り、失恋ソングになっています。でも、失恋した自分を悲しんでいるんじゃなくて、ちょっと強がっているところがかわいいというか、逆にそんな自分に少し浸っている感じの女の子。失恋したことを歌っているんですけど、あまり悲しいだけじゃないところが、この楽曲の面白いところの一つかなと思います。でも、最後のサビに私がフェイクを入れてるんですけど、そこでは、寂しいのか、構ってもらいたいのかみたいな複雑な気持ちを声で表現しているので、そこはぜひ聴いてほしいです」

――「X’mas A Cappella Medley」では、アカペラでのみなさんの美しいハーモニーが楽しめます。

HINATA「私たちはこれまでTikTokでアカペラを上げてきていたんですけど、ファンのみなさんから、“アカペラをアルバムやシングルに入れてほしい!”という声をたくさんいただいて。この季節にぴったりのクリスマスソングを、初めてアカペラでみなさんにお届けできるのがすごくうれしいです。自分たち的にも、この曲はすごく特殊な方法でレコーディングしたので、また新しい挑戦ではあって…」

――特殊なレコーディングというのは?

HINATA「3人別々のブースに入って、それぞれの声だけが聴こえる状態でレコーディングをしたんです。お互いの顔が見えないし、目も合わせられない状況だったんですけど、このレコーディングの仕方で、自分たちの歌のスキルもそうだし、3人で一つの音楽を一緒に作っていくことに対して、成長できたんじゃないかなって思います」

――アカペラでお互いの目を見ないで歌うって、タイミングも測れないし、すごく難しいんじゃないですか?

RUI「そうですね。この曲は「つつみ込むように...」をディレクションしてくださった先生に今回も指導していただいたんですけど、その先生はゴスペルもやってらっしゃる方なので、グルーヴの出し方だけじゃなく、アカペラというジャンルやゴスペルについての話とかも交えながら、本当に1から細かく教えていただいて。何回もレッスンしていただきましたし、おうちに帰ってからも、夜に3人で集まって練習したりして。録音しては聴いて、録音しては聴いてを何度も繰り返して、レコーディングに臨みました。本当、すっごく練習したよね?」

HINATA「うん。本当に私たちの声しかないので、すごい緊張感を持ちながら練習してました」

――YUNAさんはどんなイメージで歌いましたか?

YUNA「この曲は「Silent Night」と「This Christmas」の2曲を繋げたメドレーになっているんですけど、全体のイメージとしては、私たちがアカペラで歌ったこの曲を聴いたときに、「Silent Night」、聖なる夜を歌ったパートでは、“これまでコロナとかいろいろなことがあったりしたけど、ここまで頑張ってきて良かった“って、自分を褒めてあげたくなるような、穏やかな癒しの時間を届けられるようにしたいという想いを込めています。次の「This Christmas」では、クリスマスを楽しむような明るい曲なので、楽しい気持ちになってもらえるように歌いました」

――ファンのみなさんは、今年のクリスマスはこの曲と一緒に過ごす方も多いと思いますが、みなさんが理想とするクリスマスの過ごし方は?

HINATA「私の場合、クリスマスといえばプレゼント!今は東京に住んでいるので、クリスマスに家族と一緒に過ごすことができないんですけど、離れてからも毎年クリスマスプレゼントを送ってくれるんです。それを開けるのが、毎年の楽しみになっています」

YUNA「小さい頃からクリスマスは家族だったり、友達だったりとパーティをするのが決まりだったので、今年もそういうことができたらうれしいです。あと、プレゼント交換をしたいです!」

――3人で交換したりもするんですか?

HINATA「クリスマスはやってないね」

YUNA「誕生日はめちゃくちゃお祝いし合うんですけど、クリスマスはやってなかったね。でも今度、とある企画でプレゼント交換する予定なので楽しみです」

――RUIさんの理想のクリスマスの過ごし方は?

