――実に7年ぶりとなるオリジナルアルバムが完成した感想から聞かせてください。

山邊未夢「頭の中にもうアルバムという文字が消えかけているくらい、長い間、出してなかったので(笑)。最初にアルバムを作るという話を聞いた時は、1回、思考が停止して。“え!アルバムを出せるの?うれしい!”っていう感じで、自分の中に状況をちゃんと落とし込んだあとにうれしさが込み上げてきました。ファンの方からは時々、“アルバムの発売、今年あるかな?”という言葉をいただいたので、待っててくれたファンの皆さんに“ついにアルバムをリリースするよ!”ってお知らせできることがすごくうれしくて。チーム女子流で気合をいれて制作に挑みました」

中江友梨「今回のアルバムはノクターナル=夜をテーマにしたアルバムになっていて。夜行性や夜咲き、星時計という意味が込められているんですね。これまでの女子流の楽曲は切ない失恋ソングが多かったんですけど、今回は夜に思いを馳せる楽曲だったり、夜にハジけちゃいたい!っていうダンサブルな楽曲がぎゅっと詰まってて。個人的には夜をテーマにしたアルバムを出させていただくこと自体が、大人になったんだなと感じました」

庄司芽生「アルバム制作そのものが超久しぶりだったので、どんな感じだったかを忘れてしまっていて。“1日に2曲、録るんだ!こんなに詰めてやったんだっけ !?”みたいな、すごく新鮮な気持ちで取り組ませていただいていたんですけど、やっぱり7年って長い年月なので……」

――20代になって初めてのアルバムですもんね。

庄司「そうです!しかも、この4人でのアルバムも初めてなんですよ。その間でいろいろと培ってきた経験が全て反映された、形として残せた1枚になってるんじゃないかなと思って。レコーディング中も、“3人はこういう歌い方で、こういう表現できたか!”って感じることが多くて。自分自身も感情を乗せながら歌えたって思いつつも、“この子はこうきたか……悔しい!”っていう刺激も常にもらいながら制作していて。スケジュールは詰まっていたんですけど、すごく楽しく取り組むことができたし、このアルバムを手に取ってくださった方も、“こんな女子流、知らなかった!”とか、“こういう表現をするんだ !?”みたいな感じで、ワクワクしてもらえたらうれしいなって思います」

――ちなみに“この子、こうきたか!”と感じたという部分は?

庄司「全曲ですね。デビュー当時はユニゾンが多かったんですけど、今回はソロパートで繋いでいくことが多くて。息遣いのニュアンスの入れ方とか」

――「Viva La 恋心」のひとみさんのウィスパーボイスね。

中江「ぞくってきますよね!」

――友梨さんの<予感 !?>の言い方もよかったですけどね。

中江「「コーナーカット・メモリーズ」ですね」

山邊「めっちゃ聴いてくださってますね。ありがとうございます」

中江「うれしいね。次にやるときに気合い入るよ」

庄司「あははは!そういう感じで、デビュー当時は4人で1つだったものが、一人一人が際立つようになってきて。それも7年間の成果というか。ひとつの辿り着いた私たちの形なのかなと思うと。すごくいいアルバムになってるんじゃないかと思います」

新井ひとみ「ひとみは、アルバムを出せること自体がすごくうれしかったんですけど、たくさん新しい楽曲をレコーディングして。一体、アルバムの中に何曲、新しい曲が入るんだろうっていう謎なところがあって」

――この7年間でリリースしたシングルをまとめただけでもアルバムが出来ますね。

新井「そうなんですよ。レコーディング期間の時にちょうどおばあちゃんが私の家に来てて。毎日、“今日もレコーディング行ってくるね”って言って出かけてたので、“え、何曲入るの?おばあちゃんが好きな曲、入るかな?”って言ってて」

庄司「可愛い。おばあちゃんの好きな曲は入ってた?」

新井「入ってた!「ストロベリーフロート」が好きなの」

中江「お若いね」

新井「“明るい楽曲で、耳に残っていいね”って言ってた。おばあちゃんが実家に帰った後に“アルバムが発売されるからゲットしてね”って電話したら、“ひとみのためにけっぱらねば(がんばらなきゃ)”って言ってたので、おばあちゃんも地元の宮城で聴いてくれると思うとうれしいです」

