――ついに待望の1stアルバム『We are Girls²』がリリースされますね。聴いていると元気になれるような若さ弾ける1枚ですし、その中に女の子らしさも入っていて素敵でした。2019年のデビューから、約2年半を経てのアルバムになりますが、みなさんにとって、どんな作品になりましたか?

隅谷百花「今おっしゃってくださったように、デビューから今までの私たちが詰まっているアルバムなので、Girls²の歴史もわかりますし、私たちの成長した姿も感じていただける作品になっているんじゃないかと思います。私たち自身からすると、これまでの思い出の1枚にもなっているので、こうやってリリースすることができて、本当に嬉しいです」

鶴屋美咲「2年半分のGirls²が入っているので、昔から応援してきてくださったファンの方にとっては懐かしさもあると思いますし、きっとこの1枚で、さらにGirls²のことを好きになってくださるんじゃないかと思います。そして、最近好きになってくださった方も、このアルバムを聴いてくだされば、もうGirls²の通(つう)(笑)。本当に『We are Girls²』っていうタイトルがピッタリなアルバムになっていると思います」

山口綺羅「今回のアルバムは、ダンス盤、ライブ盤、通常盤があって、すごく豪華な内容になっているんですよ。だから、さっき美咲が言った通り、このアルバムを聴いてもらったら、”もう私たちの仲間!”っていう感じがします(笑)。それにデビューシングルの「ダイジョウブ」から最新EPの『Enjoy / Good Days』まで全部入っているので、最初に百花が言ったように私たちの成長過程も見られるアルバムだと思いますね」

――ダンス盤にはこれまでのMVが、ライブ盤には『Girls² First Live Tour』の模様が収録された映像が入っているので、本当に大ボリュームですよね。それに今“成長”という言葉も出ましたけど、1曲目に収録されている新曲「80’s Lover」には、ちょっと大人な雰囲気も感じました。この曲では、どんな自分たちの面を表現しようと思いましたか?

隅谷「この曲には、これまでのGirls²ではあまり使ってこなかったようなシンセサイザーの音が入っているんですね。そこが新しいと思いますし、歌詞の表現もオシャレなので、とても気に入っています。それに今までの楽曲では、私の声や歌い方に対して“もうちょっと元気に!”というアドバイスをいただいていたんですね。でも、この曲に関しては、ひとフレーズごとに“もっとやわらかく”とか“ここはもう少し伸ばして”っていうように細かくご指摘いただいて。だから、また新しい歌い方が出来たんじゃないかと思います」

――今までの楽曲に比べると少しメロウな曲なので、女性らしさも感じますよね。

鶴屋「実はこの楽曲、最初のデモでは全部英語詞だったんですよ。それを日本語詞にしているので、そういう部分でもオシャレさが出ているのかなって思いますね。私たち自身、言葉の音の感じも英語っぽくて新鮮でしたし、私たちの年代がオシャレだと感じられる楽曲になっているので自信を持っています」

――先ほど隅谷さんが言っていたシンセサイザーは、80年代、90年代の楽曲にはたくさん使われていたんですよ。だから、みなさんのお父さんお母さん世代の方にも響くと思いますし、逆にみなさんみたいな2000年代生まれの方にとっては新鮮に感じるんじゃないかと思います。しかも「80’s Lover」は、そこに今っぽさも加わっているので、そういう部分にも、まさにオシャレさを感じました。

山口「私も「80s Lover」は、オシャレで、尚且つカッコかわいい楽曲だなって思いました。最初の英語のデモを聴いたとき、今までになさすぎる曲だったので、”すごい!”って思ったんですよ。”Girls²も、こういう楽曲が出来るんだ!”って嬉しくなりましたし、また一段落上に上がった気がしたので、新しい気持ちでレコーディングしましたね」

――特にこだわった部分はどこですか?

山口「ラップパートです。もともとラップがやりたかったので、この曲でラップができることをすごく嬉しく思っています。歌の部分を担当している子たちの声がめちゃくちゃキレイだからこそ、ラップとのギャップが出ていると思うんですよ。だから、よりカッコよく聴こえるんじゃないかと思いますね」

――これまでのGirls²は、元気で弾けた楽曲が多かったですけど、この曲には恋する切なさみたいなものも描かれていますよね。そういう変化は、どう感じていますか?

