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2019.06.07

SMART USENの「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」、第23回のゲストは株式会社デイトナ・インターナショナルの鹿島 研さん

Journal Cubocci編集長の久保雅裕がお届けするSMART USENの「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」。第23回のゲストはFREAK’S STOREでおなじみデイトナ・インターナショナルのCEO、鹿島 研さん。収録を終えてのアフタートークをどうぞ。

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SMART USENの「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」、第23回のゲストはデイトナ・インターナショナルの鹿島 研さん!6月14日(金)ON AIRです



――2018年の青山学院大学での鹿島さんの特別講義は寄付講座ですか?

鹿島 研「そうですね。あれは年1回ペースでやってるんでしたっけ?」

久保雅裕「IFI(一般財団法人ファッション産業人材育成機構)がいろんなゲストを招いて開講している年1回の寄付講座です。僕も法政大学でやったことがありますが、ファッションビジネスの第一線にいる人たちが学生たちに実践的な講義をするという取り組みです」

鹿島「僕はいま57歳ですけど、特にここ3年くらいかな。ビジネスじゃなくて、ファッション業界のために、もっと言うと日本のために何ができるか?っていう大儀みたいな意識が働いてきましたので」

――鹿島さんご自身も、若い世代の学生さんたちと接して得るもの、感じることがあると思うんですが、いかがですか?

鹿島「やっぱり彼らは内在しているエネルギーを持っているし、おもしろいアイデアも持っているということは感じますね。でも、それを表に出してかたちにするプロセスを知らないんですよ。あと、意外といまの若い子たちって変に謙虚過ぎて。夢は持ってるんだけど、アプローチが弱いんだ。“就職して、お金貯めて、3年後か5年後くらいには……”ってね。僕なんか“それ、いますぐやったほうがいいよ!”って言っちゃうんだけど(笑)」

――みんな堅実ですよね。

鹿島「うん、すごく堅実。その点、僕は結構ずる賢いところがあってね。たとえば僕はよくスタッフを連れて食事会を開くんですが、ふつう社員の人は社長との食事会なんて嫌がるもんなんですよ。それはどこの会社も同じだと思うけど、うちはみんな結構ウェルカムな感じがあって。それはなぜか?すごく単純なんだけど、そこにあるいちばん高くておいしいものを僕がご馳走してあげるから(笑)。僕もバイト時代は牛丼とラーメンばっかり食べてたから、たまにバイト先の社長に寿司なんか奢ってもらったりすると“俺、この人にずっと付いていこう!”って気になっちゃうんだよね。でもね、それって、僕はその社員への対価っていうかね、期待しているからそうするんですよ。だからスタッフの子たちによく言うんだけど“きみの彼氏がきみにくれたプレゼントの金額が愛の裏返しだからね”って。まあ、それは冗談だけど(笑)」

――いや、それってある意味真理ですよ(笑)

鹿島「でね、食事会で販売スタッフに“きみは将来どんなふうになりたい?どんな夢があるの?”って訊くわけですよ。そしたら“将来は商品部に入ってバイヤーになりたいです”って言うから、“じゃあ、そのためにどんな努力をするの?”、“繊研新聞を読んで、商品知識を身に付けて……”って感じなんですよ。そうじゃなくて、販売スタッフなんだから、まずはいまの仕事でナンバーワンになって、上の人に名前を覚えてもらって、気に入ってもらいなさい。それが近道だよってね。いまの子は真面目だから、真面目に努力すれば夢に近づくと思ってるんだよね。そうじゃなくて、正しい努力をしなさい。真面目である必要はないんだよって教えてあげますね」

久保「目から鱗って感じなんでしょうね」

鹿島「でも、ビジネスの世界ってそうじゃないですか。経営とかビジネス論ってなにも難しいことじゃなくて、こういう経験とか知恵みたいなことだと思うんですよ。そういうリソースを若い人たちに伝えたいというのがひとつ。もうひとつは、幼稚園とか小学校の評価体系とかシステムを変えたいという思いもあります。僕の同級生に教育畑で仕事をしている優秀なやつがいてね、そいつが言うんですよ。“いまの教育制度は、幼稚園のころの鹿島くんみたいなやんちゃな子を評価する仕組みになっていないから”って。やっぱり詰め込み型の教育は限界だと思うので」