――アルバムの流れで聴くと、「Viva La 恋心」と「ストロベリーフロート」で失恋して、傷心のまま夜の街に繰り出してる感がありますよね。

新井「そうですね。でも、アルバムの後半に、相手も傷ついてるっていう曲も入ってて。個人的には、「ストロベリーフロート」は女性目線なので、すごく共感できるんですよ。アンサーソングの「僕は嘘つき」には<仲間集めて バカ騒ぎ/そんな日々を続けてた>って言ってて。日々、続けてるってどういうこと?って。しかも、相手が何か言いたげなのはわかってるのに、なんで聞いてあげたりしないのかなって」

庄司「お怒りですね(笑)」

新井「私より大事な用事って何?ってなるよね」

中江「男性の不器用さが際立ってるよね。私たちは、女性の叶わない切ない気持ちとか、片想いの曲を歌うことが多かったので、「僕は嘘つき」で男性の気持ちを教えられたというか。ひとみはお怒りだったけど、女性ほどストレートに言えないんだなっていうのがわかったりして」

庄司「メンバーによって解釈が分かれた曲でもあるんですよ。ひとみみたいに、男の子の気持ちはわからないって感じた人もいれば、未夢は男の子目線の方がしっくりくるタイプで」

山邊「そんなに言わなくても気づいてよって気持ちもわかるんですけど、そんなに怒るなら言ってよ!って思っちゃうんです。それに、ずっと一緒にいると疲れちゃうから、同性の仲間達とふざけ倒したいって気持ちもわかる。私は断然「僕は嘘つき」派ですね。ひとみとは対立してます(笑)」

――「ストロベリーフロート」の女の子は喫茶店で待ちぼうけくらってますからね。

中江「こちとらね」

山邊「私だったら、30分くらいで帰っちゃいます。来なかったら帰ったらいいのにって思いますけど」

新井「えー!ひどいな」

庄司「あはははは。これについてはメンバーで討論会が開けそうですね(笑)」

――意見が分かれるみなさんに(笑)、アルバムのテーマである夜や大人を象徴すると思う曲をそれぞれが1曲ずつあげてもらえますか。

山邊「「ガーズルトーク」です。夜、女子達が4、5人でフレンチ料理とかを囲んで、年下の男の子に対して“もっと積極的でいいのにね”っていう愚痴を言ってるイメージが思い浮かんで。ちょっと大人の夜だなって感じました。私自身は、友達とご飯に行くとしても、カフェにランチが多いし、夜でも新大久保で韓国料理を食べたりするくらいだったんですね。でも、ちょうどこの前、夜ご飯で銀座のイタリアンのお店に行って。アヒージョとかステーキを食べたばかりなので、自分ともリンクして。しかも、主人公の相手が年下なので、自分もそんな年齢になったんだっていうか、ちょっとだけ成長を感じましたね」

――この曲ではラップもしてますね。

中江「ポップなラップじゃなくて、愚痴を言ってるテンションか感でラップしてて。みんなの声もお姉さんぽかったりするんですね。わざと嫌味っぽく言ってるのも新鮮でした。恥ずかしくて難しかったけど、すっきりリした部分もありましたね。ふだん男性の愚痴をいうことないので」

山邊「<言い訳ばっかしてんな>とかね」

中江「やばいよね」

庄司「ライブでやるとちょっとすっきりする感じあります」

山邊「わかる!わかる!」

新井「ライブでしか言えないよね」

庄司「他の曲にはない気持ちの乗り方というか、楽しさがあります」

山邊「私がそこのパートを歌ってるんですけど、可哀想なんですけど、ライブではいつも一人に向けて言うんですよ」

新井「踊ってるから目線はわからないけど、感情を乗せて歌ってるのがわかるよね」

中江「ちゃんと刺さって、響いてたらいいね」

――4人で女子会をすることはないですか?

