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──5月26日にリリースされるニューシングル「ディスタンス」は、まさにコロナ禍にあったからこそ生まれた楽曲が詰まっているとのことですが、みなさんはこのコロナ禍でどんなことを考えましたか?
山村隆太「人と人との距離をすごく考えさせられましたね。大切な人と会えないことで、自分はすごくそれに支えられてきたんだなと感じるところがあって。逆に一人って楽しいなって思うところもあったんですけどね。だけど、自分らしさとか、自分の好きなことを一人で突き詰めれば突き詰めるほど、"自分はこんなことがやりたかったんだっけ?"みたいな矛盾を感じることもあって。やっぱり人に会ってこそ、自分というものを鏡で確認できる、みたいな感覚があるなと思いました。一人は楽だけど、それはそれで寂しいな、と」
尼川元気「僕たちは数年前に活動を休んでたので、自分たちのこれからについてはその頃に一番考えたかな。今はみんなにもそういう時がきているのかなって思ったりします。今はしんどいとか、そういうことはないのですが、ライブの不完全燃焼感はありますね」
山村「休み慣れしてるってこと?(笑)」
尼川「うん、休み慣れしてる(笑)。なので、しんどいとか、そういうことはそんなになかったですね、ライブの不完全燃焼感ぐらいで」
阪井一生「ライブは難しいですね。何を言ってもスベったようになるし。なかなか慣れないです」
小倉誠司「僕はしんどいって思いましたね。ツアーも回ってるんで、情勢を知っておかなきゃいけないから、毎日のようにテレビを見てたんですけど、情報が日に日に変わったりするじゃないですか。そういうのを目にするのもちょっとしんどいなと思ったりして。それで、テレビはつけるんだけど、音を消して、ラジオを聴くことが多くなりました」
尼川「なんでテレビをつけてミュートにするの?」
小倉「目に入ってくる情報だけほしいなって思って。感染者が何人だとか、そういう耳から入る情報がしんどくなって。ラジオだとパーソナルな部分に触れられるじゃないですか。同じように人がしゃべっている感じでも、テレビよりラジオの方が人の温もりを感じられるというか、なんか落ち着くんですよね。やっぱりそういう温かさを求めていたんだなと思ったし、それこそ人に会いたいなあとか、そういうことを強く思うようになりましたね」
──そんな中で完成した「ディスタンス」には、どんな思いが込められているのでしょうか?
阪井「曲に関しては、先にできていた「フリーズ」が、良くも悪くも今までのflumpoolらしいなと思ったので、もっと攻めたものを作りたいと思ったんですよ。それで、アルバムでも一緒に作ったUTAさんとコライトで作っていきました。なので、ヴォーカル以外はレコーディングをしてなくて、全部打ち込みで構成した曲なんです」
山村「僕は「フリーズ」が表題曲になるのかなと思っていたんですよ。やっぱり変化の多い時代の中では、人の心って変化球より安定を求めると思ったので。だから、どっちかというと自分たちの今までやってきた、骨格に近いような「フリーズ」みたいな曲の方が受け入れられるんじゃないかなっていう気持ちもあったんですけど、逆にコロナ以前と以後とで何か変化していかなきゃいけないという気持ちもあって。バンドとしても復帰をして、次にどういうものになっていくのか、もがいている時期でもあったので、一生の挑戦心みたいなものを尊重することにしました。自分の引き出しにない=新しさでもあるとは思うんですけど、歌うことも歌詞を書くことも、すごく難しかったですね」
──2曲目の「フリーズ」は、ストリングスも入ったまさにflumpoolらしいロックチューンですが、アニメ「セブンナイツ レボリューション -英雄の継承者-」のオープニング主題歌として書き下ろした楽曲ですね。
阪井「そうです。アニメ制作サイドからあがっていたワードの中に、ストリングスというのもあって、いろんなやり取りを経て、今のバンドっぽい感じになっていった感じです」
尼川「まさに"ザ・flumpool"という曲で、コード進行とかリズム感とか、すごく馴染みのある感じでやりやすかったです」
小倉「スタジオに入って一回練習しただけで体に馴染む感じで(笑)。いい意味で、すっと体に入ってくる感じがありましたね」
──歌詞はどういうところから書いていかれたんですか?
山村「このコロナの中でツアーを回っていることもあって、世の中の目というものを僕たち自身もすごく気にしていたというのもあるし、みなさんもいろんな人の目を気にしながら生きていた一年だと思うんですよ。でも、人の目を気にしすぎるあまりに見失うものもあるんじゃないかなと思っていて。この状況の中で自分がやりたいこととか、伝えたいことも飲み込んでしまっているんじゃないかと思ったんです。でも、時代が変わっていくことや周りに飲み込まれずに、自分の力で何かのために動き出していくことも大事なんじゃないかなと思って書きました」
──そして、3曲目の「大丈夫」は山村さんと、アルバムでも参加されていた多保孝一さんとの共作ですね。
山村「そうですね。アルバムの流れもありつつ多保さんと今回もやらせていただきました。去年、大阪でラジオ番組をやらせてもらってたんですけど、そこでコロナ禍におけるいろんな人のメッセージを聞く中で、自分でもその想いを曲に落とせたらいいなと思って書きました。その番組の中で、リスナーの方にメロディを聴いてもらって、集まった言葉を歌詞にしていきました。やっぱり、同じ空間で同じ場所で同じものを共有するって、すごく安心することだなと思って。「大丈夫」というタイトルも、リスナーの方の言葉の中からつけました」
阪井「この曲はカントリーで使われるようなチューニングを使っているので、すごい難しいんですよ」
──ギターのフレーズなんかもお任せだったんですか?
