馴染みがありながら幻想的な異国情緒を感じるイメージでコレクションは構築された。脱力的で、かつ過ぎ去った時代や過去の栄光の名残りを孕(はら)んでいる。今季のベースになったのはカリフォルニアの自由奔放なファッションで、蚤の市やスポーツ用品店に並ぶアイテムが取り入れられた。

ラグランスリーブのダブルニットセーター、アスレチックソックス、ビスコースサテンにプリントされたチェッカーやストライプは、あたかも騎手のロッカーから飛び出してきたかのようなデザイン。オーバーサイズのバランスが、アイコニックなアメリカ生地にクチュール界のドラマティカルさを感じさせ、ラグジュアリーなカシミヤのキャミソールは、あえてありふれたボクサーショーツに合わせた。また古着のクラシックなスリークォーターコートを裏返しに着て、無造作に貴重なものを身につけるという独創的なアイデアも採用されている。

チノパンツやスウェットのジョグパンツには同素材のショートパンツをレイヤリングし、ストリートな雰囲気を醸しつつ足元はドレスシューズを合わせた。シャツはショートパンツに、Tシャツはスカートの上に貼り付けられ、まるで体の上に置き忘れたかのように組み立てられた。洋服のベースを置き去りにするような意外性のあるこれらのアイテムたちは、もはや彫刻的でジェンダーという要素は排除された。また今回はメリルが交流のあるスイス人アーティスト、ベニ・ビショフがブルージーンズのコットンキャンバスにペイントブラシで直接「Do Nothing Club(何もしないクラブ)」という言葉を書き入れている。

BRAND INFOMeryll Rogge(メリル ロッゲ)

メリル ロッゲは、ベルギーのヘント近郊を拠点に活動するベルギー人ファッションデザイナー。アントワープ王立芸術アカデミーの学生として、「マーク・ジェイコブス」のクリエイティブスタジオでレディスウェアデザインチームに所属し、キャリアをスタートさせる。ニューヨークで7年間働いた後、自国ベルギーに戻り、「ドリス・ヴァン・ノッテン」のデザインチームに加わる。4年間チーフデザイナーとして、ドリス・ヴァン・ノッテンのウィメンズコレクションに携わる。その後2019年から世界的パンデミックの中、メリルは自身のブランドを立ち上げた。メンズウェアのコンテンポラリーなシンプルさと、イブニングウェアの洗練された上品さを同時に取り入れ、偶然のつながりと実用的な仕立てからなる、楽しいスタイルを目指している。女性らしい強くて大胆なアイデア、シェイプと使用する素材、そしてクオリティーに対する強い信念が、メリル ロッゲのブランドアイデンティティーだ。過去への真の愛情を込めた前進的なスタイルを創るメリルは、スタンダードや反復よりも自己の主張を好むような、自由奔放な考えを持った女性をドレスアップする。

Meryll Rogge

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