庄司「愚痴を言い合うってことはないですね。相変わらず食べ物の話ばかりしてます。最新スイーツ事情とか、新しくできたカフェとか」

新井「こないだ名古屋に行った時に、山邊が先陣を切って、名古屋の行きたいところとか、有名なカフェとか調べてくれてたんですけど、行く時間がなくて行けなくて」

庄司「でも、マネージャーさんとの集合時間よりも早めに4人で集合して、モーニングを食べに行きました」

中江「そこでも、面白かった動画を見せ合ってゲラゲラ笑ってたりとかしてて。12年も一緒にいるので、年齢が急に小学生に戻る時があって。4人にしかわからない笑いのツボもあるんですよ。1回、ハマったら、4人はずっと笑ってるけど、まわりのスタッフさんは“どうしたの?ずっと笑ってるけど落ちついて”ってなってる時もある(笑)。だから、まだまだ、年下が増えてきてる実感も湧かないですね」

――ひとみさんはどうです?夜とか大人を感じる曲。

新井「「ガールズナイト」や「フライデーナイト」も夜っぽいんですけど……私は「夢の中に連れてって」にします。ちょっと可愛らしさも入りつつ、夢見心地みたいな感じの楽曲になってて。日々、いろんなことが起こりうる東京で、私たちも目まぐるしく動いたりしてて。考えることもやることもたくさんあるけど、寝る時だけは心をスッと休めて夢の世界に行きたいなっていうのが、個人的な願望だったりもするんですね。パフォーマンスするときは、サビ前はちょっとシリアスというか、謎めいてるところや、毒っけのある言葉もあるんですけど、サビではパッと広がるような感じだし、間奏の部分では、フレッシュに踊ってたりするので、パワフルさを感じ取ってもらえるといいなと思います」

中江「私は「フライデーナイト」をあげようかなと思ってました!」

新井「夜、パーティー!みたいな曲だよね」

中江「クラブに遊びに行ったことはないんですけど、女子流の楽曲にはクラブミュージックもあって、クラブでライブをさせていただいたこともあって。「フライデーナイト」は、タイトルのまんまで、金曜日の夜=花金の曲ですね。大人の夜の遊び方というか。フライデーナイト、仕事終わりにみんなで集まって、朝まで楽しく踊り明かそうよっていうパーティーソングが女子流の仲間に加わってくれたことが心強いです。まだライブで披露したことはないんですけど、金曜日の夜のイベントやフェスで歌ったらごい盛り上がりそうだなって思うので楽しみです」

――「コーナーカット・メモリーズ」も夜のクラブっぽいですよね。

新井「ディスコな感じ。衣装もポップですし」

山邊「MVの撮影場所もクラブだったんですよ。六本木のSEL OCTAGON TOKYO」

中江「初めてだよね、クラブで撮影したの」

――シャンパンを掲げてましたし。

中江「4人でかんぱーい!って。でも、あれ、ジンジャーエールです。あははは!」

――あははは!芽生ちゃんはどうですか?

庄司「「ワ.ガ.マ.マ.」ですね。今回はリミックスバージョンが入ってるんですけど、夜に人恋しくなる気持ちを歌ってる曲で、私、すごく共感したんです。28thシングル「Hello, Goodbye」のカップリングだったですけど、ちょっとずつ人に会えるようになってきたけど、まだ、おうち時間がメインの時期だったんですね。コロナ禍の時に初めてあんなに長い期間、ずっと一人でいて。誰にも会えないし時を経て、自分はこんなに一人が嫌なんだ、人恋しくなるんだって気づいて。学生時代は、学校でも仕事でも人に会って、誰かと一緒にいる時間が長かったので、むしろ、一人になりたいって思うときの方が多かったんですけど、大人になって、お家に帰って一人になるっていう時間が寂しいなって感じることが増えて。そういう意味では、自分が共感するタイミングでレコーディングした曲でもあるし、自分の心境の変化を気づけた曲でもありますね」

――リード曲は「Viva La 恋心」になってますね。

山邊「DA PAUPのKENZOさんに振り付けをお願いしてて。セクシーさもありつつも、可愛らしい部分もあって、間奏ではしっかりと踊ってるんですね。この1曲だけでも、かわいい、かっこいい、セクシーという大人の魅力が詰まっているので、ライブでもぜひ注目しほしいですし、ダンスのリリックビデオも見てほしいなと思います」

中江「楽しい方の夜を思い出す曲が多いんですけど、「Viva La 恋心」はすごく寂しい夜を彷彿とさせる曲だなと思って。夜に寂しくなったり、夜に楽曲に甘えたり、浸ったりするのって、大人になってからだなと思って。曲に寄り添って、自分の気持ちが和らいだり、少しだけ寂しくなくなったりする。それって、まさに、大人になってから覚えた感情だなと思うんですね。しかも、この曲の歌詞もは、印象的なワードがたくさん出てきてて」

