――これまでも配信での曲をリリースしていますが、「Side To Side」は、これまでにないダンスチューンとなりましたね。

「これまでに3曲発表させていただいているんですが、どれもミディアムなヒップホップだったんです。だから、今回「Side To Side」を頂いたときはすごくビックリしました。実は、僕のルーツミュージックはAAAさんなので、ポップなダンスチューンが大好きなんですよね。もちろん、これまでの3曲も大好きなんですが、“挑戦してみたいのは「Side To Side」のような楽曲なんです“と伝えていなかったので、今回、満を持してこの楽曲を歌うことが出来て、すごく嬉しかったです」

――リリックは酒寄さんが担当されていますが、もともと作詞はよくされていたんですか?

「歌詞を書くことはあまり得意ではないんですが、日記を書くのはすごく好きなんです。頭で考えていることを言葉にすることはよくやっていました」

――本格的な歌手デビューを迎えるに向けて、自然と準備をしていたのかもしれないですね。

「そうだと、嬉しいですね。あとは、もともと音域があまり広くないので、歌を練習して、高音が出せるように研究をしていました」

――どのような練習をすると、高音が出せるようになるんですか?

「それが、“高い音をずっと出す”という単純な方法なんです。というのも、普段の声と高音を行き来すると、喉が慣れて音域が広がるらしいんです。だから、女性シンガーの歌を頑張って歌うようにして、徐々に広げています」

――どの曲をよく歌っているんですか?

May.Jさんの「粉雪」をよく歌っています。原曲はレミオロメンさんなんですが、それを知らずにMay.Jさんがカバーした曲に感動して練習していて。でも、もともとキーが高い原曲よりもさらにキーが高いMay J.さんの「粉雪」を歌うことによって、さらに厳しい練習になっていたようで驚きました(笑)」

――あはは。

「今もあまり歌えるわけではないんですが、徐々に歌えるようになるのが楽しいですし、嬉しいですね」

――これまでに、お芝居やバラエティ番組などにも出演されていますが、そこで得たものも音楽活動にいい影響が出ているのではないでしょうか?

「そうですね。演技レッスンを受けて、より歌に対して、“どうしてこの感情になるのか?”ということを考えるようになりました。この主人公は、振られて悲しい想いをしているけれど、それは何があって、どんな原因で振られてしまったんだろう?ってところまで考えるようになりました」

――それは大きな変化ですよね。

「そうですね。ただ自分ではそれをきっかけになにか大きく“変わったな”と思うことはないんですが、レコーディングした音源をお母さんに聴いてもらった時に、“変わったね”と言われることも増えたんです。というのも、これまでは“言葉が軽かった”って言われていたんですよ。でも、最近は“ちゃんと言葉に内容が入って来ている”と言われて、すごく嬉しかったですね」

――より、歌を届けたいという気持ちがにじみ出てきているのかもしれないですね。

「そうだと嬉しいですね。僕は、西島隆弘さんの歌が大好きなんです。西島さんの歌って、気持ちがずっしりと入っているからこそ、すごく重いんですよね。僕にとっての憧れの存在なので、ちょっとずつ近づけているのかなって思っています」

――歌い始めたからこそ、より西島さんのいいところも感じましたか?

「感じました!“この歌声になるまで、どのくらいかかるんだろう?”って驚愕したんです。今までは聴いているだけだったから“すごいな”って思っていたんですが、自分で歌ってみると、“こういうことを考えながら歌っているんだ”、“こういう細かい所にもアクセントをつけているんだ”と、あらためてそのすごさを感じるようになったんです。今まで以上に歌うことが難しくなりましたが、その分、楽しくもなりました!」

――西島さんにはお会いできましたか?

「お会いしてないですね。会いたくない気持ちもあって(笑)僕にとっては神様のような存在なんですよ」

――あはは。でも、会う機会はありそうですよね。そしたら、どんなことを伝えたいですか?

「僕、生まれて初めてライブに行ったのが西島さんのライブだったんです。その時に、本当に楽しかったんですよね。たとえ全部の曲を知らなくても、楽しませてくれるくらいの力を持っていて、ものすごく魅力的だと思い、一気に惹きこまれたんです。だから、もし会うことができたとしても、何も話せないと思います(笑)」

――その時の報告を聞けるのを楽しみにしていますね(笑)。

――さて、「Side To Side」では、ダンスパフォーマンスも披露していますが、もとからダンスは習っていたんですか?

「いや、やっていなかったんです。小さなころはサッカーひと筋だったので、この数年で練習するようになりました」

――そうなんですね!ご自身のパフォーマンスの魅力はどこにあると思いますか?

「僕、しっかりしていないように見られるんですが(笑)、スイッチが入ったら真剣にやるタイプで、“ガラッとかわる”って言われるんです。そこが魅力なので、ぜひパフォーマンスを見てもらいたいですね」

――ダンスだからこそ表現できることもありますよね。

「そう思います。体の角度ひとつで、カッコいいかどうかが決まるんです。僕、細かいことってすごく苦手なんですけど、それを極めることでより素敵になるので、頑張りたいですね」

――今回のMVで見て欲しいところはどんなところですか?

「今回は表情を見てもらいたいです。表情管理もすごく頑張ったんですよ」

――注目しておきますね。

――この曲を聴いた人たちに、どんなことを感じてもらえたら嬉しいですか?

「この曲はぜひライブで聞いてもらいたいですね。曲自体、かなり盛り上がれるものになっているんです。絶対に盛り上がりながら聴いた方が楽しいので、ライブでみなさんのまえで披露するのがすごく楽しみです」

――これまでライブの経験はあるのでしょうか?

