木下百花「悪い友達」インタビュー――好きな音楽と向き合ってレコチョク×USEN「OTORAKU -音・楽-」SPECIAL

──聴いた人は、自分にとっての“悪い友達”ってどんな人だろうと考えたりするんじゃないかと思います。

「そんなふうに、自分に当てはめて聴いてくれたらうれしいです。私のファンは、私と同世代とかもう少し下の女の子が多いので、悪い友達に惹かれやすい時期なんじゃないかなと思うし（笑）。自分に当てはめて聴けば、いろいろと想像しやすいとも思いますから」

──柴田さんとは、“悪い友達”についてどんな話を？

「それが、そのときはそこまで深く話せなかったです。ただ、悪い友達というか、悪そうな人たちって刺激がありそうとか、自分にないものを持ってて楽しそうと勘違いしがちやけど、結局そういう人は相手を悪い方向に引っ張って、自分で勝手にぶっ壊れて、こっちのことを取り残すよねって話はしました（笑）。だから、歌詞に＜一人ぼっちにしちゃうから＞というフレーズが入ってるんですけど」

──今、「いつもだったら……」という言葉がありましたけど、それが変化したきっかけって？

「前作の「えっちなこと」をノーナ・リーヴスの奥田健介さんに編曲していただいたんですけど、その時に初めて気づくことや学ぶことがすごくあったんです。それ以前は自分が思うように全部をやっているというか、どういう人が聴くかも考えずに、自分が聴きたい音楽だけを考えて作っていて。歌も自分の好きな歌い方で歌うし、楽器も好きなように弾いていたし、曲の構成も自分勝手にやっていました。でも、奥田さんがアレンジしていく過程を間近で見て、それまでの私のやり方は違っていたのかもしれないなと気づいたんです。それから、あらためて自分の好きな音楽と向き合うようになったし、私の歌を聴いてくれる人たちのことも考えるようになりました。昔は、まったく気にしてなかったんですけどね。大衆に受けるとか、毛嫌いしてましたから（笑）。いや、そんなの知らんし！って（笑）」

──今回は、レコチョク×USENの店舗用BGMアプリ「OTORAKU-音・楽-」の中で、オリジナルプレイリストを作成していただきました。どんなテーマで選曲されたんでしょうか？

「テーマは、“夜、部屋で一人で聴く音楽”です。実際の私も、夜は一人で音楽を聴いて過ごしていることが多いですね。外出しているときも、基本的には常に音楽を聴いているタイプなんですけど」

──かなりコアなアーティストが並んでいるなと思いますが、例えばこのプレイリストがどこか自分の部屋以外のシチュエーションで流れているとしたら？

「私は雑貨屋さんが好きなんですけど、都内の雑貨屋さんでこのプレイリストが流れていたら、すごくうれしい気持ちになって、そのお店にさらに興味を持つと思います。どんな人が選曲しているんだろうって、そんなところも気になって」

──振り返らないということは、逆に先のことは考えている？

「どうだろう？考えているのかな……でも、先の予定がないと嫌になっちゃいますね。やることが決まっていなかったり、どんな活動をするのかわかってないと、不安になっているのかもしれないです。曲作りやライブは自分にとって発散だから、それができなかったり予定がないと、”イーッ！“ってなっちゃう（笑）」

──動物園が好きなのは、ちょっと意外でした。

「怖がられることが多いですけど、そんなことないですから（笑）。だから、2022年はより“木下百花は怖くないよ！とにかく笑顔だよ！”っていうことが広まっていくといいですね。もっといろんな人に知ってもらって、楽しんでもらいたいです」

──今後、ライブで共演してみたいアーティストはいますか？

「奇妙礼太郎さんとか、眉村ちあきちゃんとか。眉村ちゃんは、1回だけトークイベントで一緒になったことはあるんですけど、ライブでの共演となるとまだないので。あと、共演とかじゃなくてただの願望なんですけど、マック・デマルコを日本に呼びたい！（笑）」

（おわり）

取材・文／大久保和則
写真／平野哲郎