アカネウツノミヤは、先シーズンからメープルソープの作品を起点にしたコレクション制作を行っている。
デザイナーの蓮井茜は 「フェティシュ」「花」「コラージュ」というキーワードをベースに 「対象物を構図として捉えるメープルソープのアプローチ」に着眼し、服作りへと転換した。
写真から受け取る要素をディテールとして凝縮しながら、素材やデザインを探求することでアカネウツノミヤらしいスタイルへと昇華した。
例えば、今シーズンを象徴するフラワープリントは、長年にわたり蓮井とタッグを組むギリシャ人テキスタイルデザイナー、KLAUS(クラウス)がソープの鮮明な描き方とは対照的にポピーをポップに描き出したもの。
ブランドがオリジナルで開発したリンクルプリーツのガーゼコットンにのり、ワンピースやパンツ、ロングスカートなど様々なスタイルに形を変え、ルックを彩っている。
ブランド初となるAUモチーフのモノグラムプリントは、コラージュ作品の「Untitled,(1967)」からインスパイアされ、クラウスがデザインした。
これも今季を象徴するワンピースやクラシックシャツとして採用された。
また有機的な波と戯れるようにドットが現れるユニークなパターンのキャミソールニットは、ダルメシアンの写真から生まれたものだ。
超長綿と海島綿をミックスした糸で編み上げられた上質さと、遊び心が同居したブランドらしい一品となっている。
パターンだけではなく、素材のバリエーションにもソープの写真は影響を与え、オパール加工により有機的なリズムを加えたシルクウールのツーピースには、優しい色合いのホワイトベージュの生地が重なり合い、肌色をそっと引き立てる。
また一見、レザーのように見えるベストとワンショルダースカートはラミネート加工を施し、洗いをかけた素材でフェティッシュなムードを漂よわせながらも軽やかな着心地になっている。
ルックでは、年代や国籍の異なる2人の女性が、同じアイテムを使った異なるスタイリングで現れる。
アクセントとなっているのは、ブランド初となるレザーベルトで、無骨なシルバーの金具に厚めのレザーで作られたメンズライクなベルトの褐色が、セピアやフィルムのような懐かしくも柔らかなカラーパレットに違和感を残し、新鮮な調和へと導いている。
AKANE UTSUNOMIYA 23年春夏コレクションは、メープルソープの作品からインスパイア
「AKANE UTSUNOMIYA(アカネウツノミヤ)」の2023年春夏コレクションは、主に写真家 Robert Mapplethorpe(ロバート・メープルソープ) の財団「The Robert Mapplethorpe Foundation」に集約される広域にわたる作品群の中から直感的に選んだ写真をもとにコレクションを構築した。
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