鶴屋「めっちゃ嬉しいです(笑)。でも、だからこそ今までと要求される歌声も違っていましたし、レコーディングのときにディレクションしてくださる方も普段とは別の方だったんですよ。それだけに今まで作ってきたものを一度壊して、新たにその方の要求を受け入れるという過程もあって、それが結構難しかったですね。ただ、3年目を迎えたGirls²が新たなステージに進むためには、それは大切なステップだったと思います」

――今回もう1曲入っている新曲「人人人生紹介ソング」は、「80’s Lover」とは全く違うテイストで、タイトル通りメンバー紹介の楽曲。ライブで盛り上がりそうですよね。歌詞に書かれているメンバーそれぞれの特徴は、みなさんが作詞家の方に伝えたんですか?

鶴屋「事前に膨大な量のアンケートをいただいたんですよ(笑)。それに答えた結果、この歌詞が出来上がったんです」

山口「これが歌詞になったら困るな...みたいな質問もありましたからね(笑)」

鶴屋「たぶん作詞家さんも、ただの情報だけじゃなく、その人の全体像をわかってから歌詞を書きたかったのかなって思うんですよ。でも、本当に膨大の量のアンケートだったので、書くのがちょっと大変でした(笑)」

――でも、紹介ソングって嬉しいでしょ?

鶴屋「はい。自分が他のアーティストさんのライブとかに行ったときに紹介ソングを聴いていたので、それにすごく憧れがあったんですよ。やっぱりファンの気持ちになると紹介ソングってほしいと思うので、私たちにもそれが出来て、とても嬉しかったですね」

隅谷「ただ、この曲はテンポも速いですし、歌い方もボカロ調なんですね。だから、レコーディング前にずっとボカロの曲を聴いていました(笑)。私のソロパートは結構低い音から始まることもあって、そこにはあまり生かせなかったんですけど(笑)、サビではボカロ度が出ていると思います」

鶴屋「私はアニメとかボカロに触れて来た人間なので、生き生きしていると思いますね(笑)」

――歌詞にも<アニオタ>って紹介されていますもんね(笑)。

隅谷「この曲もすごく上手だと思います」

山口「声が合ってるよね。私が歌っていて”楽しい!”と思ったのは掛け声。レコーディング中に、これをファンの人と一緒にやったら盛り上がるんだろうなって思えたので、いつかお客さんも声を出せるようになったら、余計嬉しいと思います。<伸びしろキリマンジャロ>とか<好きなタイプは石油王>っていうフレーズがあったりして、結構クセが強い楽曲ではあるんですよ(笑)。でも、もしいろんな人にTikTokとかで使ってもらえたら、そこから私たちのことを知ってくれる人も増えるんじゃないかと思いますね」

――そんな新曲2曲に加え、他にも13曲収録されています。その中でみなさんが思い出深い曲や個人的に好きな曲はありますか?

隅谷「私が好きなのは「チュワパネ!」です。テレビドラマの「ひみつ×戦士 ファントミラージュ!」のオープニングテーマだったこともあって、この曲でたくさんの方にGirls²のことを知っていただけたと思いますから。それに歌詞も面白いですし、曲調も一度聴いたら頭にこびりついちゃう気がするんですよ」

山口「こびりつくって!(笑)」

隅谷「じゃあ、焼きつく?(笑)とにかく覚えやすい曲だと思うので、そこが好きですね」

――それに歌詞にも<好き>っていうワードがたくさん出て来ていて、主人公の気持ちが真っすぐ伝わるところもいいですよね。

隅谷「そうなんですよ。真っすぐで純粋な子なんだなってわかるようになっているので、すごくいい歌詞だなって思いますね」

鶴屋「私はデビュー曲の「ダイジョウブ」です。この曲を制作しているとき、まだ私と百花はmagical²っていう別のグループで活動していて、綺羅たち4人はmirage²だったので、完全にひとつのグループにはなっていなかったんです。だから、もちろん楽曲自体もみんなの心に刺さるいい作品なんですけど、私としては今この曲を聴くと、今の自分たちの絆が当時よりずっと深くなったんだなって再確認できるんですよ。そういう意味では、「ダイジョウブ」の2022年バージョンを録りたいくらい。たぶん、また全然違うものになると思いますから」

――そもそも、もう声が違うと思いますよ。でも、楽曲自体には普遍性があるというか、いつ聴いても背中を押される曲ですよね。

鶴屋「ああ、そうですね。「ダイジョウブ」はライブでやるとき、毎回歌詞を出すようにしているんですよ。そうするとお客さんの中に泣いている方も多いんです」

――”ダイジョウブ”って言われると、自分を肯定された気がして安心もしますからね。デビュー曲は、ずっと歌い続ける曲にもなると思うので、これからも大切にしてください。