阪井「そうです。完全に多保さんにお任せして、山村と二人の世界で作ってもらったんです。それでできあがったのを聴いて"なんやこれ!"と」
尼川「チューニングも変やし(笑)」
阪井「そうそう(笑)。めっちゃ難しかったです」
尼川「ベースは普通にレギュラーチューンで、構成もすごいシンプルだったので、すごい簡単だったんですよ」
小倉「ドラムは、個人的にはやりづらいところもありましたね。多保さんらしい、ドラマーじゃない人のドラムフレーズだったので。でも、ライブでやってみるとアンサンブルとしてすごい気持ちがいいんですよね」
──そして、今回はflumpoolのみなさんにレコチョク×USENの協業でスタートした店舗用BGMアプリ「OTORAKU -音・楽-」の中で、「空間の音楽 by flumpool――夏の夜のカフェで聴きたくなる曲」というテーマでオリジナルプレイリストを作成していただきました。それぞれどんなイメージでセレクトされましたか?
尼川「最初、カフェっていうことを考えてなくて、家の中で夜に聴く音楽ということでトリップ系のイメージで選曲してたんですよ。でもよく見たら、カフェで流れるっていうことだったので、方向性を変えて、ちょっと明るめの曲を足しました」
──普段からよく聴いてるような音楽の中からセレクトされたんですか?
尼川「そうですね。ずっと好きな曲から選んだんで、特に最新の曲なわけでもないし、目新しいものは特に入ってないです(笑)」
山村「僕は、夏とはいえ、"その頃コロナはどうなってるのかな?"っていうのもあったので、時短制限がかかってるとして、まだちょっと明るめではあるけど、みんなで大声で騒ぐみたいな感じでもない、と思ったんです。だから、UK寄りで湿度のある感じというか。だけど暗すぎない、前向きで心を明るくしてくれるような感じの曲が多くなってると思います」
──どんなカフェをイメージしましたか?
山村「キラキラしていそうな、海辺のカフェのイメージですね」
阪井「僕は全部新しめの曲で選びました。トラック的には、さっき山村が言った湿気感じゃないですけど、そういう湿度も感じつつ、若い感じでまとめました。あと、80年代のオマージュみたいな感じの曲も流行ってるので、どこか懐かしさもあったり、思い出に浸れそうな感じの曲を選びました」
──何を飲みながら聴きたいですか?
阪井「ソルティ・ドッグ」
山村「ハハハハ。知らんやろ、絶対!そんなん飲んでるの見たことない」
──小倉さんはいかがですか?
小倉「僕はどっちかというと夏の終わりみたいな感じで」
山村「先取りの先取りやな(笑)」
小倉「夏って、昼間は海に行ったりしてワチャワチャと遊ぶじゃないですか。歳のせいなのか、そういう楽しい時間もありつつ、夜はゆっくりしたいなと思ってて。昼間遊び疲れて、夜は癒されたい(笑)。なので、大人なイメージの、優しい曲が多くなりました。癒されたいんですね」
阪井「誠司の選曲は一番わかりやすい。山村のもわかりやすいけど」
──普段、家や車ではどんな音楽を聴かれているんですか?
山村「家だとノラ・ジョーンズとかを聴いてます」
阪井「めっちゃ癒されてるやん」
山村「そう。女性ヴォーカルものの方が多いです。スローミュージックとか、ジャズとか、ピアノとヴォーカルとか、そういう癒しの曲が多いですね」
小倉「僕は家ではあんまり音楽を聴かないんですよ。移動中かランニングする時ぐらい。ランニングする時はプレイリストを作って聴いてるんですが、ACIDMANとか米津さんとかアニソンとか、今回セレクトしたリストとほぼ変わらないです。基本的には邦楽が多いです。昔から日本語の歌詞だったり、日本のメロディだったり、やっぱり歌謡曲が好きなんですよね」
尼川「家では今回作ったプレイリストの曲とあんまり変わらないけど、車ではずっとラジオを聴いてます。あとはアニソンも好きなので、10年分ぐらいのアニソンをシャッフルしてずっと聴いてます」
阪井「僕も今回作ったプレイリストにあげた曲と似たような感じですね。最近の音楽を聴くことが多いです。どちらかというと、ネタ収集みたいな感じで。だから、新しい音楽ばっかり聴いてます」
──カフェやレストランに行った時、お店のBGMを意識されることはありますか?
山村「うん、めっちゃ大事な気がしますよ」
尼川「いやー、意識したことはないなあ。自分が持ってる音楽を聴くんで」
阪井「やめて。この企画的に言ったらあかんやつ」
尼川「自分の中の最高のやつを聴きたくない?」
──尼川さんが思う最高のリストを、まさに今回作ってくれたということですよね(笑)。
山村「BGMって、無意識なところで実はすごく影響を与えてくれていたりしますよね。会話の内容にしても、そういうことを感じる時があります。明るい気持ちになってるなと思ったら、かかってる音楽が明るかったり」。
阪井「わかるわ、それ」
山村「無意識のうちに、けっこうBGMに左右されたりするんですよね。なので、今回僕たちが作ったプレイリストが、ちょっとでもみなさんの力になれたらいいなと思いますので、ぜひ楽しんでいただけたらいいなと思います」
(おわり)
取材・文/大窪由香
写真/平野哲郎
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