「それが、ワンマンライブの経験はないんです。今からワンマンライブがきることを楽しみにしています」

――メッセージとしては、どんなことが伝わったら嬉しいですか?

「サビ終わりに<きっとTaking us high>というフレーズがあるんです。そこがすごく好きですね。実は、このフレーズをかなり練習したんですよ。だから、そこはぜひ聴いてもらいたいですね。それに、自分で聴くだけでもかなりテンションが上がるので、元気がない時は特効薬になると思います。さらに、この曲は好きな人に対する歌ではあるんですが、いろんな捉え方ができると思うので、それぞれ聴いたときの印象を大事にしてもらいたいですね」

――これからも歌詞はずっと書き続けていきたいですか?

「そうですね。聴いた人が限定されるような歌詞は書きたくないんです。いろんな考え方ができる歌詞を書いてきたいんですよね。そのために、最初に言ったように日記をつけているんです。そこにはその日1日あったことを書くだけなんですが、読み返すと面白いんですよ」

――昨日はどんなことを書いたんですか?

「昨日は、お祭りがあったので、金魚を獲ったことを書きました(笑)。その日常的なことも、いつか歌詞を書く時の助けになったらいいなと思っています」

――では、プライベートな酒寄さんのこともお聞きしたいのですが、友だちからはどんなタイプだと言われますか?

「よく、自分のペースで動いているねって言われます(笑)」

――マイペースなんですね。

「すごく(笑)。以前は他の人のことを考えすぎて、ひっぱられてイヤになっちゃうことが多かったんですが、それは絶対に良くないことだと思ったんですよね。それからは性格がガラッと変わって、自分のペースをちゃんと守ろうと思うようになりました」

――それは中学生くらいの時ですか?

「はい。中3、高1くらいかな」

――なかなか切り替えるのは難しいと思うのですが、どのように変化していったのでしょうか。

「ある日、11回、何も考えずに、自分のために動いて、生きてみようと思ったんです。そしたら、すごくラクで、楽しかったんですよ。それからは意識的にそうするようにしていたんですが、今は自然にそういう性格になってしまいました(笑)。ただ、このマイペースさは、仕事をやっていくにつれて、あまりいいことではないのかな?と思うこともあるんです。いまは10代なので許されている部分もあると思うので、直しつつ、これからはちゃんと視野も広げつつ行動していかなくちゃいけないなと思っています」

――そんな酒寄さんは、ビックタイトルであるミュージカル『テニスの王子様』への出演が決まったんですよね。いまはどんな心境ですか?

「すごく楽しみです。初めての舞台ですし、ミュージカルになるので、緊張や心配はたくさんありますが、決まったからには頑張るしかないので、人一倍努力しなくちゃなと思っています」

――もともとミュージカルに興味があったんですか?

「実は、ミュージカルに対して苦手意識があったんです。でも、ミュージカル『テニスの王子様』を見て、本当に楽しくて、“僕もやってみたい!”って思った事が実現するのでとてもうれしいです」

――どんな要素が苦手だったんですか?

「ミュージカルって、マイクがないと思っていたんですよ」

――!?

「そしたら、マイクがちゃんとあって、安心したんです」

――地声じゃないんだって思って安心したんですか!?

「はい(笑)。僕、もともと声が小さいので後ろの座席まで声が届かないから無理だ…と思っていて。それで最初は“イヤです”って言っていて」

――ものすごい天然エピソードですね!(笑)

「あはは。でも、実際に見たらマイクがついていて、“これならできる!”って思ったんです(笑)。もちろん、セリフを覚えられるかな?とか、心配事はまだまだありますが、最大の不安が取れたら一気に楽しみになってきたんです」

――演じる“日吉若”という役に関しては、どんな印象を持ちましたか?

「僕が演じる日吉若は、冷静沈着なんです。でも、僕は真反対の人間なので、ある意味楽しみですね。まったく違うタイプの人を演じることってすごく勉強になると思うので、いまからワクワクしています」

――あはは。では、ミュージカルも楽しみにしていますね。今後はどんなお仕事をやっていきたいですか?

「今後は映像のお芝居もしてみたいですね。あとは、小さな頃から仮面ライダーが大好きだったので、特撮モノにも挑戦したいです」

――アーティストとしては、どんな成長をしていきたいですか?

「いろんな感情を歌っていきたいですね。誰か一人にむけてではなく、いろんな捉え方ができて、いろんな人が感動するような歌を歌えるアーティストになりたいです。そのために、いろんな経験をしていけたらいいなと思っています」

(おわり)

取材・文/吉田可奈
写真/中村功

Coming Soon
酒寄楓太 × radio encore――インタビューアフタートーク

RELEASE INFORMATION

酒寄楓太「Side To Side」

2022年1214日(水)発売
CD+ブックレット[初回生産限定盤]XNRR-100263,000円(税込)
RISING RECORDS

酒寄楓太「Side To Side」

2022年1214日(水)発売
CD+Blu-ray/XNRR-10025/B/2,000円(税込)
RISING RECORDS

酒寄楓太「Side To Side」

2022年1214日(水)発売
CD/XNRR-10024 /1,200円(税込)
RISING RECORDS

INFORMATION

ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学vs氷帝 (日吉 若 役)

【公演日程】
・東京公演 202317()~115() TACHIKAWA STAGE GARDEN
・大阪公演 2023120()~129() メルパルクホール大阪
・福岡公演 202323()~25() キャナルシティ劇場
・岐阜公演 2023217()~219() 土岐市文化プラザ サンホール
・東京凱旋公演 2023225()~35() TOKYO DOME CITY HALL

ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学vs氷帝

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