山口「私は「#キズナプラス」が好きです。この曲は原宿の竹下通りとコラボ(竹下通り2020公式イメージソング)させていただいたものなんですけど、私は九州に住んでいたので、竹下通りってテレビで見る世界だったんですね。その場所を自分たちの曲で染める日が来るなんて、昔の自分には考えられないことでしたから。それにこの楽曲ではTGC(東京ガールズコレクション)にも出させていただいた。そういういろいろな思い出があるのが「#キズナプラス」なんです」

――実際、初めて竹下通りに行ったときは、どんな気持ちになりましたか?

山口「上京したとき(原田)都愛に連れて行ってもらったんですけど、歌詞に<甘いキャンディーの香り>ってある通りの場所でした。若者の聖地みたいな感じだったので、最初に行ったときは楽しすぎましたね(笑)」

――Girls²は、2019年6月に「ダイジョウブ」でデビューしたわけですが、encoreには今回が初登場。そこでちょっと基本的なことにはなるんですけど、グループの特徴や武器だと思うものを教えていただけますか?

鶴屋「他のガールズグループと大きく違うのは、全員がテレビ東京系特撮実写ドラマ『ガールズ×戦士シリーズ』に主演したメンバーだということ。だから、みんな1回は変身したことがあるし、世界のために戦ったことがあるんです(笑)。そして、それがゆえに応援してくださる方には小学生やその親御さん、おじいちゃんおばあちゃんが多くいらっしゃる。そこが歌って踊れるガールズグループとは違う私たちの特徴だと思いますし、ずっと大切にしていきたい部分でもありますね」

――全員が正義の味方なグループって、他にないですもんね!

隅谷「それに全員がドラマ出身なので9人とも演技が出来ますし、歌とダンスも出来る。そこも強みだと思います。ダンスも本格的にやってきていたので、パフォーマンス面も武器になっていると思います」

山口「メンバー9人、誰ひとり顔も似てないし、性格も似ていないっていうところが、私はすごくいいんじゃないかなって思います。バラバラだからこそ面白いし、9人全員を推したくなる。実際Girls²のファンには“推しを決められない”って言って、箱推ししてくださる方も多いんです。そういう部分も武器なんじゃないかと思いますね」

――山口さん自身も個性的なメンバーに囲まれていることが、楽しかったり、刺激になったりしていますか?

山口「そうですね。百花なんて、特技に“階段の早降り”って書いているんですよ(笑)。そういう子がひとりいることが、本当にGirls²を面白くしていると思いますから」

鶴屋「深みが出るんだよね(笑)」

山口「そう!(笑)しかも、百花が言うから面白いんです。私自身もメンバーに対してすごいなって思うことがあるので、本当に刺激を受けていますね」

鶴屋「それにひとりひとりのタイプが全然違うからかもしれないですけど、9人全員仲がいいんです。だから、楽しいですし、団結力もあると思いますね。もう家族みたいなので」

――この3人でいうと、「人人人生紹介ソング」に<深い歌声>とあるように、隅谷さんは歌が武器なんでしょうか?

隅谷「自分ではよくわからないんですけど…」

鶴屋&山口「武器です!」

隅谷「でも、歌が大好きなことは間違いないです。そのぶん、自分の歌で人の心を動かしたいという思いはあって。だから「人人人生紹介ソング」の歌詞にある<感動を届けたい>っていうのは合っていますね」

――デビューから2年半が経ち、みなさんも少し大人になりました。自分自身の中でも、”成長したな”とか、”変わったな”と思うところはありますか?

隅谷「全体的に考え方が大人になったと思います。前は、ちっちゃなことですぐイライラして、それが顔や行動に出ちゃっていたので」

――行動!?(笑)

隅谷「例えば、床をドンドン踏んだり(笑)」

山口「赤ちゃん?(笑)」

隅谷「だから、周りの子も不機嫌だなって気づくんですよ。そのせいでちょっと雰囲気が悪くなったりしていたんですけど、最近はそういう自分の感情をコントロールできるようになってきて。その結果、人との接し方もよくなったんじゃないかと思います」

鶴屋「私は中学2年生で上京してきて、中学3年生でデビューしたんですね。だからこそ、友だちと同じように学校に行けなかったりしたとき、自分でやりたい仕事なのに嫌になっちゃうことがあったんです。でも、高3になった今、好きなことを仕事に出来ているのって、すごくありがたいなって思うんですよ。そう思えるようになったことで、今は仕事に対して本気で向き合えている。それは成長した部分だと思いますね」

