ファド ディストーションは、これまでバッグやアクセサリーなどの小物アイテムを中心に展開してきたが、23年春夏シーズンより、新たにニットウェアのコレクションを始動した。
ノスタルジーとコンテンポラリー、両方の空気感を併せ持ち、感情の琴線にふれる表現を追求。
シャーリングやスモッキングなどのテクニックをニット独自の手法に置き換えてソリッドに表現し、ハイゲージニットを中心に、国内の糸と工場で生産する。
混沌とした難しい現代社会においても、外界に一歩踏み出し、よりプレイフルに、より自由に過ごし、強いマインドを持つきっかけとなるようなブランドを目指す。
コレクションテーマのウェーブモーションは、スペインの現代芸術家であるミケル・バルセロのアートワークが放つ、ほとばしる感情とエネルギーのうねりに感銘を受けたことがイメージソースとなった。
ウェーブ柄のニットワンピースはソリッド糸、ブークレ糸、光沢糸の3種の糸をボーダー状に編み、交互に引き上げて表に見せる編み方でウェーブとドット状の柄表現を施し、今季のテーマを象徴するようだ。
交差編みとリンクス編みを組み合わせた立体感のある地柄編みのモックネックプルオーバーは、天然素材の綿とソロテックスの混紡糸を使用。
綿タッチな肌触りでありながら、表面感がソリッドな仕上がりになっている。
新作のバッグはクリア素材に特殊加工でエンボスを施し、ニットのひと目ひと目の形をイメージしたタブパーツを使用し、手作業で編み上げた。
FAD distortion(ファド ディストーション)
ファド ディストーションは2017 年より、岩田紗苗(いわた さなえ)が個人で手掛けるブランド。
家庭手横編み機で作成したテキスタイルを使用したバッグや小物、クリア素材のイヤリングなどを中心に展開してきたが、23年春夏シーズンより、国内工場とパートナーシップを結び、ニットウェアを新たに始動した。
ブランド名につくディストーションとは、波動のエネルギーを意味し、出会いが振動を起こし、感情の琴線に触れ、より良い波動が伝播する、という意味が込められている。