RUI「私は、周りがクリスマスムードってだけで、結構クリスマスを感じられるタイプです(笑)。それこそ、ファンのみなさんが“クリスマスまであと○日”ってカウントダウンしてくださることもだし、昨年のクリスマスの時期はサンタさんっぽい格好をして配信とかしていたので、そこでみなさんと一緒に過ごせたことがすごく印象に残ってます。今年はまだ何も決まっていないんですけど、SNSを通してまたみんなと“メリークリスマス!”って言いあいたいです」

――そして、今回のアルバムにはDVDも付いています。その収録内容が、8月に行われたiScream初の有観客ライブの模様に加え、「つつみ込むように…」のMVとメイキング、さらに1周年を迎えたみなさんのインタビューという豪華なもの。こちらの見どころも教えてください。

RUI「やっぱり、何と言ってもライブ映像ですね。ファンの方たちも映像化を望んでくださっていましたし、ライブの最初から最後までが入っているので、ここでしか観られない作品になっていると思います。インタビューは1人ずつ別々に収録していて。お互いに何を話しているかわからないからこそ、みんな結構本音が出てるんじゃないかなって思います」

HINATA「まだ見てないから、すごい楽しみ」

RUI「ね!私たちも楽しみにしているんです」

――メジャーデビューから1年以上が経ちましたが、お互いの成長や変化を感じたりしますか?

HINATA「RUIちゃんは、いい意味で前よりもフランクになりました。前はちょっとだけ近寄りがたいときとかもあったんですけど、今はいつも笑顔で楽しそうなので。スタッフさんや私たちに対して、あまりガードを作らず、フランクになってきたなって思います」

――では、RUIさんからYUNAさんの変化について教えてください。

RUI「YUNAは…」

YUNA「え〜、(どんなこと言われるか)怖いよ〜(笑)」

RUI「3人の中だとYUNAが一番ムズくない?」

HINATA「難しい」

YUNA「変わってない?」

RUI「いや、そうじゃないんだけど。YUNAはもともと芯がしっかりしてて、ちゃんとYUNAの中で、“私はこれがしたい”とか“私はこれを叶えたい”とかっていうのがあって…」

YUNA「自我が強い(笑)」

RUI「褒めてるの!(笑)そういう、目標を叶えるために自分の想いを貫くところが、前より強くなったというか、根っこの部分がよりしっかりした気がします」

HINATA「そのなかでも、考えが柔軟になってるなって、私は感じます。目標に向かって突っ走るだけじゃなくて、ちゃんと周りを包んで、一緒に行こうって感じになった気がする」

YUNA「ありがとうございます(照笑)」

――そんなYUNAさんは、HINATAさんの変化をどう感じていますか?

YUNA「デビューしたばかりの頃のHINATAは、どちらかというと我が強くて、“何を言われても曲げません!”ってタイプだったのが、この1年ちょっとの間にすごく協調性が出てきたなって思っていて。もともと協調性がないわけではなかったんですけど、最近は、まず私たちの意見を聞いてっていうほうが多くなったような気がします。って、自分でもそう思うよね?」

HINATA「うん。18歳、成人になったときに、自分でもいろいろ考えましたし、グループのためをより意識するきっかけがあって。気付いたらそうなってたっていうより、ちゃんと自分でも意識しました」

RUI「今も、ちゃんと全員に補足してるし(笑)」

――ますます良いチームワークになっていますね。さて、来年のことになりますが、東名阪を回るリリース記念ライブが予定されているとうかがいました。そこに向けた意気込みを教えてください。

RUI「有観客ライブを関東以外の都市でやらせていただくのが初めてですし、しかもそれが名古屋と大阪って、私とYUNAの出身地なんです。お世話になっている方もたくさん来てくださると思うので、その期待に応えられるように、みなさんの期待を超えられるようなライブをしたいです。また、今回のアルバムで、私たちの楽曲も18曲に増えました。楽曲を通していろんな感情になれるのがiScreamのライブの魅力の一つだと思うので、それをみなさんに体感してもらいながら、私たちも心を込めて頑張りたいと思います!」

(おわり)

取材・文/片貝久美子
写真/野﨑 慧嗣

RELEASE INFORMATION

iScream『i –Special Edition-』

2022年11⽉23⽇発売
通常盤(CD+DVD)/XNLD-10160/B/5,500円(税込)
LDH Records

iScream『i –Special Edition-』

LIVE INFORMATION

『i -Special Edition-』リリース記念ライブ iScream LIVE i2023

■公演スケジュール
2023 年 1 月 21 日(土) NAGOYA CLUB QUATTRO
17時30分 開場 / 18時00分 開演
2023 年 1 月 28 日(土) Music Club JANUS
16時30分 開場 / 17時00分 開演
2023 年 2 月 25 日(土) duo MUSIC EXCHANGE
16時00分 開場 / 17時00分 開演
■チケット
チケット料金:¥6,600 *整理番号付/ドリンク代別
年齢制限:6 歳以上有料、5 歳以下入場不可

iScream LIVE i2023

BACK NUMBER

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――愛(i)を叫ぶ(Scream)LDHの秘密兵器

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