――特にサビの頭の<最低な想いをしたの抱きしめて>っていうセリフですよね。

中江「すごいですよね。女性の感情が露わになってる瞬間だし。臆病ながらも、寂しい気持ちをぶつけて、触れてみたら、楽しい恋心が待ってるんじゃないかっていう。いいことばかりじゃないけど、悩んだり、寂しかったり、会いたいと思ったり……夜のしっとりとした街の雰囲気の曲に、恋心って最高!という歌詞がいい感じにマッチしてて。聴いてて心地がいいし、それを今の私たちが歌うのも、大人女子流だなって思います(笑)」

――大人ですよね。じゃあ、ご自身が大人になったなと感じた瞬間を聞いてもいいですか。

山邊「身につけるものになるんですけど、ここ2、3年くらいは家族からお誕生日にハイブランドのアクセサリーとかをもらうようになって。学生の時はそういうのを身につけないし、私が身につけても似合わないと思ってたんですけど、お誕生日プレゼントとしてもらうものは変わってきて、あ、大人になったな!と思います」

新井「私はちゃんと考えて行動するようになりました。昔は、あんまり考えてなかったので、やりたいと思ったことをやるし、言いたいと思ったことを言ってたんですけど(笑)、多少、考えるようになったし、常にちゃんと学ぼうという気持ちを持つようになりましたね。時に、特にダンスのフリ入れの時は、自分にはないものを取り入れようという気持ちを持って参加していたりするし、歌の面でも、7年前は力強い歌声で歌ってたんですけど、またちょっと違う艶やかな感じで歌えるようになった、新しい歌い方をゲットできたなと思います」

中江「私は、プライベートなことでいうと、運転免許を取りました!」

全員「パチパチパチパチ!」

中江「びっくりじゃないですか?だって小学生だったんですよ」

――時が過ぎていく早さに驚いてますよ。友梨さんが25歳なんですから。

中江「ね!デビュー当時はまだ大阪に住んでて、週末にお母さんが車で新大阪駅まで送り迎えしてくれていたんですよ。だから、いつかお母さんを乗せてドライブしたいなと思ってて。今年の誕生日前に、今取ろうって急に思い立って。仮免のテストの前の効果測定で、7回くらい落ちちゃったので、すごいへこたれましたけど」

――そんなに落ちるものなんですか!よく諦めなかったですね。

中江「7回落ちて、1回、逃げたんですけど、また向き合って、8回目に合格して。そのおかげで、仮免のテストはスムーズに受かって。東京の道路は講習で走ったんですけど、自分の街ながらも大阪の方が荒そうで怖いんですよね。来週、仕事で大阪に帰るので、お母さんに“車、貸してな。乗せてな”って言ったら、“まだ怖いわ、あんた。お母さん、車買い替えたばかりやのに”って言われたんですけど、なんとか乗ろうかなと思ってます」

庄司「ちょっと怖いな(笑)。庄司はお花が好きになりました。昔から綺麗だなと思ってたし、季節を感じたりもしてたんですけど、おうちにお花を飾ろうとか、お花を買って帰ろうとは思うことがあんまりなくて。でも、最近はふらっと歩いているときにお花屋さんがあったら、入ってみて、かわいいお花を買って帰ったりするようになって。お花が開いてきたことに喜びを感じるようにもなったんですね。お花があることが生活の一部になってきて、昔と変わったなって感じることがあります」

――20代半ばになって、大人女子流はこれからはどうなっていきますか。

庄司「いろんな出会いや小さな奇跡が積み重なって今の12年目があって。そこには感謝していますし、ただ続けているだけじゃなくて、目に見える形としても結果を残していけるように、常に変化と進化を続けるグループでいたいなという思いでいます。この夏にこのアルバムをリリースするので、一人でも多くの方にアルバムの曲を届けていきたいですし、そこで出会った方々に毎月行っている定期ワンマンライブに足を運んでいただけたらうれしいです。8月の定期ライブでは、アルバム『ノクターナル』の全曲ライブPART1をやろうとしていて。ここから羽ばたいていくために大事な期間になると思うので、私たち自身、気合いを入れて、この夏は歌って踊っていきたいなと思います」

(おわり)

取材・文/永堀アツオ
写真/野﨑慧嗣

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2022年8月3日(水)発売
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2022年8月3日(水)発売
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