久保「まあ、企業も同じだと思いますよ。評価軸から外れてしまった人をキャッチアップする仕組みはないでしょうから。ファッション業界でいうと、営業上の前比主義みたいな考え方が停滞を生んでるような気がしますけどね」

鹿島「いや、前比主義でも全然構わないし、商売なんだから、むしろ前年比プラスを求めるべきだと思うんですよ。ただし、それには前提があって、努力をすれば前比を伸ばせるマーケットが存在すること。それがないのに前比を追うなんてバカらしい話で。もしマーケットがないんだったら、経営がちゃんとそれを判断して在庫をコントロールするとか、ECを伸ばすとか、違う価値を見つけなくちゃいけないとも思いますね」

――では、ファッション業界に訪れるであろう次のブレークスルーはなんでしょう?あるいは鹿島さんが想い描く未来は?

鹿島「うーん……悲観するわけじゃないけど、このままだとこの業界はもう伸びないかもって思うときがありますよ。だからこそ活きのいい若い会社には頑張って欲しいし、他にはたとえばアパレル各社がホールディングス方式で合併しちゃえば面白いのに――この業界、会社同士みんな仲がいいので――って思います。そしたら年商6,000億くらいにはなるはずなので、がんばってあと4,000億くらい上積みして外資に備えましょうっていう気持ちでね。大手7社くらいが集まって、トップの頭脳が知恵を出し合って、情報を集約したらすごいことになると思いますよ。まあ、単なる妄想ですが(笑)」

久保「数年前の百貨店業界はそうでしたよね。それで成功したかというとまだわかりませんけど、少なくとも合従連衡しなければ潰れている百貨店もあったかもしれませんし。それと同じようなことがアパレル業界にも起こるかもしれませんね」

――さて、デイトナはEARTHMANSブランドのホテル事業にも注力してらっしゃいますよね。栂池なんて本当に素敵なロケーションですが、なぜいまホテルを?

鹿島「なぜって、そりゃ面白いからですよ(笑)。フリークスを作ったときの、地元にこんなお店があったらいいよねっていうのと同じです。こんな空間でステイしたら気持ちいいんじゃないかなっていう提案ですよ。個人的には1泊3,500円のゲストハウスでも長くステイしたいなって思える心地いい宿もあれば、1泊50万円でもすぐに飽きちゃうなっていう宿もあるので、やっぱり価格だけでは居心地のよさって測れないなって思いますよ。ニセコに坐忘林っていう旅館があってね、イギリス出身のショウヤ・グリッグっていうフォトグラファーがオーナーなんですけど、そこに行ったときは久しぶりに頭のなかでカーン!って鐘が鳴ったね。これだ!って(笑)。それくらい素晴らしかったです。ショウヤさんとも会って話をしましたし、彼の撮った写真も見せてもらいましたけど、彼はアイヌの文化に惹かれたそうですが、そういう彼の思想が感じられましたね。アースマンズも同じです。居心地のよさと自分たちのオリジナリティーをホテルという空間でどうやって伝えるかっていう取り組みだと思ってます」

――“LIFE TO BE FREAK”というデイトナのビジョンにも通じるように思いました。朝起きて自分の好きな服があって、それを着て出かけたら気持ちがいいじゃないか?という鹿島さんの思考ってすごくナチュラルですよね。

鹿島「そうですね、わりと単純なことなんです。そういう日常の何気ないことのなかにある気持ちよさ……ファッションもホテルも目指すところは同じですよ」

(おわり)

取材協力/FREAK’S STORE渋谷店
取材・文/高橋 豊(encore)
写真/柴田ひろあき



■鹿島 研(かじま けん)
株式会社デイトナ・インターナショナル代表取締役CEO。1961年生まれ。1986年、茨城県古河市にFREAK’S STORE第1号店を開業。90年、株式会社デイトナ・インターナショナルを設立。2003年、本社を原宿に移転。現在はハウス事業のFREAK’S HOUSE、ホテル事業のEARTHMANS、フード、ギャラリーも手掛けている。

■久保雅裕(くぼ まさひろ)
ウェブサイト「Journal Cubocci(ジュルナル・クボッチ)」編集長。杉野服飾大学特任教授。繊研新聞社在籍時にフリーペーパー「senken h(センケン アッシュ)」を創刊。同誌編集長、パリ支局長などを歴任し、現在はフリージャーナリスト。コンサルティング、マーケティングも手掛ける。







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