今季のコレクションは「絵空事」がテーマで「コントラスト」「まやかし」がキーワードとなっている。

ブルース・ウェーバーが撮影した『MARGARET HOWELL(マーガレットハウエル)A/W 2001』のルックブックと潮田登久子(うしおだとくこ)の『冷蔵庫』という写真集がイメージソースとなった。

真夏の海辺を撮っているイメージを持っていたブルース・ウェーバーが、秋冬のルックブックを撮影しているという違和感に感動し、この感動の正体が「コントラスト」であるという点が今季の出発点となった。

またイミテーションの緑道やイルミネーション、人工の滝など「まやかし」なものから暮らしを彩り、癒されてきた体験から、体を隠し、理想へと近づけるファッションの共通点を見出し、造られたものを肯定するコレクションを展開した。

『冷蔵庫』からは、外は同じに見えても中にその人の個性が表れることと、ユニフォームを着ることを重ね合わせた。

今季のタイトルである「FRIDGES IN THE AIR」は英語の絵空事を意味する「CASTLES IN THE AIR」をもじり、自身のファッション観の一つとなったという「冷蔵庫」を加えて名付けられた。

まさに「絵空事」な王様の肖像画など寓話的なモチーフがセットアップやスキッパーシャツに描かれた。

さらに嘘や騙すといったイメージを持つキツネがオーバーサイズのポロに大きく配置され、その尻尾が前立てへと繋がっている。

ブラウン系のグラデーションや鮮やかなグリーンのワークジャケットが登場し、ユニフォームという画一的な題材でアイデンティティーを示す「コントラスト」が表現されていた。

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