――高3だったら、周りのお友だちは進路を考える時期ですしね。

鶴屋「そうなんです。でも、自分はもう進路で迷うことはない。今の環境で頑張ればいいんです。それは自分でつかみ取ったことではあるんですけど、好きなことを仕事にできるのは幸せなことでもありますね」

山口「私はダンスや歌、自分の見せ方といった表現力が、デビュー当時と比べてだいぶ成長したと思います。昔はダンスは頭を振っていれば大丈夫だと思っていたんですよ(笑)」

――頭を振っていれば?(笑)

山口「大きく見せるために、とりあえず頭を振っていればうまく見えるって(笑)。キッズのときって、ダンスが激しいと褒められるっていうのがありましたし(笑)、私は小柄なので、昔から大きく踊ることを意識していたのもありましたから。だから、デビュー当時のダンスを見ると、私だけ激しく踊りすぎて、ちょっと浮いているんですよ(笑)。でも、今はそれを自分で調節できるようになりました。それにステージに立たせていただく回数もすごく増えたので、ファンのみなさんに対するアプローチの仕方もいろいろ出来るようになりましたし、ドラマだったら、カメラに自分がどう映っているかもわかるようになってきた。そういう表現力の引き出しは、だいぶ多くなったんじゃないかと思います」

――では、このアルバムでスタートする今年は、どんな1年にしたいですか?

隅谷「Girls²としては、やっぱりもっと高みを目指したいですし、たぶんみなさんに直接パフォーマンスをお届け出来る機会も昨年よりは増えると思うので、それを自分たちとしても楽しみにしていますね。個人としては、ステイホーム期間中から語学に興味を持っていたんですよ。だから、まずは英語をしゃべれるようになったらなって思っています」

鶴屋「昨年ホールツアーはすることが出来たんですけど、次のステップとしてはアリーナツアーだと思うんですね。アリーナツアーは、私たちの目標。だから、その目標に近づけるような1年にしたいと思っていますし、自分たちが今まで吸収してきたたくさんのことを出せる年にしたいとも思っているので、昨年以上にいろいろな面で露出も増やしたいです」

――個人的にやりたいことはありますか?

鶴屋「私、2021年に髪を切ったんですね。それから髪の色を変えたりしていたら、すごくファッションが好きになって。今、インスタでもメンバーそれぞれが投稿をしているんですけど、それで凝ったことをするのがすごく楽しいんです。だから、ファッショナブルな一面を磨いていけたらなとも思っていますね」

山口「本当にすごいんですよ! 金髪になってから、日に日に自信に満ち溢れて行っていて。私は福岡時代からスクールが一緒でずっと知っているので、今の美咲を見ると人が違うなって思いますね(笑)。めちゃくちゃオシャレになったのをメンバーでも感じるので、ビックリするくらい変わったと思います」

――では、そんな山口さんの2022年の目標を教えてください。

山口「さっき美咲も露出を増やしたいって言っていましたけど、私も地上波の音楽番組などにGirls²で出たいなっていう思いが強いですね。そうすることで、今まで応援してくださっていた方はもちろん、新しいファンの方も楽しませることができたらいいなと思いますから。そして個人としては、モデルやタレント業に興味があるんですよ。だから、CMとかもできたらいいなって」

――そういえば「人人人生紹介ソング」にも<未来のCM女王かも>ってありましたもんね。

山口「それは自分がそういうふうになりたい思いがあったので、アンケートに書いたんです。そしたら作家さんが使ってくれたので、言ったことは実現させたいっていう気持ちですね。だから、個人の仕事も頑張りつつ、Girls²としてもさらに高みを目指していきたいと思います!」

(おわり)

取材・文/高橋栄理子
写真/中村功

Girls²『We are Girls²』

2022年112日(水)発売
初回限定ダンス盤
CD+Blu-ray/AICL-416941705,800円(税込)
CD+DVD/AICL-417341745,800円(税込)
Sony Music Associated Records

Girls²『We are Girls²』

2022年112日(水)発売
初回限定ライブ盤
CD+Blu-ray/AICL-417141725,800円(税込)
CD+DVD/AICL-417541765,800円(税込)
Sony Music Associated Records

Girls²『We are Girls²』

2022年112日(水)発売
通常盤
CD/AICL-41773,300円(税込)
Sony Music Associated Records

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