いい歌でありさえすれば必ずヒットする。
これが歌の本来あるべき姿です。しかし、現実は強力なタイアップが付いていなければ売れない時代です。いかがなものか?と思います。この風潮に私はあえてアンチテーゼを投げかけたい。いい歌は売れるべきだし、たくさんの人たちに聴いてもらいたい。そんな“音楽愛”が私のポリシーです。
こんないい歌、聴かなきゃ損!
今回は花耶さんの「白馬の王子と薔薇色の私」を紹介します。
花耶さんは一青窈さんが「ホーリーボイス(神聖な歌声)」と絶賛するすごいボーカリストです。声質のことを「声のルックス」と私は呼んでいますが、「声のルックス」が美人なほど注目度は高いというわけです。そして次のポイントは「ハートへの侵食度」。いい曲、イコール、いい歌ではありません。いい曲はそれを歌うのにふさわしい素晴らしいボーカリストに歌われてこそ“いい歌”になり、たくさんの人たちの心を打つのです。
これは私の持論ですが、さらに突っ込むと、素晴らしいボーカリストはいい曲にめぐり逢えてこそ、その本領を発揮して“いい歌”を創造し、たくさんのユーザーの心をキャッチすることができるのです。その意味では、花耶さんは「声のルックスが美人」と「ハートへの侵食度」を共に備えています。こんなすごいボーカリストはいないのではないでしょうか。しかも、今回のデビュー曲は名曲「ハナミズキ」を作りあげた一青窈(作詞)、マシコタツロウ(作曲)、武部聡志(編曲)のゴールデントリオによる作品です。20歳のはかなさが残るが芯の強い透き通る歌声を持つ花耶さんが、「いい曲」を「いい歌」に見事なまでに昇華させています。どう化けるか楽しみな新人です。
花耶、話題の「ホーリーボイス」の真髄
ということで、今回のゲストは花耶さんです。話題の「ホーリーボイス」の真髄にせまっていきたいと思います。
デビュー曲に続いて、7月13日にデジタル配信されたのが「恋が終わる音」です。これまた花耶さんならではの独創的なラブソングです。これを聴いて私はこんなふうに考えてみました。
花耶さんは一青窈さんが「ホーリーボイス」(神聖な歌声)と絶賛するすごいボーカリストです。〈THEカラオケ★バトル〉(テレビ東京系)でその実力の程を見たことのある人はたくさんいると思いますが、なんといっても一青窈さんが絶賛する「声質」の良さがいい。透明感のある気品の高い歌声はまさにホーリーボイスにふさわしい気高さがあります。加えて瞬時にハートを鷲づかみにしてしまう「侵食度」の強さは「心の琴線」に触れる何かがあるということです。
カラオケ★バトルを見ていて思うことは、花耶さんはバランスがいいということ。歌は難しい。音楽など芸術は数字が絶対ではないからです。カラオケで100点を取ったからといって売れる保障はありません。逆に点数が低い方が大ヒット曲になることもあります。だとしたら歌の価値観はどこにあるのか?それは心の琴線に触れる「何か」というしかありません。
さて花耶さんですが、彼女には100点を取れる程の歌唱力があります。そしてなおかつ心の琴線に触れる何かもあります。「歌唱力」と「心の琴線」を合わせ持つボーカリストは正直なところほとんど皆無です。待望の新曲「恋が終わる音」、あなたが採点してみて下さい。
花耶さんは歌が上手いだけではなく、「心の琴線」に触れる何かを持っています。これこそ彼女の最強の武器ですが、正直言って、これは彼女が努力をして編み出したものです。いわばこれぞ「ホーリーボイス」の真髄ということになりますが、今回のインタビューでそれが何かわかったような気がしています。〈radio encore〉ぜひ聴いてみて下さい。花耶さんがなぜ「ホーリーボイス」と呼ばれるのか?その真髄に触れたとき花耶さんはベスト・シンガーであることがわかるはずです。
radio encore「Age Free Music 富澤一誠のこんないい歌、聴かなきゃ損! 」第7回 花耶さん
【Official】花耶 『白馬の王子と薔薇色の私』
花耶 Profile
透き通るピュアな歌声を持つ南アルプス生まれのホーリーボイス『花耶』(かや)。
5歳からピアノを初め、9歳で『カワイうたのコンクール関東大会』で金賞を獲得し幼少の頃から本格的に歌手の道を目指しはじめる。中学3年生で童謡歌唱日本一を競うコンテスト『第31回全国童謡こどもの歌コンクール 大人部門グランプリ大会』で金賞を獲得する。その後、甲斐清和高等学校の音楽科に特待生として進学。高校2年生で『NHK「のど自慢」山梨県大会』でチャンピオンに輝き、『NHK「のど自慢」チャンピオン大会』に出場し、それをキッカケに事務所からスカウト。同年「テレビ朝日『音楽チャンプ』~歌うま日本一決定戦~」で見事日本一に輝く。そしてこの度、作詞で関わった一青窈が、人の心に沁み入り浄化されて行くような神聖な歌声と称賛し『ホーリーボイス』と名付ける。テレビ東京「THEカラオケ★バトル」で彼女の歌声を聴いた柳原可奈子が思わず涙を流し、世界的シンガーのジャニス・イアンもその歌声に惚れ込んだ。
彼女のYouTube関連動画の総再生回数が200万回を超える大注目のネクストブレイクアーティスト。
花耶 1stアルバム「Bouquet 」2022年12月7日 発売
ジャニスイアンによる書下ろし5曲・6トラックとデビュー曲「白馬の王子と薔薇色の私」、配信シングル「恋が終わる音」、その他全11曲を収録。
豪華作家陣と一流ミュージシャンが花耶の歌唱に惚れ込み集結。ジャニスイアン・前田たかひろ・一青窈・マシコタツロウ・ヤマダヒロシ・松本俊明・こさかりょうこ・武部聡志・森俊之・河野伸・柳沢二三男などベテランと新鋭の感性が織りなすサウンドとホーリーボイス花耶のマリアージュは、世代を超えて楽しむことができるアート・エンタテインメントミュージックといえる。
ホーリーボイスを駆使した「歌うことだけでメッセージになるシンガー」花耶のパフォーマンスを堪能できる一枚。
富澤一誠
1951年、長野県須坂市生まれ。70年、東大文Ⅲ入学。71年、在学中に音楽雑誌への投稿を機に音楽評論家として活動開始し、Jポップ専門の評論家として50年のキャリアを持つ。レコード大賞審査員、同アルバム賞委員長、同常任実行委員、日本作詩大賞審査委員長を歴任し、現在尚美学園大学副学長及び尚美ミュージックカレッジ専門学校客員教授なども務めている。また「わかり易いキャッチコピーを駆使して音楽を語る音楽評論家」としてラジオ・パーソナリティー、テレビ・コメンテーターとしても活躍中。現在FM NACK5〈Age Free Music!〉(毎週木曜日24時から25時オンエア)、InterFM〈富澤一誠のAge Free Music~大人の音楽〉(毎月最終水曜日25時から26時オンエア)パーソナリティー。また「松山千春・さすらいの青春」「さだまさし・終りなき夢」「俺の井上陽水」「フォーク名曲事典300曲」「『こころの旅』を歌いながら」「私の青春四小節~音楽を熱く語る!」など著書多数。
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